小金沢連嶺 富士山に向かって歩く魅惑の山並、甲州アルプス縦断

小金沢連嶺 白谷ヶ丸からの富士展望

山梨県甲州市と大月市にまたがる、小金沢連嶺(こがねざわれんれい)を日帰りで縦走してきました。
小金沢連嶺は、大菩薩嶺の南にある石丸峠から笹子川北岸にある滝子山まで続く、おおむね標高1,700~2,000メートル程の稜線です。全般的に高低差の少ないなだらかな尾根で、この山域の特徴である笹原が広がる好展望の稜線歩きが楽しめます。
最高の秋晴れの空のもと、小金沢連嶺の全行程を日帰りの強行軍で歩いて来ました。

2018年10月21日に旅す。


今回は甲州市が甲州アルプスと言う名称で絶賛売り出し中の、小金沢連嶺を縦断してきました。このルートの特徴は、なんと言っても視界の良い笹原が続く展望の良さです。
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ご当地アルプスの例にもれず、アルペン的な要素は皆無の、どこまでもなだらかな稜線が連なります。

この時は時間が遅くなってしまったこともあり、途中で日和って米背負峠までで縦走を切り上げエスケープしました。そこで今回は、石丸峠から滝子山までの小金沢連嶺全行程を、日帰りで踏破することを目標に歩きます。

天気はこの上ないほどの快晴。富士山に向かって歩く、魅惑の甲州アルプス縦断へと繰り出します。
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コース
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小屋平バス停よりスタートし、石丸峠から滝子山に向かって、小金沢連嶺の稜線を南下します。下山は初狩駅へ下ります。標準コースタイムおよそ11時間の行程です。

10月も下旬となると、17時頃にはもう、日没による強制ゲームセットとなります。明るいうちに下山するには、トレランに片足を突っ込むくらいのハイペースで歩く必要があります。

1.小金沢連嶺 アプロ―チ編 臨時増発便が出ることをアテにして、始発電車で出発

6時10分 JR高尾駅
中央本線方面へのお出かけ時にすっかり定番な、6時14分高尾発の松本行き鈍行列車に乗り込み、甲斐大和駅へと向かいます。
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7時14分 高尾駅から約一時間の乗車時間で、甲斐大和駅に到着しました。照り付ける朝日が眩い。今日は最高のお天気になりそうな予感です。
甲斐大和駅のホーム

さて、栄和交通が公開している大菩薩線の時刻表によると、上日川峠行きバスの始発時刻は8時10分という事になっています。それなのに何故こんなに早くに来たのかと言うと、人数がそろえば時間前であっても臨時便が出ると言う事前情報があったからです。
甲斐大和駅の橋上駅舎
同じ情報を得ているのであろう人達が、早々と行列を作っていました。

甲州アルプスの呼び名を売り出し中のノボリが立っていました。残念ながら、まったく定着する気配が見えませんが。そもそも、全然アルペン的でないですし。
甲州アルプスの登り

かくして事前情報通り、7時30分の時点でバスが1台現れました。7時39分着の電車の乗客を収容したところで出発です。
上日川峠行きの臨時バス

8時20分 小屋平BSに到着しました。
ここまでの運賃は950円です。スイカ・パスモには対応していません。
小屋平BS
臨時便効果で、定期便始発に乗った時よりも40分ほど早く現地入りすることが出来ました。この先に待ち受ける行程の長さを考えれば、40分の差は非常に大きいと言えるでしょう。

2.笹原の広がる爽快な稜線トレイル

バス停の脇で身支度を整え、8時30分に行動を開始します。なお、小屋平にトイレはありません。甲斐大和駅で事前に済ませておきましょう。
小屋平 石丸峠登山口

スタート早々に、笹薮の急登が立ちはだかります。今日歩く全行程の中で、一番急なのは実はここだったりします。
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赤く色づき始めた紅葉が美しい。この時点で標高1,500メートル付近です。この様子であれば、山頂付近で紅葉は大いに期待できそうです。
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15分ほど登ったところで、一度林道に飛び出します。
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早速、富士山がお目見えです。まあ、この後に飽きるほどずっと眺め続けることになりますが。
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いつの間にやらすっかり冠雪して、冬富士の姿になっておりますな。

林道から再び登山道へ入ります。この先はもう傾斜が緩んで、気持ちよく歩ける道となります。
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カラマツ林の中をゆったり登って行きます。昼でも薄暗く陰鬱なイメージが付きまとう杉林とは違って、カラマツ林は道にまで陽の光が届くのが良い感じです。
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朝日を浴びて金色に輝く黄葉が美しい。多くの登山者達が、この場で足を止めてカメラを向けていました。
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ほどなく樹林帯を抜けて、展望の良い笹の稜線へと出ます。
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小金沢連嶺最初のピークである小金沢山(2,014m)が姿を現しました。いい天気だあ。
石丸峠付近から見た小金沢山

振り返ると甲府盆地と南アルプスの山並みが広がります。登山開始から1時間とせずに、この光景にありつくことの出来るこの贅沢さよ。
石丸峠付近から見た甲府盆地

前方に峠が見えてきました。
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9時25分 石丸峠に到着しました。
大菩薩峠界隈の喧騒に比べると、人が少なくとても静かな場所です。それでいて、眺望に関してはまったく引けを取りません。ここは穴場です。
石丸峠

峠から、ほぼ無名に等しいマイナピークである天狗棚山へ向かって登って行きます。
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途中に牛ノ根通りとの分岐地点があります。牛ノ根通りもまた、小金沢連嶺に負けず劣らずの長さを持つ長大な尾根道です。
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天狗棚山の頂上が見えてきました。山頂標識すらないような縦走路上の小ピーク扱いを受けている山ですが、この山からの眺望は素晴らしいものがあります。
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目の前に立ちはだかるは小金沢山。小金沢連嶺と言う名称のもとにもなっている、連嶺の主峰です。
天狗棚山から見た小金沢山
小金沢山に遮られてしまうため、ここからは富士山の姿を見ることはできません。おそらくはそれが、この山をマイナピークの地位に留めてしまっている原因でありましょう。しかしながら、富士山以外の眺望はすこぶる良好です。

西側の眼下には、大菩薩湖とその背後に広がる甲府盆地を一望できます。
天狗棚山から見た甲府盆地
そうそう。普段は風景撮りがメインという事もあって、広角側に偏ったレンズばかり持ち歩いておりましたが、最近高倍率ズーム(タムロンの28-300mm)を手に入れたので、持ってきてみました。

と言うことで、早速ズームしまくって遊んで見ることにしましょう。

甲府盆地を拡大。特にこれと言ったランドマーク的な建物がないため、どこに何があるのかはよくわかりません。
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こちらは南アルプスの白根三山。右から順に北岳(3,192m)、間ノ岳(3,189m)、農鳥岳(3,026m)です。北岳と間ノ岳はすでに冠雪しています。
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こちらは南アルプス南部の山々。同じく右から悪沢岳(3,141m)、赤石岳(3,120m)、聖岳(3,013m)です。
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みんな大好き甲斐駒ヶ岳(2,967m)。この山はどの角度から見てもイケメンです。
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南アルプスの女王陛下こと仙丈ケ岳(3,033m)。左には地蔵岳(2,764m)のオベリスクも見えています。
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これは奥秩父の金峰山(2,599m)ですね。山頂にある五丈岩のおかげで、山座同定が実に容易です。
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さあ続いて今度は、反対の東側を見てみましょう。奥多摩の山並みの向こうに首都圏中心部の街並みが広がっています。
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奥多摩三山の山並み。右から三頭山(1,531m)、大岳山(1,266m)、御前山(1,405m)です。
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奥多摩湖がちょこっとだけ見えました。
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地平線のかなたに見えるこちらの山は、関東地方きっての名峰、筑波山(877m)です。周囲に高い山が無いためか、とても1,000メートル未満の山とは思えない貫禄があります。
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遠目にも一目でわかる東京スカイツリー。肉眼ではただの棒のようにしか見えていませんでしたが、最大までズームしたらこんなにくっきりと写っていました。
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いやはや、山の上で望遠レンズを使うのがこんなにも楽しいとは、思ってもいませんでした。今後はもっと、積極的に活用して行こうかと思います。

さあ、お遊びはこれ位にして、ボチボチ先へと進みましょう。なにせ、本日の行程はまだまだ始まったばかりなのですから。
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小金沢山本体に近づくと、道は樹林帯の中へと入ります。眺望はしばしの間お預けです。
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基本は尾根沿い進みますが、一部に踏み跡が不明瞭な場所もあります。目印のピンクテープが張られているので、見逃さないように良く周囲を観察して歩く必要があります。
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天狗棚山から見た小金沢山は、割とすぐそこにあるように見ていましたが、意外と距離があります。この付近は北側の日陰であたるため昼間でも薄暗く、ひんやりとした寒々しい空気が立ち込めています。
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森の中に差し込む陽の光が、アートのような光景を作り出していました。
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薄暗い森を抜けて、ようやく山頂が見えてきました。
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10時35分 小金沢山に登頂しました。
この場所は甲州市と大月市の境界であり、同時に大月市の最高地点でもあります。
小金沢山の山頂

オオツキ大月の最高地点に立つ。
ここぞとばかりのドヤ顔を決めておりますが、特にと言うか全く意味はありません。
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山頂の様子
樹林に囲まれたこじんまりとした山頂です。南側だけ視界が開けています。
小金沢山山頂の様子

小金沢山は、大月市が制定した富士展望に優れた山の称号である、秀麗富嶽十二景に選ばれています。この通り、富士山の展望は抜群です。
小金沢山からの富士展望

こちらはお隣の雁ヶ腹摺山(1,874m)です。小金沢山と同じく、秀麗富嶽十二景に名を連ねる一座です。そもそも、この付近にある山からは基本どこからでも大概は、富士山が良く見えますけれどね。
小金沢山から雁ヶ腹摺山

3.以外な場所にある日本一の頂

まだまだ先は長いので次へ行きます。小金沢山が本日の行程の最高地点であるため、多少の登り返しはあるものの、この先は基本的に下り基調となります。
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素晴らしき展望のトレイルが続きます。左に見えているのが、縦走路の次なるピークである牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)です。なんでも、日本一長い名前の山なのだとか。
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ときより現れる紅葉が、良い感じに色づいておりました。東北地方の山のような、山一面が真っ赤になるような派手さこそはありませんが、ホント良い色をしています。
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小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ至る区間には、高低差がほとんどありません。ほとんど水平移動のような、楽な道のりです。
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鼻歌交じりに気持ち良く歩いているうちに、あっさりと山頂が見えてきました。
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11時20分 牛奥ノ雁ヶ腹摺山に登頂しました。
何の苦労もなくあっさり日本一の頂に登頂です。ローマ字の山名表示が凄い密度になっておりますな。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂

山頂の様子
小金沢山と同様に、南側のみ展望が開けています。マイナーなエリアであるにも関わらず、驚くほど多くの登山者が休憩していました。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山 山頂の様子

再び秀麗なる富嶽のお時間です。日本一から眺める日本一は、まあなんと言うか、小金沢山からの景色とあまり変わり映えはしませんな。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの富士展望

富士山だけをピックアップ。やはり富士山は山梨県側から見たときの姿が最もシンメトリックですね。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの富士展望

こちらが縦走路の次なるピークである黒岳です。その名が示す通りの、針葉樹に覆われた黒々とした姿をしています。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山から見た黒岳

4.心折設計な黒岳への道のり

黒岳に向かいます。縦走路はここで一度大きく高度を落とします。
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ここまでの熊笹にかわって、ここから先は沿道にススキの姿が目立ち始めます。
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ススキに覆われた急勾配の斜面を一気に下ります。意外とエグイ傾斜です。逆向きに歩く場合だと、山頂直下の登りは結構きついかもしれません。
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下りきったあとは当然登り返しです。縦走登山とはそう言うものです。
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所々にポツポツと現れる紅葉が実に美しい。思わず何度も足を止めてしまいます。
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川胡桃沢ノ頭(かわくるみさわのあたま)とよばれるピークを通過します。ここを超えると、いよいよ遠目にも黒々としていた黒岳の懐へと踏み入ります。
川胡桃沢ノ頭

再び展望のない樹林帯の中に入りました。道は基本的にずっと尾根沿いです。
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夏の終わりごろに立て続けに襲来した台風の影響なのか、倒木の姿が多く目につきました。
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川胡桃沢ノ頭から黒岳までは、結構な距離があります。もう付いたかなーと思うと偽ピークだった、を幾度となく繰り返すなかなかの心折設計な道です。
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大峠への分岐地点が現れたら、山頂はもう間もなくです。
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12時25分 黒岳に登頂しました。
ここにも意外と人が多くて驚きました。前回訪問時なんて、貸し切りだったんですけれどね。小金沢連嶺はいつからこんな人気の場所になったのでしょう。
黒岳の山頂

山頂の様子
周囲をぐるりと深い森に取り囲まれており、眺望は全くありません。
黒岳山頂の様子

黒岳山頂からから10分ほど進んだところに、好展望地の白谷ヶ丸があります。ですので、休憩を取るのはもう少し我慢してそのまま素通りすることをお勧め致します。
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謎多きの表札、やまなしの森林100選を発見。何故か個人的に気になって気になってしょうがない存在です。だれか、100ヵ所すべてをコンプリートしたと言う方はいらっしゃいますでしょうか?
黒岳のやまなしの森林100選

前方に絶景の予感。
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5.知る人ぞ知る穴場の好展望地、白谷ヶ丸からの展望

森から出るなり、一挙に前方の視界が開けます。この光景には、事前情報もなしに訪れた人は、さぞ驚くのではないでしょうか。
白谷ヶ丸からの展望

12時35分 白谷ヶ丸に到着です。
ここは独立したピークと言うよりは、黒岳の山腹にある草原状の場所と行った感じの場所です。
白谷ヶ丸の山頂

北側を除く東西南3方向の展望が開けます。こちらは西側の展望。
白谷ヶ丸から見た甲府盆地

こちらは南側の展望。道志、御坂山塊が広がります。左奥には丹沢の山並みも見えおりますな。
白谷ヶ丸から見た郡内地方

そして東側の首都圏方面の眺望。時刻はすでに正午を回っていると言うのに、雲一つありません。パーフェクトな快晴です。
白谷ヶ丸から見た都心方向の展望

再び高倍率ズームをつけて遊んでみましょう。まずは正面、富士山のどアップ。もうすっかり冬の装いですね。
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北西の彼方に八ヶ岳が見えたので最大ズームしてみました。左から順に編笠岳、権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳、天狗岳です。
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正面に見えているこの立派な二つの山は左が御正体山(1,681m)で右が杓子山(1,598m)です。同志山塊と言う極めてマイナーなエリアの山です。
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眼下に目を向けてみましょう。これは九鬼山(970m)の山腹を貫く、山梨リニア実験線です。
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これはおそらく猿橋駅付近だと思われます。なお、大月駅は手前の山に遮られて、ここからでは見えません。
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首都圏方向を覗くと、東京湾とその向かいの房総半島までもが薄っすらと見えました。右のほうにランドマークタワーと思しきものが写っているので、おそらくは横浜付近の光景です。
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鉄板の構図、松と富士。
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あまり名の知られていない場所ですが、この通り白谷ヶ丸は最高です。ここだけを目当てに登ってきても、絶対に後悔の無い場所だと自信をもって断言します。

6.南小金沢連嶺の穏やかなる稜線歩き

13時10分 写真撮影が捗りすぎて、少々長居しすぎてしまいました。行動を再開します。
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日没ゲームセットまでもうあまり時間が残されていないと言うのに、先ほどから全然急げていません。こんな調子で、本当に今日中に滝子山まで歩き切ることが出来るのでしょうか。

前方に見えている平坦な尾根が、小金沢連嶺の後半戦です。間にある湯ノ沢峠が、縦走路のちょうど中間地点と言ったところです。
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・・・つまり、まだ半分にも達していないという事です。少しばかり先を急がないといけませんねえ、これは。

湯ノ沢峠に向かって大きく高度を落とします。しばらくの間、笹を刈り払っただけの急坂が続きます。
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眼下に見える草原状の場所は、湯ノ沢峠のお花畑です。峠まで下りきった後に、あの場所を越えて行きます。
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先を急いでいると言いつつも、こんな光景に出くわすと、ついつい足が止まってしまいます。
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やはりカエデこそが紅葉の王道ですよね。ただただ綺麗だと言う、ありきたりな感想しか浮かんできません。
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傾斜が緩んできたら、峠はもう間もなくです。
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13時30分 湯ノ沢峠に到着しました。
ここから林道経由で、やまと天目温泉へと下ることが出来ます。ここまでで縦走を切り上げるのが、最も一般的な行程です。
湯ノ沢峠

だがしかし、私の目標はあくまで小金沢連嶺の完全踏破であります。という事で、このまま後半戦へと突入します。
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鹿よけのゲートを潜って、お花畑の中へと進みます。
湯ノ沢峠お花畑の鹿よけゲート

当然ながら、今の季節には一輪も咲いてはいません。初夏の花の季節にも一度訪問してみたいと思いつつ、未だその機会を得られていません。
秋の湯ノ沢峠お花畑

花に代わってこの季節に主役を務めているのはススキです。風になびく稲穂の群れが美しい。
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大蔵高丸に向かって登り返します。小金沢山や黒岳でもそうでしたが、陽の差さない北側斜面の樹林は、どこも寒々しい感じがします。
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寒々しい樹林の坂を登りきると、再び視界の開けた笹原に出ました。
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14時5分 大蔵高丸に登頂しました。
またしても秀麗富嶽十二景です。実は小金沢連嶺上だけでも、全部で5座あったりします。
大蔵高丸の山頂

という事で、こちらが秀麗富嶽十二景NO3の実力です。先ほどからずっと、あまり変わり映えのしない光景が続いておりますが、まあ確かに秀麗です。
大蔵高丸からの富士展望

お次のピーク、ハマイバ丸に向かいます。白谷ヶ丸から遠巻きに見えていた通り、この先はほとんど高低差の無いなだらかな道がしばらく続きます。
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ススキと灌木に囲まれた開放的な道です。このコースは本当に歩いてきて気持ちが良い。
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左手には北都留三山の山並みが見えます。
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振り返って見た黒岳。山腹の禿山状態になっている場所が白谷ヶ丸です。
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ほどなく山頂が見えてきました。
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14時30分 ハマイバ丸に到着しました。

大蔵高丸からここまで、どこまでも穏やかなる稜線歩きでありました。山歩きの喜びと楽しさとが凝縮されているかのような道です。

ハマイバ丸の山頂

漢字で書くと物々しい破魔射場丸。
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ハマイバ丸の紅葉は、これまでとは違った赤一色です。ここまで色が濃いと、ちょっと毒々しい感じがしますかね。
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再び秀麗富嶽十二景NO3のお時間です。まあ、ここまでの道すがらずっと見えていたので、何が何でもここから眺めなければいけないものでもないですかね。
ハマイバ丸から見た富士展望

7.夕闇が迫る中、縦走路最後の山へ

さあいよいよ、この長かった縦走路も終盤戦へと入ります。ゴールの滝子山がようやく視界内に収まりました。こうして見ると、まだまだ結構遠いいんですね。。
ハマイバ丸から見た滝子山

米背負峠に向かって高度を落として行きます。
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ここで思わずギョッとするような急勾配の坂に行き当たりました。この斜度でロープすらないとは恐れ入ります。濡れていたら通行不能になりそうな傾斜度です。
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これは天下石と呼ばれる呼ばれる謎の石です。どの辺が天下なのか何の説明もありません。
天下石

樹林帯に入ったら峠はもう間もなくです。
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15時10分 米背負峠に到着しました。
ここからも林道経由で、やまと天目温泉へエスケープできます。前回の訪問時はここまでで縦走を切り上げました。
米背負峠
時刻はすでに15時過ぎ。今から滝子山を目指すとなると、日没までに下山するのは不可能となります。今回もここで日和ってエスケープすべきか。

否!今回は日和りません。
「引かぬ、媚びぬ、顧みぬ」と、某聖帝のような掛け声と共に行動を続行します。
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初めて歩く道であれば、このままおとなしく退散したところではあります。ですが、滝子山には過去に何度か登ったことがあり、下山路の地形も良く分かっているので、ヘッドランプ下山でも問題なかろうと判断しました。

真横から差し込む光に多少の焦りを感じつつ、大谷ヶ丸への登り返しを駆け上がります。
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15時30分 大谷ヶ丸に登頂。
この通り展望も何もない、言わばただの通過地点です。という事で、到着早々にそのまま通り過ぎます。
大谷ヶ丸の山頂

いよいよ縦走路最後の山である、滝子山の名が道標上に現れました。大谷ヶ丸からの標準コースタイムは1時間10分ほどです。
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大谷ヶ丸から滝子山までの道は、踏跡がかなり不明瞭です。倒木の影響も大きく、非常に道迷いが発生しやすい状態となっています。
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言っている矢先から、ルートをロストしました。道はどこだー。
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迷ったら尾根に上がれのセオリーに従うと、割とあっさりとルートに復帰できました。目印のピンクテープもほとんどありません。足元に全神経を集中し、踏跡の気配を感じなが進みます。
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見覚えのある場所に飛び出しました。
滝子山 鎮西ヶ池

源為朝が自刃して果てた地であると言う伝説が残る、鎮西ヶ池です。それはつまり、滝子山登山のメインルートと合流したという事です。
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メジャールートと合流したことにより、踏跡は明瞭なものになりました。メジャールートと言っても、そもそも滝子山自体がマイナーな山ですけれどね。
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山頂直下最後の登りです。長かった縦走登山も、いよいよ最後の瞬間を迎えます。
滝子山山頂直下の急坂

16時20分 滝子山に登頂しました。
小金沢連嶺の完全縦走を達成しました。いやはや、下り基調とは言えど、ひたすら長い道のりでありました。
滝子山の山頂

山頂の様子
細長い回廊状の山頂です。あまり広くはなく、人が多い時だと休憩場所を探すのに難儀します。当然ながら、この時間帯には人っ子一人居はしませんがね。
滝子山山頂の様子

山頂から望む、黄昏時の富士。本日は最後の最後まで雲がかかることもなく、完全な姿を晒し続けてくれました。
滝子山山頂からの富士展望

月が出た出た~月が出た(ヨイヨイ)大月市の上に出た♪
・・・はいスミマセン、言ってみたかっただけです。特にと言うか、まったく意味はありません。
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ここまで歩いてきた小金沢連嶺の山並みを振り返る。見えているのは左から順に大谷ヶ丸、大蔵高丸、黒岳、雁ヶ腹摺山です。小金沢山は、黒岳に阻まれてここからでは見えません。
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8.小金沢連嶺 下山編 ナイトハイクの楽しさは理解できません

16時35分 下山を開始します。
下山は比較的安全なルートである初狩駅方面へ向かって下ります。
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「もうどうせヘッドランプ下山が確定なんだから、このまま夕焼けを眺めて行こうぜ」という悪魔のささやきが脳内で聞こえた気もしますが振り切ります。

滝子山の山頂直下は割と急峻なので、まだ明るさの残っているうちに、なんとか檜平までは下ってしまいたという判断からです。

夕闇の迫る中を、黙々と下って行きます。
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17時10分 檜平まで下って来ました。
ここまで下りてくれば、もうこの先に危険地帯と呼べる場所は存在しません。
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富士山の姿もこれで見納めです。
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ここで遂にタイムオーバーです。ヘッドランプを点灯します。「たしか途中で尾根から外れるよね」などと考えつつ、ゆっくりとした足取りで下って行きます。
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ところで、熊というのは夜行性の動物なんでしたっけか。

どうやら記憶は正しかったらしく、途中で尾根から外れて谷底への降下が始まります。
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谷間の杉林には月明かりすら届かず、完全なる漆黒の世界です。仮にもし、今この場で全電源を喪失してしまったら、夜明けまでその場にうずくまって動かずに過ごすしかないでしょうな。
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時より月明かりが差し込むと、無性にホッとします。愛好家の方には申し訳ありませんが、ナイトハイクの一体何が楽しいのか、私にはまったく理解不能です。
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谷底まで下ると今度は沢筋の道になります。踏み外さないように、とにかく足元に注意です。
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18時50分 滝後山の山頂から2時間以上かかって、ようやく登山口まで下ってきました。ヘッドランプ下山は、何度経験しても慣れると言うことは無く緊張しますな。
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何度もヘッドランプ下山を経験してしまっていると言う時点で、私の登山計画立案能力がまるでなっていないことの証となってしまう訳ですが。

そもそも、ヘッデン上等な登山計画なんて立てては駄目なんですよ。

登山口に着いたとは言っても、まだ終わりではありません。街灯の無い林道が続くので、もうしばらくはヘッドランプ下山が続きます。
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ようやく、街灯というこの偉大な文明の光が届く場所まで下ってきました。
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19時30分 初狩駅に無事到着です。
小屋平からここまで、歩くも歩いたりおよそ25kmの全行程が完了しました。
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降りてきたタイミングが良かったらしく、ほとんど待ち時間もなく現れた電車に乗って、スムーズに帰宅しました。
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かくして秋の小金沢連嶺縦走は、大満足の内に幕を下ろしました。
もっとも、色々と反省すべき点もある山行きではありましたが。行動時間が10時間を超えるような計画であったにもかかわらず、写真撮影にかまけてゆっくり歩きすぎました。滝子山まで行くのであれば、もっと迅速に行動すべきでした。
小屋平スタートであればきつい登りもほとんど存在せず、展望雄大なる稜線歩きを非常にお手軽に楽しむことが出来ます。滝子山まで歩く必要などはまったくなく、湯ノ沢峠までで縦走切り上げても、十分にこの山並みの素晴らしさに触れることが可能です。
富士山に向かって歩く魅惑の山並み小金沢連嶺を、あなたの山行き計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。きっと大満足できることと思います。

<コースタイム>
小屋平BS(8:30)-石丸峠(9:25)-天狗棚山(9:35~9:50)-小金沢山(10:35~10:50)-牛奥ノ雁ヶ腹摺山(11:20)-黒岳(12:25)-白谷ヶ丸(12:35~13:10)-湯ノ沢峠(13:30)-大蔵高丸(14:05)-ハマイバ丸(14:30)-米背負峠(15:10)-大谷ヶ丸(15:30)-滝子山(16:20~16:35)-檜平(17:10)-滝子山登山口(18:50)-初狩駅(19:30)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. しょうへい より:

    いつも楽しく拝見させていただいてます。天気のいい日に小金沢連嶺稜線歩きをするのは気持ちよさそうですね。富士山もきれいにみえますし。行ってみたくなりました。

  2. オオツキ より:

    しょうへい様
    コメントを頂きましてありがとうございます。
    小金沢連嶺はとても満足度の高い良コースだと思います。気になっているのであれば、是非とも訪問してみてください。
    12月の2週目以降になると、大菩薩線のバスが冬期運休期間に入ってしまうので、訪問時期にはご注意ください。

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