静岡県と山梨県にまたがる富士山(ふじさん)に登りました。
言わずとも知れた標高日本一の山です。夏の始め頃まで残雪が残る富士山の登山シーズンは非常に短く、7月頭から9月の中旬ごろまでとなります。この短いシーズン中に数多くの登山者や観光客が押し寄せ、登山道は毎年大混雑します。中でもご来光見物を目的に夜通しで登る、いわゆる弾丸登山と呼ばれる山行を行う人は多く存在し、様々な問題も発生しています。
大混雑するのは承知のうえで、晴れの週末に弾丸登山スタイルで登って来ました。
2023年7月29~30日に旅す。
時は記録的な猛暑日が続いていた令和5年7月の終わり。自身にとって7年ぶりとなる富士山に登って来ました。今回は夜中に出発して夜通し登り山頂からご来光を拝む、いわゆる弾丸登山と呼ばれているスタイルでの山行きです。
真っ暗な中を登ってもツマランだろうと思いこれまで弾丸登山を敬遠していたのですが、しかし何事も一度くらいは体験しておくべきかと思い直して登って来ました。
そこで待ち受けていたのは、ご来光目当ての登山者達によって大渋滞した登山道です。相当混雑するらしいことは話に聞いていましたが、想像を上回る光景が目の前で繰り広げられていました。
だいぶ時間の余裕をみて出発したつもりだったのですが、想像していた以上の大渋滞につかまり、危うく日の出時刻に間に合わなくなるところでした。
なんとか日の出には間に合いご来光を拝むことは出来ましたが、あまりの人混みに閉口させられた一日でした。慌ただしき富士山弾丸登山の記録です。
コース
富士スバルライン5合目からスタートして山頂へ。山頂でご来光を拝んだのち、最高地点の剣ヶ峰に登頂します。登頂後はお鉢巡りをしてからスタート地点に戻ります。
山梨県側から登る富士山登山としては、最も一般的な行程です。
序章 弾丸登山は危険なのか
1.そもそも弾丸登山とは何か
弾丸登山という言葉は、いつごろから使われるようになったのでしょうか。
この言葉の正確な定義は不明ですが、一般的には一泊して歩くのが妥当と思われる行程を日帰りの強行軍で登る様な山行きスタイルの事を指す言葉として使用されます。
話を富士山登山に限定すると、山頂からのご来光の見物を目的に、夜中に5合目を出発して夜通しで登るスタイルの事を弾丸登山と称することが多いようです。昼間に歩く普通の日帰り登山の事は、あまり弾丸登山とは言いません。
「弾丸登山」というキーワードでインターネットを検索してみると、否定的な内容の検索結果ばかりが表示されます。曰く弾丸登山は危険な行為であり遭難事故も多発している。決して行うべきではないと。
富士山の弾丸登山は危険なのでしょうか?具体的に何が危険なのか、少し検証してみましょう。
2.富士山登山の危険要素とは
純粋な登山の難易度として見た時、夏富士に特にこれと言った危険要素は存在しません。富士山の登山道は大変よく整備されており、シンプルに真っすぐ登って真っすぐ下りて来れば良いだけの行程です。
登山口からの標高差は、山梨県の吉田口5合目からはおよそ1,500メートル。静岡県の富士宮口5合目からなら、およそ1,400メートルです。
決して楽であるとは言えませんが、日帰り登山として見た時にそこまで非常識とは言えない標高差です。実際、もっと累計標高差の大きな山はいくらでも存在し、日帰りで登られています。
富士山固有の懸念事項としてあげられるのが、その標高の高さゆえの高山病リスクです。人によって個体差はありますが、標高3,000メートルを超えてくると、大半の人は何らかの不調を感じることでしょう。
かく言う私自身も、登山が趣味なくせに高度順応性はあまり高い方ではなくらしく、3,000メートル級の山に登るとほぼ毎回頭痛に見舞われます。
高山病は端的に言うと酸欠によって引き起こされる症状なので、対処方法としては意識してゆっくりと息が上がらないペースを維持して歩くことです。
弾丸ではなく山小屋に一泊して登れば高山病になるリスクを減らせるのかと言うと、案外そうとも言えません。
人間は睡眠中に呼吸が浅くなります。あまり標高の高い地点で眠ってしまうと、酸欠状態がさらに進み高山病の症状が悪化する可能性があります。
実際、私が過去に体験した高山病の中で一番惨い症状に見舞われたのは、標高2,900メートル地点にある北岳山荘に宿泊し、山小屋に到着するなりうたた寝をしてしまった時でした。
空気の薄い場所に長く留まれば留まるほど、高山病のリスクは増加します。それを考えると、富士山登山中は仮眠を一切取らず、ゆくっりと歩き続ける方が高山病にはなり難いと思います。
とは言っても、日帰りで登り切れる体力に自信がないのであれば、好む好まざる如何に関わりなく山小屋に泊まるしかない訳ではありますが。
ああちなみに、登山用品店などで売られている酸素缶は、容量が小さすぎて高山病対策としてはまったく意味がありません。むしろ余計な荷物とゴミが増えるだけなので、騙されて買わないように気を付けてください。
もう一つの富士山ならではの危険要素としては、独立峰であるが故に荒天時に風雨の影響を受けやすい点があります。
富士山は5合目の時点からすでに森林限界を超えています。風雨を遮るものが一切ない場所で天候が荒れた時、どんな酷い目に合うのかは容易に想像が付くところでしょう。
しかし、晴れてさえいればどちらかと言うと危険要素の少ない山であるとさえ言えます。
登山道上に日光を遮るものが一切ないため、晴天時の日中であれば始めから容赦のない直射日光がギラギラと降り注ぎます。
それを考えると、陽射しがなく涼しい夜のうちに登ってご来光を拝み、そのまま下山する弾丸スタイルの山行きには、ある種の合理性がある様にも思えます。
しかし現実問題として、弾丸登山にまつわるトラブルは後を絶ちません。遭難事故も多く発生しています。その理由は一にも二にも、富士山という山がもつ特殊性に起因しています。
3.富士山に登るのは、普段から登山する習慣をもつ人だけではない
富士山は言わずと知れた日本一の山です。
一生に一度くらいは富士山に登ってみたい。こうした想いは、普段から山登りをする習慣のあるなしに関わりなく、一定数の人の心に芽生えるものなようです。
富士山の短い登山シーズン中、実に様々な人々が日本一の頂に立つことを夢見て続々やって来ます。その中には、登山どころか普段はまともな運動の習慣すらほぼないような人までもが数多く含まれています。
そして、なんの準備も無しに短パンTシャツ姿のまま山頂を目指して歩き始めます。それの何が問題なのかも理解しないままに・・・
弾丸登山にまつわるトラブルはそれこそ枚挙にいとまがありませんが、最も多いのが疲労です。純粋な体力不足により、途中で身動きが取れなくなってしまうケースですね。
続いて多いのが低体温症です。山では標高が100メートル高くになるごとに、気温は0.6度下がると言われています。標高が3,776メートルある富士山では、単純計算で麓よりも20度以上気温が低いことになります。
最も気温が低くなる夜明け直前の時間帯には、気温は一桁台まで下がります。風が強ければ体感温度は氷点下まで下がることもあるでしょう。
この辺りの事情を知らずに軽装備のまま登って来てしまい、日の出を待つ間に凍えて身動きが取れなくなってしまうケースが多いようです。
でもそれって、弾丸登山が問題なんですかね?発生している問題の多くは、主に準備不足に起因しているように思えます。
言い方を変えると、しっかりと準備さえしていれば、弾丸登山は特に危険ではないというのが、私個人の感想です。
と言う事でここからは、安全に弾丸登山を行うための準備について述べて行きます。
富士山弾丸登山 準備編
1.晴れの日に登りましょう
これは当たり前な話ですよね。雨の中を延々と登ったところで辛いだけで何一つ楽しことはないし、そもそもガスっていたらご来光が見えません。
景色なんかどうでもいい。富士山の頂に立さえすれば良いんだ。その日にしか休みを取れないんだ。どうしてもその日に登る必要があるんだ。
などの事情があるのならまあ止めはしませんが、普通に考えれば天気が荒れる予報が出ている日に登るべきではありません。
その点弾丸登山であれば、中止の決断はしやすいのではないかと思います。悪天候を押しての強行軍は、どちらかと言うと山小屋の予約を取ってしまっている時にやってしまいがちな行動ですから。
2.寒さ対策をしましょう
先ほども少し触れましたが、夜明け前の富士山山頂はとても冷え込みます。厳冬期の冬山登山並みの格好までしたら流石に少しやりすぎですが、晩秋の時期に日帰り登山する時の服装を想定しておくとちょうど良いくらいだと思います。
またご来光待ちで山頂に長時間停滞する場合は、さらなる防寒対策が必要です。フリースかダウンに、ニット帽やネックウォーマー、手袋などもあった方が良いと思います。
逆に、暑さ対策についてはそこまで神経質にならなくても大丈夫です。今回私は水を3L担いでいきましたが、最終的に少し余りました。かなり割高ではありますが、足りなければ現地での調達も可能です。
3.頭痛薬を用意しましょう
高山病には様々な症状がありますが、特に顕著なのが頭痛です。これに対処しないと、やがては吐き気を誘発して身動きが取れなくなります。何らかの頭痛薬を用意しておきましょう。
ちなみに私は、山に行くときは必ずロキソニンを常備しています。これは高山病対策のみならず、負傷により身動きが取れないような事態に陥った時への備えでもあります。
また、食欲が減退して固形物を受け付けなくなることもあるので、行動食としてゼリー飲料なども用意しておくと良いと思います。これなら最悪、頭がガンガン痛い状態でもなんとか飲み下せますからね。
4.時間には十分な余裕を持ちましょう
日の出直前の時間帯の富士山山頂は、それはもう大変混みあいます。一度渋滞にはまれば後はノロノロペースで進むしかなく、標準コースタイム通りのペースを維持することは不可能です。
結局ご来光には間に合わず、山頂ではなく登山道の途中から見ることは往々にして良くあるようです。山頂から見たかったら、十分な余裕を見て5合目を出発しましょう。
今回私は21時30分にスバルライン5合目を出発しましたが、それでも日の出時刻には結構ギリギリでした。
5.酸素缶は必要ありません
大事な事なので二度言いますが、酸素缶には何の意味もありません。買う必要はないし、もう既に買ってしまったと言う人は家に置いて行ってください。
しかしここまで書いていてふと思ったのですが、そもそも準備らしい準備もせずに富士山に登ろうとしてしまう人が、この記事を読むことは恐らくない無いんだろうな・・・
富士山弾丸登山本編
1.富士山登山 アプローチ編 路線バスで行く、富士山5合目への旅路
7月29日 15時19分 JR高尾駅
本日の登山計画はそもそも夜中に歩くと言う事で、正午を回ってからのゆったりとした始動です。
大月駅で富士急行線に乗り換えます。これから出かけるにしては中途半端な時間だと思うのですが、車内はそこそこ混雑していました。早出が基本と言う常識は、登山者ではない観光客には適用されないのだろうか。
17時11分 富士山駅に到着しました。富士スバルライン5合目行きのバスは河口湖駅も通りますが、始発は富士山駅です。
目指す富士山には中腹付近に雲がまとわりついていました。頭の方は見えているし、晴れていると言ってしまっても差し支えはなさそうな天気です。
富士山登山における最も重要な要素と言えるのは天気です。天気によっては天国にも地獄にもなりえます。少しでも天候が怪しくなる予報が出ている時は、素直に日をあらためましょう。強行しても良いことは一つもありません。
遠方から来てしまったと言う人は、富士急ハイランド辺りで遊んで帰ってください。
17時30分発のスバルライン5合目行きのバスに乗車します。5合目行きのバスはこの時間が最終便です。交通系ICカードにも対応していますが、お得な往復券がバス切符売り場で買えるので、列に並ぶ前に買っておきましょう。
世界遺産に認定されたことにも関係があるのか、排ガスの出ない電気バスによる運行です。
富士山駅を出発した時点では少し空席もありましたが、河口湖駅から大勢の乗客が乗り込み車内は満員状態となりました。
果たしてこの乗客のうちの何人が、いわゆる弾丸登山をするつもりでいるのでしょうか。短パンにスニーカーという格好の人もチラホラといます。
18時40分 スバルライン5合目に到着しました。下界とは明らかに違うひんやりとした空気が出迎えてくれました。これからさらに冷えてゆくのですけれどね。
2.5合目で時間つぶしをする
バスが到着したのは、ちょうど夕日が沈みつつあるタイミングでした。ご来光を見にやってき来たのに、夕焼けまで見られるとは思っていませんでした。
今から地球がくるっと一回転して再び太陽が出てくるまでの間に、富士山の山頂に到達しようと言う訳ですな。長い夜になりそうです。
富士山の山頂が夕日に照らされて、オレンジ色に染まっていました。
ちなみに現在地から山頂までの標高差は、おおよそ1,500メートルほどあります。これをキツそうと思うか大したことないと思うかは、あなた次第です。
時刻は間もなく19時間になろうとしていますが、5合目には驚くほど多くの人がまだ残っていました。
河口湖駅へ降りる路線バスの最終便はもう出発してしまっていますが、今ここにいる人々はこの後どうやって下山するのだろうか。路線バスはもうありませんが、観光ツアーバスか何かできているのかな。
富士スバルライン5合目から富士山山頂までの標準コースタイムは、おおよそ6時間ほどです。すぐに出発して山頂にあまり早く着き過ぎてしまっても、寒いし空気は薄いしで良いことはありません。そのため、5合目で時間調整を行う必要があります。
ただあまりゆっくりし過ぎると、今度は山小屋に宿泊した人たちと鉢合わせになって渋滞に巻き込まれる可能性があります。出発時間は早すぎても遅すぎてもダメだと言う事です。
何時ごろに5合目を出発するのがベストなのか。日によって混雑状況は異なるため、この辺はもうカンを働かせるしかありません。
何はともあれ時間つぶしを兼ねて晩ご飯でも食べようかと思ったら、レストハウスの食堂はすでに営業終了していました。まだこれだけ客になりうる人間がうろついていると言うに、商売っ気がありませんな。
1階の土産物店だけが営業しており、富士山登山では定番の杖代わりの八角棒が売られていました。
基本的にただの棒なので、使い勝手はあまり良くありません。トレッキングポールを持っているのなら、普通にそちらを使った方が快適だと思います。
時間つぶしに5合目の周辺をプラプラとほっつき歩きます。前回訪問時にはまったく気が付きませんでしたが、神社なんてあったんですね。
そうそう、富士山登山する際は高所順応のために、5合目に着いたらまずは2時間くらい待機せよ。みたいな話がまことしやかに語られることが多いですが、あれには何の根拠もないですよ。
そもそもヒマラヤ登山などにおける高所順応と言うのは、2週間くらいをかけて行われます。1~2時間程度の停滞では、体に何の変化も起きようはありません。
眼下に山中湖が見えます。身も蓋もないことを言うと、ここからでも十分すぎるほどに綺麗なご来光を拝むことが出来ると思います。何しろ、5合目の時点ですでに周囲の山よりも高い場所にありますから。
休憩を多めに取りながらゆっくり登るとして、出発時間を21時30分にすると決めました。時間になるまで、この無料休憩所の軒下で少しばかり仮眠を取ることにします。
周囲には同じことを考えているらしい登山者が大勢いて、ある種の雑魚寝状態になりました。神経質な人には落ち着かない環境かもしれませんが、私はしっかりと休むことが出来まZzzzzz
21時 首筋に冷たい空気を感じて目を覚ますと、周囲はすっかりと暗くなり煌々と月が輝いていました。さて、ボチボチ出発の準備に取り掛かりましょう。
日付入りの記念撮影プレートがあったので、一応は写真に収めておきます。これは誰か何時ごろに日付を変更しているのだろうか。
いまさらですが、富士スバルライン5合目の全体はこのようになっています。7月の中旬から9月の頭まではマイカー規制が行われており、バスかタクシーでしか進入はできません。
3.緩やかな道を行く7合目までの道
21時30分 身支度を整えて登山を開始します。いざ、弾丸となって参る。
ご忠告は謹んで拝聴いたしました。それでは十分に注意して行ってみましょう。
歩き始めはほぼ水平移動というか、微妙な勾配の下り坂が続きます。ややこしいのですが、富士スバルライン5合目と吉田ルート5合目と言うのは別の場所にあり、富士スバルライン5合目の方が僅かに標高が高いためです。
眼下に富士吉田市と河口湖町の夜景が見えます。左端の方を見ると、河口湖の輪郭が何となくわかります。
吉田ルートの登山口へとやって来ました。明るい時ならまず見落とすことはないと思いますが、道の右端に何気なく現れるのでご注意ください。
仮に分岐に気が付かずに直進してしまっても、吉田ルートの5号目に合流するだけなので、まあ特に実害はありません。少し余計に下ってしまうだけです。
大音響のスピーカーでなにやら複数言語による案内放送がされていました。「弾丸登山はやめましょう」とでも言っているのかと思いきや、日本語に切り替わったらただの観光案内でした。
22時5分 富士山安全指導センターと銘打たれた建物がある場所までやって来ました。ここが吉田ルートの6合目となります。
チップ制のトイレもあります。なお、富士山の5合目以降にあるトイレは基本にすべてチップ制です。
ここから富士山山頂までは5.2kmで、コースタイムは5時間55分とあります。このコースタイムは老若男女が登る山であることを考慮したかなり甘めの設定で、実際はそこまでかかりません。
仮に山頂付近が渋滞しているとしても、日の出時刻の1時間前くらいには登頂できるのではないかなと、漠然とした見込みでいます。
山頂へ向かうヘッドライトの明かりの列が見えます。この時間から弾丸登山をしている人は結構たくさんいるようです。
6合目から7合目に至る区間は、砂礫が敷き詰められた幅の広い道をひたすらジグザグと登ります。面白味はまったくもってありませんが、夜でも安心安全な道ではあります。
1時間ほどひたすらジグザクに登り続けると、やがて前方に山小屋が林立している場所が現れました。
22時55分 7合目に到着しました。ここまで道程は言ってみればウォーミングアップのようなものです。ここから先の本格的な登りに備えて、今のうちにエネルギー補給などをしておきましょう。
4.登っても登っても新手が現れる8合目
7合目を過ぎると、ここまでの安心安全な登山道をは変わって岩場が現れます。しっかりと足元に注意を払いながら登りましょう。
7合目を名乗る山小屋は複数件存在し、しばしの間小屋の軒先を延々と歩かされます。この時間は寝ている人がいるので、小屋の前で大声は出さないように。
標高が上がるにつれて、背後の景色もだいぶ広範囲が見えるようになって来ました。・・・と言っても真っ暗なんですけれどね。自分でやっておいて言うのもなんですが、やはり私にはナイトハイクの楽しさは理解できません。
7合目から8合目の区間は溶岩石の岩場が続きます。特に難しい要素があるわけではありませんが、転倒すれば大ケガは免れないのでくれぐれも慎重に登ってください。
これは過去の訪問時に撮影した写真ですが、こんな岩場が続きます。半ば観光地扱いされることが多い富士山ですが、割としっかり山道らしい山道です。
登り続ける事おおよそ小一時間ほどで、再び登山道脇に林立する山小屋の群れが見えて来ました。
0時25分 8合目に到着しました。今のところは特に早くも遅くもないペースで順調に進んでいます。
先ほどの7合目と同様に8合目を名乗る山小屋も複数あり、ここからはしばしの間、小屋の軒先を歩きます。
今の所はまだ渋滞につかまるほどではありませんが、登山道上の人の数がだいぶ多くなって来ました。出発時間が少しばかり早すぎたかのではないかと思っていましたが、どうやらそうでもなかったようです。
8合目を過ぎると、岩場は終わり登山道はふたたびジグザグに登る道に戻りました。面白味はありませんが、思考停止状態で歩ける安心感はあります。
行く先にまたも山小屋が固まっているのが見えます。ややこしいのですが、吉田ルートには8合目と呼ばれている場所が2つあり、今見えているのは本8合目と呼ばれている地点です。
この本8合目で、吉田ルートと須走ルートの登山道が合流します。ここから一気に人が増えて、人の流れが完全に停止してまいました。ついに恐れていた登山道渋滞が始まってしまいました。
渋滞があろうことはあらかじめ予期していた訳なのですが、思っていたよりもずっと早くにつかまってしまいました。恐るべし夏の富士山。
本8合目の山小屋に宿泊していた人たちも合流し、登山道は混雑の極みにありました。こうなってしまうともう自分のペースも何もあったものではなく、人波の流れに従ってノロノロと進むしかありません。
5.9号目最後の試練、胸突き八丁の急登を越えて富士山山頂へ
だいぶ霞んでいますが、遠くに都心方面の夜景が薄っすらと見えます。都心方面と言うか、見えているのは主に神奈川県のあたりですね。
本8合目を過ぎると、登山道は完全に詰まってしまいました。ノロノロと停まっては進むのを繰り返すため、呼吸の辛さなどは全く感じませんが、正直退屈です。
うーむ、弾丸登山は一人でやるべきことではないのかもしれない。話し相手でもいれば、多少は気がまぎれるでしょうから。
頭上に鳥居が見えて来ました。あの場所が9合目です。
前回訪問時は、この9合目への登りが一番キツかったように記憶しているのですが、渋滞にはまってノロノロ進んでいる今はキツさは全く感じられません。ただひたすら退屈なだけです。
3時35分 9合目に到着しました。当初の見込みでは山頂に到達している頃合いの時間に、ようやく9合目に辿り着きました。このペースで進んでいて、はたしてご来光には間に合うのだろうか。
標識には山頂まではあと400メートルで30分とあります。渋滞さえしていなければ、本当にもうあと一息なんですけれどね。
背後を振り返ると、ヘッドライトの列が延々と続いているのが見えました。ヒエッ、一体何人いるんだこれは。
いつの間にか、東の空が薄っすらと焼け始めていました。渋滞していなかったら背後を振り返る余裕なんてなかったかもしれないので、この光景を見られただけでも良しとすべきか。
9合目から10合目に至る最後の区間に、胸突き八丁と呼ばれる急登があります。ここが山頂への最後の試練と言ったところです。最後にもうひと踏ん張り、頑張って登りましょう。
いつしか街の灯も消えて、空がオレンジ色に染まりつつありました。日の出時刻までは残すところおよそ30分と言ったところです。このまま行列が完全に停止でもしない限りは、何とかギリギリご来光には間に合いそうです。
10合目の鳥居が見えました。やれやれ、こんなギリギリの攻防になろうとは思ってもいませんでしたよ。
4時30分 浅間大社奥宮に到着しました。吉田ルートの10合目地点であり、火口を取り囲むいわゆるお鉢の上に乗ったことになります。
6.富士山山頂から望むご来光
火口を挟んだ向かいに、富士山最高地点の剣ヶ峰が見えます。厳密に言うと富士山の山頂はあそこなのですが、お鉢の西側にあるためご来光を眺めるのには向いていません。
日の出時刻までは残すところあと10分程です。どこか眺めの良さそうな場所に陣取り、その瞬間を待ちましょう。
現在の気温は6度ほどで、風はほぼなく快適です。弾丸登山を行うには理想的なコンデションであったと言えるでしょう。
4時41分 地平線から太陽が頭を覗かせました。周囲に一斉に歓声とシャッター音が鳴り響きます。
日本一の山から望む日本の夜明けです。今この場に居合わせている多くの人々にとって、ここまでの苦労が報われた瞬間であったことでしょう。
・・・そんな感動に包まれている中、なぜか私の脳内ではラジオ体操のテーマ曲が再生されていました。あーたーらしーい あーさがきたー♪
下界にはまだ陽の光が届いておらず、富士山の山頂に居合わせた者だけが朝日を独占している状態です。
完全に陽が登り切ったところで、ご来光タイムは終了です。間に合って良かった。まあ別に、登山道の途中からでも見えるんですけれどね。
7.最高地点剣ヶ峰の土を踏みつつ、お鉢を巡る
目的は無事に果たされましたが、せっかくここまで来たのだから剣ヶ峰にもしっかり登頂しておきましょう。最高地点の土を踏むことは、ピークハンターたる者のお勤めでございます。
眼下に宝永山が見えます。江戸時代の宝永4年(西暦1707年)に発生した、宝永大噴火によって生じた側火山です。静岡県側から富士山を見た時には、かなり目を引く存在です。
グルっと回りこんで、前方に剣ヶ峰が見えて来ました。富士山のお鉢の直径は780メートルほどあり、一周すると約3kmの道程です。
浅間大社銀名水まで歩いて来ました。こちらは静岡県側からの登山ルートである富士宮ルートの10合目にあたる場所です。吉田ルートほどではないものの、こちらも大勢の人で大混雑していました。
それでは剣ヶ峰にアタックをかけましょう。山頂に見えている建物は富士山測候所です。平成16年までは気象庁の職員が駐留して気象観測を行っていましたが、現在は無人で自動観測装置だけが稼働しています。
山頂直下の急坂は、通称馬の背と呼ばれています。登りはともかく、下るときには結構怖いくらいの急坂です。最後のひと踏ん張り、頑張って登りましょう。
眼下に駿河湾と静岡市の市街地が見えます。富士山はたして山梨県のものなのか静岡県のものなのか。議論は尽きないところですが、こうして上から両方を見下ろすと、お互いに譲れない気持ちになるであろうことは理解できます。
山頂には大行列が出来ていました。どうやら山頂での記念撮影待ちの行列であるようなので、脇を通り抜けてひとまずは登頂します。
5時40分 富士山剣ヶ峰に登頂しました。初登頂ではないので特にこれと言った感慨もありませんが、およそ7年ぶりに日本一の頂を踏むことが出来ました。
富士山は山梨百名山でもあるのですが、山梨百名山の標柱はどこにも見当たりません。
実は富士山山頂の境界(県境)は、現在も定まっていません。静岡県と山梨県の主張が対立しており、結論が棚上げされたままとなっているためです。
これはただの想像ですが、境界が未確定であるため山梨県としては勝手に標柱を立てるわけにもゆかず、富士山にだけ標柱が存在しない状態になっているのではなかろうか。
剣ヶ峰から見下ろした火口です。日本一の山だけあって、火口のスケールもまた圧巻です。
このままお鉢をグルっと一周して、吉田ルートの10号目に戻ります。
登りの登山道の大渋滞と比べると、お鉢巡りをしている人の数はずっと少ないように思えます。ご来光だけで満足して、お鉢巡りはしないと言う人がそれだけ多いのでしょうか。
せっかく苦労してここまで登って来たのだから、お鉢巡りしないのはあまりにも勿体ないですよ。
振り返って見た剣ヶ峰です。ここだけを見ると、測候所の建物が火星に着陸した宇宙船か何かのようにも見えます。
山の西側に、見事な影富士が映っていました。朝の限られた時間帯にしかお目にかかれない光景です。
足元に大沢崩れの浸食谷を見ろせます。この浸食谷は現在進行形で崩落が進行しており、一日当たり300トン近い土砂が流出しています。日本一の山は、崩落一つをとってもスケール感が違いますな。
甲府盆地はすっぽりと雲に覆われており、見事な雲海が広がっていました。
雲海から八ヶ岳がひょっこり頭を出していました。昨日に赤岳頂上山荘辺りに泊まった人は、今頃さぞかし素晴らしい光景を眺めていることでしょう。
遠くには薄っすらと、北アルプスの山々が並んで見えています。日本一の山は、当然ながら日本一の展望台でもあるわけです。
見える景色がいちいち絶景過ぎて、なかなか歩みが進みません。富士山は観賞用の山だとかよく言われますけれど、登っても凄いですよ。
この辺りは前回訪問時に、目をまともに開いていられないような強風に見舞われた場所なのでよく覚えています。
結局のところ、富士山登山の難易度を決める決定的な要素は一にも二にも当日の天気であり、弾丸スタイルであるかどうかなどは枝葉の問題でしかないように思えます。
暴風雨の日に山小屋に泊まって登るよりも、快晴無風の日に弾丸登山する方が間違いなく安全でしょう。
お鉢は平坦ではなくアップダウンがしっかりとあり、最後に少しだけ登り返しがあります。大した登りではありませんが、空気が薄いためすぐ、ちょっとした登りでも息が上がります。
グルっと一周して、山梨県に戻って来ました。晴れてはいますがモヤっと空気が霞んでおり、下界は相当暑いのであろう事が容易に想像できます。
6時55分 浅間大社奥宮まで戻って来ました。道端に力尽きて居眠りしている人が大勢いるあたりが、ある意味富士山らしい光景です。まあ今日みたいな穏やかな天気の日なら、特に問題にはならないでしょう。
8.富士山登山 下山編 富士山の下山はあっという間
名残り惜しくはありますが、流石にそろそろ眠気がヤバいので、いい加減下山に移りましょう。ええ、なんなら私も道端で居眠りしたいくらいの気分ですとも。
登るのにはそれなりにしんどい思いをする富士山ですが、下山は実に楽なものです。道の上に積もった砂礫が着地の衝撃を吸収してくれるので、膝や足首へあまり負荷をかけることもなく大股でズカズカと下れます。
と言う事で、帰りは半分駆け足のようなペースで一気に下ります。
7時40分 江戸屋分岐まで下って来ました。ここは吉田ルートと須走ルートの分岐地点で、右へ行くと須走登山口に至り、スバルライン5合目に戻りたいなら左です。
ここは迷いやすいと言われているポイントなのでご注意ください。今日のように晴れていれば分岐を見落とすことはまず無いと思いますが、ガスっていて視界不良の時などは要注意です。
九十九折れの道がジグザグと延々に続いています。この道はもともとブルドーザー用の道で、下山専用となっており登りに使う事は禁止されています。
夏山らしい雲が湧き始めました。朝の好展望タイムはそろそろ終わりであるようです。
ブルドーザー道な訳ですから、時々こうして実際にブルドーザーが登ってきます。あちらが本来のこの道の使用者なのですから、くれぐれも邪魔はしないように脇によけて歩いてください。
一体何回折り返したのかも思い出せないような九十九折れが延々と続いたところで、ようやく道が平行移動に移りました。
6合目付近で往路に歩いた道と合流します。この時間から登り始める人も大勢いて、あらためて富士山は眠らない山なんだなあと、しみじみ思わされました。
暗いと少々わかり難かった、吉田ルートの登山口に戻って来ました。真っ暗な中ここをを歩いたことが、もうずっと前の事のようにも思えます。
約束されていた最後の登り返しです。ここも下界に比べればまだ全然気温は低いはずなのですが、気温が一桁の山頂から下ってきたばかりの身としては暑くてかないません。
けたたましいサイレンを鳴らしながら、救急車が通り過ぎて行きました。これだけ好条件の日であっても、やはり事故は起きる時には起きるものなんですね。
9時20分 富士スバルライン5合目に戻って来ました。登山開始から11時間50分の山行きでした。まあ、ハードと言えばハードだったのかなあ。
富士山駅行きのバスは1時間に1本の頻度で運転されています。9時40分発の便があったので、さしたる待ち時間もなくすぐに乗れました。
帰りは河口湖駅で下車します。富士急行線に乗り込むなり、まるで気絶するかのように眠りにつきつつ、帰宅の途に着きました。
こうして特にトラブルに巻き込まれることもなく、無事に富士山弾丸登山を終えることが出来ました。
世間で何かと物議をかもしている富士山弾丸登山ですが、実際に自分でやってみた感想としては、正直あまりオススメはしません。危険だからという理由ではなく、単純にあまり楽しくないからです。
周囲が真っ暗な中かを渋滞した登山道をノロノロと登ると言う行為は、退屈であるしストレスもたまります。日帰りで登れる体力がある人は、普通に朝から登り始めてその日のうちに下りて来るのが一番無難であろうかと思います。
晴天が約束された日を選んでしっかりと準備して挑む分には、弾丸登山にこれと言った危険要素はありません。ご来光をどうしても拝みたいと言う人は挑戦してみては如何でしょうか。私自身は一度でもう十分ですが・・・
<コースタイム>
富士スバルライン5合目(21:35)-6合目(22:05)-7合目(22:55)-8合目(00:25)-本8合目(1:30)-9合目(3:35)-浅間大社奥宮(4:30)-剣ヶ峰(5:40)-浅間大社奥宮(6:55)-江戸屋分岐(7:40)-6合目(8:55)-富士スバルライン5合目(9:20)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
オオツキ様こんにちは
同日にナイトハイクで塔ノ岳に星を撮りに登ってました笑
塔ノ岳からヘッドライトで煌々に光る富士山を目にして驚いきました。
富士山弾丸登山については同意見です。
必要な準備と言っても山を日頃から登る者にとっては至極当然の事を述べてられてると思います。
私自身富士山に登った事が無いのでどれほどの体力を要するのか分かりませんが普段は登山などしない方が弾丸登山をして疲労や高山病、低体温に陥ってしまってるのかなと思ってます。
ゴトさま
コメントをありがとうございます。
以前紅葉ライトアップ中の筑波山に登った時にも散々感じた事ですが、登山をする人の常識は一切通用しない場所ですよね。
弾丸登山に何らかの規制を加えるような動きもチラホラとあるようですが、しっかり準備をしてきている登山者を締め出すような内容にはなってほしくないと言うのがこちらの勝手な願いです。
オオツキ様
オオツキさんが弾丸登山とは意外ですね。
私は富士登山に強い思いれがあるわけではありませんが、マイカー規制が始まる前の短い間に晴れる日が有ったので、二年連続早朝スタートで登ってきました。
ご来光は頂上から見ても6合目から見てもたしして変わらないと思っているので、弾丸登山には興味がありませんが夜景もキレイなんですね。
今年は外国人のあまりの多さに辟易し、人生最後かもしれないと感じながら登っていました。
もうもうさま
コメントをありがとうございます。
何事も一度くらいは経験してみようかと思いやってみました。一度で
もうたくさん十分に満足しました。次回訪問があるとしたら、その時は普通に日中に登ると思います。混雑具合にびっくりしました。
噂には聞いてましたが、まさかこれほどとは^^;
有名山あるあるの一般者の軽装登山危険ですね
という私もまだまだ準備不足で登っていますけど、、、
日々模索中です
ロキソニンの常備は参考になります
重量対応効果が大きいですね^^w
たむさま
コメントをありがとうございます。
私が登った日の渋滞はこれでもまだマシな方で、お盆休み中にはもっと凄いことになります。おそろしや。私は自宅からアクセスしやすい吉田口から登りましたが、富士宮口からなら多少は混雑も軽減されるそうです。
ロキソニンは消毒薬や絆創膏等と一緒にファーストエイドキットの中に常時入れてあります。
あの朝、Twitter(現X)で「弾丸となって参る」を見た時には、うっそーオオツキさんもやっちゃう⁈と驚きましたが、何でも経験してみたい!という気持ちすごくわかります。
出発までの仮眠、大渋滞のノロノロ登山、ラッシュ時の新宿のような山頂…でも真夏のキツイ日差しを避けられる…など、メリットデメリットがよくわかりました。
私はコロナ禍にこっそりと、少人数制になっていた小屋泊で登ったので、今から思うと大変快適でした。
レポートを読んで、オオツキさんと一緒に弾丸登山した気分になれたので、私はもうやらなくていいです!お疲れ様でした!ありがとうございました!笑
AKさま
コメントをありがとうございます。
今にして思うと、コロナ禍の最中に登った人は間違いなく勝ち組でしょうね。今年の混雑ぶりはその反動でもあるのでしょう。理不尽な規制などが入らないと良いのですが、来年以降はどうなるのやらです。
人生後半戦に入るまで富士登山しなかった静岡県民です。
1回目、富士宮ルートを友人と日中スタート1泊日程で登るが山小屋の極小スペースに海外のカップル(2名)と押し込まれ、とても寝られた環境でなく22時頃にはギブアップして登り始め山頂で寒さに耐えてました。(防寒具は所持)
道中、薄着の外国人が震えてたのとシュラフキャンパーがとても印象にのこっております。
2回目は御殿場ルートで日中スタートで登るが、日差しを遮る物が全く無く、荒野を延々と焼かれながら登る樣は苦行以外の何物でも無かった記憶が。
なので、推奨されている登り方だと初見では道迷いや足元の確認等には初心者には良いと思うが、正直わたしには夜スタートのほうがまだマシに感じた。
今年の8月12日に夜間スタートで御殿場ルートを登ってきましたが、ガラガラだし快適な山行でした。夜景くらいしか見られないので道中は淡白なものでしたけど、日に焼かれるよりは…。
通りすがりさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
御殿場ルートは長いので、日中に日帰りするのは灼熱地獄になりそうですね。御殿場ルートを歩くなら、わらじ館に一泊して登るのが正解かもしれません。
吉田ルートや富士宮ルートの場合は、どのみち混雑に巻き込まれるのは必至なので、まだ明るい中を歩く方が気分的にいくらかマシなのかなあと思った次第です。
弾丸登山するなって注意喚起されてるのにんでしてるの?バカじゃねーのこいつ。
上手く行ったからって結果論で語られても、ダメなものはダメなんだよ。老害、山辞めろ。
犬さま
コメントを頂きましてありがとうございます。
ご意見は謹んで拝聴いたしました。
県が弾丸登山を規制すると言っている最中このような内容を公開するのは最早正気を疑われても仕方がないですね。
ご自分のことしか考えられていないようですが、富士山を守ろうとしている方達の苦労を嘲笑うかのような行為をなさっているという自覚はお有りでしょうか?
世も末さま
コメントを頂きましてありがとうございます。
錯乱したわけでも他人を嘲笑っているわけでもありません。弾丸登山をやり玉に挙げることがそもそもお門違いであると考えており、規制すべきであるとのご意見には同意しません。
「弾丸登山」と言われると確かに悪に聞こえる様になりましたねぇ。。。登山は知識、体力、装備を揃え極力早く登る(早いのは余裕に繋がりますからね)、安全に降りれるかを問われる物だと私は思ってます。自分の総合的な登山力があれば問題は無いでしょう。批判的なコメントを書いてる人も居ますが、登山を知らない人ですね。山にやたらと人が多くなりましたがマナー、知識、体力が無い人が多くなり事故も増えています。また、その様な人達のせいで登山をやる人、全員が批判されるのも悲しい事です。まぁ、知りもせず批判する様な人間もある程度存在するのですがね
匿名さま
コメントを頂きましてありがとうございます。
ナイトハイクして山頂からご来光を拝むのは、登山者からすればごく普通の行動でしかないのですけれどね。富士山は観光地としての側面が非常に強く、登山者の常識は一切通用しない場所なのだと言う事は強く感じました。
私はあれをするなこれをするなと規制でがんじがらめにされた世界を望みませんが、頂いたコメントを拝見するに、なんらかの規制をすべきであると考える人は多いようです。はたして来年以降はどうなってしまうのか。
初めまして。
登山歴は浅く、初心者です。
富士山には4回登りました。
1回目と3回目が弾丸登山で、2回目と4回目は山小屋に泊まりました。
結果、山小屋の2回は高山病に罹り 頭痛が酷かったです。
オオツキさんの仰るとおり、呼吸が浅くなったからだと思っております。
今後 「弾丸登山者お断り、山小屋の予約を取っていない方は入山禁止」という規制がかかったとして、山小屋の予約は取りつつも泊まらずに登ると思います。
高所で眠るのが恐怖です。
酸素缶も全くその通りで、25年前に一度だけ持っていきましたが、高山病に罹っていなかったからかもしれませんが 吸っても吸っても何の効果も感じられませんでした。
その後 ふと思ったのですが、病院などで患者さんに対し 1分間に酸素2リットル前後流しているわけですから、あんな小さな缶を持って行ったところで 体調が良くなるわけがないですよね。
タカオさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
出発前に仮眠を取るなら5合目で取るのが一番合理的であると思いますが、はたして本当になにがしかの規制が入ってしまうのかどうか。7合目ならそこまで標高は高くないから、高山病にはなり難いかもしれません。
酸素缶については、立ち止まって大きく深呼吸する方がより沢山の酸素を体に取り入れられて効果的であると思います。
もう10年ほど前に二回ほど登りました。二回ともいわゆる弾丸登山でした。二回とも殆ど問題無しでした。最近ヒステリックなほどに弾丸登山を止めさせようとしている論調に違和感を感じています。二回目には、小屋泊組と合流して登ったんですが、高山病と思われる頭痛を発症したのは、小屋泊組のメンバーだけでした。必要な準備をして、体力的に問題なく、また夜に強い人などの条件があれば(自己判断になりますが)、やりたい人はやればいいと思います。高山病、低体温症、落石など弾丸登山のリスクが高いという論調、科学的根拠を示してほしいものです。
クラクラさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
高山病や低体温症になるリスクは弾丸登山であるかどうかとは無関係で、結局のところ体力と準備の問題でしかないんですよね。オーバーユースの問題を論じてるのに、何故か弾丸登山だけをやり玉に挙げて締め出そうとする論調には私も強い違和感を持っています。
規制に乗り出そうと言う動きもあるようですが、来年以降はどうなるのか。願わくば、しっかり準備をしてきている登山者を締め出すような内容にはなってほしくないです。
仲間を作って登山を再開しました。若い頃には気づかなかった視点で登っています。
地質の違いや高山植物を味わう人、一目散に頂上を目指す人がいて面白いです。同じコースが天候、季節の違いで全く別の山になることも新鮮です。
複合的な要素が混ざり合うことが登山の魅力ですね。
それだけに意見やアプローチの仕方が多様になるような気がします。言動の如何はともかく、個人がどう感じるかは自由が保障される世の中を望みます。弾丸登山は苦行に見えるので、私はこちらの記事を拝読して満足しました。
アウトドアレジャーの需要はほとんど先進国です。健康で金銭的に登山が可能である状況を感謝してもう少し登ろうかなと思っています。
オオツキさん、個人的には立山の外国人おじさんのくだりと、タフガイの記事がすごく好きです。喩えでなく、本当に噴飯してしまいました…
ようこさま
コメントをありがとうございます。
真夜中に登山道上で渋滞に巻き込まれるのは、確かにある種の苦行でした。私も一度体験したらもう十分です。弾丸登山に対して様々な意見があることは理解していますし、それらに対して何か論評しようとは思いません。
しっかり準備して、安全に末永くアウトドアレジャーを楽しみたいものです。
地元の富士山保全協会が弾丸登山辞めろって言ってるんだから辞めろ。ちゃんと準備すれば大丈夫とか、そういう問題じゃない。ルールはルール。
ここはオオツキさんのブログです。
意見・主張があるのであれば、それはご自身のブログやSNSアカウントでするべきです。
オオツキさま
いつも素敵な写真楽しみにのぞいています。ヘッドライトの川?は遭遇したことないですが写真でみると圧巻ですね。私も高い山に行くと頭痛になるので今回8月末に6合目に泊まってみましたが頭痛になりました。スマートウォッチで血中酸素を確認すると99%あり高山病ではなくただの頭痛ということがわかりました。ちなみに今回主杖流しのルートで登ってみましたが誰もおらず静かで途中まで絶景でした(途中からは飽きました)。
ヤマコさま
コメントをありがとうございます。
山小屋で頭が痛くなることが多いのは酸欠の他にも、気圧やら疲労やら寝不足やら理由は色々あろうかと思います。寝ても解決しない(むしろ悪化する)ことが多いので、頭痛薬の携行を強く推奨します。