筑波山 梅香る関東地方屈指の名峰

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茨城県つくば市にある筑波山(つくばさん)に登りました。
関東平野の真っ只中に忽然と立つその姿は、街道筋からも非常に目に付く存在であり、古くから関東地方を代表する名峰として親しまれてきた山です。現在においても、登山初心者向けの定番の一座として、非常に人気の高い山です。
筑波山の中腹には大規模な梅林が存在し、毎年2月上旬から3月中旬に見頃を向かえ、多くの訪問者で賑わいます。
梅香る名峰で、のんびりと春山歩きを楽しんで来ました。

2018年3月11日に旅す。

 


筑波山は「西に富士、東に筑波」とまで言われた、関東地方を代表する名峰です。

平野の中に佇むこの山は昔から人との係わりが強く、古くは万葉集にも歌われ、江戸時代には浮世絵に描かれる定番の題材でもありました。
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作家深田久弥が選んだ日本百名山の一つでもあります。ちなみに筑波山は、日本百名山の中ではもっとも標高が低く、877メートルしかありません。

深田久弥は百名山を選んだ際の選定基準のひとつとして、「おおむね標高1,500メートル以上」と言うことをあげています。この山は、自ら定めたルールを破らざるおえないほど、絶対に外すことのできない一座だったのでしょう。

人気の山ゆえに、登山道は四方から数多くが伸びており、おまけにケーブルカーからロープウェイまで存在します。まさに至れりつくせりです。自分の体力度に合わせた多様なコース取りが可能です。
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一年を通じて多くの人で賑わう筑波山ですが、ハイシーズンはいつのなのかと問われれば、それは筑波山梅林が満開を迎える3月上旬です。毎年2月中旬頃から3月の下旬にかけて、梅林では筑波山梅祭りが開催され、多くの訪問客が訪れます。
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と言うことで、ハイシーズン真っ盛りの筑波山へ、満開の梅を愛でに繰り出しましょう。

コース
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筑波山神社より白雲橋コースを通って、最高峰の女体山に登頂。その後、もう一つのピークである男体山へ向かいます。全行程で5時間未満のお手軽な周回コースです。

今回の訪問における主たる目的は梅見であるので、ピークハントするのは言ってみればオマケの様なものです。

6時45分 秋葉原駅
本日の旅は、一見登山とはなんの縁もゆかりもなさそうな電気の町、秋葉原からスタートします。
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ここからつくばエクスプレスに乗り、終点のつくば駅へと向かいます。
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駅構内のホールにて、早速お目当ての梅祭りの案内が出されていました。
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駅の切符販売機にて、電車とバスの乗車券がセットになった「つくば山あるキップ」が買えます。多少安くなるなのるので、忘れずに購入しておきましょう。
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ケーブルカー付きの切符など、何種類かが販売されています。自分がこれから歩こうとしている行程にあったものを選んで下さい。北千住駅でも買えます。

終点のつくば駅までの所要時間は40分ほどです。休日のこの時間帯の車内は至って空いていました。
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切符で乗車していたことをすっかり忘れて、カードをタッチして自動改札機と通り抜けようとして扉に激突すると言うアクシデントがあったものの、その他は概ね快適でした。

それにしても、概ねという言葉は実に便利ですよね。どうとでも受け取れる、日本のあいまい文化の粋を凝らしたような言葉だと思うのです。

つくば駅から、8時出発の筑波山シャトルバスに乗りこみます。
梅祭り開催中と言うことで、時刻表には無い臨時便が増発されており、予定時間前に出発できました。
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筑波山神社までのバス乗車時間は35分ほどです。徐々に大きくなってゆく筑波山を窓から眺めながら過ごしました。
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8時40分 筑波山神社入口に到着しました。
なおこのバス、乗り続ければ標高542m地点のつつじヶ丘まで運んでくれますが、梅祭会場があるのは途中の筑波山神社入口なのでお間違いなく。
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登山をする前にまずは梅見です。
梅園は筑波山神社入口から、もと来た方へ少し下った所にあります。
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入り口に置いてある開花状況の案内には、満開の文字が躍っていました。これは大いに期待できそうです。
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こちらが梅園の案内板です。筑波山中腹の斜面に沿うように、高低差のある庭園が広がっています。
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案内板の言うことに偽りはなく、まさに今が満開御礼でした。
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周囲にはさぞや良い香りが漂っていることでしょう。
残念ながら、今私は極めて重篤な花粉症により鼻が詰まっているので、何も感じませんがね。

一番多く植えられているのがこの白梅。全体の8割くらいです。
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続いて多いのがこのピンクの梅。個人的には、この色が一番綺麗だと思いました。
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一番本数が少ないのがこの紅色の梅です。単体で見ると毒々しいですが、広い視線で見たときに、斜面の紋様に程よいアクセントを加えてくれています。
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梅祭り開催期間中は、筑波の名物だと言うガマの油売り催しなどが行われます。観覧は無料です。
早い時間だったためか、まだ開始前でした。
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出店なども並んでおり、実にお祭りらしい雰囲気です。
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満開の光景を写真に収めつつ、梅園内をプラプラと散策します。
美しい光景とは裏腹に、先ほどからくしゃみと鼻水が止まりません。周囲にはやたらマスクをしている人が多いですね。
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1時間ほど梅園を散策し、十分満足しました。
ここからは、もはやオマケ扱いの筑波山登山に移りたいと思います。

梅園の最上部からは、筑波山神社の駐車場に直接連絡できる道があります。と言うことで、まずは道なりに歩きます。
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10分ほど歩くと駐車場の上に出ました。入口の大鳥居の裏手に当たる場所です。
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登山口に向かって、しばしの舗装道路歩きです。
沿道にはリゾートホテルが立ち並び、一大観光地になっています。流石は名だたる関東の名峰と言ったとろです。
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神社の入り口まで登って来ました。
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狛犬ならぬ狛牛なんですかね?これは。
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筑波山の中腹に立つ筑波山神社。
創建が何時なのか良く分からないくらい古い歴史をもつ神社です。
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ちなみにこれは拝殿と呼ばれる建物です。麓宮のようなものでしょうか。
本宮に当たる建物は、男体山、女体山と呼ばれる二つの峰の山頂に立っています
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10時10分 白雲橋コースの登山口に到着しました。
天気は悪いし鼻水は止まらないしで、登山開始前からテンション低めでのスタートです。
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登り始めは暗く鬱蒼とした樹林帯です。
傾斜もさほどキツくはなく、何処にでもある低山の風景と言ったところでしょうか。
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白蛇弁天なるお社の脇を通過します。
この場所で白い蛇を見つけると、お金持ちになれるそうですよ。
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弁天様を通過すると、徐々に道の斜度が増してきます。
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初心者向けの山といわれる筑波山ですが、短距離ながら道の険しさはそこそこです。
ケーブルカーを使わずに登る気であれば、スニーカーではなくしっかりとした登山靴を履いてきたほうが良いでしょう。

頭上をロープウェイが優雅に登ってゆきます。
あれを使うのであれば、まあスニーカーで来ても大丈夫でしょう。
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11時10分 弁慶茶屋跡と呼ばれる平場に出ました。
その名の通り、昔はここに茶屋があったそうです。茶屋がなくなった今でも、格好の休憩スポットとなっています。
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弁慶茶屋跡を過ぎると、登山道の様相が一変します。ここからは、岩がむき出しになった斜面を登って行く事になります。
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弁慶七戻りと呼ばれる岩のトンネルを潜ります。
弁慶が通ろうかどうしようかと、七度も行ったり来たりした場所とのこと。
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反対側から見るとこんな感じです。確かに今にも落ちそうですね。
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ところで、比叡山の僧兵だったはずの弁慶が、こんな所に一体何の用事があった来たのでしょう。
義経と奥州への逃避行の最中に、筑波山で観光でもしていたのでしょうか。

岩場の急登が始まります。
足元がぬかるんで非常に滑りやすい状態だったので、ゆっくりと慎重に登ります。
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こちらは母の胎内くぐりと呼ばれる、古くからの修行の場です。
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かがんで潜り抜けるのが修行のお作法らしい。
挟まって抜け出せなくなったら恥ずかしいので、眺めるだけで通り抜けるのは止めておきました。
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女体山の山頂部が見えて来ました。
こうして見ると、筑波山は岩の山なのだと言うのが大変良く分かります。
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稜線に出たら、風が出てきて少し寒くなって来ました。

こちらは出船入船と呼ばれる奇岩です。
港から出てくる船と入ってゆく舟とが、すれ違っている瞬間のように見えることから名づけられたとのこと。
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なるほど、サッパリわかりません。

こちらは裏面大黒です。
大きな袋を背負った大黒様の後姿のように見えることから名づけられたとのこと。
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なるほど、全くわかりません。

足元に雪が残っていました。
フカフカの手触りからして、ごく最近降ったものでしょう。足元が泥まみれなのはこれが原因でしょうか。
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こちらは北斗岩です。
北斗七星のごとく、決して動かないことから名づけられたとのこと。
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こちらは大仏岩です。
大仏の横顔のように見えることから名づけられたとのこと。
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なるほど。ここにきて初めて「確かにそう見える」と納得のいく名称の岩に出会えました。

山頂直下は大渋滞が発生していました。
足元はドロドロで滑りまくりで、下って来る人たちはみんな腰が引けていました。
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渋滞する登山道を横目に、優雅に登ってゆく筑波山ロープウェイ。
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なんと勿体無いことでしょう!
あれに乗っている人たちは、ここまでに登場した数々の微妙な奇岩たちを目にすることが出来ないのです。

結局、山頂までずっと渋滞したままでした。
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11時55分 女体山に登頂。
ここが筑波山の最高地点です。登山開始から1時間45分でゴールです。
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山頂の様子。
周囲に木の生えていない岩場となっており、非常に見晴らしの良い場所です。
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多くの人が殺到し、立錐の余地も無いような状態でした。

女体山山頂に立つ筑波山神社の本殿。
伊弉冊尊(いざなみのみこと)を祭った神社です。
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山頂からは眼下に広がる関東平野を一望することが出来ます。
晴れていればね!
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こちらは筑波山のもう一つのピークである男体山です。
女体山より6メートル低い、標高871メートルです。
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こちらは反対方向のつつじヶ丘です。あの場所までバスに運んでもらうことも出来ます。
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彼方に霞んで見えているのは霞ヶ浦です。琵琶湖に次いで日本で2番目に広い湖です。
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スタート地点の大鳥居が真下に見えます。
こうして見ると、筑波山と言うのは意外と急峻な山です。
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梅園も見えました。上から見ると、斜面の一部だけが不自然に白いですね。
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行動を再開します。
こちらはガマ石です。口の中に石を投げ込むと良い事があると言うことで、石を投げ込まれまくった哀れな姿を晒していました。
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営業中の茶屋がありました。
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この「風流おしるこ」のノボリには見覚えがあります。丹沢の花立山荘にあったものとまったく同じです。このノボリは市販されている汎用品だったのですね。
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茶屋の名前の由来となってであろうセキレイ岩。
セキレイが男女の道を教えてくれるのだそうですよ。昔の人は鳥から房事の手ほどきを受けていたのでしょうか。
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足元ドロドロ。転倒したら悲劇なので、慎重に歩きましょう。
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御幸ヶ原(みゆきがはら)と呼ばれる場所までやって来ました。
筑波山ケーブルカーの山頂駅に当たる場所です。
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御幸ヶ原から男体山の山頂までは、往復20分ほどです。
男体山の山頂は展望も無く、正直つまらない場所です。ピークハントか、もしくは御朱印目当てでも無い限りは、無理して登らなくても良いかと思います。
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私も今回はスルーしようかなーと思いつつも、結局登りました。なぜならば、そこにピークがあるから。ピークハンターとしての本能が、すっかり五体に染み付いてしまっているようで。
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女体山と同様に、男体山もまた岩の山です。
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振り返ってみた女体山。
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12時50分 特に何の感慨もなく男体山に登頂です。
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山頂の様子。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祭った筑波山神社の本殿が立っています。展望はありません。
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特に用事も無いので、着いて早々に下山を開始します。ホントなにしに来たんでしょうかね。
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ここに来て青空が広がり始めました。
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当初の計画では、ここから御幸ヶ原コースを歩いて下山する事にしていました。
しかしながら、ここまでのドロドロの道に臆していた私は、歩いて下る気力が萎えてしまいました。
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筑波山程度の山であれば必要ないだろうと、ストックを家に置いてきてしまっていることもまた、下りの危険度を押し上げてしまっている状況です。

よし、歩いて降りるのやーめた。
決断は一瞬でした。580円を惜しみなく払い、下山はケーブルカーを使います。
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このような行き当たりばったり柔軟なコース設定が可能なのも、筑波山の魅力の一つです。

ケーブルカーは20分間隔で運行されています。
さしたる待ち時間もなく、すんなりと乗ることが出来ました。
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発車後、僅か8分ほどで麓の宮脇駅に到着です。
ケーブルカーと言う、この偉大なる文明の力をまざまざと見せつけられました。
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行きと同じ道を歩いてバス停まで戻ります。
山頂では結構寒かったのに、麓は薄っすら汗ばむような陽気です。たかが800メートルほどの山と言えど、結構な温度差があるものなのですね。
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青空の下の筑波山の姿を写真に収めて、本日のミッションは終了です。
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シャトルバスに乗り込み帰還の途につきます。
つつじヶ丘発のバスなので、座席は始めからすべて埋まっており、帰りも最後まで立ったままでした。
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筑波山の梅林は、聞きしに勝る規模の見事なものでした。これほど広さの斜面が一斉に白く染まる姿は実に壮観です。
年間を通じて多くの登山者が訪れる筑波山ですが、行くのであれば、梅祭り開催期間中の訪問を強く推奨します。筑波山が最も旬を迎え美味しくいただける季節かと思います。非常に込み合うので、なるべく朝一のバスに乗れる時間に行動を開始したほうが良いでしょう。
花粉症の症状がピークを迎えていた私は、速く帰りたい一心でスルーしてしまいましたが、筑波山の周辺には日帰り入浴が出来る施設がいくつか点在しています。梅見の後に一風呂浴びれれば、さらに満足度が高いものとなることでしょう。
訪問時には花粉対策をお忘れなく。

<コースタイム>
筑波山神社(10:10)-弁慶茶屋跡(11:10)-女体山(11:55~12:25)-男体山(12:50)-ケーブルカー山頂駅(13:05)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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