神奈川県箱根町にある駒ヶ岳(こまがたけ)と神山(かみやま)に登りました。
大涌谷のすぐ傍らの箱根中心部に立つ箱根最高峰です。駒ヶ岳は山頂までロープウェイで登るが可能で、登山の対象と言うよりは観光地よりの性質の場所です。芦ノ湖の湖畔から登る登山道もしっかりと存在します。
平成27年に発生した小規模な噴火以来、神山の山頂へは長らく立ち入りが規制されていましたが、現在は解除されて登頂可能となっています。
年の瀬に箱根最高峰とその周辺を巡って来ました。
2024年12月29日に旅す。
箱根の山は天下の険♪
時は令和6年の年の暮れ。自分の内部では年末の恒例行事となっている、箱根に訪問してきました。やはり年末くらいはゆったと温泉に浸かり、真新しい気分でお正月を迎えたいものです。
それこそ毎年訪れているため、箱根のめぼしい山についてはあらかた登りつくしてしまった感がありますが、実はまだ一つ未踏のピークが残っていました。それは箱根の最高峰である神山です。
箱根山と言う呼称は広義には箱根全体を指す言葉ですが、狭義には神山の事を指します。観光地として名高い大涌谷すぐ傍らに立つ、現役の活火山です。
神山の周辺は平成27年の噴火以来長らく立ち入りが規制されており、訪問したくてもできな状態が続いていました。
厳密にいうと、私が訪問した当時もまだ通行止めは解除されてはいませんでした。警戒レベルの引き下げにより立ち入り規制自体はすでに撤回されていましたが、登山道の整備が完了していないため通行止めと言う扱いの状態です。
そんな訳で私は黒ではないがグレーな状態で登った訳なのですが、現在は既に整備も完了しており正式に通行可能な状態となっています。
下山後の帰路では、何となく気分で箱根ロープウェイを使いました。年の瀬の大混雑の最中、箱根最高峰とその周辺をプラついて来た1日の記録です。
コース
芦ノ湖の湖畔の湖尻バス停からスタートして、防ヶ沢登山口を登り駒ケ岳に登頂します。その後分岐まで引き返して、箱根最高峰の神山へ。
下山は元来た道を引き返し、桃源台まで歩きます。駒ケ岳ロープウェイは使わずに神山に登る行程です。
1.箱根山登山 アプローチ編 あまり人気のない芦ノ湖湖畔の湖尻
5時43分 小田急線 喜多見駅
ロマンスを介さない無粋な男である私は、今日もロマンスの無い小田急線の普通列車で箱根を目指します。
そもそも特急を使うほどの距離ではないだろうという認識でそうしている訳なのですが、世間一般では箱根に行くと言ったら普通はロマンスカーに乗るものであるようです。
箱根に近づくにつれて、車窓に朝日に照らされた富士山の姿が見えて来ました。本日は絶好の登山日和となりそうです。強烈に寒いですけれどね。
7時5分 終点の小田原に到着しました。真面目な話をしますと、ロマンスカーを使わないのは何も特急券代をケチっている訳ではなく、始発の普通列車を乗り継いだ方が早くに現地に降り立てるからです。
始発のロマンスカーがもう少し早い時間に動いてくれれば良いのですが、そもそも登山者向けの列車ではないのだから致し方なしです。
7時15分発の湖尻行きバスに乗車します。こちらの路線は箱根登山バスではなく伊豆箱根バスによる運行で、隣接する桃源台行きのバスに比べるといつも空いています。空き過ぎていて、路線自体の継続を危ぶむくらいには…
ほぼ確実に座れるので、なんなら桃源台に行きたい時でも湖尻行きに乗った方が良いまであるかもしれません。乗って残そう公共交通!
ガラガラのバスが箱根の中止に向かってひた走ります。一度乗ってしまえば、もう途中乗り換えないしで目的地まで運んでもらえるので、実に楽なものです。
8時12分 湖尻バス停に到着しました。バスを降りるなり、身震いするくらいに冷たい空気が出迎えてくれました。本日は冬らしい1日となりそうです。
湖尻は芦ノ湖遊覧船の停泊港なのですが、どうやら運休中のようです。なるほどバスが空いていたのはそれが理由か。
芦ノ湖が目の前にあります。とりあえずはいつもの定番のセリフを少しもじって、「ヒャッハー、みずうみだー!」と叫んでおく。
遊覧船は運休中ですが、貸しボートには乗れます。好きな色の白鳥に乗れますと案内されていますが、白くなかったらそれはもう白鳥ではないのではなかろうか。
すぐ隣に桃源台があります。徒歩でもせいぜい5分くらいの距離です。あちらには海賊船が停泊中です。
ちょっと紛らわしいのですが、芦ノ湖遊覧船と海賊船は異なる運行会社です。そこまで広いとは言えない芦ノ湖上に、2社の遊覧船航路がひしめいています。
2.霜の降りた寒々しい防ヶ沢ルートを登
8時20分 トイレと身支度を済ませて、本日の行動を開始します。湖尻ターミナルの建物の左わきにある小道に入っていきます。
この湖畔の道は、箱根九頭竜の森セラピーロードと言う名称であるらしい。湖尻から駒ケ岳ロープウェイのある箱根園まで続いています。
湖畔を辿る遊歩道として整備されています。まだ朝早い時間だからなのか歩行者の姿は見当たりませんが、自転車の往来が結構目につきます。
もっと芦ノ湖の水際のギリギリを歩けるのかと思っていたのですが、道は高巻き気味に少し離れた場所を通っていました。
駒ヶ岳ロープウェイを使ってラクラク登山がしたい人は、このまま道なりに箱根園まで歩いてください。ロープウェイは使わずに下から歩いて登るつもりでいる人は、ここから左に入っていきます。
背丈を越える高さの笹竹に両脇を囲まれた、いかにも箱根らしい光景です。ISO感度を上げたので写真は明るく写っていますが、まだ陽が差し込まない時間帯であるため、周囲はかなり薄暗い状態です。
背後を振り向くと、世界遺産のアイツが僅かに頭を覗かせていました。駒ケ岳の山頂まで行けばもっと良く見えるので、背後の事は気にせずにどんどん前へ進みましょう。
車道に出ました。登山道の続きは、道沿いに右へ少し進んだ先の向かいにあります。割と交通量が多めなのうえに横断歩道が無いので、横断時には注意を要します。
8時50分 防ヶ沢登山口と呼ばれている場所まで歩いて来ました。僅かですが路肩に駐車スペースがあり、車でお越しの人はここから歩き始められます。
ここまでの道程はウォーミングアップのようなもので、ここから本格的な登りが始まります。
ようやく登山道上にまで朝日が差し込み始めました。まだ朝早いからなのか、あるいは単に人気の無いルートなのかはわかりませんが、周囲には人影もなく静まり返っています。
枯れ沢を横断します。これがルート名にもなっている防ヶ沢でしょうか。ここを過ぎると、登山道は沢筋ではなく尾根筋になります。
日影になっている箇所の地面は、びっちりと霜柱に覆われていました。今朝はかなりの冷え込みで、普段は歩き始めて体が温まって来た段階でネックウォーマを外すのですが、なかなか外し時が見出せません。
背後の視界が少しだけ開けて、今度は樹木の隙間越しではなく綺麗に富士山が見えました。富士山手前の山は三国山(1,102m)かな。あまり歩く人は多くない山ですが、気持ちの良いトレイルですよ。
登山道はほぼ一直線に続いており、結構な急登です。今は地面が凍結しているからまだ良いですが、気温が上昇して霜柱がとけはじめると、泥濘が相当ひどい事になりそうな予感がします。
急登であるが故に、短時間でみるみる標高が上がっていきます。いつの間にか芦ノ湖がすっかりと見下ろす高さになりました。
正面に駒ヶ岳の山頂が姿を見せました。神山のすぐ隣にあるピークで、前述の通り山頂までロープウェイで登ることが出来ます。どうやら樹氷になっているらしく、山頂付近が白く輝いていました。
ザクザクと霜柱を踏みしめる感触が気持ちいい。私はもういい年をしたオッサンですが、心の中にはイマジナリ少年が今も生き続けており、霜柱を見ると意味もなく踏みつけたい衝動にかられます。
9時55分 防ヶ沢分岐まで登って来ました。駒ケ岳と神山の間にある鞍部です。ここでルートが分岐します。
さて神山の方の登山道ですが、平成27年に発生した小規模な噴火以来ずっと通行止めの状態が続いています。
噴火警戒レベルはだいぶ前から既に1へ引き下げらており、警戒区域の指定も解除されてはいるのですが、登山道の整備が完了していないと言うのが通行止めの理由です。
この先に進むのであれば、以降は完全な自己責任の領域となります。
3.樹氷に覆われた駒ヶ岳の山頂
神山は一旦後回しにして、まずは先に駒ヶ岳の方をピークハントして行きます。
純然たる観光地の領域であると言う認識もあって、何気に自身一度も登ったことがありません。大変眺めが良い山であるとの事なので、期待しておきましょう。
振り返って見た神山です。駒ケ岳と同様に、山頂の周囲は樹氷化しているらしく白く染まっていました。
日影になる山頂の直下は、完全に凍結していてまるで冷凍庫のような状態でした。雪がある訳ではなく土が凍り付いているだけなので、今のところチェーンスパイクなどのすべり止めは出番がありません。
風に吹かれて落ちた樹氷が、まるで粉雪の様に地面を覆っていました。特に狙っていた訳ではありませんが、結果的に珍しい光景を拝めているのかもしれません。
山中にあるものとしては場違い感がある、鉄製の門扉がありました。ここから先は駒ケ岳山頂にある箱根神社元宮の敷地であるようです。
山頂付近には一面の笹原が広がっていました。箱根エリアの山の稜線上には良く見られる光景です。
箱根は森林限界を超えるほどの標高がある訳でもないのに、背の高い樹木が育たずにこうして笹原になっているのが不思議なものです。
栄養に乏しい火山性の土壌の問題か。あるいは噴煙に含まれるガスの影響だったりするのだろうか。
不意に駒ケ岳ロープウェイの山頂駅が現れました。巨大な建造物がいきなり視界内に出てきたので少々驚きました。
振り向けば奴がいる。箱根のほぼ中心に立っている山だけの事はあって、素晴らしい展望です。
そしてお隣の神山です。箱根の中心にして最高地点なのは駒ケ岳ではなくあちらなのですが、残念ながら神山の山頂には展望が一切ありません。展望については今のうちに楽しんでおきましょう。
ここだけを見ると、まるで霧ヶ峰か何かの様にも見える笹の丘の光景です。火山の山頂部にこのような空間が広がっているとは、予想外でした。
駒ケ岳ロープウェイの山頂駅はだいぶ年季の入っている建物ですが、増改築を繰り返した結果なのか複雑怪奇な良くわからない構造をしています。中に入ってはみませんでしたが、展望スペースらしきものもあります。
眼下に芦ノ湖を一望できます。湖畔に居る時には特に何の違和感も感じませんが、こうして上から見下ろすと、これだけ周囲の平野よりも高い場所に大量の水が溜まっていることの特異さが良くわかります。
桃源台に停泊していた海賊船が動き始めています。最後に乗ったのはそれこそもう10年以上も前のことですが、今はきっとインバウンド客で大混雑しているのだろうな。
愛鷹山(1,504m)がすぐ隣にあります。付近から見た時にかなり目立つ山なのですが、登山の対象としての人気と知名度は何故かイマイチふるわない不遇な存在です。地味だと思われてしまうのだろうか。
撮影用と思われる、窓の木枠のようなオブジェもあります。どこまでも映えを意識した観光地の趣です。
いつまでももったいぶっていないで、そろそろ山頂を目指しましょう。付近を歩く人はみな駒ヶ岳ロープウェイで登って来たのであろう観光客ばかりで、山登りの格好をしている人間は圧倒的に少数派です。
笹原に立つ灌木にびっちりと樹氷がこびりついて、まるで白サンゴのような見た目になっていました。正午までには溶けてしまうでしょうから、冬の朝の内にしか拝めないであろう時間限定の光景です。
駒ヶ岳の山頂に立つ、箱根神社の元宮です。箱根神社は神山をご神体として祭っている山岳信仰で、駒ケ岳はその拝礼所の扱いとなっています。
10時25分 駒ヶ岳に登頂しました。観光地であると言う先入観だけでずっと訪問を見送っていた場所でしたが、思っていた以上に眺めの良い山でした。下から登れる登山道もしっかりと存在するので、登山の対象としても十分に満足できる場所だと思います。
鳥居の先に雲が沸き立つ光景が幻想的です。雲の向こう側に僅かに見え隠れしている山は、伊豆の天城山です。
東側に目を向けると、眼下に相模湾も一望できます。地平線付近には三浦半島や房総半島までもが僅かに見えています。
明神ヶ岳(1,169m)の先には、丹沢の山々が居並んできます。丹沢山地の山からは、どこからでも大抵は箱根が見えているので、当然逆もまたしかりです。
最後に神山と富士山のツーショットです。なるほど確かにここは、神の山を拝するのにはちょうど良い場所です。
4.樹木に覆われた地味なる神の山の頂
駒ヶ岳からの展望を十分に満喫しました。そろそろ本日の本題であるはずのところの、神山登山に移りましょう。
防ヶ沢分岐まで、元来た道を引き返します。まだ霜柱はとけはじめていませんが、徐々に気温は上昇しつつあります。樹氷が無くなってしまう前に、少しばかり先を急ぎましょう。
防ヶ沢分岐から神山山頂までの標高差はおよそ200メートルです。0.5高尾山なので、だいたい30分くらいを見ておけば登頂できるでしょう。
※1高尾山=標高差400メートル=徒歩約1時間
分岐まで戻って来ました。神山に向かって、これより完全自己責任の領域へと足を踏み入れていきます。
道標に白骨化した鹿の頭蓋骨がひっかけてありました。侵入したらお前もこうなるぞと言う警告でしょうか。
長らく放置されていただけあって、大きな洗堀などもあり道はやや荒れ気味です。荒れているとは言ってもそこは一般登山道なので、特に通行に難儀するような個所はありません。
登山道上の識別標が神となっているのが、まあ神山なのだから当然と言えば当然なのですが、なんだか少し笑えます。
気温の上昇と共に溶けた樹氷が、まるで雪の様に頭上から降り注いできます。なかなか幻想的な光景です。
山頂付近はそこそこ急勾配です。樹氷が地面の上に降り積っており、登りはともかく下山時には滑りそうな予感がします。
11時30分 神山に登頂しました。前評判通りの地味で静かなる頂です。神が住まう座所としては、むしろその方がふさわしい。
箱根の最高地点を1度も踏んだことがない事実に対して、長年心にひっかかりのようなものを感じていましたが、本日ようやくにしてそれを解消することが出来ました。
これでもう今日は、何も思い残すことはありません。さあ、後は温泉に浸かるのみ。
ここから大涌谷方面へ下って行く登山道もあるのですが、現在閉鎖中です。こちらの道については、途中に大きな崩落個所があり、自己責任云々以前の問題として、物理的に通行不能であるらしい。
どちらにしろ大勢人のいる大涌谷へ下ればおのずと人目についてしまうので、こちらへの侵入は慎んだ方が良いでしょう。
5.元来た道を引き返し、桃源台へ下山する
僅かな滞在時間で神山山頂を後にします。サクサクと足早に行きたいところではありますが、思った通り地面に降り積もった樹氷によって非常に滑りやすい状態でした。慌てず慎重に参りましょう。
駒ヶ岳は引いた位置から見ると、一目で溶岩ドームだと分かる台形型をしています。箱根の火山群の中では比較的新しく成立した山であり、まだ浸食がそれほど進んでおらず原形をとどめています。
分岐まで戻って来ました。もう歩くのに飽きたと言う人には、駒ケ岳まで登り返してロープウェイでラクラク下山すると言う選択肢も一応あるにはあります。私は歩いて下りますけれどね。
恐れていたことが現実になりました。下山路はドロドロのグチャグチャ状態です。転んだら悲劇に見合われるので、ゆっくり慎重に下ります。やっぱりロープウェイに乗れば良かったか。
私の頭の中は既に下山後の温泉のことでいっぱいになっている訳なのですが、油断すると即座に転倒しそうなコンデションで、遅々としてペースが上がりません。
焦っているのには理由があります。下山後は出来れば強羅の白濁した硫黄泉に入りたいと思っているのですが、強羅の日帰り入浴が可能な温泉宿はどこも軒並み、宿泊客がチェックインを開始する前の15時までしか入浴を受け付けてくれません。
急がねば肝心の温泉に入りそびれてしまうかもしれない。
サクサクとはいかず、だいぶ時間をかけて防ヶ沢登山口まで戻って来ました。
湖尻まではもうひと道あります。早足気味に元来た道を引き返します。
インバウンドの外国人と思われるグループが、なにやら凄いハイテンションでスワンボートを乗り回しています。
あのはしゃぎ様からして、ひょっとすると足漕ぎ式のスワンボートは日本にしか存在しないものなのかもしれない。楽しそうで何よりです。
13時55分 スタート地点の湖尻まで戻って来ました。この後湯本に戻りたいのであれば、ここでバスを待てば良いだけです。
6.大涌谷で人混みに揉まれる
私は湯本ではなく強羅に行きたいので、さらに徒歩で桃源台へ移動します。桃源台まで行けば箱根ロープウェイの他に、箱根内の各方面への路線バスもあります。
バスは恐らく渋滞しているでしょうから、本日は久しぶりにロープウェイに乗って強羅へ移動しようかと思います。
深い考えも無しに強羅行きのチケットを購入した私は、建物の外にまで伸びた大行列に面くらいました。周囲から聞こえてくる会話は、ことごとく異国の言葉です。恐るべしインバウンド。
だいぶ待たされて、乗り込めた時には時刻は14時40分になっていました。ふむ、これではもうどのみち、強羅での日帰り入浴には間に合いませんな。
であれば仕方がありません。せっかくの機会なので、大涌谷で途中下車してして少し観光して行きます。
大涌谷を訪れたのは、まだ未就学児童だった頃に親に連れられて来た時以来です。実に40年ぶりと言うことになります。箱根自体にはほぼ毎年訪れているのに、観光地エリアは基本的にスルーしていますからね。
この大涌谷を越えるスパンの部分が、箱根ロープウェイにおける最大の見せ場でしょうか。なおロープウェイと名乗っていますが、厳密に言うとこれはゴンドラリフトと呼ばれる乗り物です。
富士山もこの通り良く見えます。一歩も登山せずともこれだけの光景を拝めるわけですから、わざわざ神山に登ろとする人間がそれほど多くはないのにも納得がゆこうと言うものです。
インバウンド価格の黒玉子は買わずにパスして、付近を軽く見て回ったところで撤収します。この時間になってもなお、次々と新たに人が降り立っていました。恐るべしインバウンド。
と言うことで最大の見せ場の大涌谷越えなのですが、ゴンドラ内が満員状態のため下方向にはカメラを向けられませんでした。ゴンドラの床が一部ガラス張りになっており、噴気が立ち上る谷底が良く見えます。
こちらは天下の秀峰こと金時山(1,213m)です。箱根の外輪山の中では人気知名度共に一番高い山です。ここで身もふたもないことを言ってしまうと、神山に登るよりは金時山に登った方が楽しいだろうとは思います。
終点の早雲山駅には立派な展望デッキが整備されていました。当然ここも人でいっぱいです。観光地の領域に足を踏み入れたのは明らかに失敗だったかもしれない。どこもとにかく混んでいて、何をするにも待たされます。
明神ヶ岳が真正面にあります。明神ヶ岳の山頂からも神山が良く見えているので、ちょうど正対している格好です。
ここから歩いて下っても良いのですが、強羅行きのケーブルカーがあります。当然ながらここでも大行列です。
時刻は間もなく16時になろうと言うタイミングで、ようやく強羅に辿り着きました。本当は14時間半くらいには辿り着きたかったのだけれどな。年末の箱根の混雑ぶりを甘く見ていました。
強羅での入浴は諦めて、湯本まで引き上げます。この時間のバスは間違いなく渋滞につかまるので、箱根登山鉄道での移動が無難です。鉄道なら例えどれほど混雑していようとも、時刻表通りにはたどり着けますから。
塔ノ沢駅で下車して、毎度恒例の和泉に寄って行きます。特に気に入っているわけでもないのですが、箱根湯本駅からもほど近くにあるため、帰りがけに立ち寄りやすい場所ではあります。
土産物店でこれまた恒例の年越し用のソバを購入します。これで人間らしいお正月を迎えるための準備はすべて整いました。さあ、帰りましょう。
行きと同様にロマンスの無い普通列車に揺られて、帰宅の途に付きました。
ほぼ毎年のように年末の恒例行事として訪れている箱根ですが、今回ようやくにしてその最高峰を踏むことが出来ました。私はちょっとフライングして登ってしまいましたが、現在は既に通行止めが解除されており、人目をはばかることもなく堂々と登ることが出来ます。
駒ヶ岳山頂の賑わいに比べると、神山の山頂を訪れる人の数はずっと少なく、神の住まう山に相応しい静かなる頂です。箱根の最高地点を踏みたいという明確な目的意識がある人以外は、駒ヶ岳の山頂から眺めるだけにしておいた方が幸せになれる山であろうかと思います。
<コースタイム>
湖尻(8:20)-防ヶ沢登山口(8:50)-防ヶ沢分岐(9:55)-駒ヶ岳(10:20~10:40)-神山(11:30~11:40)-湖尻(13:50)-桃源台(13:55)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
情報提供ありがとうございました。駒ヶ岳、神山へは以前から行きたいと思っていましたが、通行不可のままかとあきらめておりました。近く教えていただいたコースをこっそり訪ねたいと思います。ただオーバーツーリズムを避けるには平日に有休取っていくしかないですね。
nobuさま
コメントをありがとうございます。
火山活動の状況によってはいつまた登れなくなるともしれないので、後々に悔いが残らないよう登れるうちに登っておくのが良いと思います。山は逃げますから。
オオツキさま
私も神山には訪れたいと思っておりましたのでこの記事はありがたいです。
本日明神ヶ岳から宮城野に下りましたが湯本行きのバスは平日でも混んでました、週末はとても行けなさそうなので平日に訪れようと思います。
gottonnさま
コメントをありがとうございます。
神山まで登って来るインバウンド観光客はそうはいないと思うので、ある意味穴場かもしれません。もっとも、そこに辿り着くまでの交通機関が混雑するのはどうしようもありませんけれどね。