御正体山 甲斐東端の地に静かに佇む道志山塊最高峰

赤岩から見た御正体山
山梨県の道志村にある御正体山(みしょうたいやま)に登りました。
道志山塊という極めてマイナーな山域に位置するあまり人気の無い山です。展望のない山と言うことだったので、前の週に登った丹沢の大室山に引き続き、晴天の望み薄な梅雨時に訪れました。
果たして前評判に違わず、そこにはまったくと言っていいほど人の気配の感じられない静かな森が広がっていました。

2016年6月26日に旅す。

 


丹沢の主峰蛭ヶ岳に登った経験のある人ならば、谷向かいにそびえるドッシリとした大柄な大室山と、その後ろにそびえる同じく大柄な山を目にした事があるのではないででしょうか。

それこそが今回の主役、御正体山です。
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この山、巷での人気のは今ひとつです。

曰く「山頂付近は樹林帯が広がり展望は良くない」だとか「バス本数が少なくアクセスは悪い」だとか、あまり肯定的な評価は聞かれません。

しかし、逆にそういう所がマイナールートが大好物の天邪鬼系ハイカーである私のツボを強く刺激するのです。

折りしも季節は梅雨真っ盛り。どうせ快晴は期待できないのだから、展望の無い山に登るなら今だろうと思い立った次第です。

ルート
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道坂隋道入口バス停より御正体山へ登頂。
道坂隋道行きのバス路線は本数が極端に少ないので、登頂後はそのまま南下して山中湖村の石割温泉へ下山します。
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標準コースタイムはおよそ8時間ほど。温泉にも寄れる理想的なプランが出来上がりました。

8時45分
富士急線の都留市駅よりバスでおよそ35分かけて、道坂隧道(どうざかずいどう)へやって来ました。
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バスから降りたのは私を含めて3名だけでした。やっぱり不人気なんですかね、御正体山。

この標識によると、都留市の名物はリニアとやっこらしい。
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周辺の案内図をチェックします。
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この案内図の製作者としては今倉山がイチオシなのでしょうか。登ったことがありますが、特になにもない山だったような?

そんな訳で本日は今倉山とは反対方向に向かいます。
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登り始めは穏やかな尾根道です。
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早速藪っぽい道になってきました。
この山の人気の無さの片鱗が早くも見え始めてきております。
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谷を挟んで向かいに丹沢山塊北部の山々が一望できます。
冒頭で紹介した蛭ヶ岳からの展望と、ちょうど反対側からの景色です。
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山名入り160626御正体山_010

御正体山の脇からチラ見えする富士山。
この時点ではまだ雲には覆われていないようでした。
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三ツ峠山も見えました。
山頂のアンテナのおかげで、この界隈では最も山座同定が容易な山です。
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下草がみっちりと生えた道を登ります。
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これは天然林でしか見られない光景です。

奥多摩の山を歩いていると良くわかりますが、過密気味に植林された杉林では、地面まで太陽光が届かず下草が一切育ちません。

杉林のことを「緑の砂漠」と表現しているのを耳にしたことがありますが、言い得て妙だと思います。

なにやら頂上っぽいところに出ました。
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手作り感満載の標識によると、ここが岩ノ下丸らしい。
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さて、突然ですがこちらは記事の先頭で紹介した御正体山の写真です。
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季節が冬な上に、右隣に写ったの世界遺産のアイツが悪目立ちしすぎて、もはやどっちが主役なのか良くわからない状態になってしまっております。

そもそもこの写真は、2016年の冬に訪れた二十六夜山に登っている最中に写したもので、今回記事にしている山行きよりずっと後になってからの撮影です。

そんな季節ハズレの写真をあえてトップに持ってこざるおえなかったのは、この山が圧倒的な樹林帯の中にあり、山の全景を捉えることのできる撮影スポットが存在しなかったからです。

このように何処から見ても木に邪魔されます。
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こっちのほうがまだ全体像を捉えられているかな。
いずれにせよ、トップを飾るには力不足な感じです。
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今回に限らず、記事の冒頭を飾る写真の選定にはいつも頭を抱えます。

山の全景を捉えるには、少し引いた位置から眺める必要があるのです。近隣の山にでも登らない限り、なかなか全景を捉えた良い画と言うのは撮れません。

岩ノ下丸から少し進んだところで、大量の木苺が生えている場所に出ました。
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道の両側に広がっており、なんと言うかもう木苺畑状態です。
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これほど大量に実っていながら、収穫された形跡が全くありません。この山を訪れる人が如何に少ないのかが窺えます。

すっぱくておいしーい
ここで暫しおやつタイムに突入しました。昔から大好きなんですよこれ。

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次回の訪問があるのならば、そのときは収穫用にタッパーを携えてくることにします。

本日のベスト茸
茸の知識は全くありません。これは食えるんですかね?
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岩にまとわり付いた木の根。
御正体山への道中唯一の危険と言えなくもない場所です。
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この一箇所を除けば、ずっとこんな感じの危険とは無縁の道が続きます。
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丹沢方面には大分雲が沸いて来ていました。
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道中にあったブナの巨木。
比較対象が無いので大きさが伝わりにくいですが、かなりの大きさです。
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11時35分 御正体山登頂
ご覧の通り展望はゼロです。そして誰もいない。
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このように地味極まりない山ながら、実は日本二百名山、山梨百名山、道志山塊最高峰という3つのタイトルの保持者であります。
どれもパッとしないタイトルだけど

お社がありました。御正体権現というのだそうです。
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皇太子殿下が訪れたことを示す立て看板がありました。
殿下の山好きは有名ではありますが、まさかこのような地味な山にまで足を伸ばしておられるとは。
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さて、特に見るべきものが何も無い山なので、昼食を済ませたら直ぐに行動再開します。
ここから石割山までは長い尾根歩きです
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12時15分 前ノ岳を通過
御正体山の前衛峰という意味でついた名前でしょうか。
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ベンチが一つあるだけの何も無い山頂です。
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12時35分 中ノ岳を通過
御正体山と石割山の中間付近にある山であることから付いた名でしょうか。投げやりな名前の山が多いな。
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同じくベンチがあるだけの何も無い山頂です。
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突如視界の開けた場所に出ました。送電鉄塔の巡視路のようです。
正面に見えているのは杓子山(1,598m)です。
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目指す石割山を望む。
富士山が真正面にあるはずなのですが、すっかり雲の中でした。
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南側の展望。
中央左に見えているのは高指山(たかざすやま)(1,174m)かな。
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定番の鉄塔見上げアングル。
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そして道は再び樹林帯へ。
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13時15分 奥ノ岳を通過
奥まった場所にあることから付いた名でしょうか。ここにはベンチすらありませんでした。
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山伏峠への分岐点
なにがあったのかは知りませんが、御正体山はガックリとうな垂れているようでした。
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地図上に一箇所、危険アイコンと「崩落地」の文言が書かれた箇所がありますが、多分ここの事でしょう。
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確かに道が痩せてはいますが、とりたてて危険というほどではない気がします。

標高が大分が下がってきて麓の集落が近づいてきました。
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そして、ここまで来てまさかの藪出現です。道が不明慮になってきました
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笹薮を掻き分けながら進みます。
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何故か所要時間の部分だけが削られた道標。
時間を書き間違って慌てて削り取ったとか?
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14時15分 石割山登頂
御正体山からおよそ2時間半かかりました。
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石割山は富士山の展望台として名の知れた山です。
この日はご覧の通りとても残念な状態でしたが。
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こちらは富士五湖の一つ山中湖。
富士五湖の中では最大の面積を持つ湖です。
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振り返ってみる御正体山
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うーん、電線が写ってなかったらこれをトップの写真にしたんですけどね。

下山は山の名前の由来にもなっている石割神社を経由します。
下山路中にも大きな岩が幾つも転がっていました。
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14時35分 石割神社に到着
その名のごとく割れた巨石を御神体として祭っている変わった神社です。
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これがその割れ目です。ここを通り抜けることが参拝なのだとか。
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ということで通り抜けてみました。
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横向きにならないと通れません。
3回まわるのが参拝のお作法とのことですが、回りすぎてバターになっても困るので、1回だけにしておきました。

さあ、あとはもう温泉に浸かって帰るだけです。石割の湯を目指して一目散に山を駆け下ります。
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15時15分 石割の湯に到着
この日はもうすっかり汗だくで,速く温泉に入りたくて気が逸っていたので、下山時の写真が全く残っていませんでした。
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アルカリ性のお湯です。肌がスベスベになります。入浴料は700円でした。

ここから山中湖湖畔にある平野バス停までは、徒歩でおよそ20分ほど掛かります。
ところが私は地図を読み間違えていて、バス停までの所要時間を10分だと勘違いしていました。

温泉の軽食コーナーで、信玄餅ソフトなる黒蜜と黄粉のかかった見るからに高カロリーなソフトクリームと格闘しているうちに、時刻はバスの発車時刻の15分前になっていました。

そして、バス停までのルートを確認しようと改めて地図を見た私は、顔面蒼白になりながら慌てて駆け出すのでした。

どうして何時も最後は走っているんでしょうかね。

せっかく温泉に入ってサッパリしたのに、全力疾走で再び汗まみれになりながら、何とか4時半のバスに駆け込むことに成功しました。

ちなみにこれを乗り逃すと次の便は1時間後です。

富士山駅から富士急線に乗って帰還です。
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御正体山は前評判どおりの地味な山でした。新緑のブナ林は確かに良い雰囲気を醸しだしていますが、この交通不便な山に人を呼び込むにはそれだけでは訴求力不足と言わざるおえません。
今回はの山行きでは少し歩行距離が長くなるものの、下山後に温泉に入れるようにルートを設定しましたが、これで正解だったと思います。御正体山だけに登ってそのまま帰ったのでは、不完全燃焼だっただろうと思います。
人の少ない静かな山行きを求める人にオススメの山です。

<コースタイム>
道坂隋道(8:45)-岩ノ下丸(9:50)-御正体山(11:35~11:50)-前ノ岳(12:15)-中ノ岳(12:35)-奥ノ岳(13:15)-石割山(14:15)-石割神社(14:35~14:45)-石割の湯(15:15)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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