御前山-九鬼山 秀麗なる富嶽を望みながら駅から駅へと歩く、手軽な縦走登山コース

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山梨県大月市と都留市にまたがる御前山(ごぜんやま)と九鬼山(くきやま)に登りました。
富士急行線が走る都留市の脇に沿うように南北に連なる、標高1,000メートに満たない山並みです。駅から直接アプローチが可能な立地にあり、手軽に登ることの出来る山です。
またこの2座は、大月市が制定した富士展望に優れる山の称号である、秀麗富嶽十二景にも選ばれています。
春の色が濃くなってきた近場の低山を、のんびりと歩いて来ました。

2020年3月21日に旅す。


九鬼山は大月市内を走る中央本線の北側に連なる、秋山山稜に属している山です。秋山山稜が桂川に向かって沈みこむ西端に位置しています。
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一見すると、これと言った特徴があるわけでもない素朴な里山です。そんな九鬼山の唯一と言って良い外観的特徴は、リニア実験線が山腹を貫いていることです。

九鬼トンネルの全長はおよそ4kmほどあり、リニアはこのトンネルを30秒で走り抜けるそうです。

九鬼山単体であれば、富士急行線の田野倉駅から2時間もあれば登れてしまう山です。しかしそれでは少し物足りない気がしたので、猿橋駅のすぐ北にある御前山から九鬼山までを縦走して来ました。
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標高1,000メートに満たない低山故に、道中の眺望にあまり恵まれていません。しかしながらこの2座は、秀麗富嶽十二景にも選ばれている富士展望の山でもあります。

秀麗富嶽十二景には、文句なしに富士山が綺麗に見える山もあれば、一応富士山が見えるには見えるけれど、正直イマイチと言うかさほど秀麗でもない山もいくつかあります。

さてこの御前山と九鬼山は、果たしてそのどちらなのでしょうか。あまり過剰な期待はせずに、いざ行ってみましょう。
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コース
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猿橋駅よりスタートし御前山へ登頂します。そこから尾根に沿って南下し九鬼山へ。下山は富士急行線の禾生(かせいえき)駅へと下ります。

標準コースタイム5時間40分ほどの縦走ルートです。

1.九鬼山登山 アプローチ編 駅から直接歩いて登れる近場の山

6時9分 京王線 高尾駅
電車から降り立つなり、目の前にある大光寺の桜が満開に咲いているのが目に飛び込んできました。
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ここの桜は毎年開花が早めな気がします。桜に造詣が深いわけでもないので良くわかりませんが、これはソメイヨシノではないのかな。

花見はほどほどで切り上げて、いつもの6時14分発の松本行き鈍行列車に乗り込みます。
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35分ほどの乗車時間で、猿橋駅に到着しました。首都圏在住の人にとっては、山梨県の山の中でも際立って近場といえる山です。
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登山口があるのは南口の方です。南口駅前にはびっくりするほど何もありませんでした。まあ、北口の方も似たり寄ったりではありますが。。
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今日も大月市を見守る岩殿山(634m)。大月駅前から見たと時に比べると、岩々しさの押し出し感があまりありません。
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中央線の頭上を跨ぐこのパイプは、東京電力の駒橋発電所です。明治40年に作られた、日本国内では最古参の世代に属する水力発電所であり、国の有形文化財にもなっている現役の施設です。
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身支度を整えて、7時ちょうどに行動を開始します。駅前から、最初のT字路を右折して道なりに進みます。
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やがて大月市恒例の道標が現れるので、その導きに従って進みます。
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トンネルをくぐります。意外と交通量が多めですが、しっかりと歩道があるトンネルなので安心です。
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眺望が開けて来ました。桂川を挟んだ見えているのは、右が扇山(1,138m)で左が百蔵山(1,003m)です。どちらも秀麗富嶽十二景に選ばれている山です。
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7時10分 登山口までやって来ました。ガードレールに切れ目がないないので、反対側の歩道を歩いて来ると中に入れてもらえないという、極めて不親切な仕様の登山口です。
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ガードレールを跨いで登山を開始です。まずは御前山を目指します。
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奥多摩にもまったく同名の山があるので、区別するためには甲斐御前山とでも呼べばよいのでしょうかね。もっともこちらの御前山は、区別が必要になるほどメジャーな存在ではありませんがね。

2.御前山登山 登頂編 登っても特に良いことは無い神楽山と、好展望地の御前山

登り始めは、まるで奥多摩のような薄暗い杉の植林です。都市部近郊の里に近い山と言うのは、どこもだいたいこんな感じですよね。
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幸いなことに、この陰鬱な杉林の光景は長く続きません。ほどなく頭上に、眩い光が溢れて来ました。
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割とあっけなく尾根に乗りました。この先は最後までずっと、尾根筋の道が続きます。
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新緑シーズにはまだ少し早いと見えて、冬枯れの殺風景が広がっていました。そんな中にポツポツ咲いている、黄色い花の姿が目につきます。
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これは檀香梅(ダンコウバイ)でしょうか。名前に香りと入っていることからも察せられる通り、独特の香りがあります。
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道中には岩場もあり、全般的に勾配は急です。取り立てて危険と言うほどではありませんが、下る際には注意を要します。
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高台の上に住宅地が広がっているのが見えます。JR東日本が主体となって分譲している、パストラルびゅう桂台と言う名の新興住宅地です。
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エレベーターとエントランスで猿橋駅にアクセスできるようになっているそうですが、停電したら上り下りするのにも一苦労でしょうね。

相変わらず殺風景の尾根を登ります。眺望はありませんが、頭上は開けており、明るくて気持ちの良い道です。
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やがて頭上に、登ってきた尾根とは別の尾根との合流地点が見えて来ました。
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目指す御前山とは反対方向に少し進んだ場所に、神楽山と言うピークがあります。
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登っても特に良いことは無いない山ですが、それでもどんな場所か見てみたいと言う方もいらっしゃるかもしれないので、一応は立ち寄って行くこといにしましょう。すべては読者の皆様のためであります。
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という事で、こちちらが神楽山の山頂となります。八木アンテナが1本ポツンと立っているているだけの、何もない空間です。
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登っても何も良いことなんてなかったでしょう?という事で、ピークハントすることそのもに強いこだわりがあるわけでもない限りは、スルーすることを推奨します。
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気を取り直して御前山に向かいましょう。何もなかった神楽山とは違い、御前山の方は大変眺望の良い場所です。こちらには期待しても良いですよ。
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山頂部が絶壁になって切れ落ちているのが見えます。高所恐怖所の気がある人にとっては、結構おっかない山頂かもしれません。
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その見た目通りに、山頂直下はかなり急峻です。ここを直登するのは流石に難しいと見えて、登山道は右側に回り込みます。
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グルっと回り込んだところで、山頂が見えました。
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8時20分 御前山に登頂しました。かつては厄王山とも呼ばれていたそうですが、その名を示す標識の類は存在しませんでした。
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山頂の様子
周囲が切れ落ちている岩場の空間です。あまり広くはありませんが、大勢が詰めかけるようなメジャーな山ではないため、特に問題は無いでしょう。
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それでは早速、秀麗富嶽十二景No10の実力を見せてもらいましょう。
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おお、これはなかなかものではありませんか。まるで絵に描いたかのような、見事な松と富士の光景を見せてくれました。

里にはもうすっかり春の気配が漂っておりますが、富士山はまだまだ冬の装いです。
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目指す九鬼山の姿が見えました。ここから距離にして4.3kmほど離れています。割と激しくアップダウンを繰り返している様が見て取れます。
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ちなみに、九鬼山の山頂には御前山程の眺望はありません。この場所が、本日の行程の中では最も眺めの良い場所です。

東には秋山山稜の山並み。右の方に並んでいる2座は手前が高畑山(981m)で、奥が倉岳山(990m)です。あちらの2座も秀麗富嶽十二景に選ばれています。
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眼下の谷合に朝日小沢の集落があるのが見えます。これまた凄いところにありますね。リニア実験線のトンネル工事が原因で、沢が枯れたと言うニュースを目にしたような記憶があります。
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なお、足元は断崖絶壁です。あまりファインダーを覗くのに夢中になりすぎないよう、ご注意ください。
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3.登って降りてを繰り返し、最低鞍部の札金峠へ

8時35分 御前山の山頂を後にして、行動を再開します。
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下り始めてすぐに、大月駅方面からの登山道と合流します。御前山だけでもう十分にお腹いっぱいだと言う人は、ここでエスケープすることも出来ます。
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鹿に食われないように手厚く保護された檜の幼木が、健やかに成長していました。里に近い山だけあって、大変よく手入れがなされています。
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進行方向状に大岩が立ちはだかりました。八五郎岩と呼ばれている岩です。登ろうと思えば登れるようですが、登山道は左側を撒くようにして続いています。
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このトラバース路は足元が崩壊気味で、通過するのに少し緊張しました。地図には八五郎クドレと記載されていますが、「クドレ」とは「崩れ」が訛ったものです。
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前方にピークが現れました。緩やかに登り返します。
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山頂付近は岩が露出した急峻な山容となっていました。桂川を挟んだ向かいにある岩殿山などと同様に、この界隈にある山の多くは、堆積岩からなっている岩山です。
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8時55分 沢井沢ノ頭に登頂しました。九鬼山へと続く稜線上の小ピークの一つです。
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それにしても沢井沢とは面白い名前ですね。どちらから読んでも沢井沢です。名前からして、さぞかし豊富に水が湧く沢なのでしょう。

特に何もない地味な山頂ですが、アセビの花が沢山咲いていました。
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次へ進みましょう。左奥に見えているのがゴールの九鬼山です。手前にまだ超えねばならない小ピークが残っているのが見えますねえ。
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緩やかに一度下って、
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そして登り返しです。またもや結構急峻な岩山で、直登はせずに左側から回り込みます。
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危なっかしいトラバースからの急登を乗り越えると、ようやく空が見えて来ました。
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9時15分 馬立山(またてやま)に登頂しました。駅チカの低山だと思って甘く見ていたら、先ほどから忙しなく登ったり下りたりで、意外としんどい行程です。
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山頂の様子
眺望もなにもない小ピークです。基本的にはただの通過点ですね。
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馬立山からは、九鬼山との鞍部である札金峠に向かって、勿体ないくらいに大きく高度を落とします。かなり急な上に、足元は乾燥しきった砂地で滑りやすく、神経をすり減らす下りでした。
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相変わらず眺望はありませんが、時よりこうして富士山がチラチラと姿を見せてくれます。
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大きく下ったことにより、九鬼山がすっかり見上げる高さになってしまいました。これは実質、イチから登りなおすようなものですかね。
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30分近く黙々と下り続けたところで、ようやく鞍部が見えて来ました。
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9時45分 札金峠に到着しました。これはまた露骨な名前の峠ですな。この峠を挟んだ都留地方と朝日小沢との間で、なんらか物品や金銭のやり取りがあったのでしょう。
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古くからの峠越えの道であったことを偲ばせる見事な切通しが残っていますが、現在は廃道状態です。痕跡を辿る事が可能なのかどうかは、歩いてみないことにはわかりません。
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4.九鬼山登山 登頂編 ザレた悪路を乗り越えて、秀麗な富嶽と対面できる頂へ

九鬼山へ向かいましょう。峠からは標準コースタイムで1時間5分の行程となります。すぐそこのようにも見えますが、まだ結構かかりますな。
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少し登ったところで分岐があります。ここから田野倉駅へエスケープすることも出来ますが、まあここまで来てエスケープする人はあまりいないでしょう。
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九鬼山本体が近づいてきたところで、少しだけ眺望が開けました。
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気温の上昇と共に少し空気が霞んできましたが、それでもまだまだ良いお天気です。
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こちらは三つ峠山(1,785m)から本社ヶ丸(1,631m)へと続く山並みです。どちらも富士展望が自慢の山です。
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そもそもこの界隈にある山からは、どこからであっても大抵は富士山が良く見えます。近いのだから当たり前ですよね。

山中に放置された鉄塔が二つ並んでいました。送電鉄塔にしては背が低いので、林業用の索道か何かがあったのでしょうか。
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開けた場所に出ました。紺場休場と呼ばれる地点です。地名からしてやはり、林業関連の拠点か何かがあったのでしょう。
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正面の視界が開けており、向かいにある高川山(975m)の姿が良く見えました。
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山頂へ向かいましょう。紺場休場からは、直登せずに左へ回り込みます。
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トラバース路からは、北都留三山の山並みが良く見えました。北都留三山とは、権現山(1,312m)、扇山、百蔵山の総称です。
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このトラバース路は、一部登山道が崩落気味です。通行の際は十分にご注意ください。
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お助けロープが張ってはあるのですが、テンションが弱くかなり不安定です。せっかく張ってくれているものにケチをつけるのもなんですが、掴まない方が安定するかもしれません。
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危なっかしいトラバース地帯を突破しました。山頂に向かってラストスパートです。
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山頂直下は岩場です。お手軽な低山ながらも、最後の最後までなかなか油断のならない山です。
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岩場を登りきると、ようやく山頂が見えました。
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10時50分 九鬼山に登頂しました。御前山を発ってから2時間と15分で到着です。思ったよりも歩きごたえのある道のりでありました。
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山頂の様子
そこそこの広さがあり休憩向きな場所です。ベンチなどは無いので、レジャーシートの持参を推奨します。
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ついて早々ですが早速、秀麗富岳の実力の方を見てみましょう。
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ふむ、確かに見えてはいるものの、秀麗であるかと問われると正直微妙なところです。御前山からの景色よりは一段劣る感じです。

九鬼山からの眺望は、富士山とは反対の北側の方が広く開けています。
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これは滝子山(1,615m)です。九鬼山と同じく秀麗富嶽十二景に選ばれている一座です。駅から直接登れますが、標高差が大きめでなかなか骨太な山であったりします。
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正面には小金沢連嶺の山並み。この稜線の上は本当に素晴らしい縦走路なので、是非とも歩いてみることをお勧めします。
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眼下には、今日ここまで歩いて来た尾根が一望できました。
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御前山も、この通りすっかり遠くになりました。あの場所から歩いて来たのだと思うと感慨深い。
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5.九鬼山登山 下山編 急斜面を一気に下り、最後は水路に癒される

11時20分 九鬼山の山頂を辞去して、下山を開始します。
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何かを忘れているような気がしていたのですが、山頂標識の前に立って登頂の証拠写真を撮るのをすっかり失念していました。まあ別に、どう良いと言えばどうでも良いことではありますが。

ちょうど真下にリニア実験線が見えます。本日は実験は行っていないらしく、通過時の轟音は聞こえて来ません。
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少し下たところで、富士山の眺望スポットがあります。
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ここでも山頂と同様に、とりあえず見えはすると言うだけであって、特に秀麗とは言えません。杉が育ってきたら、いづれは見えなくなりそうです。
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転げ落ちるような急坂を一気に下ります。九鬼山の山頂付近は、どこらから登るにしても急峻です。
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下山路の途中に、天狗岩と言う名の展望スポットが存在します。「眺め良し」と言われたら、立ち寄らない訳にはまいりません。
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という事で、こちらがその天狗岩になります。確かに素晴らしい眺めの場所です。
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道標には徒歩3分とかかれていましたが、実際には1分で着きました。スペース的に定員は1名なので、先客がいた場合は手前で待ちましょう。

富士山が正面に見えます。
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正直なところ、山頂からの眺めよりもこちらの方がずっと秀麗です。この天狗岩からの眺めまでを加味した上での、秀麗富嶽十二景指定なのかもしれません。

眼下に禾生駅が見えました。本日はあそこまで歩けばゴールです。
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これは川茂ダムです。ここで取水された水が、猿橋の駅前から見えていた駒橋発電所へと水路で運ばれています。
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下山を続けましょう。相変わらずの急坂を、九十九折れで下って行きます。
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分岐地点まで下って来ました。このまま直進して田野倉駅へ降りるのが最短の下山路ですが、この後に見ていきたいものがあるため、ここは左の禾生駅方面へと進みます。
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分岐を過ぎると傾斜は緩み、歩きやすい道へと変わりました。
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麓にかなり近づいて来たところで、眼下に水路橋があるのが見えて来ました。あれこそが、先ほどの述べた見ていきたいものです。
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12時15分 登山口の愛宕神社まで下って来ました。
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つい先ほどまで上から見下ろしていたリニア実験線が、いつの間にか視線と同じ高さになっていました。
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愛宕神社は、京都にある愛宕山を総本山とする神社で、全国に約900社が存在します。かつては多くの信徒を要する一大勢力で、比叡山と並ぶ存在でした。その名残は今なお、日本全国で目にします。
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あとは道なりに禾生駅まで歩いて行くだけです。
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先ほど上から見えていた水路橋は、登山口のすぐ目の前にあります。
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落合水路橋です。桂川から取水した水を駒橋発電所に送水するために、明治時代に作られた水路です。国の有形文化財にも指定されています。
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いかにも明治時代の建築物らしいモダンなデザインの、レンガ造りのアーチ橋です。驚くべきことに、今なお現役の施設として使用され続けています。

橋の上にも下にも水路があり、珍しい水路の立体交差となっています。下の水路は農業用の灌漑用水です。
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水路の周囲には春爛漫の光景が広がっていました。私はこの季節の畦の光景が大好きで、いつまでも飽きずに眺めていられます。
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少し引いた位置から見た落合水路橋です。実に素晴らしい。明治時代の建築物と言うのは、なぜこんなにも格調高さを感じられるのでしょうか。
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物々しい工業地帯の風景を愛好する人々の事を工場萌えと言ったりするらしいのですが、それならば水路萌えと言うジャンルは存在しないのでしょうか。

もし存在するのであれば、ここ都留市は水路萌えの人にとっては垂涎の場所だと思うのですが。

じっくりと水路も見物出来て満足しました。禾生駅へと向かいます。
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12時30分 禾生駅に到着しました。駅から駅へと歩いた里山歩きは、これにて終了です。
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間の悪いことに、日中の一番電車が少ない時間帯のゴールとなってしまいました。30分以上待ってようやくやってきた電車に乗り込み、帰宅の途に付きました。
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御前山も九鬼山も、駅から直接登ることの出来る手軽な山ではありますが、富士展望に関しては隣接する岩殿山や高川山よりは少し劣るかなと言うのが正直な感想です。2座を繋げて歩くことにより、それなりに歩きごたえのある行程となるので、富士展望を楽しみつつもしっかりと歩きたいと言う人にオススメな行程です。
秀麗富嶽十二景には他にも魅力的な山が多く存在し、九鬼山はあえてこの山を選ぶ訴求力にやや欠けているようにも感じられます。決して悪い山ではないのですが、少しばかり地味なのかなあと。
という事で、最先端のテクノロジーであるリニア実験線や、方や明治時代に作られた重厚な文化的遺産の水路見物と合わせて訪問してみてはいかがでしょうか。

<コースタイム>
猿橋駅(7:00)-神楽山(8:05)-御前山(8:20~8:35)-沢井沢ノ頭(8:55)-馬立山(9:15)-札金峠(9:45)-九鬼山(10:50~11:20)-愛宕神社(12:15)-禾生駅(12:30)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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