岩殿山 中央本線脇に屹立する大月市のシンボル

大月市内から見た岩殿山
山梨県大月市にある岩殿山(いわどのさん)に登りました。
JR大月駅のすぐ裏手にあり、市内の何処からでも目に付く大月市のシンボルとでも言うべき岩山です。標高634メートルほどの低山ながら、山頂からの眺望は素晴らしく秀麗富嶽十二景にも選ばれています。
最高の好天に恵まれ、絶景とスリルを存分に味わい尽くす里山歩きを楽しんできました。

2017年5月5日に旅す。

 


JR中央本線の大月駅付近を通ったことのある人ならば、北側の車窓へ不意に現れる巨大な岩を目にしたことがあるのではないでしょうか。それが今回の主役、岩殿山です。
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標高は634メートルで、東京スカイツリーとちょうど同じ高さです。

駅から1時間もせずに頂上に立つことが可能な低山ですが、山頂からは大変良好な富士展望を得ることが出来ます。

また、山頂から西に向かって伸びる尾根上には、低山らしからぬ本格的なクサリ場が存在し、大展望とちょっとした冒険気分を同時に味わうことの出来る、一粒で2度美味しい山でもあります。
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と言うことで早速、駅チカの小冒険へと繰り出してみましょう。

コース
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大月駅からスタートし岩殿山へ登頂。その後は西に伸びる尾根上を進み、2つのクサリ場を越えて大迫力の岩壁がある稚児落しへ。稚児落しからは直接大月駅へ下山します。
コースタイム4時間未満の小周回ルートです。

 

1.岩殿山登山 アプローチ編 大月駅のすぐ裏手にある駅チカの岩山

8時10分 JR高尾駅
本日はバスに乗らずに駅から直接アプローチできる山なので、あまり時間を気にせずにゆっくりとスタートです。
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GW中と言うことあってか車内は割りと混んでいて、大月までずっと立ちっぱなしでした。

猿橋駅を過ぎた辺りから、お目当ての岩殿山が車窓から望めます。いつ見ても凄い存在感です。
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8時50分 大月駅に到着しました。個人的に非常に親近感を感じる場所です。親近感と言うかそのまんまですが。
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月の字の上がお気に入りらしいツバメのつがい。
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駅前の風景は、とても10両編成のオレンジが入ってくる駅とは思えなくらい山の中です。
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目指す岩殿山はこの通り、文字通り駅のすぐ裏手にあります。
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バス停の足元に、いろいろな国の言葉で富士山ビュースポットであることを示す案内がありました。
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どれどれ
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・・・・・・・
確かに見えるけど、頭だけじゃないですか。わざわざアピールするほどですかね?

友人が一本後の電車に乗ってやってくるので、着くまでの間に駅前のディリーヤマザキで昼食と飲み物を調達しました。

行動時間は4時間にも満たない山行きなので、飲み物は1Lもあれば十分だろうと思ったのですが・・・この判断が後に自身を苦しめることになる。

合流したところで岩殿山に向けて出発です。と言ってもすぐそこですけれど。
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このように、大月市恒例の道標が出ているので迷う心配はありません。・・・道標が無くても迷いようがないとも言います。
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駅から10分とせずに登山口に到着しました。この時点で既に薄っすら汗ばんでいます。今日は暑くなりそうです。
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2.スニーカーでも登れる安心安全な岩殿山

こちらは本日の同行者、山を舐めまくりのスニーカー登山者HI君です。
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彼の「スニーカーでも登れる山」というリクエストに応じて今回の行き先をチョイスしました。少なくとも「山頂まで」ならばスニーカーでなんら問題はありません。

登り始めて直ぐにこのような光景が眼前に広がります。山頂まで行かずとももう十分だと思わせてくれるクォリティです。
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ツツジが満開に咲き誇る道をのんびりと登っていきます。
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程なく岩殿山丸山公園に到着しました。
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岩殿山の山腹にある公園です。桜の名所として有名ですが、当然ながらすでにシーズンは終わっております。

公園から見上げる岩壁。なかなかの迫力です。
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どんどん登ります。山頂までの道はすべて舗装された階段となっており、スニーカーで来てもなんら問題ありません。「山頂まで」ならば。
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城門跡を通ります。戦国時代、岩殿山には山城が築かれ、甲斐の入り口を守る武田氏の重要な軍事的拠点となっていました。
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頂上が見えてきました。
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9時50分 岩殿山に登頂しました。
登頂と言いたいところですが、厳密に言うとここは頂上ではありません。山頂標識にもさりげなく「この先」と言うステッカーが貼り付けてあります。
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・・・そして個人的にひとつショッキングな新事実が。

これまでずっと「いわどのやま」と読んでいたのですが、標識に書かれたローマ字を見ると「いわどのさん」なんですね。初めて知りました。

山頂(ではない)からの展望はこの通り、素晴らしいの一言に尽きます。伊達に秀麗富嶽を名乗ってはいません。
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富士山をズーム。気温が高い割には空気があまり霞んではおらず、非常にクリアに見えました。
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南西の展望
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左から順に高川山(976 m)、三ッ峠山(1,785m)、本社ヶ丸(1,630m)です。
高川山と本社ヶ丸は岩殿山と同様に秀麗富嶽十二景に選ばれている山です。

西の展望
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尖がって見えるのは同じく秀麗富嶽十二景の一座である滝子山(1,620m)です。

南東の展望
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これまた秀麗富嶽十二景の高畑山(981m)や倉岳山(990m)などが見えます。

そして眼下には大月駅のホームが見えます。流石は駅チカの山。
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一通り山の閲兵式を終えて満足したところで、一応山頂の土を踏みに行きます。
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ソメイヨシノはもう終わってしまっていましたが、八重桜はまだ見頃でした。
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ここが岩殿山の山頂です。170505岩殿山_029
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テレビ放送関連の施設に占拠されており展望は全くありません。登頂したと言う事実を作るためだけに来る場所ですかね。

城跡らしく、厩の跡などいくつかの遺構が残されています。
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山頂から戻る道すがらに大菩薩嶺方面の山が見えました。
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右の山が雁ヶ腹摺山(1,874m)。中央の黒々としているのが黒岳(1,988m)です。

稚児落し方面へ向かいます。山頂の西側にこれから歩く道を一望できる展望スポットがありました。
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中央にある大きな岩は兜岩と呼ばれており、登山道はあそこを乗り越えて行きます。
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元来た道を引き返し、稚児落とし方面へと向かいます。
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ルートの分岐点まで戻って来ました。ここからは散歩ではなく登山の領域に入ります。スニーカー登山家は果たして生き残ることが出来るか?
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3.スリリングな鎖場の続く兜岩への道のり

まずは兜岩との鞍部である築坂峠まで下ります。以前にはなかったトラロープが張られて通行しやすくなっていました。
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築坂峠へ到着。ここからは上り返しです。
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登り始めて直ぐにロープ場が出現しますが、こんなものはただのウォームアップのようなものです。
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クサリ場と巻き道の分岐までやって来ました。ここは当然クサリ場方向へ。
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なお、巻き道側に進んでもトラロープが張られた崖の様な急坂を下ることになります。どちらに進もうと優しい道などないと言うことです。

1つ目のクサリ場は2段に別れています。これは1段目。
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そしてこちらが2段目。岩の割れ目に沿ってほぼ垂直に登ります。
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高度感があって結構怖いですが、手掛かりや足場はしっかりあるので見た目ほど難しくはありません。

スニーカー登山家も難なくクリア
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見下ろすとこんな感じです。写真だとイマイチ高度感が伝わらないかな。
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クサリ場を越えるとしばらくは平坦な尾根道になります。
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2つ目のクサリ場が登場しました。崖のフチを水平にトラバースした後に上へよじ登ります。
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渋滞が捌けるまで、しばし絶景を眺めて気分を落ち着かせます。
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さあ、ぼちぼち行ってみましょう。金属製の手すりがあるので、それを頼りにして進みます。
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不敵な笑みを浮かべながら歩くHI君。
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水平移動後に今度は登りです。170505岩殿山_046
足をおけるステップがなく、腕力に頼らざるおえない場所が1箇所あります。上の写真でちょうど紫ザックのお姉さんが居る辺りです。

この登りには私もHI君もやや苦戦しました。最後は腕の力でグイッと行くしかありません。
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11時 兜岩に登頂
いやー楽しかった。私は岩場があまり得意ではありませんが、登るだけならば大好きです。今来た道を引き返せと言われたら丁重にお断り致しますけどね。
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兜岩から望む岩殿山。こちら側から見ると、青々としておりあまり岩っぽくありません。
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岩場を難なくクリアしたスニーカー登山家でしたが、実はここからが試練でした。乾燥しきった砂利の斜面が異常なまでに滑ります。
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上の2枚の写真はどちらも登っているのではなく下っている所です。後ろ向きにならないと歩けないくらい激しく滑ります。

ビブラムソールの登山靴を履いている私も何度も滑ったくらいなので、スニーカーだとどうなるかは推して知るべしです。

天神山に向かって登り返します。
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山頂が見えてきました。
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11時20分 天神山に登頂
何もコメントできることが無い山頂です。
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ここからは送電線の巡視路に沿って進みます。
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道中に会った祠。
由来を示す碑文等は見当たりません。
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4.迫力満点な一枚岩の岸壁、稚児落し

稚児落しの大岩壁が見えるところまでやってきました。
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何やら脅し文句が掛かれていますが、ここまでの道のりに比べればかわいいものです。
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稚児落しという名前の由来は、かつて岩殿山城が落城した時の落人たちが、追っ手に赤子の鳴き声を聞きとがめられる事を恐れてここから投げ落としと言う伝説によるとか。
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11時35分 稚児落しに到着しました。
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稚児落しより望む岩殿山
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足元は断崖絶壁です。これ以上前進する度胸はありません。
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こちらに向かって歩いてきている人の姿が見えます。こうして見ると、凄い所を歩いていますよね。
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麓の町は直ぐそこです。まさに大月の裏山。
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岩の上に腰掛けて昼食休憩を取りました。

1Lしか持ってきていなかった水は大分前に底を付いています。喉に詰まらせないようにゆっくり良く噛んで食べました。

 

5.岩殿山登山 下山編 スニーカーで来るべき場所ではなかった稚児落とし

喉も乾いたことだし、下山を開始しましょう。
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そしてそれは、それはスニーカー登山家にとって、再び試練の時が訪れたことを意味しています。
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かく言う私も、大汗をかいて水分を失うことが許されない状況なので、ゆっくりと下ります。

靴の性能の差が戦力の決定的な差であることを思い知らされるHI君。まったく誰でしょうね。この山をスニーカーでも楽勝だとか言った奴は。(すっとぼけ)
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結局彼はこの山行きの後すぐに登山靴を購入し、スニーカー登山者の肩書を返上しました。

麓の民家まで戻って来ました。ここまでくればあとはもう舗装道路歩きです。
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最初に見つけた自販機に飛びついたことは言うまでもない。フルーツ・オレ超うめぇ。
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あとは駅まで道なりに歩きます。
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振り返って見上げる稚児落し。
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歩道橋を渡ります。駅の後ろに見えているのは右が扇山(1,138m)で左が百蔵山(1,003m)。どちらも秀麗富嶽十二景の一座です。
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13時 大月駅に戻ってきました。
山を舐めてる中年2人組の駅チカ登山、これにて終了です。
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今回歩いた岩殿山の周遊コースは、ゆっくり歩いても行動時間が4時間にも満たないような短距離コースです。
短いとは言っても、非常に密度の濃いルートなので十分に満足できるのではないかと思います。
山頂までの道はそれこそスニーカーでも歩ける散歩道ですが、稚児落し方面の道はそれなりに険しい道なので、低山だと思って甘く見ずにしっかり準備して臨みましょう。

<コースタイム>
大月駅(9:10)-岩殿山(9:50~10:20)-兜岩(11:00)-天神山(11:20)-稚児落し(11:35~12:00)-大月駅(13:05)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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