聖武連山-能岳-八重山 上野原の富士展望の里山を巡る

尾続バス停付近から見た聖武連山
山梨県上野原市にある聖武連山(しょうむれやま)、能岳(のうだけ)および八重山(やえやま)に登りました。
桂川の支流である鶴川に沿って、上野原市の市街地と笹尾根の間に並んでいる低山群です。駅からも近く手軽に登れる山で、富士展望にも優れたハイキンコースが整備されています。
とても12月とは思えないようなポカポカ陽気の中、近場の低山をゆるりと巡って来ました。

2023年12月10日に旅す。

時はいよいよ本格的な冬の訪れとなる12月の上旬。西高東低の気圧配置により、標高が高い山々が軒並み冬の嵐に閉ざされるこの時期は、もっぱら低山巡りの季節となります。
高柄山から見た上野原市街地
そんな訳で今回は、山梨県は上野原市にある低山を巡り歩いて来ました。上野原の市街地は桂川の河岸段丘能の上にあり、背後に連なる笹尾根と市街地との間に挟まる様にして、標高500メートル前後の山が並んでいます。

これら鶴川沿いにある山は何れも特別な何かがあると言う訳でもない素朴なる里山なのですが、聖武連(しょうむれ)や日武連(ひむれ)と言った一風変わった地名が多く存在します。
聖武連山入口の道標
この「むれ」という言葉は山のことを指す古代百済語で、この地に移り住んだ渡来人に由来しているのではないかと言う説もありますが、はっきりとした由来はわかっていません。

道中からはこうして所々から富士山を望むことが出来ます。近場の山でゆる登山のつもりが、しょうもない失敗によって割と波乱万丈だった一日の記録です
八重山から見た富士山

コース計画
聖武連山~八重山のコースマップ
尾続(おづく)バス停よりスタートして、聖武連夢吊橋橋を渡って聖武連山に登頂します。その後は一度下山して、能岳へと登り返して隣の八重山まで縦走します。下山は新井バス停へ。

行動時間4時間ほどの実に手軽な行程となるはずでしたが、コース計画と書いた通り、実際は計画通りには事が運びませんでした。詳細については本編にて。

1.聖武連山登山 アプローチ編 鶴峠行き路線バスの冬期運休による波乱の幕開け

8時19分 JR高尾駅
本日は近場の山でのゆる登山であると言うことで、朝は普段よりもゆったりとした始動です。今の季節の始発電車が走る時間帯は、正直寒くてやっていられません。
JR高尾駅のホーム

8時38分 上野原駅に到着しました。この駅にはここ最近に何度も訪れており、最早すっかり見慣れた光景となりました。
上野原駅のホーム

上野原駅から8時50分発の鶴峠行きバスに乗車するつもりでいたのですが、この路線は11月末までの運行で、12月に入ると冬期運休となります。そう言えばそうだった。すっかり忘れていましたよ。
上野原駅前のバスロータリー

冬期ダイヤでは鶴峠行きにかわって、8時50分発の便は光電製作所前行きとなっていました。目的地である尾続バス停よりはずっと手前までしか行けませんが、その先は歩いて行けばよいかと言う事で、そのまま乗り込みます。
231210聖武連山-008
実はその後の9時12分発の飯尾行きのバスに乗れば尾続バス停まで行けるのですが、その事に気が付いたのは乗り込んだバスが発車した後の事でした。

まあこれくらいの予定変更は別に良いでしょう。どのみち4時間少々の行動時間では少し物足りないと思っていたところです。

9時8分 新井バス停に到着しました。当初の計画ではゴール地点になる予定だったバス停ですが、これで縦断の予定だったものが周回ルートに変わったと言うだけのことです。
新井バス停

2.鶴川渓谷を横目にしながら尾続バス停まで歩く

9時10分 身支度もそこそこに行動を開始します。まずは鶴川沿いを走る山梨県道33号線を道なりに歩いて、当初のスタート予定地点であった尾続バス停を目指します。
231210聖武連山-010

新井バス停からは一度、鶴川に架かる鏡渡橋に向かって緩やかに下ります。
231210聖武連山-011

左手に見えているのは要害山(536m)です。かつて山頂に山城が築かれていた城址です。地元ではその見た目から通称おっぱい山とも呼ばれているそうです。
県道33号線上から見た要害山

鏡渡橋の上から見下ろした鶴川です。小菅村の鶴峠付近を源頭とする桂川支流の河川で、鏡渡橋から先の上流部では深い渓谷を形成しています。
鏡渡橋から見下ろした鶴川

鶴川に架かる橋であることアピールするためなのか、親柱上に鶴のモニュメントが設置されていました。
鏡渡橋の鶴のモニュメント

橋を渡ったところで、左の脇道へ入って行くと先ほどの要害山への登山口へと行き着きます。本日は分岐を見送り、そのまま道なりに進みます。
231210聖武連山-015

前方に目指す聖武連山の姿が見えて来ました。外観上の特徴と言えば山頂にアンテナらしきものがあるくらいで、何処にでもありそうな里山の姿をしています。
鏡渡橋バス停付近から見た聖武連山

ウォーミングアップにはちょうど良いくらいかと思っていましたが、新井バス停から尾続バス停までは意外と距離がありました。普通に考えれば、上野原駅で飯尾行きのバスを待つべきでしたな。
231210聖武連山-017

鶴川を挟んだ向かいに山が並んでいるのが見えます。あの辺りが聖武連山に登った後に登るつもりでいる、能岳や八重山であるはずです。なんと言うか地味ですな。
231210聖武連山-018

ここでついに、後からやって来た飯尾行きのバスに追い抜かれました。・・・別にちっとも羨ましくなんてありませんよ?あのバス乗っていたら、道中に鶴川や要害山を眺めることが出来なかったのですから。
山梨県道33号線を走る飯尾行きのバス

9時35分 尾続バス停まで歩いて来ました。飯尾行きのバスに乗って来た場合と比べても、到着時間は10分と変わりませんでした。
尾続バス停

3.鶴川渓谷に架かる聖武連夢吊橋と、うなぎ登り2段の滝

目指す聖武連山はバス停のすぐ目の前にあります。間に鶴川が流れているため、また橋を渡り対岸へ戻る必要があります。
尾続バス停付近から見た聖武連山

道標の案内に従い、県道から外れて脇道へと入って行きます。
聖武連山入口の道標
冒頭でも触れましたが、この聖武連という変わった響きの地名は古代百済語から来ていると言う説があります。確かに鶴川の周辺には聖武連の他にも、いかにも当て字っぽい地名が多く並んでいます。

向風(むかぜ)、神戸(こうど)、大垣外(おおがいと)、初戸(はど)、六藤(むそうじ)、扁杯(へはい)などなど、初見では絶対に読めなさそうな地名ばかりです。

ちなみに今歩いているこの小道とその先にある吊り橋は、国土地理院の地図上に記載されていません。公道ではないと言う事なのかな。
231210聖武連山-021

小集落を通り抜けると、鶴川の流れる谷底に向かって徒歩道が続いていました。実は国道のすぐ脇に、こんな秘密の場所的なスポットが存在していたのですね
231210聖武連山-022

川縁まで下ってくると、吊り橋が架かっていました。聖武連夢吊橋です。
231210聖武連山-023

日付の記載がないのでいつ架けられたものなのかは不明ですが、吊り橋の完成を記念する石碑が置かれていました。
231210聖武連山-024

谷底は日中であっても陽が射さず薄暗い状態で、思っていた以上に深い渓谷になっていました。
鶴川渓谷

一度谷底まで下ってしまった以上は、その先に待っているのは登り返しです。鶴川の対岸に登り返します。
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登り返しの途中に何やら滝があると言う案内がありました。本日は特に先を急ぐ旅でもないので、ちょっと寄り道をしていきましょうか。
231210聖武連山-027

脇道に入るなり、いきなり枯れ葉が堆積した急な下り坂になりました。どうやら川縁まで下りようとしているようですが、これは物見遊山気分で進入してきたスニーカー履きの観光客を罠にはめるトラップか何かか。
231210聖武連山-028

最後はトラロープが張られた岩場になっていました。割としっかり登山道なので、観光に来ている人はくれぐれも騙されて進入しないようにしてください。
231210聖武連山-029

川縁まで下って来ました。特に道標などはありませんが、下流の方に向かってロープが張られていたのでそちらへと進みます。
231210聖武連山-030

これまた結構際どい所を通らされます。夏ならば例え川へ落ちても笑ってすむ話ですが、今の季節に転落でもしようものなら、恐らく死ぬほど冷たいと思います。
231210聖武連山-031

どうやらこれが入り口に案内のあった、うなぎ昇り2段の滝であるようです。滝と言うよりは狭い水路のような場所です。ここをうなぎが遡って行くのでしょうか。
うなぎ昇り2段の滝

この先はさらに幅の狭いゴルジュ帯となっており、進むことはできず行きどまりになっていました。はて、入口にあった道標にはうなぎ昇り2段の滝の他にも大滝なる滝があると書かれていましたが、見当らなかったような?
231210聖武連山-033
疑問に思い帰宅後に確認したところ、大滝はこの写真のアングルから見て左側の崖にあります。ですがこの日は岩肌を僅かに濡らす程度の水量しかなく、現地ではそれが大滝なのだとは気が付きませんでした。

と言う事で大滝の写真はありません。悪しからず。

なかなか風光明媚な隠れスポットで、満足度の高い寄り道でした。聖武連山にお越しの際は、是非とも足を伸ばしてみてください。
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4.聖武連山登山 登頂編 登山口から30分で登れる富士展望の頂

滝への分岐地点まで戻って来ました。元のルートへと復帰して進みます。
231210聖武連山-035

登って行くと鶴川の対岸にも小さな集落がありました。この辺りが聖武連と呼ばれている地域であるようです。
231210聖武連山-036

車道に合流しました。聖武連山には西ルートと東ルートと言う2つの登山道が存在します。今回私は西から登って東から降りてくるつもりでいるので、ここは左へ進みます。
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10時30分 西ルート登山口まで歩いて来ました。ここから山中へと入って行きます。
聖武連山 西ルート登山口

登り始めは背丈よりも高い笹竹に囲われた道です。もし登山道が無かったら、近づくことすらままならないような藪山だと言う事ですな。ちなみにこの聖武連山の登山ルートは、山と高原地図には記載されていません。
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笹薮に没しつつある家屋がポツンとありました。住民がいたのか、はたまた山仕事のための作業小屋か何かだったのかは定かではありませんが、すでに廃屋化が進行していました。
231210聖武連山-040

中腹より上は杉の植林化されていました。これはまあ、人里に近い場所にある山の宿命みたいなものです。
231210聖武連山-041

僅かにですがこうして所々にまだ紅葉が残っており、杉林の単調極まりない光景に彩を与えてくれていました。
231210聖武連山-042

登り始めてからまだ30分程しか経過していませんが、早くも山頂らしき場所が見て来ました。下からも見えていたこのアンテナ塔は、NHKのテレビ地上波のものです。
聖武連山山頂のアンテナ塔

11時 聖武連山に登頂しました。スタート地点の標高自体が高いとは言え、実にあっけない道程でした。
聖武連山の山頂

山頂からは富士山が見えますが、特別良く見えると言うほどではなく、一応は見えますよと言った程度です。富士山の手前に重なって見えているのは、秋山山稜の倉岳山(990m)と高畑山(982m)かな。
聖武連山から見た富士山

山頂は樹林に覆われており、視界が大きく開けているのは富士山のある方角だけです。後はこうして僅かに隙間がある程度で、名前がカッコイイ事以外には、これと言った特筆すべき点のない山です。
聖武連山からの展望

5.黒田川を渡って能岳を目指す

次へ向かいましょう。この後は隣にある能岳へと登るのですが、間に黒田川と言う川があるため、一度下山する必要があります。
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東ルートの登山道は尾根筋です。西ルートよりはやや傾斜がゆるく下山向きです。ただ今の時期だと、道の上に落ち葉が堆積していて滑りやすい状態なので、それなりに神経は使います。
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11時40分 東ルート登山口まで下って来ました。登りも下りも30分程度と、実にお手軽な山でした。
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短いトンネルを潜って道なりに進みます。しっかりと二車線が確保されている道ですが、交通量はほぼゼロで静まり返っていました。
231210聖武連山-050

トンネルを抜けるとすぐに橋があり黒田川を渡ります。黒田川は鶴川の支流で、笹尾根の三国峠付近が源頭となっています。
231210聖武連山-051

鶴川と同様に深い渓谷を形成しており、下を覗き込むとかなりの高さがあります。立派な道があるおかげであまり意識はしませんが、鶴川の流域はかなり険しい地形となっています。
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11時50分 八重山ハイキングコースの入口まで歩いて来ました。本日の第2ラウンド開始です。
八重山ハイキングコースの入口

6.富士山を望みながら歩む、八重山ハイキングコース

八重山の手前に位置している能岳の方が標高は微妙に高いのですが、標識上には能岳の名前は記載されていません。八重山の方がメインの扱いであるようです
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聖武連山と同様に杉林の植林化された、いかにも里山らしい山道です。急坂は無くゆるゆると標高を上げて行きます。
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ほどなく視界が開けて、小さな東屋が立っている場所が現れました。
231210聖武連山-056

桑原峠と言う名前の場所であるらしい。国土地理院地図には記載がない地名です。黒田川沿いの谷は急峻すぎるため、おそらく昔の道は川沿いではなくこの辺りの山の中腹を通っていたのでしょう。
桑原峠

ここからも富士山が見えます。といってもまあ、見える光景は聖武連山からのものとほどんど変わりはしません。
桑原峠からの展望

峠を過ぎると、しばしの間ほぼ水平移動のトラバース路となりました。この辺りもやはり、昔から存在した道が前身となっている登山道であるように感じられる地形です。
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所々にまだ紅葉が残っていました。紅葉シーズンとしてはもう既に最終盤であろうかと思いますが、それでも十分な見ごたえです。
八重山ハイキングコースの紅葉

トラバース地帯を抜けて尾根に乗ったところで、前方に能岳の姿が見えて来ました。
231210聖武連山-061

山頂の手前に伐採地があり、大きく展望が開けました。何なら、山頂よりも全然眺めが良いくらいです。
231210聖武連山-062

南側の展望です。桂川の南側に連なる秋山山稜と、その背後にある道志山塊の山並みが良く見えます。
能岳の伐採地からの展望

往路に県道から見上げた要害山が、視線とほぼ同じくらい高さにありました。横から見るとあまりおっぱいっぽくは見えません。角度限定おっぱいです。
能岳の伐採地から見た要害山

反対側には笹尾根が連なり、足元にはゴルフ場がありました。見たところ防護ネットも何もありませんが、登山道にまでボールが飛んできたりはしないでしょうね。
能岳の伐採地から笹尾根と上野原CC

背後を振り返ると、同じような標高の低山が所狭しとひしめいていました。八重(やえ)とは数多く重なるさまを指す言葉ですが、この光景はまさしく八重山という名が体を表していると思います。
231210聖武連山-066

先ほど登って来た聖武連山のアンテナが見えています。ここから見ると尾根続きに繋がっていそうですが、実際は間に黒田川が深く切り込んできます。
231210聖武連山-067

伐採地から最後にひと登りすると、あっさりと山頂に飛び出しました。
能岳の山頂

12時50分 能岳に登頂しました。陽だまりが実に気落ちの良い山頂ですが、正午になってから気温がぐんぐんと上昇し、暖かいを通り越して少し暑くなって来ましたぞ。
能岳の山頂標識

ここでもやはり、富士山のある方角だけ展望が開けていました。見える光景は、先ほどの伐採地からの光景とほとんど変わりません。
能岳の山頂からの展望

到着して早々ですが、お次の八重山へと向かいましょう。一度鞍部に向かって少しだけ下りますが、大した標高差ではありません。
231210聖武連山-071

もう飽きたと言う人は、虎丸山を経由して光電製作所前バス停に下ることも出来ます。と言いても八重山もうすぐそこにあるので、ここまで来たのならもう少し歩きましょう。
231210聖武連山-072

鞍部からゆるゆると登り返します。ここでも急坂は無く、どこまでも歩き易くて優しい登山道です。
231210聖武連山-073

何の苦労も無しに、あっさりと八重山まで歩いて来ました。東屋まで備えた広々とした山頂です。圧倒的な手軽さなので、地元の人がフラッと散歩がてらに登ってくる場所なのでしょう。
八重山の山頂

13時10分 八重山に登頂しました。ここでも一応は富士山が見えますが、立木が多めで展望の方は今一つです。
八重山の山頂

7.八重山登山 下山編 展望台をスルーして真っすぐに登山口へと下る

あまりにも暑くて、水の残量がだいぶ心許なくなって来ました。ボチボチ下山に移りましょう。八重山の山頂付近は登山道や作業道が複雑に入り組んでおり、少々ルートがわかり辛いです。
231210聖武連山-076
道標を見ても行き先がイマイチよくわからなかったので、方角的にはこっちやろと思ったほうに向かって進みます。

野生の柿が大量に実をつけていました。栽培されている柿と比べるとかなり小ぶりで、基本的には全て渋柿です。
231210聖武連山-077

下山路は展望台を経由するルートとそうでないルートがあるのですが、どうやら経由しない方から下ってしまったようです。ロクに確かめもせずに進むからこう言う事になるのですね。はい・・・
231210聖武連山-078
帰宅後に調べたところ、八重山展望台はウッドデッキを備えたかなり本格的な展望台で、眺めの方もかなり良いようです。ということなので、下山は展望台を経由するルートを通ることを強く推奨します。

山の中に場違いな金属音が鳴り響いていてなんだろうと思ったら、竹ではなく金属パイプ製の鹿威しが設置されていました。これは誰が何の目的で設置したのだろうか。
八重山の鹿威し

最後は小さな沢沿いに谷底の道を歩きます。この辺りも隙間なく杉林化しており、昼間でも既に薄暗いくらいです。
231210聖武連山-080

登山口が見えて来ました。ここでもまだ紅葉が枯れずに頑張っていました。
231210聖武連山-081

14時20分 八重山登山口に下山しました。トイレと駐車スペースが整備されており、人気のあるハイキングコースであることが伺えます。その割には、殆ど人とすれ違わなかったような?
231210聖武連山-082
八重山はカタクリや桜が咲くことで有名な山なので、最も込み合うハイシーズンは春なのでしょう。

8.山から下った後に何故か道を間違える

登山口の目の前に中学校があります。新井バス停に戻るには、ここを右に曲がります。
231210聖武連山-083

ですが何故か私は道を間違えて、何の疑いも無しに左へ進んでしまいました。だから地図くらい見ろよと・・・
231210聖武連山-084
山の中で迷子になったわけではないから、これは山ナメとはまた少し違うのかもしれませんが、しかし登山口に下った時点で地図を確かめもしないのは、やっぱり山ナメ行為の一種に該当するのだろうか。

間違えても余計に歩かされると言うだけで、別に遭難したりはしないのだけれどね。

道間違いに気が付いたのは、もうかなり歩いてしまった後のことでした。今さら引き換えすのも面倒なので、このまま直接上野原駅まで歩いて戻ることにします。
231210聖武連山-085

いつも慢性的に渋滞している中央道の上り線が、珍しく順調に流れていました。呪われているのではないと思うくらい渋滞に巻き込まれる辺りなんですけれどね。
231210聖武連山-086

上野原は都会と田舎の良いとこどりな場所であるらしいですよ。本当か?本当なのか。
231210聖武連山-087

上野原の市街地は桂川の河岸段丘の上にありますが、中央本線は段丘の下の川沿いを通っています。と言う事で、最後に川に向かって大きく下ります。
231210聖武連山-088

上野原駅の北口は、線路と段丘に挟まれてかなり狭苦しい無理やりな構造になっています。道の構造もかなりトリッキーで、一見さんには優しくなさそうです。
231210聖武連山-089

15時20分 上野原駅に到着しました。途中で寄り道したり道に迷ったりと、超お手軽ハイキングのはずが、なんだかんだで結構しっかりと歩きました。
上野原駅の北口

本日の迷走の軌跡を具体的に地図上で示すとこのようになります。赤線が当初の予定で、青線で書き足したのが実際に歩いたルートになります。まったく我ながらいい加減なものです。
231210聖武連山-091

タイミングが良くなかったのか、結構待たされた後にやって来た電車に乗り込み、帰宅の途に着きました。
231210聖武連山-092

近場の里山をサクッと巡るはずだった計画は、何故か乗るバスを間違えたり道を間違えたりと色々遠回りしつつも無事に終了しました。

上野原市街地の背後に連なる山々は、何れの山も登山道は大変よく整備されていて、特にこれと言いた危険個所もなく手軽に登ることが出来ます。知名度の低さもあってかあまり混雑はしないので、ひっそりと静かに軽め山行きをしたい時などにはうってつけの場所であると思います。

純然たる低山であるため夏の暑い時期の訪問は推奨しませんが、春になるとカタクリや桜が咲き、その後はツツジも見られるようなので、春先からGW頃の時期にかけてが訪問のベストシーズンであろうかと思います。

軽めのハイキングをしつつ、ついでにちょこっとだけ富士山を眺めに訪れてみては如何でしょうか。

<コースタイム>
新井バス停(9:10)-尾続バス停(9:35)-西ルート登山口(10:30)-聖武連山(11:00~11:15)-東ルート登山口(11:40)-桑原峠(12:05~12:15)-能岳(12:50)-八重山(13:10~13:30)-八重山登山口(14:20)-上野原駅(15:20)

八重山山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. Taka High Doh より:

    上野原市は、中央本線利用のハイカーの多くが自分を通り過ぎて大月市の山に向かうことに忸怩たる思いを抱いていたようで、10年程前から駅に登山地図リーフレットを置くなどして、積極的なハイカー誘致に努めているようですね。実際、上野原要害山、坪山、奈良倉山→鶴寝山→小菅の湯、三頭山→檜原村など、低山ながらなかなか味のあるコースが揃ってます。ただ、誘致に努めている割には、バスの便がもう少し便利だと良いのですが。バスの冬期休業も、冬山人気の需要に応えていないというか。

    私も2022年12月に同じコースで登ろうとして、人身事故で中央本線が遅れ、上野原駅に着いた頃には飯尾行きのバスが出てしまった後で尾続まで行けず、次の光電製作所前行きのバスに乗って新井バス停で下車し、虎丸山→能山→八重山→八重山展望台→大堀バス停のコースに変更して歩きました。山での活動時間はたったの3時間で「これじゃあ交通費が勿体無い」とも思いましたが、帰りのバスが大堀バス停にタイムリーに来たため、「そういう日もあるか」と開き直り、早々に帰宅したことを憶えています。聖武連山を登りそびれているので、いずれ機会があれば…と思ってますが。

    • オオツキ オオツキ より:

      Taka High Dohさま
      コメントをありがとうございます。

      以前要害山に登った際に、南口バスターミナルにある観光案内所で手作り感満載で味のあるハイキングマップを貰ったのをよく覚えています。昭文社の山と高原地図に掲載されるようになればもっと知名度が増すのでしょうけれど、現状は知る人ぞ知る隠れたハイキングコースと言ったところでしょうか。

      八重山ハイキングコースはもっと広く知られても良いだけのポテンシャルがあると思う反面、今のように静かなままであってほしいという勝手な願いもまたあります。

  2. YAQA より:

     はじめまして。
     私も公共交通機関を主体として山に登っておりまして、しかも同じ調布在住ということでこちらのブログの山行記録も大変参考にさせていただいております。この日は偶然私も聖武連山~八重山を歩いておりました。
    終日良い天気で午後になっても雲も出ず、八重山は地元の方に大切にされているなと感じながら歩いておりました。
     丁度今週末は足利の辺りを歩こうと思っており、また参考にさせて頂きます。

    • オオツキ オオツキ より:

      YAQAさま
      はじめまして。コメントを頂きましてありがとうございます。

      あの日はお天気が良すぎて、むしろ少し暑いくらいでしたね。八重山ハイキングコースはとても良く整備されていて、地元愛が詰まっている印象が強く残りました。このような隠れた良コースをもっと発掘していけたら良いなと思っております。