山梨県甲州市と丹波山村にまたがる大菩薩嶺(だいぼさつれい)に登りました。
甲府盆地の北東に位置し、多摩川水系と富士川水系(笛吹川)の分水嶺となっている山です。標高2,000メートルを超える山ながらも、比較的簡単に登ることが可能なことから非常に人気が高く、特に紅葉シーズ中は大混雑します。
そんな人気の山でも比較的歩く人が少ない古道、丹波大菩薩道を巡って来ました。
2023年10月22日に旅す。
首都圏近郊の山の中でも絶大な人気を誇る、大菩薩嶺に登って来ました。過去にそれこそ数えきれないほど何度も登っている山ですが、今回の訪問の目的は、前々から一度歩いてみたいと思っていた丹波大菩薩道を踏破する事です。
多摩川源流部の丹波山村から大菩薩峠へと至るこの道は、明治以前の時代に使われていた青梅街道の古道であり、武蔵国と甲斐国を結ぶ重要な交易路でした。
丹波大菩薩道のスタート地点となる大菩薩峠へアプローチは、上日川峠からではありきたりでつまらないかと思い、現在の青梅街道の最高地点である柳沢峠としました。青梅街道の現道から歩き始めつつ、旧道を踏破しようと言う趣向です。
大菩薩嶺に柳沢峠から登る人はあまりいない印象です。上日川峠や裂石温泉スタートに比べると若干の遠回りにはなりますが、尾根はしっかりとつながっています。
そして何よりも紅葉シーズン中の上日川峠行きのバスは、それはもう尋常じゃなくらいに混雑します。甲斐大和駅から5台のバスでピストン輸送しても運びきれないほどの人が溢れてしまうこともザラにあります
そんな訳なので、混雑が予想されるメインルートの利用は避けて、マイナーな裏口から乗り込んだ次第です。
結果としてかなりのロングトレイルとなり、日没ギリギリの下山となりましたが、大菩薩峠周辺の喧騒が嘘のような静かな古道歩きを楽しめました。
人気の山の不人気なルートを巡って来た一日の記録です。
コース
柳沢峠バス停よりスタートして、六本木と丸川峠を経て大菩薩嶺に登頂します。山頂から大菩薩峠まで縦走したのち、下山は丹波大菩薩道を下り丹波山村へ。
青梅街道の古道を辿りつつ、温泉に向かって歩く理想的なコース取りです。
1.大菩薩嶺登山 アプローチ編 青梅街道最高地点の柳沢峠を目指す
6時54分 JR高尾駅
柳沢峠行きのバス時間との兼ね合いもあり、普段よりも少しゆっくりとした始動です。少し時間が遅いと言うだけなのに、普段よりも混雑していました。朝一の電車で行動開始する登山者と言うのは、実は少数派なのか。
8時15分 いつものように電車が動き出すなり完全爆睡している間に、電車はつつがなく塩山駅へと到着しました。寝惚け眼のまま、ヨロヨロとホームに降り立ちます。
西沢渓谷行きのバス乗り場にはすでに大行列が出来上がっていました。一方でこれから乗車する予定の落合行きの方は、それほど混雑していませんでした。やはり裂石方面から大菩薩嶺を目指す人は、圧倒的に少数派なのか。
大菩薩峠登山口バス停を過ぎると、青梅街道は柳沢峠に向かってグングンと標高をあげて行きます。やがて車窓に富士山が見えて来ました。本日は絶好の登山日和となりそうです。
9時19分 柳沢峠バス停に到着しました。青梅街道の最高地点であり、標高は1,480メートルあります。青梅街道が現在の柳沢峠を通るルートに変更されたのは明治11年のことで、それ以前の時代には大菩薩峠を越えていました。
柳沢峠は富士山撮影スポットとして有名な場所で、撮影目的の観光客も多く訪れます。この峠へ訪れる人の割合で言うと、登山者はむしろ少数派であるかもしれない。
富士山をアップで一枚。紅葉が薄っすらと色付き始めており良い感じです。この様子なら、稜線上からの景色にも大いに期待がもてそうです。
2.六本木峠を経て丸川峠へと至る、東京都水源の森を行く道
9時25分 身支度を整えて登山を開始します。登山口はバス停から道を挟んだ向かいにあります。
柳沢峠の付近一帯は多摩川源流部であることから、東京都水源の森として手厚く保護されています。そのおかげで、見上げる高さの巨樹の森が広がってます。
山梨県内の山を歩いているとたまに目にする謎の表札、やまなしの森林100選がありました。確かに見事な広葉樹林です。
先へ進むと早速紅葉が出迎えてくれました。一面が赤やオレンジに染まるような派手さはありませんが、素朴な広葉樹林の光景がとても良い感じです。
今年は紅葉の外れ年だなんて話もよく耳にしますが、こうしてしっかりと色付いていました。
鹿よけのネットが現れるので、開閉口を開いて中へと入って行きます。
ブナの道と言う名称で、柳沢峠付近一帯の水源の森を巡る散策路が整備されています。紅葉シーズンの最盛期であるにもかかわらず、周囲を歩く人の姿は見当たらず独り占め状態です。
黄色く色付いたミズナラなどが多数派の森ですが、時々こうしてド派手に紅葉した赤が程よいアクセントを加えてくれます。
分岐が現れました。ここは六本木峠方面へと進みます。このままグルっと周回して柳沢峠に戻ることもできます。
続いて今度はしっとりと苔生した岩石園のエリアに入ります。ここだけ妙に湿度が高くてウエッティーなので、表に水流は見えていませんが恐らく伏流している水の流れがあるのだと思います。
いかにも奥秩父らしい光景が広がります。やはり奥秩秩父と言えば苔の森でしょう。地味って言うな
10時10分 六本木峠まで歩いて来ました。道なりに左へ進むと黒川鶏冠山方面で、大菩薩嶺へ向かうにはここを右折します。
現在地の標高付近がちょうど紅葉前線のピークであるらしく、黄葉した木々が陽に照らされて金色に輝いていました。
この光景を独り占めに出来る贅沢さよ。先ほどからせいぜい2~3人の登山者とすれ違ったくらいで、何故みんなここを歩かないの?と疑問に思うくらいに人がいません。
この六本木峠から丸川峠に至る区間の尾根にはあまりアップダウンがなく、殆ど水平移動に近い道が続きます。
前方に大菩薩嶺の姿が見えて来ました。右側から尾根沿いにグルっと回り込むので、まだ結構な距離があります。
標高差があまり無いと言う事は、こうしてずっと紅葉の中を歩き続けられると言うことを意味しています。今回は訪問タイミングとしては完璧でした。しつこいようですが、本当に何故みんなこの道を歩かないのでしょうか。
黒川鶏冠山はそもそもマイナーだし、大菩薩嶺を目指すにはちょっと遠回りな場所であるし、ロケーション的に中途半端すぎるのかもしれない。
あまり歩く人の数は多くない登山道ですが、まだ真新しい木道もあったりして全般的に良く整備されています。
不意に視界が開けて、広々とした草原の広がる場所が現れました。
11時10分 丸川峠に到着しました。ここで裂石温泉からの登山ルートと合流します。現在、大菩薩嶺には上日川峠から登るのが主流となっていますが、かつては裂石温泉から登るのが最も一般的でした。
メインルートであった時代の賑わいは無く、今ではごく一部の好事家だけが訪れる静かな場所です。
丸川峠に立つまるかわ荘です。昔ながらの素朴なランプの宿です。個人的には北アルプスのホテルみたいに豪華絢爛の山小屋よりも、こういう素朴な感じがする小屋の方がずっと好みです。
峠からは正面に富士山がドーンと見える・・・はずなのですが、だいぶ雲が湧いてきてしまいました。さほど厚みもなさそうな雲であるし、そのうち取れるかな。
3.大菩薩嶺登山 登頂編 静かなるクラシックルートと、一転して大混雑した山頂
山頂へ向かいましょう。峠からの取り付き部分は結構な急勾配である上に、足元が泥でぬかるんでいました。登る分にはともかく、下りだとかなり神経を使いそうです。
最初の急登を登りきると尾根に乗りました。足元は笹に覆われており、明るくて気持ちの良いトレイルです。
綿毛化したマルバタケブキの姿が目につきます。マルバダケブキには毒があるためシカに食べられることがなく、シカによる食害が進んでいる場所ほどマルバタケブキだらけになってしまう傾向があるのだとか。
そう言われ見れば確かに、大菩薩嶺の周辺では鹿の姿を多く見かけます。
秋の大菩薩嶺と言うと黄葉したカラマツ林のイメージが強いですが、裏側とでもいうべき丸川峠の周辺には広葉樹林が広がっており、しっかりと紅葉していました。
少しだけ展望が開けて、お隣の黒川鶏冠山とその背後の奥秩父主脈の山並みが見えました。鶏冠山は隣接する大菩薩嶺の喧騒が嘘のように静かな場所で、個人的にはとてもおススメです。
遠くには国師ヶ岳(2,592m)と金峰山(2,599m)の姿が見えます。どちらもいかにも奥秩父らしい重厚な姿をしています。地味って言うな
山頂に近づくと亜高山帯の領域に入り、何時しか周囲は明るい広葉樹林から薄暗い針葉樹林へと変わりました。
ここにもやまなしの森林100選がありました。この表札について調べてもほとんど情報が出てこないのですが、誰が何の目的で立てたんでしょうかね。
奥秩父主脈上に多く見られる、鬱蒼としたコメツガ林です。大菩薩嶺と言うと明るく開けた笹の稜線のイメージが強いですが、裏側はこうしてしっかりと奥秩父らしい姿をしています。
山頂までやって来ると、ここまでの貸し切り状態から一転して大勢の人で溢れかえっていました。あまりの変容ぶりに面くらいつつ、とりあえずクマ鈴を一旦収納しました。
12時5分 大菩薩嶺に登頂しました。眺めが良いことで知られた大菩薩嶺ですが、山頂はこの通りとても地味です。ピークハントすることそのものに拘りでもない限り、ここは基本的にスルーして良いと思います。
4.大混雑の中を行く絶景の稜線歩き
展望が全くない上に混雑している山頂に長居したところで、得るものは何もありません。到着して早々ですが先へと進みます。
足早に下って雷岩までやって来ました。大菩薩嶺の真骨頂と言えるのは、ここから先の稜線歩きにあります。
富士山が正面にドーンと見えます。上日川峠スタートなら1時間と少々登っただけで、かくも素晴らしき絶景に出会えるわけですから、大菩薩嶺が大人気なのにも納得です。
眼下に広がるのは甲府盆地。その先には南アルプスの山並みが連なります。雷岩からの眺めは、何度見ても素晴らしい。
麓に広がるカラマツ林の黄葉もまた見事です。大菩薩嶺のカラマツ林は山の南側にあるため、本日歩いてきた北側のルート上にはほとんどありません。
それでは早速、魅惑の稜線歩きへと繰り出しましょう。雷岩から大菩薩峠までの区間は、こうして視界が開けた笹の稜線となっています。
道が狭くなっているところでは、登山道に渋滞が発生していました。こうして人気の山にばかり人が押し寄せる一極集中の傾向は、ここ数年でさらに加速して来ているように感じられます。
「xx山の紅葉が今見頃」等の口コミが瞬時に拡散するネット時代ならではの光景と言えますが、しかしそれにしたってこの混みようはちょっと極端すぎやしませんかね。
渋滞しているもは仕方がありません。そんなときは横目に広がる絶景を楽しみつつ、気長に参りましょう。
居並ぶ南アルプスの山並みの中でも、この甲斐駒ヶ岳(2,967m)の存在感は頭一つ飛び出ていると思います。つまり、とてもカッコいい。
遥か遠くに白く冠雪している山が見えます。シルエットからしておそらく乗鞍岳(3,026m)です。大菩薩嶺から乗鞍が見えるとは知りませんでした。
現在では賽の河原と呼ばれているこの地点が、かつては大菩薩峠と呼ばれていました。当時の青梅街道はこの地点を越えていたはずなので、現在の丹波大菩薩道とは微妙に異なるルートだったことになります。
大菩薩嶺の姿として最も有名なのは、この賽の河原の先から振り返って見た時の光景でしょう。山岳雑誌などで大定番の、どこか既視感がある姿です。
大菩薩峠が見えて来ました。魅惑の稜線歩きはあそこまでで一旦終了です。
遠くに奥多摩三山が綺麗に並んで見えます。その手前の奥多摩面に向かって伸びている尾根は牛の寝通りと呼ばれています。この牛の寝の紅葉もまた大変素晴らしいのですが、今回はこちらへは進みません。
中央のピョコっと飛び出しているピークは、東京都最高峰の雲取山(2,017m)です。こうして見ると、大菩薩嶺と奥多摩エリアは、思いのほか距離が近いのがよくわかります。
13時 大菩薩峠に到着しました。これでようやく本日の主題であるところの、丹波大菩薩道の入り口に立ったことになります。ここまでの道程は言ってみればアプローチだった訳ですが、それにしてはやけに長かったですな。
ちなみに丹波大菩薩道はかなり長い道なので、こちらへ下山する際は時間に十分留意してください。今回のように13時から下山開始するのはかなり遅い時間です。
特に秋は日没時間がかなり早いので、ヘッドライトは必ず携行してください。
5.かつての交易路の面影が残る、ニワタシバとフルコンバ
介山荘の前から、丹波大菩薩道へと足を踏み入れます。ここから先は、自身にとって初めて歩く領域となります。
眼下の谷底に集落があるのが見えますが、あちらは目指す丹波山村ではなく小菅村です。丹波山村は正面に見えている鹿倉山の向こう側にあります。
丹波大菩薩道に入るなり、大菩薩峠周辺の喧騒が嘘のように人っ子一人いなくなりました。何たる極端さ。再びクマ鈴を鳴らしつつ、静寂の尾根を下ります。
ニワタシバと書かれた道標が、朽ちて自然に還りつつありました。かつてここは、武蔵国と甲斐国からそれぞれ運ばれて来た交易品の受け渡しを行う場所でした。
甲斐国からは米や塩や味噌などが持ち込まれ、丹波山からは主に木炭が出荷されていました。今ではごく一部の物好きな登山者が行き交うだけのこの道も、かつては生活のための道だったわけですな。
所々にこうして石垣も残っていました。この道の出自が、単なる登山道では無く街道であったことを物語る遺構です。
標高が下がり亜高山帯の領域を抜けると、再び紅葉が戻って来ました。丹波大菩薩道は杉の植林になっているエリアも結構多いため、紅葉を楽しみたいのであれば牛の寝通りを歩く方が断然良いと思います。
少しだけ視界の開けた場所がありました。正面に見えているのは権現山(1,312m)です。裏側から見るとかくも立派な姿をしているのに、奥まった場所にあるため街道筋からは見えず、ほとんどその存在を認知されていない不遇の山です
13時35分 フルコンバに到着しました。不思議な響きのする地名ですが、漢字で書くと古飯場であるらしい。
かつてはここに小さな小屋が建っていたとの事ですが、現在はこうして更地だけが残っています。
見には行きませんでしたが、少し下った地点に水場もあるようです。こういう事を書くとヤミテン警察の人に怒られるのかもしれませんが、ここは幕営の適地であると思います。
ここから丹波山村ではなく小菅村へと下るルートも存在しますが、林道が崩落していると言う事で通行止めになっていました。
6.大菩薩嶺登山 下山編 丹波山村へ延々と続く長き道程
フルコンバを過ぎると、周囲はまるで奥多摩のような薄暗い杉林に変わりました。もっともここは多摩川の源流域なので、奥多摩のようなというか奥多摩そのものですが。
このまま最後までずっと杉林になってしまうのかと暗澹たる気分でいたら、紅葉エリアもしっかりと残っていました。杉林と広葉樹林が交互に繰り返し現れます。
再び森が開けてベンチが置かれた休憩スポットらしき場所が現れました。
14時35分 ノーメダワに到着しました。こちらに関しても由来を調べてみたのですが、良くわかりません。ダワは鞍部を現すタワの事だとして、ノーメとは一体何を意味しているのでしょうか。
ノーメダワを過ぎると続いてサカリ山と言うピークが現れますが、登山道はサカリ山には登り返さずに脇を巻きます。この巻き道エリアには、一部斜めになっていて歩きづらい個所もありました。
紅葉前線のある標高よりも下がって来たらしく、何時しか周囲は緑の葉が目立つ状態となりました。本日の紅葉ハイキングはそろそろ終了かな。
道の脇にお地蔵様がいらっしゃいました。これもまた、この道がかなり古くから人の往来があることをしめす痕跡です。
隣接する牛の寝通りの尾根越しに、雁ヶ腹摺山(1,874m)の頭が見えました。あちらもなかなか紅葉が凄そうですね。
時刻は間もなく15時を迎えようとしており、すでに太陽は大きく西に傾きつつありました。少しばかりペースを上げていかないと、日没までに下山できそうにありません。
15時10分 十文字と呼ばれる地点までやって来ました。サカリ山の迂回はここで終了です。この先はひたすら下るのみ。
ちょうど正面に石尾根が見えています。ここまで下って来ると、もう完全に奥多摩の領域です。
現在地は北側の斜面であるため、日没時間を迎える前からは早くも辺りが薄暗くなり始めました。もうひとがふんばり、頑張って下りましょう。
途中から小さな沢沿いの道になりました。この沢もまた多摩川の源流の一つです。この先も長々と下りが続くのですが、特にこれと言った見所も無いのでスパッと省略します。
15時55分 藤ダワまで下って来ました。ここまで下ってくれば、丹波山村の集落まではもうあと一息です。
藤ダワからは3方向に道が分かれていますが、どちらへ進んでも最終的には丹波山村に至ります。もう日没まであまり時間も残っていないので、林道に脱出する最短ルートから下ります。
こっからは先は舗装道路歩きです。周囲が薄暗くなりつつある中を足早に下りました。
この下山路の道すがらに、丹波山村名物のローラー滑り台があります。現在は静岡県にある日本平動物園のローラー滑り台に抜かれて2位に転落しましたが、かつては日本一の長さという触れ込みでした。
帰りがけに遊んでいこうと楽しみにしていたのですが、10月からは15時30分までの受付であるとのことで、すでに営業時間は終了してシャッターが下りていました。がっくし。
滑り台で遊び損ねたことに若干落胆しつつ、丹波山村の集落まで下って来ました。ここまで来ればゴールの温泉がある道の駅まではもうあと一息です。
丹波川を渡ります。この川は多摩川の源流の一つで、ここより下流にある奥多摩湖より先から多摩川と呼ばれます。
時刻は間もなく17時になろうと言うところで、ようやくゴールの道の駅たばやまに到着しました。いやはや長い道のりでありました。
ちなみに温泉は、道の駅からさらに下って橋を渡った対岸にあります。バス停からは結構な距離があるので、帰りのバス時刻は事前に良く確認しておいてください。
16時50分 丹波山温泉のめこい湯に到着しました。今日もたくさん歩いて大満足です。さあ、風呂だ風呂。
18時19分発の奥多摩駅行きのバスまではまだ時間があるので、一風呂浴びた後は時間調整を兼ねてのめこいカレーを頂きます。どうせレトルトだろうと思っていたら、意外と本格派でした。うまし。
建物の外に出ると、辺りは完全に真っ暗になっていました。いつの間にかずいぶんと陽が短くなっており、季節が移ろうのは早いものです。
時間通りにやって来た奥多摩駅行きの最終バスに乗り込み、長い長い帰宅の途に着きました。
歩くも歩いたりの青梅街道の古道巡りは、こうして無事に完遂することが出来ました。
本文中でも触れましたが、柳沢峠からの大菩薩嶺は歩く人の数が極めて少なく、大混雑が予想される紅葉シーズン中の穴場として大いに推奨できます。ただ空いていると言うだけではなく、水源の森の紅葉は素晴らしいものがあります。
丹波大菩薩道はかなりのロングトレイルであり、昔の旅人たちも恐らくは宿泊を交えて歩いていたはずです。特に登りに使用した場合は、日帰りで踏破するのはなかなか困難であろうかと思います。介山荘に一泊して歩くのが無難でしょう。
主要ルートの喧騒を避けて、歴史のロマンが溢れるひっそりと静かな古道を辿ってみては如何でしょうか。上日川峠から周回するのとは一味も二味も違う大菩薩嶺の姿がそこにはあります。
<コースタイム>
柳沢峠バス停(9:25)-六本木峠(10:10)-丸川峠(11:10)-大菩薩嶺(12:05)-大菩薩峠(13:00)-フルコンバ(13:35~13:50)-ノーメダワ(14:35)-十文字(15:10~15:20)-藤ダワ(15:55)-のめこい湯(16:50)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
オオツキ 様
私も大菩薩は米背負峠と牛の寝通りに行ったことがあり、今年も紅葉を見に牛の寝通りに行こうかと思ったのですが、クマの出没が多い地域のようなので断念しました。
このルートは知りませんでしたが、面白そうなので来年の紅葉時期に行こうと思います。
しかし、最後の写真(遠くを見ている感じ)はなぜこのポーズ?
もうもうさま
コメントをありがとうございます。
丹波大菩薩道はかつては大菩薩峠越えのメインルートだったはずなのですが、いまではほとんど存在自体が認知されていないのか歩く人の姿は本当に疎らです。少々長いですが、とても静かで良い道でしたよ。
最後の写真は、フルコンバで一休みしているかつての峠越えの旅人をイメージして撮った一枚です。