東京都の南の境界線を形成している笹尾根(ささおね)を縦走して来ました。
笹尾根は奥多摩の三頭山に端を発し、八王子市の高尾山まで続く長大な尾根です。尾根上には、おおむね標高1,000メートル前後の小ピークが数多く連なっています。三頭山から槇寄山の区間と、陣馬山から高尾山までの区間については、多くのハイカーの行き交う人気の縦走路となっていますが、その他の区間については人影疎らな静かな尾根道が続いています。
今回はこの長き道程のうち、三頭山から和田峠までの区間を日帰りで歩いて来ました。
2018年11月10日に旅す。
warning!
笹尾根縦走路は極めて単調な上に無駄に長いです。
・展望のない樹林帯の尾根道が延々と続きます。アップダウンも多めです。
・インスタ映えするようなフォトジェニックな光景はほとんどありません。
今回は東京都と山梨県の境界を形成する笹尾根を歩いて来ました。
その名が示す通りの、熊笹が生い茂る標高1,000メートル前後の山が連なる尾根です。純然たる低山歩きであり危険個所こそありませんが、安易な気持ちで挑むべきではないロングなコースです。
無計画のまま適当に突入しようものなら、タイムオーバーで帰れなくなること必至です。こういう時は事前の周到な計画が重要となってきます。登山と言うのは、計画を立てる段階からすでに始まっているのです。
という事で、本編に入る前にまずは計画編です。
1.笹尾根縦走 計画編
そもそも、笹尾根と言うのは一体どこからどこまでの事を示すのでしょうか。
・狭義では槇寄山から浅間峠まで
・広義では三頭山から高尾山まで
Wikipediaより引用
地図で示すとこの範囲が笹尾根という事になります。狭義と広義とでは、だいぶ長さが違ってきます。
狭義の笹尾根であらば、全長はおよそ9.2kmほどになります。登山口から尾根に乗るまでの距離を追加しても15km未満に収まるため、日帰り登山として見ても大した距離ではありません。しかしこれだけでは少々物足り無い感じがします。
では広義の方だとどうなるのでしょうか。高尾山から三頭山までの山頂間の距離がおよそ33kmです。そこに登山口から山頂までの歩行を追加すると、40km超えは確実となります。
ヤマレコを見ると、夜にヘッドランプ装着で高尾山口をスタートし、翌日の昼近くまで歩き通して三頭山に達すると言う、広義の笹尾根完全縦走の記録が存在しました。
そうは言っても、アスリートでも何でもない一介の山好きのおっさんにすぎない私にとって、日帰りで40kmを歩き通すと言うのはちょっと手に負えそうにありません。
となれば、どこかほど良い位置で切るしかありません。
そこで折衷案として、三頭山から陣馬山手前の和田峠までを歩くことを計画しました。標高の高い三頭山側からスタートし、和田峠に向かって下って行きます。
このルートだと全長はおよそ28kmで、コースタイムは10時間30分となります。まあ、これ位ならいけるかな?
自分でも何故なのかわかりませんが、私は時々こうやって無謀ともとれるロングコースをがむしゃらに歩きたい気分になります。大概は行ってから後悔するわけですがね。さて今回はいかに。
それでは張り切って本編の方へに行ってみましょう。
2.笹尾根縦走 アプローチ編 武蔵五日市駅から檜原都民の森へ
7時37分 JR武蔵五日市駅
今回の行程は非常に長距離を歩かねばなりません。少しでも負荷を減らすべく、最初の三頭山への取り付きは一番楽な都民の森からのコースを選択しました。
お天気が良いこともあって、バス停は大混雑です。
なお都民の森行きの直通バスは、武蔵五日市駅を8時10分に発車します。ホリデー快速秋川1号とちょうどつながる時間ではありますが、混雑するであろうことを予期して、一本前の鈍行に乗って来ました。
都民の森までのバス乗車時間はおよそ1時間ほどになるので、立ったまま行くのは辛いと思います。
案の定、ホリーデー快速到着と共にバス停は大混乱となりました。臨時便が3台出て合計4台になりましたが、それでも座れない人が結構たくさん居ました。
9時10分
バスはグネグネした檜原街道を快調に飛ばし、ちょうど1時間で都民の森に到着しました。
バスを降りるなり、真っ赤なカエデが出迎えてくれました。標高1,000メートル地点の都民の森では、今がまさに紅葉絶頂期と言ったところです。
スタート地点がすでに見頃であるという事は、山頂付近の紅葉はもう散ってしまっていそうですね。
都民の森には、森林セラピーロードと称する散策路がいくつか整備されております。本日の目的は散策ではないので、最短で三頭山山頂に立つことの出来る鞘口峠経由のルートに進みます。
3.笹尾根縦走路の開始地点、三頭山の山頂を目指す
登りは始めは、舗装された都民の森敷地内の坂道を登って行きます。
カラマツが良い色に紅葉しています。そして、やはり上の方はもう枯れてますねえ。
ほどなく舗装路が尽きて山道に入りました。峠までは緩やかな道です。
9時40分 鞘口峠(さいぐちとうげ)まで登って来ました。
以前に奥多摩三山を縦走した際に通った記憶があります。あの時もひたすらながーい道のりでしたな。
鞘口峠からは一転して傾斜がきつくなり、山頂までずっと急登が続きます。コースタイム1時間ほど行程なので、気合を入れて一気に登ってしまう事にしましょう。
落葉したての葉によって、登山道がカラフルに染まっていました。
お天気は雲一つない快晴で、格好の登山日和です。少なくともこの時点ではそうでした。この後、あれよあれよいう間に曇ってしまうことになりますが。。
眼下に奥多摩湖が見えました。湖畔の紅葉がちょうど見ごろ迎えていそうな感じに見えました。杉の植林のイメージが強い奥多摩ですが、奥多摩湖畔の山並みは思いのほかカラフルに染まっています。
標高が1,300メートル超えたあたりで、完全な冬枯れの殺風景に変わりました。
殺風景な中を、頂上に向かってグイグイと高度を上げて行きます。こんなに急でしたっけかね。下るのと登るのとではだいぶん印象が変わりますな。
10時30分 三頭山 東峰に登頂です。三頭山はその名が示す通りの三つのピークを持つ山です。
東峰山頂の様子
あまり広くはなく樹林に囲まれていますが、先ほど見えていたウッドデッキの展望台が存在します。
展望台からは、三頭山と共に奥多摩三山と呼ばれている御前山(左)と大岳山(右)の姿を一望できます。
東峰からすぐの場所に中央峰があります。最高地点であるにもかかわらず、一番地味な場所です。
最も広い山頂部をもつ西峰は、鞍部を挟んで少し離れた場所にあります。
三頭山の山頂標識は西峰に置かれています。
ここもいつの間にか、オベリスク型の新しい標識に置き変わっておりました。大理石製で非常にお金と手間がかかっていそうな造りです。流石は予算が潤沢な東京の山。
山頂の様子
山頂標識の他に三角点もここにあります。事実上、この場所が三頭山の山頂であると考えて良さそうです。
樹林に覆われていて、眺望の開けている場所は限定的です。南側には世界遺産のアイツが一応見えますが、下の木が育ってきたら見えなくなりそうです。
鷹ノ巣山(1,734m)がちょうど真正面にあります。ちなみに、鷹ノ巣山の山頂からも三頭山の姿が良く見えます。谷を挟んで正対しているという事です。
三頭山は東京の山であると言うイメージが強いですが、ここは東京都と山梨県の境界でもあります。という事で、毎度おなじみ山梨百名山の標識が立っていました。
4.浅間峠へと続く狭義の笹尾根
10時50分 浅間峠へ向けて縦走を開始します。そう、今いる三頭山はスタート地点にすぎないのです。山頂でゆったりしている場合ではありません。
いつも思うのですが、この三頭山山頂直下の階段は微妙に歩幅があわず、非常に歩きにくい。
目の前に三頭山のお隣さんの大沢山(1,482m)が立ちはだかります。笹尾根の最高地点は三頭山であるので、アップダウンを繰り返しつつも、この先の道は基本的に下り基調です。
三頭山と大沢山の鞍部に避難小屋があります。ここに一泊して翌早朝から歩き始めれば、あるいは広義の笹尾根完全縦走も可能であるかもしれません。とっても疲れるだろうけどね。
振り返ると、三頭山の3っつのピークが綺麗に並んで立っていました。
11時5分 大沢山に登頂しました。三頭山から15分ほどでの到着です。ほとんど一つの山のようなものです。
大沢山の山頂は富士山展望スポットでもあります。が、いつの間にやら空気を読まないガスが舞い上がり、眺望をかくしてしましました。先ほどまでの晴天は一体何だったのか。
さあ、どんどん行きましょう。相変わらずな殺風景の尾根道をどんどん下って行きます。
三頭大滝への分岐を通り過ぎます。都民の森の領域はここまでです。ここを過ぎると一気に周囲から人がいなくなります。
標高が下がったことにより、周囲に少しづつ紅葉が戻って来ました。季節が逆向きに進んでいるようで面白い。
人工林と天然林の境界がまっすぐ伸びています。奥多摩界隈の山は、紅葉シーズンになると山肌に緑と黄色の縞模様が浮かび上がります。
徐々に周囲に熊笹の姿が目立ち始めます。まさしく笹尾根と言うの名の通りの光景ですね。
展望皆無な樹林の中から、不意に視界の開け場所に飛び出しました。
12時5分 槇寄山(まきよせやま)に登頂です。
この山頂から狭義の笹尾根の領域に入ります。さあ、この先は長い上に地味ですよ。覚悟してください。
山頂の様子
樹林に覆われていますが、南側だけ展望が開けています。
まあ、相も変わらず空気を読まないガスに覆わているままですが。晴れていると、ここからも富士山が良く見えます。
西原峠(さいばらとうげ)です。ここら数馬バス停に下ることもできます。三頭山とセットで周回する人も多いのではないでしょうか。
天候の悪化とともに一気にテンションダウンしていた私は、このまま数馬の湯によって帰ろうかなーと半ば本気で考えたりしておりました。
しかーし、男にはどうあっても前へと進までばならない時があるのです。今がその時なのかどうかはさておき、ともかく前進です。登山道には黄色が目立つようになってきました。
カラマツの紅葉が美しい。背景が晴れ空だったら言うことなしだったのですが。
手作りの道標が掲げられていました。はい、確かにここは笹尾根です。
道の所々に落ちているこのサンゴのような物体は、一体なんなのでしょう。
再び峠が見えてきました。大沢山山頂を出て以来初めてとなる他の登山者の姿が見えます。
12時40分 数馬峠に到着です。その名の通り数馬集落の真上にある峠です。ここからも数馬に下りれます。・・・いや、下りませんよ?
目の前で下山を始めたシニア団体は、口々に「この後は温泉だ」と言っておりました。いいなぁ数馬の湯。って、誘惑しないでください!私には大事な男の使命があるのですから。
数馬峠もまた南側の展望のみが開けています。見える光景も、槇寄山からのものと全く変わりません。低く垂れこめた灰色の空です。
代り映えのしない光景が続きます。そろそろ飽きられて、閉じるボタン押されてしまう頃合いでしょうか。残念ながら、地味な光景はまだまだ続きます。
標高が1,000メートル付近まで下がったことにより、周囲は紅葉はちょうど見ごろ迎えている状態になりました。背景が曇り空だとイマイチ映えませんなあ。
名もなき小ピークをいくつも超えて行きます。笹尾根は決して下り一辺倒ではなく、小刻みにアップダウンを繰り返します。
前方にこれまでの雑魚ピーク達とは明らかに格の違う、大きなピークが見えてきました。どうやらあれが狭義の笹尾根第二のピークである丸山(1,098m)のようです。
13時15分 笛吹峠(うずしきとうげ)に到着しました。馬頭尊と思われる石碑が置かれていることからも、古くからの峠越えのルートであったであろうことが伺えます。
笛吹峠付近は、尾根を境に自然林と人工林に分かれています。自然林側は紅葉全開です。
丸山へと登り返します。相変わらず道中の光景は変わり映えしません。
丸山の山頂は巻くことも出来ます。でもまあ大した距離でもないので、山頂を踏んで行きます。
分岐からすぐに、数馬峠以来となる人の姿と山頂が見えて来ました。
13時40分 丸山に登頂しました。展望は全くなく、本当にただの稜線上のコブです。にもかかわらず、意外に多くのハイカーの姿がありました。
山頂にいても特に得るものもなさそうなので、ついて早々ですがそのまま行動を続行します。
北側に僅かに視界が開けた場所があり、そこから大岳山が見えました。この山は本当にどこから見ても分かり易い。
ここでまさかの青空復活です。思ってもいなかった事態にテンションが上がります。
登山道に眩い木漏れ日が差し込んできました。たとえ展望のない樹林帯であろうと、やはり晴れている方が気分は良いものです。
・・ええ、短い夢でしたとも。いいんです。たとえ短時間であっても、こんなにも気分を盛り上げくれたのですから。
14時5分 土俵山に登頂しました。再び頭上を覆った曇り空を前に、登頂の喜びなど木っ端微塵にされました。いや別に、土俵山は何も悪くは無いんですけれどね。
北側のみ展望が開けており、御前山の姿が良く見えました。あちらも完全にガスに食われております。午前中はあんなに良いお天気だったのに・・・
ピークを過ぎればその後は当然下ります。縦走とはそういうものです。
またもや峠です。昔の人たちは、こうやって頻繁に笹尾根の両側を行ったり来たりしていたのでしょうね。
14時20分 日原峠に到着です。奥多摩の日原集落とは特に関係ありません。まあ、ありがちな地名ではあります。
日原峠峠から5分ほど下ったところに、笹尾根縦走路中では唯一となる水場が存在します。水は十分な量を携えていたので、見にはゆきませんでしたが。
日原峠を過ぎると、尾根上にある小ピークの一つ一つが大きくなります。激しくアップダウンする鋸のような道に、スタミナが大きく削がれて行きます。
この先もモリモリと下って登ってしておりますなあ。三頭山山頂にて「今日はもうこの後ずっと下り基調な訳だし楽勝だろう」とか思っていた、自分の見通しの甘さが恨めしい。
もう何個目かもわからない、名もなき小ピークを乗り越えたところで、
14時55分 浅間峠に到着です。ここまでで、とりあえず狭義の笹尾根はすべて歩き切りました。もうここでエスケープしても良いかな。
エスケープしたくとも、この辺りは中央本線と青梅線のちょうど狭間に位置しており、どちらに向かって脱出するにしても非常に交通アクセスが悪い場所であったりするのですけれどね。バスはありますが、本数は少なめです。
笹尾根縦走をする人の中には、この東屋で野営する人も多いようですね。雨風はあるていど防げるでしょうから、寝袋だけで野営できないこともないかな。
樹齢何百年にもなるであろう杉の大木が、峠を見下ろしていました。
5.笹尾根縦走延長戦 浅間峠から生籐山を目指す
浅間峠から先の道は、関東地方在住のハイカーにはすっかりおなじみの関東ふれあいの道となります。関東ふれあいの道はどこも良く整備さており、安心感があります。
峠を出てしばらくは、傾斜の緩やかな道となります。流石は関東ふれあいの道なだけあって、歩きやすい道です。
そんなボーナスタイムも、長くは続きませんでしたがね。再び大きなアップダウンが前方に立ちはだかります。
登山道の整備状態は極めて良好です。狭義の笹尾根区間では全く目にしなかった、階段などもあります。
白目を剥きそうになりながら階段を登りきると、ピークが見えて来ました。
16時 熊倉山に登頂しました。徐々に日没時間が近づいてきており、少し焦りを感じ始めます。
生籐山から先は過去に歩いたことがあって道を知っているので、少なくともそこまではなんとしてでも、まだ日のあるうちにたどり着きたいところです。
熊倉山の山頂は南側だけが開けていますが・・いや、もう何も語るまい。
そしてまたエグイ登り返し。もう登り返すのは止めにしませんか?
口から泡を吹きそうになりながらも急登を乗り越えると、平坦な場所に出ました。
軍刀利神社(ぐんだりじんじゃ)の本宮です。なんでもここは、山梨県でも有数のパワースポットなのだそうですよ。
私はスピリチュアルな方面への感受性が極めて鈍い人間なので、正直なところ大の大人に真顔でパワースポットとかいう単語を口にされると、どうリアクションして良いものか途方にくれます。
フォルダを漁ったら、昔登った時の写真が出てきたので参考画像として張っておきます。晴れていればこんな光景が見えます。
三国山の山頂です。その名が示す通り、武蔵(東京)、相模(神奈川)、甲斐(山梨)の三国の国境となっている場所です。
山頂を巻くこともできますが、せっかくなので登ります。生籐山の山頂部は岩場となっており、割と急峻です。
16時35分 生籐山に登頂しました。とりあえずは日没前にここまで到達するという目標をギリギリ達成できました。
山頂からの展望はどうせ見えないので、始めから過去の参考画像を置いておきます。
6.暗闇の尾根を歩き、ゴールの和田峠へ
長かった笹尾根縦走もいよいよ最終盤です。ゴールの和田峠に向かってラストスパートをかけて行きます。
ラストスパートと言っても、まだあと4.9kmもあります。意外と遠いいんですね。もうエスケープできるポイントは無いので、歩き切る以外に選択肢はありません。
ここで遂にタイムオーバーです。ヘッドランプを点灯します。茅丸なるピークがありますが、巻き道があるので登らずに巻きます。
この期に及んでまだ現れる登り返し。もう登りはお腹いっぱいです。そろそろ勘弁してください。
連行山なるピークを通過します。どこに連行されてしまうのでしょうか。ドキドキ。
続いて八王子市の最高峰と言う肩書を持つ醍醐丸が現れますが、ここも巻けるので巻いてしまいます。
「おいふざけるな。八王子市最高峰の光景を何より楽しみにここまで見てきたのに、巻くだなんてあんまりだ。責任者出てこい!」と言うクレームがあるといけないので、醍醐丸山頂の参考画像を置いておきますね。
展望も何もない杉林のピークです。登っても特に良いことはありません。
崩落気味で心臓に悪い巻き道をクリアしたところで、舗装道路へと飛び出しました。ここまで来れば、和田峠はもうすぐそこです。
18時30分 和田峠に到着しました。達成感で満たされた瞬間でありました。いやはや笹尾根は長かった。
この後はもう陣馬高原下まで下るだけです。陣馬高原下バス停を発つバスの最終便は20時25分発です。まだ時間には若干の余裕があると言えます。
ここで不意に「陣馬山の山頂から夜景を眺めたら素敵じゃない」と言う邪な考えが頭をもたげます。いやでも両足の方は「もう無理っス、登りたくねえっス」って言っているし。。
両足の奴にはいつも無理ばかりさせているので、今日位は顔を立ててやることにしましょう。いや本当に、今日はもう登るの無理です。
という事で陣馬山からの夜景を見る案は却下し、このまま下山します。
山頂からの景色こそ見れなかったものの、林道が大きくカーブしている地点から、見事な夜景を楽しむことが出来ました。地味極まりなかったここまでの光景に、最後の最後で華を添えてくれた格好です。
街灯が見えただけで、思わず安堵のため息がもれます。真っ暗な山の中を歩くと言うのは、かなりの緊張を強いられる行為ですからねえ。
19時15分 陣馬高原下バス停に到着です。バス停には既にバスが待機していました。そのまま崩れ落ちるようにして乗り込み、帰宅の途につきました。
都民の森を出発してから実に9時間55分。歩くも歩いたりの笹尾根縦走はこれにて無事終了です。案の定、やめておけばよかったと激しく後悔する山行きでありました。体感的には奥多摩三山縦走よりもハードでした。
笹尾根縦走路は道中の光景が地味極まりない上にアップダウンが多く、そしてひたすら長いと言う苦行のような道のりです。自らの肉体を極限まで追い込む苦行を積んでみたいとか、さもなくばこの山域に対してなにか特別な思い入れがあるなどの動機でもない限りは、まったくお勧めはしません。
このルートを明るいうちに歩き切ろうと思ったら、日の長い5月頃に歩くのが無難かと思います。それでもトレランでもない限りは厳しいでしょうけれど。
高尾山までを含めた広義の笹尾根完全縦走はまあ、私はたぶんやることは無いでしょう。・・・とか言いつつ、ある時突然どうしても挑戦したくなる可能性はゼロではありませんが。。
<コースタイム>
都民の森(9:20)-三頭山(10:30~10:50)-槇寄山(12:05)-数馬峠(12:40)-笛吹峠(13:15)-丸山(13:40)-土俵山(14:05)-日原峠(14:20)-浅間峠(14:55~15:15)-熊倉山(16:00)-生籐山(16:35~16:45)-和田峠(18:30~18:40)-陣馬高原下(19:15)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
わかりやすく丁寧な記事でとても参考になりました!貴重な情報ありがとうございます!Twitterフォローの上で他の記事も拝読します!
私も?ロングトレイルが好きなのでときたま登りたくなる気持ちとても共感します。
やまざかりさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
本当は高尾山まで通しで歩きたかったのですが、トレランではないゆるふわハイキング勢としてはこれが限界でした。眠らずにまる一日歩きづつけられるような屈強な肉体が欲しい。。