二十六夜山 芭蕉が月を詠んだと言う隠れた名山

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山梨県都留市にある二十六夜山(にじゅうろくやさん)に登りました。
道志山塊という非常にマイナーなエリアにある山で、アクセス良好とはいい難い場所に存在しますが、大変良好な富士展望を得られる隠れた名山です。
マイナーエリアゆえに、ほとんど人と出会わない静かな山行きを満喫できました。

2016年11月27日に旅す。

 


道志山塊(どうしさんかい)をご存知でしょうか?

道志山塊は丹沢山塊の北に位置する標高1,000メートル級の山群です。奥まった場所にある立地上、公共交通機関によるアクセスが非常に悪く、登山の対象としてはマイナーなエリアに属します。

 

マイナーエリア故に歩く人の姿は極めて疎らで、どこまでも静寂な山域が広がっています。一人静かな休日を送りたいと思っている人にうってつけの場所と言えます。

本日はそんな道志山塊の中でもまだ比較的アクセスしやすい今倉山から、二十六夜山に至る尾根道を歩きます。

コース
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道坂隋道バス停より今倉山、赤岩をへて二十六夜山に登頂。下山は北側へ下り芭蕉月待ちの湯を目指します。コースタイム4時間半ほどのお手軽なコースです。

 

1.二十六夜山 アプローチ編 道坂隧道バス停より道志山塊へと足を踏み入れる

8時6分 富士急線 都留市駅
中央本線、富士急線を乗り継いで都留市(つるし)駅へとやって来ました。この後に乗るバスの発車までは4分しかありません。トイレは事前に済ませておきましょう。
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8時10分発の道坂隋道(どうざかずいどう)行きのバスに乗ります。
この時間帯のバスは土日限定の観光路線で、12月~3月の期間は運休になります。今シーズン最後の週末とあって車内は結構混んでいました。
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8時40分 終点の道坂隋道バス停に到着しました。
東京では54年ぶりとなる11月の積雪をもたらした寒波は、ここ都留市においても猛威を振るったようです。あたりは一面雪景色でした。
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手早く身支度を整えて、登山を開始します。登山道の取り付きはトンネルの脇にあります。
道坂隋道

本日は、人の少ないマイナーな山に行くと言うことで、腰に物騒なものをブラさげてきました。
UDAP 熊撃退スプレー アメリカ森林警備隊採用品
幸いなことに、使用した事はありません。
UDAP 熊撃退スプレー

登り始めてすぐに今倉山と御正体山の分岐地点である道坂峠に到着します。今日は左の今倉山方向へと進みます。
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2.展望皆無の今倉山と、好展望地の赤岩

完全に雪山と化しています。凍ってはいないのでアイゼンは不要でした。
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9時50分 今倉山山頂に到着しました。
標高は1,470メートル。今日歩くコースの中ではここが最高地点です。
今倉山の山頂

 

山頂の様子

今倉山山頂は樹林帯に囲まれており、展望はまったくありません。
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山梨百名山であることを主張する標識。
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立ち止まっていると寒いので次へ向かいます。まずは一旦下りです。
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日陰側の斜面は積雪が30センチくらいはありそうな感じです。ゲイターを履き忘れてきたこと後悔しました。雪が靴の中に進入してきてちべたい。
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もっふもふの新雪状態です。すでに、先行者のトレースが2名分ほどついていました。
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ここで前方に絶景の予感です。
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でっかく富士山が出現しました。手前の山は左が御正体山(1,682m)右が杓子山(1,598m)です。
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富士山ズーム
吉田ルートの九十九折れの登山道がクッキリと見えました。
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本日の目的地である二十六夜山も見えました。割と登ったり下りたりを繰り返しておりますね。
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絶景スポットの直下はこのコースで唯一の危険箇所といえないこともない岩場です。ドライな状態ならなんてことはないんでしょうけれど、雪で滑りやすくなっているため慎重に下ります。
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今倉山と次なるピーク赤岩との鞍部へやってきました。ここへ直接登って来れる沢コースなるものもあるらしい。
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赤岩を目指して登り返します。山と高原地図には「展望良い」との記述があり期待が膨らみます。
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確かにいかにも展望がよさそうな頂上が見えてきました。
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10時30分 赤岩山頂に到着。掛け値なしの360度のパノラマが広がります。
赤岩山頂

富士山再び。でっかい図体をした御正体山が少々邪魔ではあるものの、特筆すべき富士展望と言えるのではないでしょうか。
赤岩からみた富士山

西に目を向けると、御坂山地とその背後に南アルプスの山々が綺麗に並んで見えました。
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正面に見えるのが三ツ峠山(1,785m)。三ツ峠山とその上に沸いた雲のスキマにちょこっと見えているのは南アルプスの主峰北岳(3,192m)です。
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南アルプス南部の山々
左にあるのが赤石岳(3,120m)。中央の山は悪沢岳(3,141m)です。
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八ヶ岳もクッキリ見えます。
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こちらは先ほどまで居た今倉山。
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そして、これから向かう二十六夜山です。
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鉄板の構図、松と富士。ほぼ無名な存在のマイナーピークとは思えないような、素晴らしい眺望でありました。赤岩の実力はなかなか侮れませんぞ。
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3.二十六夜山 登頂編 幾多のアップダウンと林道を越えて尾根の先を目指す

今倉山から二十六夜山に至る縦走路上には、巻き道などと言う親切なものは一切ありません。途中にあるいくつもの小ピーク達はすべて正面突破です。というわけで、この後も登ったり降りたりを繰り返します。
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なにやら物騒な看板が出現しました。安全な場所って何処よ?
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一旦、大きく回りこんで林道に出ます。
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どうやら、この林道の切通しを掘削するために発破をかけていた模様。尾根沿いだった登山道がここで寸断されています。

二十六夜山はもう目の前です。
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林道から15分ほど登れば山頂です。
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11時45分 二十六夜山に登頂しました。
残念ながら富士山は雲の中に隠れてしまいました。
二十六夜山の山頂
読み方はそのまんま「にじゅうろくやさん」です。二十六日目の月は十六夜(いざよい)みたいなカッコイイ呼び名は与えてもらえなかったんですね。

Q.人はなぜ雪を見ると雪だるまを作りたがるのでしょうか?
A.そこに雪があるから。
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4.知る人ぞ知る秘湯、芭蕉月待ちの湯へ

さて、後は温泉に浸かって帰るだけです。ところが下山を開始して早々にトレースが無くなりました。先行者達は温泉にも行かずに、一体何処へ下山したのでしょうか??

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所々に道標があるため特段迷うこともありません。ただ、落ち葉と新雪のコンビは大変凶悪なスリップ効果を生み出すようで、途中で2度もすっ転びました。
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仙人水なる水場がありました。水量は豊富です。
二十六夜山の水場(仙人水)

誰がいつ置いたとも知れないバッチいコップでおいしく頂きました。
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ちなみにこのコップ、比喩的表現ではなく本当に汚いです。気になる人はマグカップを持参しましょう。

道中にあったお社
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道はいつしか沢沿いのルートに。木橋が壊れており、代わりのルートも示さずに封鎖されていました。
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まあ、石伝い簡単に渡れますけど。
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13時10分 文明社会へ帰還しました。
ここから舗装道路を10分ほど歩いて温泉に向かいます。
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芭蕉月待ちの湯へ到着。市営の温泉施設のです。市外客の入浴料は710円也。
芭蕉月待ちの湯
アルカリ性の温めのお湯でした。
マッタリする分にはよいのでしょうけれど、冷え切った体を温めるのには不適格かな。

たとえどんなに寒かろうと、温泉後のソフトクリームは正義です。
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温泉からコミュニティバスに乗り都留市駅へ帰還です。料金は定額200円。パスモ・スイカが使えます。
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ちょうどいいタイミングで大月行きの電車に乗れました。
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大月駅で「特急に乗りなさい」運動の直撃を受けました。しょうがないのでホームからぼんやりと岩殿山を眺めて過ごします。
大月駅のホームから見た岩殿山

※「特急に乗りなさい」運動とは
富士急行線沿線の住民が東京方面に出かける場合、大月駅でJR中央本線に乗り換えることになる(早朝の直通東京行き・中央特快は除く)。しかしJR東日本の策略により、特急に乗らないで八王子に行こうとする富士急行沿線市民は大月駅で最長禁固30分の刑に処せられる。一方で、特急料金を支払う者に対しては禁固5分と大幅な減刑となる。このJR東日本の巧みな手法によって、多くの人々が特急料金と引き換えに減刑を勝ち取っている。

アンサイクロぺディアより引用

30分後にやってきた10両編成のオレンジに乗って帰宅です。
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静かなる道志の山と秘湯を巡る休日はこれにて終了です。

二十六夜山は知名度がほとんど無い極めてマイナーな山ですが、大展望があり温泉ありで埋もれさせておくには惜しいポテンシャルを持っています。コースタイムも手ごろで自信もってオススメできます。

ひとつ問題があるとすれば、来年の春までもうバスの運行が無いことですかね。
公共交通機関で訪問は季節限定となりますが、とても良い山だと思います。

<コースタイム>
道坂隋道(8:40)-今倉山(9:45)-赤岩(10:30)-二十六夜山(11:45~12:00)-芭蕉月待ちの湯(13:10)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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