富士山 日帰りで行く、高さ日本一の霊峰

富士山 剣ヶ峰
静岡県と山梨県にまたがる富士山(ふじさん)に登りました。
この山について今更多くを語る必要は無いでしょう。日本最高峰にして、世界遺産にまでなった霊峰です。この山へは、日本全国のみならず海外のからも数多くの人が訪れる一大観光地でもあります。
ハイシーズンの喧騒を避けるべく、人の少ない山開き直後を狙って、朝から登って夕方に降りるごく普通の日帰り登山をしてきました。

2016年7月2日に旅す。


富士山に登らぬ馬鹿、2度登る馬鹿」と言う言葉があります。誰の言葉なのかは伝わっていませんが、この言葉自体は江戸時代からすでに存在しました。

日本一の山へ一度も登ってみようと思わないのは、好奇心の無い馬鹿であると言う訳ですな。それでは、2度登る馬鹿とは一体なんのことを言っているのでしょうか。
竜ヶ岳山頂から見た富士山
富士山は観賞用の山であるよく言われます。

周辺の山から望む富士山の姿と言うのはそれはもう、うっとりするほど美しい。自然の造形美と言うものをまざまざと見せ付けてくれます。

では、登ってみるとどうなんでしょう。
富士山 吉田ルート9合目付近の登山道
溶岩と砂礫が堆く高く積みあがった単調極まりないな殺風景が、山頂まで延々と続きます。そこには新緑が美しい森もなければ、沢も滝もお花畑もありません。

こんなつまらない山に、2度も登りに来るのは馬鹿だと言うわけです。

果たして富士山はつまらない山なのでしょうか?実際に登って検証してみることにしましょう。

さて富士登山と言えば、ご来光を目当てに夜通しで登る、いわゆる弾丸登山が盛んです。安全上の理由からあまり推奨はされていない山行き形態ですが、コレをやる人間は後を絶ちません。それは何故なのか。
富士山 吉田ルート上に立ち並ぶ山小屋
富士山にそれこそ無数の山小屋がありますが、何れもあまり評判がよろしくありません。

曰く、「富士山のネームバリューに胡坐をかいて企業努力を一切していないボッタクリ」とか、「そもそもオーバーユースで、まともなサービスなど提供できる状況で無い」だとか。

いずれにせよ、奴隷船並とまで評される程のすし詰め状態な山小屋泊を嫌った人間が、それならばと夜通しで歩き続けることを選択しているのは容易に想像できます。

かく言う私はと言うと・・・

ご来光よりは眺望のほうに関心が強い人間であるため、このような葛藤とは無縁です。なので、普通に朝から登ってその日のうちに降りてこようかと思います。

真っ暗な中を登ってもツマランやろ。

コース
富士山吉田ルートのコースマップ
富士山に登るルートは全部で四つ(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルートおよび富士宮ルート)存在しますが、その中でも最もアクセスが容易で一般的な吉田ルートを往復します。

標準コ―スタイムはお鉢巡りを含めると10時間オーバーとなりますが、これは老若男女が登る山であることを考慮した若干甘めの設定です。

1.富士山登山 アプローチ編 路線バスで富士スバルライン5合目へ

7時30分 富士急線 富士山駅
駅のホームから、これから登る富士山の巨体が視界一杯に横たわっているのが良く見えます。いつ見てもでっけえなあ。山頂部に雲が掛かっているのが若干気になるところです。
富士山駅から見た富士山
公共交通機関を利用して日帰りで富士山に登ることは可能でありますが、帰りの最終バス時間に間に合うためには、コースタイムをいくらか巻く必要があります。

決して誰でも簡単に日帰りで登れるわけでないという事を、あらかじめご認識置きください。

ここから8時10分発の富士スバルライン五合目行きのバスに乗ります。
富士山駅のバス乗り場

運賃は通常だと片道1,540円ですが、バス切符売り場で往復券が2,100円で買えます。1,000円近くオトクなので忘れずに買っておきましょう。
富士山駅のバス切符売り場

9時15分 富士山駅から1時間ちょっとをかけて、バスは富士スバルライン5合目へと到着しました。
富士スバルライン5合目
何時もの様に、バス発車と同時に深い眠りに落ちていたので、道中の風景を全く見ておりません。富士スバルライン自体が観光地みたいなものなのに、なんとももったいない話です。

馬が沢山いました。お金を払えば吉田口の5合目まで乗せてもらえます。
富士山五合目の馬
ちょっと紛らわしいのですが、富士スバルラインの五合目と、吉田ルートの五合目と言うのは別の場所です。ほぼ水平移動ですが、徒歩で20~30分ほど離れています。

山頂部は相変わらず雲に覆われています。晴れてくれると信じて歩き始めます。
雲に覆われた富士山の山頂部

なにやらクロワッサンみたいな雲ができていました。
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富士山本体にぶつかった風が左右に別れて山腹を回り込み、合流地点でこのような渦が出来上がるらしい。

図にするとこんな感じです。
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この雲が出来ると言うことは、上のほうで非常に強い風が吹いていると言うことです。

登山道の案内図をみてコースタイムを確認しておきましょう。図に描かれたコースタイムを累計すると、10合目までの所要時間は6時間10分になります。
富士山 吉田ルートの案内板
これは、スニーカー履きの観光客も登る山であることを考慮した、かなり甘めの設定です。山慣れしている人であれば、だいたい5時間以内と見ておいて問題ありません。

2.単調な九十九折れの登りがどこまでも続く吉田ルート

富士スバルライン5合目から吉田口5合目までは、平坦な道が続きます。
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ガイドブック等には、「体を高度順応させるために、5合目に着いたら直ぐに歩き出さず1時間くらい慣らせ」という記述を良く見かけます。

個人的な意見としては、この平坦な道歩きが十分に慣らし運転代わりになるので、5合目に到着した直後から歩き出しても、特に問題はないかと思います。

もっとも、私は医者ではないので、あまり断定的なことは言えませんが・・・

鯨のシルエットに見えると言う山中湖が見えました。もう少し上から見ないと鯨には見えないですね。
富士山 吉田ルート五合目から見た山中湖

9時40分 吉田口5合目・・・ではなく厳密にはその少し手前に位置している登山口に到着しました。ここからいよいよ登山開始です。
富士山 吉田口5合目の登山道

まだ登山開始したばかりだというのに、早くも「登ってもつまらない山」の面目躍如たる単調な砂礫の道が始まりました。
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基本的に、この後山頂に着くまでずっと、この光景が変わることはありません。

登山口から15分足らずでアッサリと6合目に到着しました。山頂まではあと5.2km。当然ながらずっと上り坂です。
富士山 吉田ルート6合目
この何号目という区切りは別に等間隔で刻まれているわけではありません。7合目以降もここまでと同じくらいアッサリと辿り着けるものと勘違いしてしまった人は、この先の登りで涙目になることでしょう。

落石防止の擁護がこれでもかと言わんばかりに立ち並んでいました。吉田ルートは富士山の登路中では一番人気のルートとあって、登山道は大変良く整備されています。
富士山 吉田ルートの登山道

振り返って見る富士河口湖町(中央)と富士吉田市(右)。その背後に見えている山並みは御坂山地です。
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いかにも火山らしい、溶岩がむき出しの道になってきました。ここは手を使わないと登れません。
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10時35分 7合目に到着しました。まるで観光地の土産物屋のごとく道の脇に山小屋が林立しています。小屋の軒先を延々と歩き続ける感じです。
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個室ありと言う山小屋もあります。富士山の山小屋には、詰め込みのイメージしかありませんが。。
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眼下は絶景です。日の出を見たいだけなら、山頂まで登る必要は無いのかも。
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7合目を越えると、少し傾斜が増して来ました。こういう岩場は一部だけで、基本的には九十九折れのついた砂礫の道を延々と登らされます。
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手も使って登っていきます。この溶岩からなる岩場は表面がザラザラしており、摩擦係数が大きくグリップはたいへん良好です。例え雨で濡れていても、スリップする心配は殆どありません。
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11時20分 8合目に到着しました。ここら9合目までの間が、最も長く厳しいな行程となります。覚悟して挑みましょう。
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こちらは下山専用のブルドーザー道です。一方通行ということになっていますが、ルール違反して登りに使っている人の姿がチラホラと見えました。
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振り返ってみる吉田口5合目です。視界を遮る樹林が一切無いので、ひたすらジグザクに登ってきた道がすべて見えます。
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この吉田ルートの登山道は、付近の山から見るとまるでチャックか何かの様に見えたりします。

8合目の時点で標高は3,250メートルほど。この時点で既に標高日本第二位の北岳(3,192m)を超えています。
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3.富士山登山 登頂編 息苦しさを感じる急登を乗り越え、日本一の頂へ

いつの間にか眼下には雲が沸いていました。
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雲海と山中湖。撮影が捗りすぎてなかなか歩みが進みません。単に息切れしているだけとも言いますが。
富士山から見た山中湖

鳥居が見えているのが9合目です。見えているのになかなか辿り着きません。全行程の中で一番キツかったのはこの辺りです。
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高山病の予兆と思われる僅かな頭痛を感じたため、ここでロキソニンを投入しました。

この辺まで来ると空気の薄さを体感出来るようになってきます。何も考えずに歩いていると直ぐに息が上がるので、ペースを落として登ります。

高山病と言うのは酸欠によって引き起こされるものな訳すから、対策としては、息の上がらないペースを維持し続けることが一番重要です。

地味に歩きにくいのがこの砂礫の道です。足が沈み込むので、登る力の何割か減じられてしまいます。元気なうちは何も感じませんでしたが、疲労が溜まってくると結構辛い。
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道の脇に、高山病でグロッキーになった人が何人も寝そべっていました。これもまた、他の山では見られない富士山ならではの特異な光景と言えます。

斜面には所々雪が残っていました。登山道上には一切残っておらず、軽アイゼンの出番はありませんでした。
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12時50分 9合目到着に到着しました。8合目から1時間半掛かりました。しんどかった・・・
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ここまで歩いてきた道を振り返る。ずいぶんと高いところまで登ってきたものです。
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ここから10合目までは石段の道になっているので、これまでの砂礫の道よりは大分楽になります。
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13時15分 浅間大社奥宮に到着しました。吉田ルートの10合目地点です。登り始めてちょうど4時間で到着しました。着くなり凄まじい強風に見舞われました。
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日本各地に存在する浅間神社は、富士山そのものをご神体とする山岳信仰です。富士山の山頂に立つこの奥宮は、その総本山と言ったところでしょうか。

ここには日本一標高の高い場所にある、日本一物価が高いことで有名な売店があります。が、まだ営業を開始していませんでした。
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山開きしたとは言え、この強風下では客もあまり居ないだろうと見越してのことか。

強風の直撃を避けられそうな建物の影に入って弁当を広げました。

写真を撮り忘れましたが、ランチパックの袋が、かつて見たことも無いくらいパンパンに膨れていました。あれで破裂しないのが逆に凄いです。

4.お鉢を巡りつつ、最高地点の剣ヶ峰を目指す

さて、腹一杯になったところでお鉢めぐりを開始します。火口を挟んで向かいに見えているのが富士山最高地点である剣ヶ峰(3,776m)です。あそこまで火口のフチをぐるっと回っていきます。
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剣ヶ峰をズーム
山頂の建物は富士山測候所です。現在では無人で、自動観測装置だけが設置されています。
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建物の影から出だ途端に物凄い強風にさらされます。この時点では追い風で、背中をグイグイ押されました。
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眼下に須走口の五合目が見えました。こちらはまだ山開き前ですが、それでも駐車場には大量の車の姿が視認できました。
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雲の上を道を歩きます。普段はなかなかお目にかかることの出来ない光景です。
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火口の直径は780m、深さは200m、お鉢めぐりの全長は3kmほどあります。所要時間は普通に歩いて1時間30分くらい掛かります。
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実際に歩いてみる前には「たかが3km歩くのに1時間30分もかかるか?」と疑問に思っていましたが、しっかりと1時間30分掛かりました。

空気が薄い上に強風にも晒されるので、ペースがぜんぜん上がりません。

日本一の展望台からの絶景をしばし堪能します。と言うか、直ぐに息が上がるのでしばし立ち止まざる終えないというのが正解です。
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こちらは上から見た宝永噴火口。江戸時代中期の1707年(宝永4年)に起きたという、富士山最後の大噴火の跡です。
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太平洋側は完全に雲の下です。本日の下界の天気は曇りという事ですな。
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浅間大社銀明水までやって来ました。静岡県側から乗る、富士宮ルートの10合目地点です。4つある富士山の登路のうちでは、吉田ルート2番目に人気のあるルートです。
浅間大社銀明水

ここにも売店があります。まだ営業は開始していませんでした。
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上から見た富士宮口5合目です。吉田ルートと同様に、延々と九十九折れの道が続いているのが見えます。こちらから登っても、やっぱりつまらない山であることに違いはなさそうです。
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最高地点の剣ヶ峰のみを目指すのであれば、ここから登るのが最短ルートです。こちらの山開きは1週間後と言うことで、登ってくる人影は疎らでした。

剣ヶ峰にむかってアタックを開始します。山頂直下のこの登りは通称ラクダの背と呼ばれています。
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ラクダの背の途中から振り返ってみる銀名水。息も絶え絶えになりながら最後の坂を登ります。
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14時20分 富士山剣ヶ峰に登頂しました。登山開始から4時間55分をかけて、日本最高地点へと到達しました。
富士山 剣ヶ峰の標柱

山頂の様子
さほど広くはない山頂の大半を、観測所の建物が占拠しています。
富士山 剣ヶ峰山頂の様子

なにやら建物で工事をしていました。ここで工事をしている人たちは、高所手当て的なお金が別途出ているんですかね。何れにせよ、相当過酷な労働環境であることは言うまでもありません。
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山頂より望む噴火口です。まるで絵に描いたかのような噴火口そのものと言った姿をしており、圧巻のスケール感があります。
剣ヶ峰から見た富士山の火口

時間が遅めであるためか、あまり人もおらず山頂を悠々と占拠できました。
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なお、最盛期になると、剣ヶ峰での記念撮影待ち行列がラクダの背の下にまで伸びて、3時間待ちとかになったりします。

富士山に登るなら、山開き直後か、あるいは閉山間際をオススメします。間違ってもお盆休み期間に登ろうなどとはしない方が良いでしょう。

山頂でのんびりと休憩したところでお鉢めぐり後半戦を再開します。ここからは逆風の中を進んでいくことになるので大変です。予報によれば本日の富士山頂の風速は20メートルほどです。
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台風の最大瞬間風速と呼ばれるものとは違い、富士山頂の風速20メートルと言うのは20メートルの風が絶えることなく常時吹き続けている状態を表します。

まるで風洞実験装置の中に入れられたかのような気分です。
・・・わかり難い例えでしたかね。

振り返ってみる剣ヶ峰
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途中に大沢崩れの覗き込みスポットがあったので覗いて見ました。構えたカメラを吹き飛ばされそうになるくらい強烈な風の吹き上げでした。
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正面の南アルプスを望む。手間の山並みには天子山地です。
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北岳をアップ。日本第一位から見た第二位です。
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左側に見えているのは八ヶ岳かな。右側は奥秩父山塊の主脈です。北アルプスは雲に覆われていて見えません。
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カメラを構えるのにも難儀するような逆風で、手ブレ写真を大量生産してしまいました。北側を写した写真のうち、まともに写っていたのはこの2枚くらいで、後は軒並み全滅です。

御坂山地と富士河口湖町、富士吉田市が眼下に一望できます。
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お鉢を1週して吉田ルートの10合目地点まで戻って来ました。
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5.富士山登山 下山編 富士山からの下りはあっという間

15時 下山道(ブルドーザー道)を通って下山を開始します。
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富士山の下山ほど楽なものはありません。砂礫が着地の衝撃を吸収してくれるので、膝に負担を欠けることなく大股でザクザクと下れます。

15時50分に江戸屋分岐を通過します。ここでは道間違えの多発地帯であるので注意してください。まっすぐ下りてしまうと、富士スバルライン五合目には戻れません。特に悪天候時には注意を要します。
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あまりにも快調すぎて途中で写真を一切撮っていませんでした。かつて経験したことの無いようなペースで標高が下がっていきます。

この後も快調に飛ばし、あっという間に下山しました。
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17時15分 スバルライン5合目に下山しました。スタートからピッタリ8時間後にバス停へ戻ってきたことになります。
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砂礫の斜面を駆け下りた影響により、全身が砂埃まみれで凄いことになっていました。耳や鼻の中まで砂まみれです。

日本一の山への日帰り登山はこれにて無事終了しました。富士山はつまらない山なのかというと、そんなことは決してありませんでした。
日本一の標高を持つ富士山は言うまでも無く日本一の展望台です。圧巻のスケールの噴火口や、雲より高い所を歩くお鉢めぐりなど、富士山は登山の対象としても多くの魅力に溢れた山です。
確かに道中の光景はやや単調かもしれませんが、そんなときは背後に目を向ければよいのです。そこには徐々に標高が増してゆく一大パノラマが広がっていることでしょう。1度と言わず、2度3度登りたいと思わせてくれる山です。晴れていればね!
天気が悪かったら・・・辛いだけのとてつもなくつまらない山になるでしょうね。その時は素直に諦めて、日を改めましょう。

<コースタイム>
富士スバルライン5合目(9:15)-吉田口5合目(9:40)-6合目(9:55)-7合目(10:35)-8合目(11:20)-9合目(12:50)-浅間大社奥宮(13:15~13:25)-剣ヶ峰(14:10~14:30)-浅間大社奥宮(15:00)-下江戸屋分岐(15:50)-富士スバルライン5合目(17:15)

160702富士山_073

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. AK より:

    私はプリンスルートの小屋泊しかしたことがなかったのですが、このたび登山初心者(娘)が、富士山に登ってみたい!だけどキツキツの小屋泊はゴメン…と言うので、 7年前のこの記事を参考にさせていただき、先日初めて吉田口から早朝出発の日帰りで登ってきました。
    コースタイムはかなり甘めの設定、とありますが、いやいや…3776mの日帰りは決して甘くないですね!富士山経験者の私もしっかりコースタイムオーバー、行動時間12時間でした…情けねー笑
    あらためてオオツキさんの、登り4時間、下り2時間は驚異的!と実感しました。すごいですね。やはり普段から、ランニングとか筋トレなど地道に積み重ねていらっしゃるのでしょうか?
    急遽決めた富士山行でしたが、オオツキさんの丁寧な記録に大いに助けていただきました。ありがとうございました。

    • オオツキ オオツキ より:

      AKさま
      コメントをありがとうございます。

      日帰り登山お疲れさまでした。夏富士に技術的な難所はありませんが、吉田口からだと山頂までの標高差は1,500メートルと少々あるので、体力レベルでいうと登山初心者向きだとは言い難い山でしょうかね。

      山に登るためのトレーニングは特に何もしていません。ただ、ほぼ毎週山に登る生活を何年も継続しているので、自ずと山登りに最適化された体にはなっていると思います。