二ヶ領用水 多摩地区を流れる人工用水路でお花見散歩

二ヶ領用水 宿河原の桜1
神奈川県の川崎市内を流れる二ヶ領用水(にかりょうようすい)沿いを散歩してきました。
江戸時代の初期に作られた、多摩川の水を引く用水路です。現在も暗渠化されていない水路が多く残っており、沿川には多数の桜並木が整備された格好のお花見スポットとなっています。
シトシトと冷たい雨が降り注いだ週末に、お花見をしつつ水路巡りをしてきました。

2023年3月26日に旅す。

二ヶ領用水は多摩川沿いの上河原堰と宿河原堰の二か所から水を引いている、神奈川県内最古の人口用水路です。建設時期は今からおおよそ400年前の江戸時代初期にまで遡ります。
二ヶ領用水400周年の案内板
上河原堰からの水路は二ヶ領本川と呼ばれ、宿河原堰からの取水分は宿河原用水と呼ばれています。今回は宿河原用水沿いを歩いて来ました。

観測史上稀に見るはやさで桜が満開となった2023年の春でしたが、生憎と週末の天気は土日ともに雨模様でした。晴れていれば大勢の花見客でにぎわうであろう沿川の桜並木も、閑散としていてどこか寂し気でした。
二ヶ領用水の桜

現在では二ヶ領用水跡の全て残っているわけではなく、下流域は暗渠化されています。宿河原駅からスタートし、開渠になっている全区間を巡り歩いて来ました。
二ヶ領用水 開渠部分の終端
「本当は山に登りたかったのにッ!」と言う事で、最初から若干不貞腐れ気味に行く、オオツキ怒りのお花見散歩の幕開けです。

二ヶ領せせらぎ館の公式サイト上に、二ヶ領用水巡りのコースマップが公開されています。ルートについてはこちらを参照してください。
分科会 二ヶ領用水散策マップ

1.シトシトと冷たい雨が降り注ぐ中、宿河原を目指す

5時56分 JR南武線 稲田堤駅
南武線に乗車すべく、乗り換え可能駅と言いつつ微妙に離れた京王稲田堤駅からトボトボと歩いてやってまいりました。それはそうとこの駅、一体いつまで工事をしているのでしょう。
稲田堤駅のホーム
別に山へ行くわけではないのだから、こんなに早起きする必然性は全くなかった訳なのですが、午後からの方が雨脚が強くなると言う天気予報であったため、わざわざ始発電車で出張ってきました。

6時4分 宿河原駅に到着しました。厳密に宿河原用水を端から端まで踏破するのならスタート地点は登戸駅になりますが、登戸から宿河原間は過去に一度歩いたことがあるため、横着して宿河原駅スタートとしました。
早朝の宿河原駅ホーム

駅前には人影もなく閑散としていました。小雨ではあるものの、冷たい雨が絶え間なく降り続いており、到着早々からテンションがダダ下がりです。何ならもう既に帰りたいくらいな気分です。
宿河原駅の駅前

近くに藤子・F・藤雄ミュージアムなるものがあるのですね。登戸駅の発車メロディーがドラエモンのテーマなのはそれが理由か。
宿河原駅前の案内板

改札を出て真っすぐに直進すると、5分とかからずに二ヶ領用水にぶつかりました。右へ進むと取水地である多摩川の宿河原堰に行き着きます。そちらは既に歩いたことがあるので、本日は左方向へと進みます。
宿河原の二ヶ領用水

桜の開花状況は正に満開、見頃のド真ん中な状態です。返す返す、天気が悪いのが残念でなりません。
二ヶ領用水の桜

しっとり雨露に濡れた桜と言うのもまあ、これはこれで風情があると言えなくはありません。そんな風情はいらないから青空をください。
雨露が滴る桜の花弁

2.貸し切り状態なお花見の名所、宿河原桜並木

雨だからなのか、それとも単にまだ朝早いからなのかは定かではありませんが、周囲には人影もなく静まり返っていました。「HAHAHAHAHA。宿河原の桜並木を貸し切りだぜい」と半ば無理やりテンションをあげておく。
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水路沿いに歩道が整備されており、沿川に見事のな桜並木が立ち並んでいました。花見の名所として名高いだけあって、確かにこれは凄い。
二ヶ領用水 宿河原の桜並木

一度でも尾瀬を歩いたことがある人ならばよくご存じの通り、濡れたウッドデッキと言うのは凶悪なスリップ効果を発揮します。本日はこそへさらに桜の花弁がトッピングされており、極めて危険な状態が作り出されていました。
二ヶ領用水 宿河原の桜並木
ビブラムソールのトレッキングシューズを履いていても滑りまくったので、スニーカーだと雨の日は危険なのではなかろうか。

スポンソン的な張り出しがありました。ここに立って写真を撮ってもらうインスタ映えスポットか何かなのかな。今なら貸し切り状態です。・・・自撮りはしませんでしたけれどね。
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桜並木の整備を記念した巨大な石碑が立っていました。こうした人工的な並木は作ってもそれで終わりではなく、定期的に手入れが行われることによって維持されています。整備にあたってくれている地元の方々にはまことに頭が下がります。
二ヶ領用水 宿河原の桜1

こういうどんよりとしたは曇り空の日は、空が入らない構図で撮影するのがセオリーなのでしょうけれど、普段は晴れた山の写真ばかりを撮っている私はついつい反射的に空を入れたくなってしまいます。
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白い空に白い桜の花では、画的にイマイチ映えないんですよね。やはりお花見は晴れた日にしてこそナンボだと思います。

二ヶ領用水はそのほぼ全区間が南武線と並走しています。不意に「南武線は今日も黄色 イエロー♪」と言う歌詞が脳裏に浮かびました。
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何の歌だったか思い出せなかったので調べてみたら、天体戦士サンレッドと言うアニメのテーマ曲でした。作品自体を見たことがないのですが、いったいいつどこで曲を聞いて覚えていたのだろうか。

そして、正しい歌詞は「今日も黄色」ではなく「今日もいい色」でした。またどうでもよい豆知識を増やしてしまった。

この咲きっぷりだと、恐らく来週まではもたないでしょうね。本当に、何だってよりによってこんな天気の悪い週末に満開迎えてしまったのだろうか。
二ヶ領用水 宿河原の桜並木

ここから川崎市緑化センターなる施設の領域に入ります。二ヶ領用水の両側がこの施設の敷地となっていますが、水路沿いの道は普通に通り抜け可能です。
川崎市緑化センターの入り口

珍しい水路の立体交差がありました。上の水路は五ヵ村掘と呼べているもので、二ヶ領用水とはまた別に多摩川から引かれています。
五ヵ村掘の水路

現在では立派なコンクリート製の水路となっていますが、当初は木製の樋か何かだったのでしょうかね。
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川崎市緑化センターの周囲にも、宿河原周辺と同様に水辺のウッドデッキ歩道と桜並木がしばしの間続きます。相変わらず滑りやすいので、桜を眺めるときは立ち止まってから眺めましょう。よそ見ダメ絶対。
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やたらとでっぷりしたカルガモが、逃げもせずにボーと水面を眺めていました。
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左手に六角形の立派な尖塔が立っています。新明国上教会と言う天理教に属している宗教団体の施設です。
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仏教風の外観の建物なのに、教会と名乗っているのが何とも不思議な感じのする建物です。ここでも背景が青空だったらもっと映えるんですけれどね。
新明国上教会

前方に見えてきた東名高速道路の下を潜ります。
東名高速道路付近の二ヶ領用水

高速道路の高架下は歩道が寸断されており迂回が発生します。案内板があるので、それに従って進めば問題ありません。
二ヶ領用水 東名高速下の迂回路

3.二ヶ領本川と合流して久地へ

東名高速を過ぎるとしばしの間、沿道に華が無い区間となります。特に見るべきもの無いので早足気味に進みます。
二ヶ領用水-028

ここで右手から現れた別の水路と合流します。宿河原用水よりもっと上流の多摩川から取水された二ヶ領本川です。
二ヶ領用水 本川との出合

本川との出会い地点に架かる、その名も出合橋です。吊り橋風の外見をしていますが、このクサリは何の荷重も受け持ってはおらず、ただの飾りであることは明らかです。
二ヶ領用水 出合橋

出合のすぐ下流の地点で、今日もいい色をした南武線が二ヶ領用水の上を渡ります。この先でも、南武線は何度か二ヶ領用水の上を行ったり来たりします。
二ヶ領用水 久地の南武線橋梁

橋の上から振り返って見た出会い地点です。どちらも同じ多摩川から取水された水ですが、本川の方には近隣住宅地からの生活排水が流入しているらしく、あからさまに汚濁していて少しドブ臭いです。
二ヶ領用水 本川との出合

橋梁を渡った地点に南武線の久地駅があります。もう歩くのは飽きたと言う人は、ここでエスケープ可能です。雨は止まないし寒いし、今日はもう帰ろうよ。
南武線 久地駅の駅舎

そのまま改札に吸い込まれそうになる衝動をぐっとこらえて、もう少し二ヶ領用水の旅を続けましょう。駅前の脇をかすめている府中街道を横断します。何気に宿河原駅を出発して以降、初めて遭遇した信号機です。
久地駅前の府中街道

相変わらず華はないし川は汚くてドブ臭いしで、降り止まない雨も相成ってますますテンションが下がって来ましたぞ。
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対岸には崖があり、その上にも建物が建っているのが見えます。地図によると津田山と言う名前のようですが、恐らくは多摩川の河川段丘の切れ端か何かでしょう。そもそもこれは山・・・なのか?
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まるで若干不貞腐れ気味な私をなだめすかすかのように、少しだけ桜の並木がありました。久地さくら園地と呼ばれている場所です。
久地さくら園地

地層が剥き出しになっていて、なかなか物々しい光景です。韮崎の七里岩みたいですね。
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長い歴史のスパンで見れば、多摩川が現在の流路になったのはごく最近の事です。過去には幾度となくのたっくて、このような切れ端をあっちこっちに作り出していたのでしょう。

前方に水門らしきものが見て来ました。轟々と水が流れ落ちる音が鳴り響いています。ここは通り抜けられないので、左側から回り込みます。
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二ヶ領本川の大部分は、ここで横から流れて来た平瀬川と合流します。一部の水はこのゲートで取水され、サイフォン井戸で対岸へと送水されています。
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この平瀬川と言うのは、先ほどの津田山の下をトンネルで潜ってきています。暗渠化される前はどういう経路を流れていたのだろうか。
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二ヶ領本川と合流した平瀬川は、この先で多摩川へと注いでいます。多摩川から取水された水は、こうして再び多摩川へと戻って行くわけです。
新平瀬川

4.二ヶ領用水巡り最大のハイライト、久地円筒分水

平瀬川の下をくぐった二ヶ領用水の水は、対岸にあるこの円筒分水なる構造物へと送られ下から吹き上がっています。まるで噴水か何かのような美しい構造物ですね。
久地円筒分水"

円筒分水とはさっくり言うと、用水路を流れて来た水を近隣の田畑へ分配するための装置です。
久地円筒分水の案内板

水の割当量に応じた長さの仕切りに区切られており、それによって水を分配しています。水の流れる総量が変わっても、分配の比率は変わらないと言う理屈です。面白いことを考えますね。
久地円筒分水

この僅かな幅しかない水路は、もともと水の割当量が少ないことを意味しています。この久地円筒分水の割合はかなり偏っていて、全体の7割強がこの先に続く二ヶ領用水本線へと引きまれています。
久地円筒分水

機能性もさることながら、この円筒分水の最も重要な要素はそのビジュアルにあります。これはなにも、見た目が美しいとかそういう話ではありません。
久地円筒分水
水利権の問題と言うのは、いつの時代にも極めてデリケートなものです。ことに農業以外の産業が存在しなかった中世以前においてはより顕著な問題でした。

干ばつが続き水不足ともなれば、水の割り当てを巡って近隣の村同士が血で血を争うような事態に発展することも十分に起こりえました。

その点この円筒分水は、水の分配は間違いなく公正明大に行われていると言う事を、これ以上ないくらい視覚的にわかりやすく見せてくれます。いさかいを未然に防ぐ効果を発揮していたことでしょう。

この久地円筒分水もまた二ヶ領用水の桜の名所のひとつで、満期の桜が周りを囲んでいました。水面のリフレクションが綺麗ですね。背景が青空だったらなお良かったのですが。
久地円筒分水の桜

桜の他に菜の花の花壇もあり、しっとりと水に濡れていました。
久地円筒分水の菜の花

何処からとなく飛来した一羽のコサギが、周囲をウロウロと歩き回っていました。この井戸にも小魚が住んでいたりするのでしょうか。
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もはやお花見散歩と言う主題からは逸脱しまくってしまった感はありますが、大変興味深いものを見せてもらいました。個人的には、ここが二ヶ領用水巡りにおける最大の見せ場であると思います。
久地円筒分水

5.溝ノ口を経て武蔵小杉へ

二ヶ領本川を流れていた水流の大半が平瀬川に流れ出たことにより、二ヶ領用水は再び小さな水路へと戻りました。
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二ヶ領用水の真上にかぶさるようにかけられた歩道橋で、国道246の上を越えます。
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万年渋滞している道として悪名高い246ですが、午前中は割とスムーズに車が流れていました。
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国道246を超えると、今度はソメイヨシノではなく、しだれ桜の並木が出迎えてくれました。こちらもまだまだ見頃です。
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今度は東急田園都市線の下を潜ります。現在地は溝の口駅の近くになります。
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溝の口周辺の桜並木もなかなかのものです。ソメイヨシノよりは花期が長く、比較的長期間に渡って楽しむことが出来ます。
二ヶ領用水 溝の口周辺の枝垂桜

早くもツツジまで咲き始めていました。2023年の花の開花はなにもかもがフライング気味に進行している感があります。
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溝の口の周辺を抜けると、またもや華の無い領域となりました。足早にサクサクと進みましょう。
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続いて今度は第三京浜の下を潜ります。流石にここまで来ると、だいぶ遠くまで歩いてきた感があります。
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宿河原周辺ほどの規模ではないものの、所々にこうした桜並木エリアが現れます。こうした東屋付きの休憩スペースは、雨の日のお散歩をしている身には大変ありがたい。
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こうした小規模な堰が何ヵ所かにあります。かつての分水の跡であり、現在はそのほとんどが暗渠化されています。
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中原地区に入ると、今度は桜ではなく花桃の並木エリアとなりました。
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桃の開花時期は桜よりも若干早いため、もう殆ど終わりかけの状態でした。
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こうしてまだ満開状態の木もチラホラと残っていたりします。日当たりの問題なのか単なる個体差なのか、開花時期にバラつきがあるようです。
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行く先にまるで蜃気楼のように薄っすらと、林立する高層ビル群が見えて来ました。武蔵小杉のタワマン群です。
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6.武蔵小杉と渋川周辺の桜並木

武蔵小杉駅に近づいてきたところで、沿川はまたも桜並木が整備された歩道になりました。本来なら花見客で大いににぎわう場所なのでしょうけれど、生憎の天気なためか閑散としていました。
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これまで見て来たものよりもひと際大きな水門がありました。二ヶ領用水からの分水の一つである、渋川への分岐地点です。
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この渋川沿いにも大規模な桜並木が続いており、住吉桜と呼ばれています。
渋川の桜並木

この日はこすぎ名物花見市という祭りの開催日で、道沿いに出店が並んでいました。「ヒャッハー、買い食いタイムだー」と喜び勇んだのもつかの間で、祭りは午後から始まるらしくまだ準備中でした。がっくし。
こすぎ名物花見市

しかしこのごく普通の閑静な住宅地の背後に高層ビルがニョキニョキと生えている光景は、いつ見ても違和感があります。
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せっかくなので、ここで脇道に逸れてすこし渋川沿いを散策してみましょう。宿河原駅周辺と同様に、水辺を歩ける歩道が整備されてます。濡れていると滑りまくると言う点においても同様です。
渋川沿いの桜並木

ちょっこと寄り道するくらいのつもりが、意外にも遠くまでずっと桜並木が続いていました。渋川この先で最終的に、鶴見川支流の矢上川に合流しています。
渋川沿いの桜並木

キリがなさそうなので、渋川巡りは途中までで切り上げて引き返します。
渋川沿いの桜並木

二ヶ領用水の本流に戻ったところで、行動再開です。渋川に半分くらい水を持っていかれてしまったため、だいぶ水量の少ない流れになりました。
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今度は東急東横線の高架の下を潜ります。ここまでで、武蔵小杉の桜並木エリアは終了です。
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7.二ヶ領用水開渠区間の終端へ

二ヶ領用水巡りもいよいよ終盤です。ここまで来たのだから、最後までやり切りましょう。
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川崎市平和館なる建物が見てきたら、中原平和公園の領域に入ります。二ヶ領用水沿いに沿った公園です。
川崎市平和館

こうして川の周囲に緑地公園が作られるのは、都市開発における一つのセオリーなんでしょうかね。ここにも桜並木があります。
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提灯が並んでいたので、夜にはライトアップが行われるのでしょう。ここでも雨のためか、人影はまばらで閑散としていました。
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今度は東海道新幹線の下を潜ります。もっと海際ギリギリを通っているイメージがあったのですが、川崎の辺りでは割と内陸側を走っていたんですね。
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飾り気もないフェンスに囲われて、住宅地を流れるただのドブ川のような様相になって来ました。
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水路沿いにずっと続いていた道でしたが、高架になっていないJR東海道本線にぶつかったところで寸断されていました。いったん二ヶ領用水とは袂分ち、線路を渡ります。
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まるで絶壁か何かのように立ちはだかっているのは、通称ガス橋通りと呼ばれる神奈川県道111号の跨線橋です。左の方に歩行者用の階段があります。
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もういまさら高架化なんてできないんでしょうけれど、都心部を縦断しているこのJRの線路は、近くに住んでいる人からしたらありえないくらいに邪魔でしょうね。町が完全に二分されてしまっているわけですから。
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線路を越えると、暗渠から出てきた二ヶ領用水とすぐにまた合流しました。
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東海道本線を越えると、ゴールまではもうあと僅かです。最後の桜並木区間が目を楽しませてくれました。
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またもや南武線と出会ったところで、今度こそ水路沿いの道は終了です。
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もうとっくにお気づきかもしれませんが、そうそう都合よく目の前を電車が通り過ぎてくれるハズはなく、通過するのを待ち伏せして撮影しています。

雨の中をカメラを構えてずっと佇んでいる中年男性と言うのは、傍から見たら完全に不審者だったでしょうね。

川沿いには進めないので、回り込んで踏切を渡ります。
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南武線の下をくぐってすぐに、二ヶ領用水は暗渠の中へと消えて行きます。踏切を越えた先には、いかにも元は水路だった思われる曲がりくねった歩道が続いていました。
230326二ヶ領用水-089

駅前に近づいたところで、暗渠の痕跡すらも辿れなくなりました。二ヶ領用水巡りはここで終了です。この先にも町田堀と呼ばれる小水路の痕跡が残っているらしいのですが、キリがないのでここまでにしておきましょう。
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と言う事で、本日のお散歩は南武線の鹿島田駅で終了です。宿河原駅から9駅分を歩いたことになります。今日もたくさん歩いて満足です。
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時刻はまだ正午を少し回ったくらいですが、雨脚もだいぶ強くなってきたので、特によ寄り道はせずに帰宅の途につきました。
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半ば不貞腐れ気味に決行されたお花見散歩は、宿河原用水の全区間を歩き通したところでひとまず終了です。宿河原用水と合流する前の本川の方は未踏であるため、気が向いたらまた水路巡りに訪れるかもしれません。
桜の名所である言う事でお花見が目当てで訪問したわけなのですが、一番の見所は円筒分水だったという良くわらない展開でした。今年の桜シーズンはもう終わってしまいましたが、次回訪問があるとすればその時は青空の下を歩いてみたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. やよい より:

    こんにちは。
    読み進めていくうちに「おや、これは」と
    やっぱり鹿島田駅に向かいましたか。
    今は埼玉在住・埼玉ラヴのわたしですが、生まれは幸区鹿島田です。
    あの頃は多摩川・鶴見川も含めて、水路という水路はみんなドブだったなぁ

    • オオツキ オオツキ より:

      やよいさま
      コメントをありがとうございます。

      この記事の日は雨だったので、川が汚く見えたのは合流式の下水が流れ込んでいたからだと思われます。二ヶ領本川の水質は、昔に比べれば格段に改善しているらしいです。今歩けばきっと当時とは違った印象になるのではないでしょうか。