飯能アルプス 奥武蔵の前衛に長々と連なる苦難の道程

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埼玉県飯能市にある飯能アルプスを歩いて来ました。
入間川と高麗川の間に連なる、奥武蔵前衛の山並みです。一般的には天覧山から伊豆ヶ岳までの区間のことを指します。ほぼ全域が西武秩父線の路線と並走する純然たる低山の連なりですが、小刻みにアップダウンを繰り返すなかなかの体力勝負な縦走コースとなっています。
完全に春の空気に入れ替わった感がある奥武蔵の低山で、苦行のような登山をしてきました。

2022年3月5日に旅す。

今回はいわゆるご当地アルプスと呼ばれているものの一つである、飯能アルプスを歩て来ました。飯能の市街地すぐ裏手にある天覧山から秩父方面へと延びている尾根を辿るコースです。
関八州見晴台から見た飯能アルプス
主要なピークを列挙していくと、天覧山、多峯主山、天覚山、大高山、子の権現、高畑山および伊豆ヶ岳です。広義には伊豆ヶ岳からさらに武甲山に至る区間までを含める場合もあります。

今回は伊豆ヶ岳より手前の子の権現までの区間を歩いて来ました。

飯能アルプスは標高おおよそ200~500メートル程度の低山の連なりです。しかし、標高から受ける印象ほどには甘くない縦走コースです。ひたすら長い上に、小刻みにアップダウンを繰り返す苦行のような道程が続きます。
飯能アルプスの登山道
そのタフさゆえにトレーニングには最適で、トレランをする人の姿も多く見られるコースです。

世の中には日帰りで伊豆ヶ岳まで軽々と歩けてしまう豪脚の登山者も存在するようですが、週末ゆるふわハイカーの私は子の権現まで十分すぎるほどのボリュームでした。
子の権現の仁王像
奥武蔵前衛の山並みを、クタクタになりながら歩いて来た一日の記録です。

コース
飯能アルプスのコースマップ
飯能駅よりスタートし、天覧山から子の権化までの区間を縦走します。下山は子の権化最寄りの西吾野駅へ。標準コースタイム10時間超えの歩き応えのある行程です。

1.飯能アルプス縦走 アプローチ編 飯能市街の裏山、天覧山へ

7時 西武池袋駅
京王線沿線にお住いの私にとって、奥武蔵と言うのは微妙にアクセスがしにくい領域です。一度池袋に出て西武線に乗るか、もしくは八王子から八高線で東飯能に出るかの二択となります。
西武池袋駅のホーム
どちらにしろ遠回りで、所要時間にも大差はありません。と言う事で、いつも何となく気分で経路を決めています。本日は池袋経由にしました。

7時52分 飯能駅に到着しました。飯能は奥武蔵の玄関口であり、登山者にとってはなじみの深い駅です。
飯能駅のホーム

いつも名郷方面行きのバスに乗車するバス乗り場を素通りして、本日は駅から直接歩いてアプローチします。
飯能駅のロータリー

言っているそばから、登山者を満載した名郷行きのバスが横を追い越して行きました。なお、このバスは天覧山の登山口を通るので、乗って行けばおおよそ2kmの下道歩きを省略できます。
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・・・実のところ、天覧山の登山口にバス停があると言う事実を、後から知りました。まあ、歩いたところで大した距離ではありませんでしたが。

こうして足元に天覧山までの道程が案内されているため、特に迷う要素はありません。さっくり言うと、駅からみて北西方向に向かって歩いていれば、そのうち見えて来ます。
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飯能駅のある一帯はちょっとした高台になっており、眼下を入間川が蛇行しながら流れています。ここは飯能河原と呼ばれており、広々とした河原はデイキャンプ場になっています。
飯能河原

等身大だと言う鉄腕アトム象が立っていました。案内文によると、これは世界で唯一の鉄腕アトム象で、他の場所には存在しないのだそうです。
飯能の鉄腕アトム象

8時25分 飯能アルプスの最初の一座である、天覧山の登山口に到着しました。さあ、本日のミッションは飯能市アルパイン単独です。張り切って行ってみましょう。
天覧山入口

入口の脇に立つこの円筒形の建物は、何かの公共施設なのかと思いきやカフェでした。少々おしゃれ過ぎて、薄汚れて汗にみれた登山者が下山後にフラッと立つ寄れるような雰囲気ではありませんが。
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2.手軽に登れる飯能の裏山、天覧山

天覧山への登山道は、半分以上が舗装されている道です。登山と言うよりは、お散歩の範疇であると考えた方が良さそうな場所です。
天覧山の登山道

登り始めて10分とたたずに、開けた広場になっている場所に出ました。え?まさかもう山頂なのか。
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と思ったら、現在地は中段であると言う事でした。30分未満で登れてしまうような山の中間に、わざわざこんな立派な標識を立てるとは、流石は予算が潤沢な埼玉県の山です。
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山頂へと向かう道すがらに十六羅漢像石仏があります。徳川幕府の5代目将軍綱吉の母親が、息子の病の回復を祈願して奉納したものであると伝えられています。
天覧山 十六羅漢像石仏

山頂の直下は岩場となっており、ここだけを見ればしっかりとアルペン的です。だてにアルプスを名乗ってはいないと言う事か。
飯能アルプスの岩場
なお、岩場を迂回できるルートもしっかりと存在します。

今度こそ山頂らしき場所が見えました。
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8時40分 天覧山に登頂しました。登山口からの所要時間は僅かに15分でした。なんと言うお手軽な山のでしょう。
天覧山の山頂

山頂は展望台となっており、低山ながらも大変良好な眺望が得られます。
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夜景や日の出を眺めに来るのにうってつけであろう場所ですが、夜間は立ち入りは禁止となっています。治安上の理由と言うあいまいな説明がされていることから察するに、過去に何らかのトラブルがあったのでしょう。

残念ながら本日は春霞の影響でモヤ―とした空気で、遠くまではよく見えません。晴れていれば、都心部の高層ビル群までよく見えます。
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山頂にあった展望図によれば、この辺りに富士山の頭が見えるはずです。・・・心の目で見ればきっと見えます。
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3.天覧山と同様に手軽に登れる好展望の頂、多峯主山

先は長いのでお次へと参りましょう。天覧山からは一旦大きく下ります。
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飯能アルプスの次なる一座である多峯主山(とうのすやま)の姿がすぐ隣に見えます。あちらも山頂部が開けており、見るからに眺めが良さ追そうです。
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天覧山と多峯主山の鞍部には、天覧山谷津と呼ばれる湿地帯が広がっています。冬の間はこうして枯れた草原と化していますが、春先以降には多くの水辺の生き物の姿が見られます。
天覧山谷津

ここは自然に形成された湿地ではなく、昔の里山の景観を守る運動の一環として人為的に整備されています。そううした保護活動が功を奏して、いまではゲンジボタルの姿も見ることが出来ます。
天覧山谷津

一度谷底に下ってしまった以上は、その後に控えているいのは当然登り返しです。縦走登山とはそういうものです。
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よく手入れのされた登山道です。手入れがされ過ぎていると言った方が正確でしょうか。里に近い低山にありがちな階段地獄です。
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階段を登り返すと、あっけなく山頂に行き着きました。
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9時20分 多峯主山に登頂しました。何気に難読な山名ですよね。振り仮名が無かったら絶対に読めなさそうです。
多峯主山の山頂

山頂からは、天覧山よりもさらに良好な展望が広がっていました。とても手軽登れるとあってか人気の山らしく、多くの登山者で賑わっていました。
多峯主山の展望
何気にキツイと評判な飯能アルプスですが、天覧山と多峯主山の2座を巡るだけであれば、たいへんお手軽で登山初心者向けと言える縦走コースです。

北西にはこれから歩く飯能アルプスの山並みが続いています。その地味さにかけて定評(?)のある、奥武蔵を一望する光景です。
多峯主山から見た奥武蔵の山並み
見渡す限り外見の特長に乏しい低山がダンゴになっており、ゴールの子の権現がどれなのかはよくわかりません。

中央の一番奥に見えているのが武甲山(1,304m)です。その手前に重なって見えているのは武川岳(1,052m)なのかな。山座同定マニアである私をもってしても良くわからないとは、恐るべき奥武蔵の地味さ加減です。
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4.永田台を越えて久須美を目指す

多くの人登山者で賑わう多峯主山を後にし先へと進みます。ここまでは言ってみれば前座のようなものであり、飯能アルプスの本番と言えるのはこの先からです。
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山頂から少し下がったところに雨乞池と言う名の小さな池があります。わざわざ目の前まで見に行くまでもないと判断し、横着して遠くからズームして撮影しました。
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少々わかりにくいですが、縦走を続けるにはここを右折して久須美坂方面へと進みます。この先は歩く人の数もぐっと少なくなり、静かなる山域となります。
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分岐を見落とす人が多いらしく、わざわざペンキで飯能アルプスがこちらであることが案内されていました。
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登山道の右側は私有地らしく、物々しいフェンスに沿って進みます。仕方がないこととは言え、景観的に美しくありませんな。
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再び湿地状になっている鞍部に下ります。本当はこの谷へ降りずとも尾根がつながっているのですが、尾根上は私有地の範囲に入っているらしく、登山道は脇へと追いやられています。
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下った後は当然登り返し。縦走とはそういうものです。大事な事なので2度言いました。
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この程度の登り返しなどは、まだ序の口ですらないのだと言う事実を、この時の私はまだ知りませんでした。

こうして所々にペンキマーカーによる導きが記されてします。とても親切で助かりますが、見方をかえるとそれだけ道迷いが多いと言う事なんでしょうね。
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この辺りに大黒山と言う小ピークがあるのですが、何故か写真を撮り忘れました。それくらい地味な場所だったと言う事です。

大黒山を登って降りてしたところで、前方を横切る車道にぶつかりました。この道を横断する訳なのですが、信号も横断歩道もないので通行の際には十分にお気を付けください。
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ここからは少しだけ車道歩き区間となります。この坂を登った先には先には、永田台と呼ばれる山を削って造られた新興住宅地があります。
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住宅地の領域に入る少し手前から、再び登山道が始まります。
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地図にはこの取り付き地点に小さな池が描かれています。どうやらこのフェンスで囲われた空間はため池であるようですが、今は農閑期であるためか干上がっていました。
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まるで永田台の宅地開発に伴って脇へに追いやられたかのように、住宅地のすぐ脇に登山道が続いていました。追いやられたかのようにと言うか、実際に追いやられたのでしょうけれど。
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宅地を挟んだ先に見えているのは、位置的に日和田山と高指山かな。あちらも、手軽の登れる近場の山として人気のある場所です。
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登山道は住宅地の本当にすぐ裏手を通っており、やたらと生活感があふれる登山道です。
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この永田台は多峯主山の山頂からも良く見えていましたが、本当に山の上にあります。こんなところによく街をつくったものだと驚かされます。
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10時50分 久須美山ケルンと呼ばれる地点まで登って来ました。この時点でようやく全行程の3分の1を進んだだけであると言う事実を前にして、前途に軽い絶望感を感じます。
久須美山ケルン

5.果てなきアップダウンが連続する、飯能アルプスの中心へと足を踏み入れる

いつまでも絶望感に浸っていないで、先へ進みましょう。周囲は相変わらずまるで奥多摩のような圧倒的杉林です。ここは奥多摩ではなく奥武蔵ですが、まあどちらも似たようなものです。
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何故か美が抜けていて後から書き足している、久須美坂へとやって来ました。久須美と言うのは南の入間川沿いにある集落の名称です。おそらく久須美から坂を越えて、北側の高麗川流域と人の往来があったのでしょう。
飯能アルプス 久須美坂

巻き道は一切無く、小刻みに登ったり下りたりを繰り返しながら尾根を忠実に辿ります。一つ一つは大した登り返しではないのですが、小さなアップダウンの積み重なりによりじわじわと効いて来ます。
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飯能グリーンカントリークラブと言う名のゴルフ場が、登山道のすぐ脇にあります。防護ネットも何もありませんが、ボールがが飛んできたりしないでしょうね。
飯能グリーンカントリークラブ

平坦に歩ける区間がほとんどありません。こうしてとにかく絶え間なくアップダウンを繰り返します。なるほど、これは確かにキツイ。
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やがて眼下に、大きく掘割された舗装道路が現れました。
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12時10分 東峠に到着しました。ここが本日の行程におけるほぼ中間地点となります。まだ半分ですかい。
東峠
ここから東吾野駅へスケープすることも出来ます。次なるピークの天覚山まではあと一息なので、エスケープするにしても、もう少し頑張ってから切り上げた方が自然だと思います。

峠から南方向へ少し下ったところに、天覚山への登山口があります。縦走後半戦のスタートです。
東峠の天覚山登山口

東峠を過ぎると、縦走路は標高200メートル付近をウロウロする状態から脱却して、真面目に高度を上げ始めました。ここから先は急登が続きます。気合を入れていきましょう。
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2019年の3月に天覚山で大規模な山火事が発生しています。その時の生々しい痕跡が、登山道上のいたるところに残っていました。かなりの広範囲にわたって焼けた形跡があります。
天覚山の山火事跡

アップダウンが多いことに散々文句を言っておいてなんですが、登り一辺倒なのもそれはそれでしんどいものです。つまりは、どちにしろ楽ではないと言う事です。
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12時40分 天覚山に登頂しました。飯能アルプスには天の文字が冠した地名が多いように感じますが、何か理由はあるのでしょうか。
天覚山の山頂
天覚山は東吾野駅から直接登れる手軽な山と言う事もあってか、縦走ではなく単体で訪れる登山者も割と多く存在します。

展望は南側だけが開けています。見える景色は、天覧山や多峯主山からのものと大きく変わりません。
天覚山からの眺望
流石に少し疲労を覚えたので、ここでザックを落として小休止を取りました。

天覚山を過ぎると周囲からはいよいよ人の姿も少なくなり、静かなトレイルとなります。縦走の人も、天覚山までで打ち切るのが一般的であるようです。
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前方に大きく盛り上がったピークの姿が見えます。あれが次なる目的地の大高山です。名前の通りに高々としておりますな。
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登りが始まる前に、一度しっかりと標高を落とされます。飯能アルプスさんには一切容赦がありません。
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と言う事で、しっかりと下った分プラスアルファの登り返しです。じゅ・・・縦走とは・・・そういうものさ(震え声)。
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良い感じに息も絶え絶えになってきたところで、山頂らしき場所が見えてきました。
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14時5分 大高山に登頂しました。しかしこれほど印象に残らない名前の山と言うのも、なかなか珍しいのでは無かろうか。時に何かがあると言う訳でもない、地味で静かな頂です。
大高山の山頂

6.子の権現へと続く、破線地帯の道程

モリモリと大きく登ってしまった以上は、その後に控えているのは当然大きな下りです。飯能アルプスさんは一貫していてまったくブレません。平坦な道など絶対に歩かせてやるものかとでも言わんばかりの道程です。
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デジャブを覚えそうになる、圧倒的杉林が続きます。
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これまた東峠とそっくりで既視感のある、掘割の林道が現れました。
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この峠には特に名前が付いていません。古くからの人の往来がある峠ではなく、近代になってからたまたま林道がこの地点を超えただけの存在であるようです。
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ここから子の権現までの区間は、山と高原地図上では破線扱いとなっている道になります。あまり多く歩かれてはいないルートであと言う事なので、気を引き締めて参りましょう
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14時40分 名もなき峠から登り返して程なく、前坂と呼ばれる地点に到着しました。昔の峠道は、どうやらこの地点を越えていたようです。
飯能アルプス 前坂
もう歩くのが嫌になったと言う人は、ここから吾野駅へ脱出することが出来ます。・・・私はエスケープしませんよ?

行き先がどこなのかもわからない極めて無意味な道標ですが、とりあえずルートを外れていないと言う事だけはわかりました。
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前坂から緩やかに下ったところで、前方にまたも人工物らしきものが現れました。
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またもやしばしの林道歩きです。飯能アルプスは、入間川と高麗川と言う流域に多くの集落を抱える水系を隔てている尾根だけに、峠越えの道がやたらと沢山存在します。
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この地に住まう人々にとって、峠越えは当たり前な日常生活の一部だったのでしょうね。

この林道のすぐ脇に石灰石の採掘場があります。ここでも登山道は脇へと追いやられているわけですな。永田台の周辺でもそうでしたが、どこまで行っても邪魔者扱いされる不遇の縦走路です。
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高麗川の谷を挟んだ向かいに、関八州見晴台の姿が良く見えました。あちらにもずっと尾根道が続いていますが、特にアルプスを名乗たりはしていません。
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いかにも取って付けました感の溢れる登山口から、再び登山道へと分け入っていきます。
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唐突に、片側が切れ落ちた険しい岩場の登りが始まりました。ここは手も使ってよじ登ります。なるほど、破線扱いになっていたのはここが理由なのでしょうか。
栃屋の頭の岩場

背後を振り返ってみると、石灰の採掘場が良く見えました。秩父地方の山では良く見られる光景です。
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崖沿いの際どい道がしばし続きます。永久に続くのではないかと思うような杉林地獄から一転して、いきなりアルペン的になりましたな。
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地図には記載のない、栃屋の頭と言う小ピークを通過します。ここを過ぎれば、通行に緊張を要する道は終わりです。
栃屋の頭

ゴールの子の権現の姿を、ようやく視界内に捉えました。その手前にまだガッツリとアップダウンが残ってますねえ。
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再びモリモリと急登が始まりました。飯能アルプスには最後まで慈悲はありません。
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大きく登って降りてしたところで、道が二手に分かれている地点が現れました。
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16時5分 スルギに到着しました。なんとも不思議な名前の峠ですが、漢字で書くと摺木らしいです。ここが最後のエスケープ可能ポイントとなります。
飯能アルプス スルギ

子の権現に向けて最後の登り返し・・・と言いたいところですが、その前に一度しっかりと下ります。まったく飯能アルプスさんは、本当に最後の最後まで一切ブレませんでしたね。
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ようやくゴールが見えました。
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16時30分 子の権現の駐車場に到着しました。いやはや長かった。ここまでヘロヘロになったのは、本当に久しぶりです。
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相変わらず霞んでモヤーッとしていますが、背後にここまで歩いてきた山並みを一望できました。もはやどこをどう歩いて来たのかもよくわかりません。
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谷向かいの関八州見晴台が、いつの間にか夕日に照らされつつありました。
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もうすっかりやり切ったムードを漂わせていますが、せっかくここまで来たのだから、子の権現をお参りして行きましょう。子の権現には茶屋と土産物店がありますが、時間が時間だけに流石にもう店は閉まっていました。
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自動販売機もあり、ここが飯能アルプスでは唯一の給水可能ポイントとなります。桃の天然水うめえ。

有名な子の権現の仁王像です。午前中の内に訪れないと、向き的に逆光になってしまうんですよね。
子の権現の仁王像

子ノ権現天龍寺は天台宗に属している寺院です。ただの山寺ではなく、非常に個性的な寺院として知られています。
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たとえばこの、重さが2トンあると言う黄金のわらじであるとか・・・
子ノ権現の巨大わらじ

同じく巨大な下駄などが展示されています。ここから少し離れた場所には、巨大な手もあります。こうした思い付きで作った(としか思えない)巨大なモニュメントが訪れる者を楽しませてくれます。
子ノ権現の巨大下駄

下山した後に写真を見返していてふと思ったのですが、子の権化の最高地点は、もしかしなくてもこの鐘がある場所なのではなかろうか。だとしたら私は、子の権化に登頂してはいないと言うことになってしまいます。
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なんと言うことでしょう。これはおよそピークハンターにあるまじき失態です。いつかまた再訪しなくては・・・

7.飯能アルプス縦走 下山編 宵闇が迫りつつある中を、足早に西吾野駅へ下る

17時 いくら日が長くなってきているとはいえど、既に結構良いお時間になってしまっていることであるし、ボチボチ撤収に移りましょう。
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飯能アルプスはこの先もまだ伊豆ヶ岳まで続いている訳なのですが、伊豆ヶ岳から子の権化の区間は過去に歩いたことがあるので、これで繋がったので、ひとまずは良しとしましょう。

子の権現から浅見茶屋を経由して吾野駅へ至る道は、関東ふれあいの道の一部となっています。本日はもう時間も押しているので、関東ふれあいの道には進まずに、最寄りの西吾野駅へ下ります。
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大きく九十九折れを繰り返す、ゆるやかで歩きやすい道です。子の権現だけに登りたいのであれば、西吾野駅側から登るのが一番楽そうです。
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最後は荒れ気味な沢沿いの道になりました。既に周囲はかなり薄暗くなってきており、若干の焦りを感じつつありました。
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ヘッドライトはちゃんと用意してきているから、暗くなっても問題ないと言えばないのですが、沢沿いの道は足元があまりよろしくないので、出来ることならライトは出さないうちに下ってしまいたいのですよ。

なんとかギリギリ、ライトを取り出す事なく麓の集落まで下って来ました。
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この先もしばらくは山道が続きますが、街灯があるのでライトなしで歩けます。と言っても灯はかなり疎らで、場所によっては足元が真っ暗だったりしましたが。
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行く先に西武線が横切るのが見えました。線路が見えたと言うことは、もうゴールは近い。
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ようやく国道沿いまで下りてきました。西吾野駅へ行くにはここを左です。確か道標は無かったと思います。
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何故かしきりにカレーパンを勧めてくるのを横目に、西吾野駅方向へ向かいます。これだけノボリがはためいていながら、肝心のパン屋がどこにあるのかよくわかりませんでした。
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西吾野駅に到着した時には、周囲はもうすっかりと暗くいなっていまいした。今日もたくさん歩いて大満足です。
夜の西吾野駅

さほどの待ち時間御も無しやって来た飯能行きの鈍行列車に乗り込みます。心地よい疲労感と共に、帰宅の途につきました。
西吾野駅のホーム

キツイと評判の飯能アルプスの縦走は、日が暮れるまで延々と歩き続けてようやく幕を下ろしました。前評判に違わぬ歩き応えのある縦走コースでありました。
飯能アルプスは全体を通じてともかく細かいアップダウンが連続し、平坦な道を歩かせてもらえる区間がほとんどありません。大きくスタミナを削がれるなかなか苦しい展開でした。山の難易度は決して標高では測れないのだと言う事実を、端的に示してくれるコースであると言えます。
今回は子の権現までで縦走を打ち切りましたが、伊豆ヶ岳までを含めた広義の飯能アルプス縦走を完成させたければ、もっと早出して暗いうちから歩きださないと時間的に厳しいものと思われます。まあおそらく私は、完全縦走をやることはないだろうと思いますが。。

<コースタイム>
飯能駅(7:55)-天覧山入口(8:25)-天覧山(8:40~8:50)-多峯主山(9:20)-久須美山ケルン(10:50)-東峠(12:10)-天覚山(12:40~12:55)-大高山(14:05)-前坂(14:40)-スルギ(16:05)-子の権現(16:40~17:00)-西吾野駅(18:00)

大高山の山頂

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. MM より:

    オオツキさん、こんばんは。
    1月に伊豆ヶ岳〜子ノ権現まで歩きましたが、その先があるんですね!山と高原の地図を広げたら…その先のほうがだいぶ長い…破線も長い。
    地味な奥武蔵の中でも武甲山は目立ちますね!近々行こうと思っているので、記事参考にさせていただきます。

    • オオツキ オオツキ より:

      MMさま
      コメントをありがとございます。

      春の武甲山へ行くのでしたら、アカヤシオが咲く4月下旬頃に大持山と小持山との周回で登るのがオススメです。少し大回りになりコースタイムも長めですが、非常に満足度の高いコースですよ。

  2. たむ より:

    飯能アルプス、中々の行程ですね!
    電車を利用出来るので、いいコースですね
    アップダウンが激しいみたいで、安易には考えられないみたいですが
    火事跡が気になりますが、、、
    機会があれば行ってみたいです。

    • オオツキ オオツキ より:

      たむさま
      コメントをありがとうございます。

      最初から最後までずっと西武線に沿ったコースなので、途中でエスケープできるポイントが多くあります。確かにアップダウンは多めですが、あまり気負わずとも歩ける縦走コースだと思います。

      低山故に夏は灼熱地獄になりますから、まだ涼しいうちに是非どうぞ。