二ヶ領用水-三沢川 多摩地域の桜の名所でお花見散歩

三沢川 桜ライトアップ
神奈川県川崎市を流れる二ヶ領用水(にかりょうようすい)と東京都稲城市を流れる三沢川(みさわがわ)でお花見をしてきました。
どちらも多摩川の周辺を流れる水路です。水路脇に桜並木があり、花見の名所としてして知られています。三沢川さくら回廊では、4月頭の週末に夜桜のライトアップが行わています。
多摩地区のローカルな桜の名所でお花見散歩をしてきました。

2022年4月2日に旅す。

三沢川は多摩川支流の河川です。東京都の稲城市と神奈川県の川崎市にまたがって流れ、最終的に多摩川に注いでいます。
220402三沢川-002
京王線の稲城駅からよみうりランド駅に至る区間の川沿いが桜並木となっており、三沢川さくら回廊と呼ばれています。

稲城市役所はこのさくら回廊に面した場所にあり、毎年4月頭の週末にライトアップイベントが行われています。
三沢川ライトアップ
それこそ誰でも知っているであろう目黒川のような知名度こそありませんが、かなりの規模の桜並木で見ごたえは十分にあります。

この記事は令和4年の訪問時のものですが、今年もライトアップを行うと言うニュースを目にしたので、何かの参考になるかと思い急遽筆を執りました。

ライトアップが行われるのは当然ながら日没後の事であるため、時間調整も兼ねたついでに宿河原駅近くを流れる二ヶ領用水の桜も見物してきました。
二ヶ領用水
多摩地区の桜の名所をハシゴしてお花見散歩してきた記録です。

ライトアップ会場の位置
三沢川さくら回廊周辺の地図
ライトアップが行われるのは、稲城市役所に面している三沢川沿いです。最寄りは稲城駅ですが、よみうりランド駅からでも十分に歩ける距離にあります。

1.三沢川に向かう前に、二ヶ領用水でお花見

本日は三沢川の夜桜ライトアップ見物が目的ですが、その前に南武線の宿河原駅に降り立ちました。ライトアップが始まるまでの時間調整を兼ねて、二ヶ領用水沿いの桜並木でお花見をしてゆこうと言う算段です。
宿河原駅
二ヶ領用水と唐突に言われても、地元の人でもない限りは恐らく何のことやらででしょう。二ヶ領用水は江戸時代初期に作られた人工水路です。多摩川の二ヶ領宿河原堰から水を引いて、神奈川県の川崎市内を流れています。

水路沿いの複数個所に桜並木が整備されています。中でも宿河原駅周辺の並木は最も規模が大きく、花見の名所として名高い存在です。
宿河原の二ヶ領用水

肝心の桜はと言うと、日当たりの良い場所はもうほぼ終わりかけの状態です。
散りかけの宿河原の桜並木

建物の影になる場所の桜はまだ健在でした。花見のタイミングとしてはギリギリ間に合ったようです。
満開のソメイヨシノの花

やけにでっぷりとしているカモが水辺で寛いでいました。大勢の人間がすぐ近くにいても全くお構いなしです。さては貴様ら、餌付けされているな。
二ヶ領用水の鴨

水路沿いに遊歩道が整備されており、沿道が全て桜並木になっています。とりあえずは、桜を愛でつつ上流の多摩川に向かって歩いてゆきましょう。
二ヶ領用水の桜並木
二ヶ領用水の桜並木
二ヶ領用水の桜並木

途中で南武線の下を潜ります。あまり橋脚の高さがなく、屈まないとないと下を通れません。
二ヶ領用水の上を走る南武線

ここは割と有名な撮り鉄スポットらしく、カメラを構えて電車が通過するのを待ち構えている人の姿が多くありました。私もちゃっかりとそこに混じっていたわけですが。
二ヶ領用水の上を走る南武線

なかなか無理やり感のある通路です。水路があるため掘り下げるわけにもゆかず、かといって歩道橋を設けるのにはコストがかかりますからね。
二ヶ領用水の南武線の橋脚

南武線を潜った先にも桜のアーチが続いていおり、レジャーシートを広げて花見を楽しむ人の姿が多くありました。
二ヶ領用水の桜並木

せっかくなので、反対側からも撮り鉄をしておきましょう。こちら側の方が順光になり画的にも綺麗に写せるかな。
二ヶ領用水の上を走る南武線

薄曇りの天気だったのですが、徐々に青空が広がりつつありました。やはり桜は、青空の下が一番映えます。
二ヶ領用水の桜並木

花の中をヒヨドリが嬉しそうに飛びまわっていました。メジロに意地悪なことばかりをしている印象があり、個人的にあまり好きではない鳥です。
桜の木にとまるヒヨドリ

二ヶ領用水の来歴がかかれた案内板がありました。お花見とはまた別に、水路巡りもしてみたいんですよね。

なお、二ヶ領用水の全長はおよそ32kmほどあるそうです。なかなか歩きでがありそうです。

水路の起点まで歩いて来ました。この開口部の先には多摩川の土手があります。
二ヶ領用水の起点

土手の上にあがると、多摩川を渡る小田急線がちょうど視界に飛び込んできました。場所としては登戸駅と和泉多摩川駅の間になります。
多摩川を渡る小田急線

二ヶ領用水への取水を行っている二ヶ領宿河原堰です。現在の堰は平成11年に改築されたもので、江戸時代の取水口はここよりも少し下流にありました。当時の堰は竹製の籠だったそうです。
二ヶ領宿河原堰

2.京王よみうりランド駅から稲城駅へ三沢川さくら回廊を散策する

二ヶ領用水の散策を終えて、電車を乗り継ぎ京王よみうりランド駅へとやって来ました。ここから本日の主題である、三沢川さくら回廊を散策します。
京王よみうりランド駅
ライトアップ会場となる稲城市役所の最寄り駅はお隣の稲城駅なのですが、京王よみうりランド駅から稲城駅に至る区間のすべてが桜並木になっていると言う事なので、せっかくなので全区間を歩いてみよう思います。

駅から少し歩いたところで、三沢川にぶつかりました。高々としたコンクリートの堤防でガッチガチに護岸された典型的な東京のドブ川と言った外観ですが、確かに見事な桜並木が続いています。
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こちらでも満開の盛りは過ぎており、桜吹雪が始まりつつありました。ある意味、一番の見頃のタイミングであるとも言えます。
三沢川の桜並木

上流の稲城駅方面へ少し進んだところに、三沢川親水公園があります。水辺へと下りて行けるようになっており、格好のお花見スポットです。
三沢川親水公園

間もなく日没を迎えようと言う時間帯だけに閑散としていましたが、日中は花見客で賑わっていそうな場所です。
三沢川親水公園

三沢川親水公園を過ぎると、再び高々とした堤防に囲われた水路が続きます。
三沢川の桜並木

沈みゆく夕日が、画になるドラマチックな光景を作り出していました。完全に暗くなる前の、まだ明るいタイミングに訪問したのは正解でした。
夕焼けと三沢川

お花見を楽しみつつ先へと進みます。あまりグダグダとコメントをしてもしょうがないので、何枚か夕暮れ時の桜並木の写真だけを貼っておきます。
三沢川の桜並木
三沢川の桜並木
三沢川の桜並木

歩道脇の植え込みに、カラーフィルム付きのライトが複数設置されていました。この辺りがライトアップの会場となるようですね。
三沢川さくら回廊の照明

段差が大きい箇所には、こうして魚道が設けられています。多摩川から鮎が遡上してくるのだそうです。
三沢川の魚道

何故かカモが、魚道をウォータスライダー代わりにして遊んでいました。いやお前らは別にわざわざそこを通らずとも、飛べるだろうに。
三沢川の魚道を泳ぐカモ

前方を横切るJRの貨物線の橋脚が見えてきたら、桜並木エリアは一旦終了です。徒歩でおおよそ30~40分程度のお散歩道でした。
稲城駅付近の三沢川

特に用事があるわけではありませんが、ここまで来たのだから一応は稲城駅の前まで行ってみましょう。駅は川沿いから坂を登った先にあります。
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と言う事で稲城駅の前までやって来ました。線路自体は崖の下を通っており、駅舎が上にのっている構造です。京都の清水寺などと同様の、いわゆる舞台造りですね。
稲城駅の駅舎

崖下に三沢川の桜並木が横一列に並んでいるのが良く見えます。写真の右端に映っている白い建物が稲城市役所です。
稲城駅前から見た三沢川
このあと時間調整を兼ねて、駅前で軽く夕飯を済ませました。

3.三沢川さくら回廊で夜桜を見物する

周囲が夕闇に包まれたところで、行動を再開します。ライトアップ会場となる、稲城市役所前へ歩いて戻ります。
街灯に照らされた桜

ISO感度をあげたので写真は妙に明るく写っていますが、肉眼では水面がはっきりとは見えないくらいの薄暗さです。
夜の三沢川

この辺りはまだライトアップされているではなく、単に街灯に照らされているだけです。これだけでも十分に綺麗ですけれどね。
三沢川の夜桜

魚道で遊んでいたカモたちも流石にもう巣穴へと戻ったらしく、辺りは静まり返っていました。
三沢川の魚道

前方に不自然な明るさの光源が見えて来ました。あそこがライトアップ会場のようですね。
三沢川の夜桜

三沢川さくら回廊のライトアップ会場までやって来ました。もっと広い範囲がライトアップされているのだと思っていましたが、市役所前の馬橋から本郷橋に至るワンスパンの区間だけです。
三沢川さくら回廊のライトアップ

複数の色が異なる照明が設置されており、カラフルな模様を作り出していました。
三沢川さくら回廊のライトアップ
三沢川さくら回廊のライトアップ
三沢川さくら回廊のライトアップ

それほど知名度が高いわけでもない多摩ローカルな催しであるため、さしたる混雑もなくスムーズに見て回れます。
三沢川さくら回廊のライトアップ

下流側の本郷橋からみたライトアップ会場です。特に出店などがあるわけでもなく、あまりお祭り感はありません。そのおかげで夜桜見物に集中できるとも言えます。
三沢川さくら回廊のライトアップ

ここでもあまりグダグダとコメントしてもしょうがないので、何枚か写真だけを貼っておきましょう。なお三脚は持ってきておらず、すべてISO1600の手持ち撮影です。
三沢川さくら回廊のライトアップ
三沢川さくら回廊のライトアップ
三沢川さくら回廊のライトアップ

市役所の駐車場でCCレモンの無料配布が行われていました。せっかくなので貰ってゆきましょう。
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稲城市のマスコットキャラクターである、なしのすけオリジナル包装のCCレモンです。稲城市内にはサントリーの多摩工場があるため、その縁により提供された品であるようです。
なしのすけ包装のCCレモン

一通り巡ったところで撤収します。稲城駅へ引き返して良いのですが、せっかくなのでこのまま再び京王よみうりランド駅まで歩いて戻ります。気持ちの良い夜散歩です。
三沢川の夜桜

ライトアップのような派手さはありませんが、街灯に薄っすらと照らされた夜桜もまた風流なものです。
三沢川の夜桜

水面に映った桜が綺麗だったのですが、こうして写真でみるとイマイチその美しさが伝わりません。こればかりは現物を見てもらうしかありません。
三沢川の水面に映った夜桜

例のごとく写真では明るく写っていますが、夜の三沢川親水公園はライトがないと足元がまともに見えないくらいには薄暗いです。公園内ではなく歩道を歩いたほうが無難でしょう。
夜の三沢川親水公園

駅前へ戻ると、読売ランドでも夜桜のライトアップイベントを実施していました。なるほど、こちらに客が集中しているから、三沢川の方は比較的空いていたんですね。
読売ランドの夜桜ライトアップ
読売ランドの方は有料ですが、三沢川のライトアップなら無料ですよみなさーん。

全く有名ではないし、恐らく今後も有名にはならないであろう、多摩ローカルの夜桜ライトアップ巡りはこれで終了です。
令和5年度もライトアップを実施しています。ご覧いただいた通りそれほどは混雑はしないので、目黒川などの有名所の人混みに辟易したと言う人は、稲城へ夜桜見物に繰り出してみては如何でしょうか。桜並木の規模の面では、全く引けは取っていないと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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