景信山 奥高尾で新春の初日の出登山

夜の景信山山頂
東京都八王子市と神奈川県相模原市にまたがる景信山(かげのぶやま)に登りました。
高尾陣馬縦走路のほぼ中間付近に位置している山です。登山口から1時間少々で登れる山であるためナイトハイクがしやすく、山頂からは東方向の展望が大きく開けているので、夜景やご来光を眺めるスポットとしては定番と言える存在です。
高尾山の混雑を避けて、その先の奥高尾から令和5年の初日の出を拝んできました。

2023年1月1日に旅す。

謹賀新年

ここ何年か元日は初日の出を拝みに山に登ることが、自分の中では習慣化されています。今年は奥高尾の景信山に登って来ました。高尾山の山頂より奥へと続く、高尾陣馬縦走路上のほぼ中間付近に位置している山です。
景信山の山頂
高尾山か陣馬山からの縦走中に立ち寄っていく人が大半で、単体で登られる事はあまりない山です。

高尾山から縦走していくと、景信山の山頂に到るまでにだいたい3時間くらいは要します。ですが北側の小仏バス停からであれば、登山口から1時間もあれば山頂に立つことが出来ます。
小仏バス停
もっとも深夜にバスは走っていないため、高尾駅から直接歩いて行く必要があります。それでも、元日は混雑することが必至な高尾山を迂回して直接登ることが出来ます。

この時期にしては比較的気温が高めで、風もなく申し分のない天気でご来光を迎えることが出来ました。令和5年の初日の出登山の記録です。
日の出直前の景信山山頂

コース
景信山のコースマップ
高尾駅から登山口最寄りの小仏バス停まで直接歩いてアプローチし、そこから景信山に登ります。駅から小仏バス停までは距離にして5kmほどあり、徒歩でだいたい1時間30分くらいかかります。

登山口から山頂までは、標準コースタイムで1時間の行程です。

1.景信山登山 アプローチ編 終夜運転実施中の京王線で高尾駅へ

2時 京王線某駅
京王線では例年、元日の終夜運転を実施しています。と言う事で真夜中に始動します。
夜のつつじヶ丘駅ホーム
概ね1時間に1本と言う説明があるだけで終夜運転の時刻表が公開されていなかったため、若干時間の余裕持たせてやって来ましたが、偶然にも待ち時間はぼゼロでした。

当初はご来光登山の行き先として丹沢の塔ノ岳を考えていたのですが、今年小田急は元日の終夜運転を実施しないとの事だったので、急遽京王線だけで完結できる奥高尾行きの計画への変更と相成りました。

ちょうど1時間の乗車時間で高尾駅に到着しました。京王ライナー迎春号なるものとの待ち合わせがり、普段よりもやたらと時間がかかりました。
夜の高尾駅ホーム

JRとの乗り換え改札を通り抜けて北口から出発します。この時間には当然バスは動いていないので、始めから徒歩です。
夜の高尾駅北口

真夜中であるにもかかわらず、駅前には結構な数の人の姿がありました。山登りの格好をしている人の姿もチラホラとあります。目的は当然ご来光でしょう。
深夜の高尾駅駅前
タクシー乗り場には長蛇の列が出来上がっていました。書き入れ時だと言う事で、夜間でもタクシーはフルピッチで稼働しているようです。小仏バス停までなら、だいたい2,300円くらいで行けます。

まあ、私は歩きますけれどね。

2.夜道をトボトボと行く、小仏バス停までの道程

高尾駅から国道20号線に沿って進みます。天下の幹線道路なだけあってか、深夜でもそこそこの交通量があります。
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中央線のガードを潜ったら、交差点を右折して都県道516号に入ります。
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あとは小仏バス停までずっと道なりです。とてもバス通りであるとは思えないよう小道ですが、沿道にバス停がポツポツとあります。
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今歩いているルートは、今から4年前の元日に小仏城山に登った時にも通った道程です。今回も別に城山で良かったのですが、それをなぜ景信山にしたのかと言うと・・・

特に深い理由はありません。同じ場所から何度眺めるよりも、違う場所から眺めてみたいじゃないですか。

頭上の暗がりに、圏央道の橋脚らしきものがあるのが何となく見えます。これはISO感度を12800まで上げて撮影したもので、肉眼ではここまでハッキリとは見えていませんでした。
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これだけ暗いとオートフォーカスは全く機能しないので、先ほどからマニュアルフォーカスで撮影しています。暗くても作動するローライトAFと言うモードが存在するらしいのですが、メニューのどこにあるのかよくわかりません。

家で事前にマニュアルをしっかり見ておけばよかった・・・。なお私は基本的に、何か困らない限りはマニュアルを一切見ないタイプの人間です。

左手の山中に灯が見えているので、一体何だろうと思い最大ズームで覗いてみたところ、これは高尾山ビアマウントですね。照明が灯っていると言うことは、元日は終夜営業しているのでしょうか。
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日影沢林道の入り口まで歩いて来ました。小仏城山に向かうのであれば、ここが入り口です。今回は見送ってさらに先へと進みます。
日影沢林道の入り口

中央本線の高架橋を潜ります。明治時代に作られた当時のままだと言う、レンガのアーチが印象的です。
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レンガの高架橋を過ぎると、道は線路を追い越すように標高を上げ始めました。お隣を行く中央本線の線路は、この辺りから早々と小仏トンネルの中に吸い込まれて行きます
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4時25分 小仏バス停に到着しました。もっと静まり返っている光景を思い浮かべていましたが、次々とタクシーがやってきて、多くの人で賑わっていました。景信山への入山者は、意外に多いようですね。
夜の小仏バス停

高尾駅からは5kmあります。思いのほか距離がありましたな。トイレがあるので、用はここで済ませておきましょう。
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ここまでの行程は単なるアプローチでしかありません。ようやく登山開始です。
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3.景信山登山 登頂編 およそ1時間のナイトハイクを経て山頂へ

登山開始と言った早々ですが、まだしばらく舗装道路歩きが続きます。小仏バス停を過ぎたら早々と街灯が無くなるものだと思っていたのですが、意外にもまだ先まで続いていました。
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恐らくラストだと思われる自動販売機があったので、暖かいお茶を買って一服しました。ふぅー温まる。
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ラスト自販機を過ぎて程なく、ラスト街灯が現れました。ここからはヘッドライトを点灯して行きます。
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S字型に大きく屈折した急坂を登って行きます。先ほどから結構な量の交通量があり、特にカーブのある場所では神経を使います。
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4時40分 景信山登山口に到着しました。先ほどのS字カーブを過ぎてすぐに、進行方向から見て右手にあります。
景信山登山口

ちなみに、この景信山登山口を見送ってさらに道なりに進むと、小仏峠のへの登山口があります。そこに駐車スペースもありますが、本日はもうすでに満車状態らしく、路駐している車をチラホラと見かけました。
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登山道は良く踏まれた明両明快な道で、これと言った難所もありません。ナイトハイクであっても、大きな危険はないと思います。
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自身にとっては初めて歩くルートでいきなりナイトハイクすると言う山ナメをしている訳なのですが、道に迷う要素は一切ありませんでした。

自分の事は100%棚上げにして言いますが、ナイトハイクする時はいきなり行くのではなく、一度明るい時に歩いて下見をしておきましょう。

登山道は中央道小仏トンネル入口のちょうど真上を横切ります。1月1日の深夜であっても、けっこうな交通量があるものなんですね。
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長年にわたって大勢の登山者に踏まれ続けたことにより、土が大きくえぐれて岩が剥き出しになっている場所が多く見に付きます。人気の登山道のようですね。
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あまり早く山頂についても寒い中待つだけで意味がない訳なのですが、意外に前後に人が多くて、立ち止まって写真を撮る余裕もありません。

背後からのプレッシャーに急かされる様にして黙々と登ります。

30分少々登ってきたところで、小下沢(こけざわ)林道方面からの道と合流しました。この先はもう、過去に一度歩いたことのある領域となります。
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山頂付近は大きく九十九折れを繰り返す道となります。・・・この写真からでは一切わからないでしょうが、ともかく繰り返すのです。
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5時30分 景信山に登頂しました。山頂にあるベンチがすべて埋まるくらいの人が、すでに待機していました。
元日夜の景信山
人の数で言うと、小仏城山よりも全然多いくらいです。こんなに人気のあるスポットだったのですね。

山頂からは東側の展望が開けており、都心方面の夜景を一望できます。素晴らしい。
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過去に何度も登ったことのある山ですが、一応は山頂の標柱も撮影しておきましょう。
景信山の山頂標柱

4.令和5年の初日の出を拝む

日の出時刻までは、あと残すところおよそ1時間20分です。せっかく三脚を担いできているので、まずは夜景を撮影しておきましょう。
景信山からの夜景
肉眼で見ると空はまだ真っ暗に見えたのですが、シャッター速度30秒の長秒露出で撮影すると、東の空が既に焼け始めていました。

この辺りが東京の都心部です。ライトアップされている、スカイツリーと東京タワーの新旧コンビが目立ちます。
景信山からの夜景

徐々に肉眼でも分かるくらいに、東の空が焼け始めました。山頂には風もなく穏やかで、気温もこの季節にしては高めです。
夜明け間の景信山山頂
あくまでもこの季節にしてはと言う話であって、じっと動かずにいると寒いと言えば寒いですけれどね。それでも、ちょうど寒波が襲来中だった昨年の元日よりは全然マシな状況です。

ランドマークタワーらしきものが見えているので、横浜付近の光景です。太陽はこの辺りに登ってくるはず。
景信山から見た横浜付近の夜景

スカイツリーが見当たらなくなったと思ったら、いつの間にか照明が消えていました。東京タワーの方はまだ煌々としているのに、消灯タイミングが違うのには何か理由がるのでしょうか。
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日の出時刻の30分前になったあたりで、町の明かりがすべて消えました。これだけ光量があれば三脚はもう不要なので、片づけて手持ち撮影に切り替えます。
夜明け直前の景信山

遠くに薄っすらと筑波山が見えます。今頃はあちらの山頂にも、大勢の人が詰めかけて日の出の瞬間を待ち受けていることでしょう。
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気温が高めで朝靄が発生しているらしく、都心部の高層ビル群が何やら蜃気楼のように揺らめいて見えました。
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日の出予定時刻の6時51分が刻一刻と近づいて来ました。その瞬間が訪れるのを、固唾をのんで見守ります。
日の出直前の景信山山頂

日の出予定時刻を迎えましたが、まだ太陽は現れません。地平線付近に雲が垂れ込めているので、その上まで昇って来るのに少し時間がかかるようです。
初日の出直前の空

待つこと数分。ようやく雲の上へ太陽が頭を覗かせました。周囲に一斉に歓声とシャッター音が鳴り響きます。
景信山から見た初日の出

あーたーらしーいー あーさがきたー♪
景信山から見た初日の出
日の出を見ると、何故か毎回のようにラジオ体操のテーマ曲が脳内で自動的に再生されます。もはや刷り込み状態なのかもしれない。

無事に令和5年の夜が明けました。寒々しかった山頂が、暖かい朝日に満たされて行きます。今年もきっと、良き1年となってくれることでしょう。
景信山から見た初日の出

目いっぱい絞ってウニにしてみた一枚。こうするとまさに登る旭日状態ですね。
景信山から見た初日の出

富士山も朝日に垂らされて茜色に染まっていました。
景信山から見た富士山

茶屋が開いていたので、なめこ汁を注文して日の出を待つ間に冷えきった体を温めました。それでは生き返えったところであらためまして
景信山茶屋のなめこ汁

明けましておめでとうございます
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昨年は山梨百名山に通いつめな一年でした。もうあと残り4座なので完登は今年中に成るものと思いますので、山梨百名山後の新しい目標を模索する年にしたいと思います。

やはり、何か目標があった方が張り合いがありますからね。

本年も何卒よろしくお願い致します。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. 匿名 より:

    あけましておめでとうございます。都内在住の(節約)登山愛好家として、可能な限り公共交通機関での山行をいつも楽しく拝見させていただきつつ、面白いルートの数々を学ばせていただいております。本年もニッチなルートのレポを楽しみにさせてください!

    • オオツキ オオツキ より:

      匿名さま
      あけましておめでとうございます。コメントをありがとございます。

      今年もあまりメジャーでないニッチな山を開拓して行きたい所存でいます。こうご期待ください!もしかしなくても、大多数の読者を置き去りにしているのではなかろうか。

  2. つっしー より:

    あけましておめでとうございます。毎年恒例の初日の出は素晴らしいですね、写真も本当に絵になるものばかり。本年もよろしくお願いいたします。

    山梨百名山もいよいよですね!完登楽しみに応援しております、私も続きたいと思います。
    その後の目標ですか……あっ!こんなところに裏ゼルダがッ!!

    ▼「甲斐百山」の魅力紹介
     https://www.minamialps-net.jp/cat_news/334536

    ▼甲斐百山 -Wikipedia-
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E6%96%90%E7%99%BE%E5%B1%B1

    ……登りたい未踏の良山は全国津々浦々限りなく存在するわけですし、よほど山梨に憑かれた人向けですかね。。参考情報でした(ただの参考です)(たぶん)

    • オオツキ オオツキ より:

      つっしーさま
      あけましておめでとうございます。コメントをありがとございます。

      これはまた魔境の一覧のようなリストが出て来ましたね。そもそも知らない山も結構あります。果たしてこのリストは宝の山なのか、はたまた暗黒面への誘いなのか。。。

      個人的には「やまなしの森林100選」にも心惹かれています。

  3. 山波 より:

    明けましておめでとうございます。
    本年もブログ楽しみにしています。
    私はまだ初心者のため、低山しか登っていません。オオツキさんのブログを参考にしつつ、今年は色々な山に登りたいと考えています。
    どうか本年が幸多き年になることをお祈り申し上げます。

    • オオツキ オオツキ より:

      山波さま
      あけましておめでとうございます。コメントをありがとうございます。

      経験を積んで登れる山の選択が増えてくる頃が一番楽しい時期であると思います。今年は飛躍の年となりますように。

  4. GreenFielder より:

    オオツキさん、あけましておめでとうございます。本年の山百制覇をしっかり見届けたいと思います。楽しみにお待ちしておきます。

    • オオツキ オオツキ より:

      GreenFielderさま
      あけましておめでとうございます。コメントをありがとうございます。

      まだ笊ヶ岳と言う難物が残っておりますが、やりきります!