日連アルプス 相模湖の隣に連なる藤野の里山と緑のラブレターを巡る

藤野駅付近から見た日連アルプス
神奈川県相模原市にある日連(ひづれ)アルプスを歩いて来ました。
JR中央本線の藤野駅から相模川を挟んだ対岸に連なる、標高500メートルに満たない低山群です。駅から直接歩いて歩いて登ることが可能で、長閑な里山の光景が広がる手軽なハイキングコースとなっています。
隣接している緑のラブレターと合わせて、藤野の里山をゆるりと巡り歩いて来ました。

2023年1月9日に旅す。

今回はマイナーなご当地アルプス回です。藤野の日連アルプスを歩いて来ました。

相模湖の南側に連なっている、金剛山(410m)、峰山(423m)、鉢岡山(460m)および日連山(274m)などの総称です。藤野駅を起点に周回しても行動時間は4時間に満たない手軽なコースです。
日連アルプスの案内図
付近には石老山や陣馬山などの人気が高い山が点在しており、その中あえて日連アルプスを歩こうと言う人はあまり多くありません。極めてニッチでマイナーな山域です。

日連アルプスだけではボリューム的に少々物足りない気もしたので、ついでに緑のラブレターにも足を延ばして来ました。藤野駅のホームからも良く見え大変目立つので、気になっている人も多いのではないでしょうか。
藤野駅から見た緑のラブレター
この山中にある巨大な便箋は、造形作家である高橋政行さんによって作成された作品です。藤野はおよそ30年ほど前から芸術の町として町おこしを行っており、その活動の一環として作成されました

1月上旬にしては高めな気温のポカポカ陽気の中、近場の里山をゆるりと巡ってきた一日の記録です。どうぞ肩の力を抜いてご覧くださいませ。
日連アルプス 峰山からの光景

コース
230109日連アルプス-map
中央本線の藤野駅から一本松山、京塚山を経て緑のラブレターへ。一度下山して秋山川を渡り、金剛山登山口から日連アルプスを縦走します。下山後は下道を歩いて藤野駅に戻ります。

日連アルプスと緑のラブレターは隣接していますが、間に秋山川が流れているため一度完全に下山する必要があります。累計するとそこそこのアップダウンがある行程です。

1.日連アルプス登山 アプローチ編 中央本線で行く、わずか2駅の相模原への旅路

10時33分 高尾駅
山登りに出かけるにしてはいささか遅い時間ですが、高尾駅へとやって参りました。本当はもっと早起きして遠出する予定だったのですが、寝坊してしまいました。
京王線 高尾駅
まあ起きられなかったものは仕方がありあせん。と言う事で本日は急遽、近場の里山歩きに予定変更した次第です。

中央本線で藤野駅に向かいます。朝はいつも多くの登山者で込み合う高尾駅ですが、時間が時間だけに登山者風の格好をしている人はほどんと見かけませんでした。
中央本線高尾駅

10時57分 藤野駅に到着しました。あまり中央線が神奈川県内を走っているというイメージはありませんが、相模湖駅と藤野駅の2駅は、神奈川県の相模原市内にあります。
藤野駅のホーム

駅のホームから、これから目指す緑のラブレターが良く見えました。どう見ても白いラブレターですが、木々に囲われているから緑と言う事なのかな。
藤野駅から見た緑のラブレター
見ての通り山の中腹にあるので、ついでに背後にある京塚山にも登ります。一応は藤野町十五名山と言うタイトルを保持している山です。

跨線橋の上から、日連アルプスの山並みも良く見えました。位置関係で言うと駅から見て左(東)側に日連アルプスがあり、緑のラブレターはほぼ正面(南)にあります。
藤野駅から見た日連アルプス
隣接して尾根沿いに繋がっているようにも見えますが、間に秋山川があるため完全に分断されています。

2.相模湖と里山に囲われた芸術の街、藤野

11時 身支度もそこそこに行動を開始します。ちなみに、藤野駅の周辺にコンビニはありません。買い出しは事前に済ませておきましょう。
藤野駅の駅前ロータリー

駅から直進すると甲州街道にぶつかるので右折します。そのまま道なりに進むとY字路が現れるので、今度は左に入って下ります。
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相模川を挟んだ向かいに緑のラブレーターが見えています。川と言うよりは、領域的にここは相模湖の一部なのかな。上流の山梨県内では桂川と呼ばれ、神奈川県内に入って以降が相模川と呼ばれます。
甲州街道から見た緑のラブレター

最大望遠で覗いてみると、実は手が添えられていたんですね。今初めて気が付きました。私は一度も目撃したことはありませんが、稀に開封されていることもあるらしい。
緑のラブレター

ラブレターのー背後にある山並みには、特に日連アルプスのような通称はないようです。まあ、せっかくの機会なので端から歩いてみましょうか。
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川縁まで下り、相模川に架かる弁天橋を渡ります。なんでもこの橋は中路式ニールセンローゼ桁橋なる珍しい形式をしていて、かながわの橋100選なるものの一つに選ばれているのだとか
藤野 弁天橋

橋の袂に、渡り鳥のモニュメントが置かれていました。これも芸術の街の一環として作られたものなのかな。
藤野のカナダ雁

カナダ出身の作家が作った雁(がん)であるとのことです。カナダに行ったことはありませんが、藤野はカナダみを感じられる場所であるらしい。
藤野のカナダ雁

上流方向に大月市の山並みが見えています。渡りの季節になると、きっと雁の群れが山に腹を摺るようにして越えて行く光景を見ることが出来るのでしょう。
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反対側の下流の相模湖方面の眺めです。向かいに見えている橋は日連大橋と言う名前で、帰路はあの橋を渡って藤野駅に戻る予定です。
藤野 日連大橋

川まで下ってしまったので、その後は当然登り返しです。日影の路面にはビッチリ霜が降りており、驚いたらしい車が急減速していました。
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坂を登り切ったら、T字路に突き当りました。最短で緑のラブレターに向かうならここを左ですが、私は背後にある京塚山にも登るつもりでいるので反対の右へ進みます。
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道なりに進み、遊魚園と書かれた看板が現れたら左に入ります。
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周辺一帯の散策地図が設置されていました。小道が多くて5万分の1スケールの山と高原地図では少々わかり難かったので、これには大助かりです。良く道順を確認しておきましょう。
藤野なぐら地区の散策マップ

一本松山の登山口までやって来ました。登山道ではなく、あくまでも遊歩道であると言う扱いらしい。
藤野 一本松山登山口

3.藤野町十五名山と緑のラブレター

いかにも里山らしい雑木林の山です。階段が整備されて確かに遊歩道らしい体裁が整っていますが、しっかりと山道です。
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登り始めて早々にベンチが設置してありました。地元の人が朝の散歩がてらにふらっと登ってくるような場所なのかな。
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里が目の前にあるだけに、犬の鳴き声やら車の音やら中央本線211系の爆音やら、町の生活音がすべて聞こえてきます。静かな里山ではないですかね。。。

小道がやたらと沢山あって分岐だらけです。緑のラブレターとはどこにも書かれていませんが、大刀と書かれた方に進めばOKです。
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ほどなくピークらしき場所が見て来ました。これはまた地味な場所ですねえ。
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11時40分 一本松山に登頂しました。名前の由来となっただろう松の木は見当たらず、広葉樹の雑木林が広がっていました。
藤野 一本松山
別名で蚕影山(こかげさん)とも言うらしい。養蚕業の守り神とされる蚕影神社にまつわる名称のようですが、とくにお社などは見当たりませんでした。

先へ進みましょう。一本松山から下るとT字路にぶつかるので、左へ曲がります。この辺りは、先ほどの詳細マップを見ながらでないと少々道がわかり辛いです。
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山中の小道であるにもかかわらず防護柵が設置してあったりと、かなり真剣に遊歩道として整備されています。
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リスが木の幹に食われる!この状態になるまでに、いったい何年くらいを要するものなんでしょうか。
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またもや分岐です。ここでも大刀と書かれた方に進みます。この大刀と言うやたら勇ましい地名は、麓の集落の字であるようです。
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再び山頂らしき場所が見えて来ました。直下は割と急峻ですが、クサリの手すりが設置してありました。ここでもしっかりと遊歩道としての体裁が整えられています。
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12時15分 京塚山に登頂しました。別名で石山とも呼ばれますが、由来は標柱の目の前にあるこの石なのでしょうか。
藤野 京塚山
この藤野町十五名山なるものは、陣馬山付近の山を巡っている時に何度か目にした記憶があります。なお藤野町は平成の大合併によりすでに消滅しており、現在は相模原市の一部です。

展望はちょこっとだけあります。方角的に道志村方面の景色だと思いますが、何分なじみの薄い領域なので、見えている山の名前は全くわかりません。
京塚山からの展望

京塚山を越えた先は、急だった反対側とは違って緩やかな下りです。それでも落ち葉が堆積していて滑りやすく、いくら遊歩道とは言えどもスニーカーで歩くのはやめた方が良いと思います。
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A20と書かれた標識が現れたたら、尾根を外れて左方向へ下ります。
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運動場の脇を下って行きます。グラウンドの先に見ているのが、本日の本来の目的地である日連アルプスの山並みです。だいぶダラダラと記事の尺を使ってしまいましたが、京塚山も緑のラブレターも単なるおまけなんですよね。
藤野町 名倉グランド
すぐ隣に隣接しているように見えますが、間に川があるのでこの後一度完全に下山する必要があります。

緑のラブレターの入り口までやって来ました。ここまで散々歩いて来ましたが、道標上に名前が明記されていたのはこの入り口だけだったように記憶しています。
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樹林が切り開かれており、真正面に陣馬山が見えるなかなかの好展望スポットです。しかし、肝心のラブレターはどこにあるのだろうか。
藤野 緑のラブレターからの展望

と思ったら、何のことはない足元にありました。上にあるものだと思い込んでいたため不意を突かれました。
藤野 緑のラブレター
何しろ雨ざらしであるため、目の前で見ると結構薄汚れてしまっております。ラブレターと言うよりは、工事現場にある資材置き場のような眺めです。

前々から藤野駅を通るたびに気になっていた緑のラブレターでしたが、遠くから見られることを前提に作られた作品だけに、目の前で眺める意味はあまりないかもしれません。

愛の鐘なるものが設置してありました。鐘があったらとりあえずは鳴らす主義なのですが、住宅がすぐ近くにあるので近所迷惑かもしれないと思い、力いっぱい叩かずに軽く鳴らしておきました。
藤野 愛の鐘

4.一度下山して秋山川を渡り、日連アルプスの登山口へ

寄り道はこれくらいにして、そろそろ本題へ移りましょう。京塚山まで足を延ばさないのなら、緑のラブレター自体は道からものの10分もあれば登れる場所にあります。
藤野 名倉グランドの入り口

先ほども述べた通り、日連アルプスに向かうには一度完全に山を下りて、秋山川を渡る必要があります。と言う事で、道なりに勿体ないくらい大きく下ります。
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川の対岸に、この次に登る金剛山の姿が見えます。京塚山よりもおよそ100メートルほど標高が高い山なので、この後下った分以上に登り返します。
日連アルプス 金剛山

下りきったところで秋川橋を渡ります。もっと高いところに橋を架てくれれば良いのに、と言う気がしないこともありません。
秋川橋

橋が架かっているのはちょうど秋山川が相模湖に合流する地点で、領域的にはここも相模湖の一部であると言えなくもありません。河川法上、相模湖は相模川の一部の扱いで特に厳密な境界線は存在しないようです。
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下ってしまったからには、その後は当然登り返しです。沿道には貸しボート屋が軒を連ねていました。相模湖にはブラックバスを筆頭に多くの外来魚が住み着いていて、もはや修復不能なレベルに生態系は壊れてしまっています。
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坂を登ったところでバス通りと合流しました。藤野駅から藤野やまなみ温泉行きのバスが通る道です。このT字路を右に曲がります。
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最近はめっきりと足が遠のいてしまいましたが、むかし大月市の秀麗富嶽十二景に足繁く通っていた時期があり、その頃はよくやまなみ温泉に立ち寄っていました。
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バス移動があるので少々面倒ではありますが、個人的には好きな温泉です。本日は久しぶりに寄って行こうかと画策するも、タイミング悪く改修工事にともなう休業中でした。

13時15分 金剛山神社参道口まで歩いて来ました。もう正午を過ぎた時間になってから、ようやく本日の本題に入れます。
日連アルプス 金剛山神社参道口

入口にハイキングマップが掲げられていました。日連アルプスと言う呼称は、こうして案内板上にも明記されるオフィシャルなものであるようです。
日連アルプスの案内図
グルっと周回しても、コースタイムは4時間未満です。実にお手軽な里山です。

なお、日連アルプスにはヒルが出ます。流石に今の時期にはいませんが、暖かい時期の訪問は避けた方が無難です。
日連アルプス ヤマビル注意の案内
丹沢からジワジワと生息域が北上してきているのが不気味ですね。今ところはまだ相模川を越えてはいないようですが、このまま拡大を続けるといつかは高尾陣馬縦走路上にも出没するようになるかもしれません。

5.金剛山と日連アルプスきっての好展望地、峰山

登り始めから結構な急登です。ジグザクと九十九折れを繰り返し、効率よく一気に標高を稼ぎ出して行きます。
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急登ゆえに、短時間であっという間に周囲を見下ろす高さになりました。背後には陣馬山を始めとする笹尾根の山並みが連なります。
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登山口から30分とかからずに、あっさりと山頂らしき場所まで登って来ました。
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13時35分 金剛山に登頂しました。日連アルプスを構成している一座にして、こちらも藤野町十五名山に選ばれています。
日連アルプス 金剛山

山頂には小さな神社があり、私が登ってきた道はその参道にあたります。大昔に麓の集落で大規模な火災があったことから、火防の神として信仰されてきた神社です。
金剛山の来歴

ここからいよいよ、日連アルプスの縦走が始まります。と言ってもあまりアップダウンのない平坦な尾根道が続いており、アルペン的な要素は全く感じられません。
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途中に峰山と言うピークがあります。縦走路からは少し外れた位置にありますが、大変眺めの良い場所なので必ず立ち寄って行きましょう。
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分岐からは1分とかからずに、視界の開けた場所に出ました。おおっ、確かにこれは素晴らしい。
日連アルプス 峰山

桂川沿に連なる山並みを広く一望できます。日連アルプスにおける最大のハイライトは、間違いなくこの場所です。というか、身も蓋もないことを言ってしまうと、ここくらいしか見所はありません。
日連アルプス 峰山からの光景

正面に、つい先ほど登って来た京塚山の全容が見えます。周囲をぐるりと集落に取り囲まれた、まるで絵に描いたか如き里山の光景です。
峰山から見た京塚山

先へ進みましょう。相変わらずアルペン的要素は皆無のなだらかな尾根道が続きます。
230109日連アルプス-066
もう時間も遅いので他の登山者の姿は一切見当りませんが、こうして所々にベンチが整備されていたりして、地元の人にとっては手軽なお散歩道なのであろうことがうかがえます。

進行方向の右手に2の山の姿が見えました。右手前の山が鉢岡山で、左奥に見えているのは石老山です。
230109日連アルプス-067
鉢岡山は日連アルプスの主脈から少し外れた位置にありますが、一応は日連アルプスの最高峰であるらしいので、このあとに寄って行きます。

14時10分 緩やかに下ったところで杉峠に到着しました。尾根はこの先へ真っすぐ続いていますが、ここからサクっと鉢岡山を往復します。
230109日連アルプス-068

6.特に登っても良いことはない、烽火台跡の鉢岡山

峠から右後方へぐるりと進路を転じます。杉峠から鉢岡山は、往復でおよそ50分の道程です。
杉峠 鉢岡山方面の登山道入口

道なりに進むと、小さな集落の上に飛び出しました。地図によると新和田という集落であるらしい。街中には下りて行かずに、左の林道へ進みます。
230109日連アルプス-069

軽トラなら入れそうなくらいの幅の道が続いていました。これは明らかに登山道ではなく、何かの作業道として作られた道です。
230109日連アルプス-070

何かの土台らしき建造物が、ポツンと山中に残っていました。展望台だと言えるほどには眺めが良いわけでもないし、これは一体何の跡でしょう。
230109日連アルプス-071

一応上に登れますが、特に何もありません。これは土台ではなく屋根で、下のスペースが車庫か何かになっていたのではないかと想像します。
230109日連アルプス-072

謎の建築物の先に、車が転落して放置されていました。車庫だったのではないかと想像した理由が、この車を見かけたからです。
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軽トラならいざ知らず、普通車でよくもまあの道を入ってこれましたよね。・・・いや、入ってこれなかったから落ちたのか。スバルのロゴとGTと書かれた文字が読み取れますが、車種は不明です。スバルなので4輪駆動車だったのかな。

ようやく山頂らしき場所が見えて来ました。最後の登りです。
230109日連アルプス-074

山頂は電波塔の施設に占拠されていました。なるほど、この施設をメンテナンスするための道でしたか。
230109日連アルプス-075

14時35分 鉢岡山に登頂しました。ここも藤野町十五名山の一つです。かつては烽火台があったと言う事ですが、現在は樹林に覆われていて展望は一切りません。
230109日連アルプス-076
ここは正直、藤野町十五名山の完登を目指しているわけでもない限りは、スルーしても良いかと思います。

7.日連アルプス主峰の日連山を踏む

サクサクと足早に、杉峠まで戻って来ました。もとのルートに復帰して主脈上を進みます。
日連アルプス 杉峠

陽がだいぶ西に傾いて来ました。なにしろ行動開始したのが11時になってからと言う、山ナメ状態でしたからね。空は変わらず雲一つない快晴状態で、ますます持って早起きしなかったことが悔やまれます。
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あっけなく山頂らしき場所まで登って来ました。
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15時10分 日連山に登頂しました。名前からしてここが日連アルプスの主峰であると言う事になるのでしょうが、特に何もない場所です。
日連山の山頂
長居してもなにも得るものは無さそうな山頂なので、立ち止まらずにそのまま進みます。

このまま下山するのかと思いきや、尾根はまたもや登り坂に転じました。
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またもやベンチの置かれた山頂らしき場所が現れました。日連アルプス最後のピークである宝山に到着です。
日連アルプス 宝山

展望がゼロだった鉢岡山や日連山とは違い、眺めが少しだけ開けています。これで日連アルプスの全ての主要なピークを踏みました。
宝山の山頂

8.日連アルプス 下山編 再び相模川を渡り藤野駅へ戻る

さあ帰りましょう。こちらの下山ルートもかなりの急勾配で、安全のためにロープが張られていました。本日私が歩いたのとは逆向きに登った方が安全かもしれません。
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急坂を下りきると、進路を左に転じてトラバースに移りました。ちょうど日陰になるため、まだ日没前なのに既に足元が薄暗い状態でした。
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15時40分 日連山登山口まで下って来ました。ゴール地点が墓場だと言うのは、里山には割とありがちな光景です。
230109日連アルプス-086
さきほどから何かを忘れているような気がして引っかかっていましたが、そういえば山頂で恒例の自撮り撮影をしていませんでした。まあ、どうでもいいと言えばいいのですが。

後は駅まで歩いて戻るだけです。特に道標などはありませんが、駅のある方角に向かって適当に歩いていれば自然と辿り着けます。
230109日連アルプス-087

前方に黒い生き物が佇んでいました。遠目には子熊のように見えて、ぎょっとなりました。まさかこんな町中に?
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最大望遠で覗いてみると、子熊ではなく真っ黒な犬でした。はー、ビックリした。
230109日連アルプス-089
しかし、クマらしき生き物に遭遇したときに最初に取った行動がカメラを構えるだったりするあたり、私は災害発生時に動画を撮り始めて逃げ遅れ、真っ先に死ぬタイプの人間なのかもしれない。

日連大橋を渡って対岸へ戻ります。相模川によって町が完全に2分されており、藤野に住んでいる人々は行ったり来たりがなかなか大変そうです。
藤野 日連大橋

橋の袂にも貸しボート屋がありました。相模湖での釣りは大変人気があるらしく、こうした貸しボート屋は湖畔のそこかしこにあります。
230109日連アルプス-091

左手には、往路で渡った弁天橋が見えます。遠目には、特に変わった外観の橋には見えませんね。
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16時30分 藤野駅に到着しました。行動開始から5時間30分ほどのお手軽な行程でありました。
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さしたる待ち時間もなくやって来た鈍行列車に乗り込み、帰宅の途につきました。
230109日連アルプス-094

日連アルプスの存在は以前から認識はしていましたが、いくら何でもコースタイムが短すぎると思い訪問には二の足を踏んでいた場所でした。今回の朝寝坊は、ある意味ちょうど良い機会であったと言えます。
相模湖を見下ろす山々には、これぞ里山と言った長閑な風景が広がっていました。コースタイムが短く大変手頃なので、ちょっとした空き時間しかない時の訪問先に良いかもしれません。電車だけでアクセス可能な点もポイント高しです。
緑のラブレターに関しては、目の前まで直接見に行く意味は正直あまり感じられませんでした。藤野町十五名山のコンプリートを狙っている人は、ついでにちょっと立ち寄ってみるのはありかもしれません。

<コースタイム>
藤野駅(11:00)-一本松山(11:40)-京塚山(12:15)-緑のラブレター(12:25)-金剛山神社参道口(13:15)-金剛山(13:35~13:50)-杉峠(14:10)-鉢岡山(14:35)-日連山(15:10)-日連山登山口(15:40)-藤野駅(16:30)

日連大橋から見た日連アルプス

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. MM より:

    オオツキさん、こんばんは。
    ずっと以前から、中央道を通るたびにアレはなんだろう?と思っていました。緑のラブレターという名称なんですね!しかし、近くで見下ろすとほんと薄汚れていて…離れて見るのがいい珍百景かなと。長年の疑問を解決してくださりありがとうございます!

    • オオツキ オオツキ より:

      MMさま
      コメントをありがとうございます。

      今回私は緑のラブレターだけに的を絞って訪問しましたが、芸術の道というコースが設定されていて他にもいくつかの野外展示品が存在します。

      だいたい2時間もあれば巡れそうなルートなので、軽めに歩きたい時などにおすすです。