真木お伊勢山-花咲山 桜が満開の里山を巡る、秀麗富嶽十二景完結編

真木お伊勢山の桜
山梨県大月市にある真木お伊勢山(まぎおいせやま)と花咲山(はなさきやま)に登りました。
お伊勢山は山と言うよりは真木集落の外れにある小さな丘といった佇まいの場所で、約3,000本もの桜が咲く花見の名所です。大月市が制定した、富士山展望に優れた山の称号である秀麗富嶽十二景にも選ばれています。
例年よりも1週間以上前倒しに桜が満開となった、春爛漫の里山を巡って来ました。

2023年4月1日に旅す。

唐突ですが皆さま。大月市と言われて真っ先に思い浮かぶものは何でしょうか。恐らく東京在住の多くの人にとっては「たまに見かける謎の中央線の行き先」くらいの認識なのではないでしょうか。

しかし登山が好きな人にとっては違います。大月市と言えば、一にも二にもまずまっ先に思い浮かぶのが秀麗富嶽十二景です。
大月駅の秀麗富嶽十二景の案内板
名前の通り富士展望に優れ、東京からのアクセスが比較的容易と良い事ずくめなのに、不思議なことにあまり人気は無く穴場的な山域です。前々から疑問なのですが、何故みんなもっと登りに来ないのでしょうか?

十二景と名乗っていますが、2座制定されている番号もあり全部で20座あります。その中で、大月駅の目の前にある岩殿山と共に8番山頂に選ばれているのが、今回の舞台である真木お伊勢山です。
お伊勢山の山頂
山と名乗ってはいますが、実態としては真木集落の傍らにある神社の境内にある墓地です。お花見の名所として知られており、登山と言うよりはお散歩に訪れるのがふさわしい場所であると言えます。

秀麗富嶽十二景の中でこのお伊勢山だけが未だに未踏だったのですが、どうせゆくなら桜の季節にと思っている内に、毎年のように見頃の時期を逃してしまうということを繰り返していました。

例年よりも桜の開花時期が1週間以上も前倒しとなった令和5年の春に、ようやく週末の晴天と桜が満開になるタイミングが合い訪問してきました。

お伊勢山だけでは少々物足りない気もしたので、お隣の花咲山と合わせて巡って来ました。もはや足掛け何年越しになるかも覚えていませんが、秀麗富嶽十二景堂々の完結編をお送りします。
大月市街地から見た花咲山

コース
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上真木バス停からお伊勢山でお花見をしたのちに、花咲山へ登ります。下山は直接大月駅まで歩きます。行動時間が4時間にも満たない程度のお手軽な里山巡りです。

1.お伊勢山登山 アプローチ編 電車とバスで行ける山梨の桜の名所

6時11分 JR高尾駅
高尾駅6時14分発の松本行きのいつもの鈍行列車で、謎多き中央線の終点大月駅を目指します。普段山登りをしない中央線快速のユーザーにとって、大月は本当に何があるのか謎の場所なんでしょうね。
JR高尾駅のホーム

6時52分 大月駅に到着しました。名前の通り大月市の中心であり、河口湖方面への分岐点となっている古くからの交通の要衝でもあります。
大月駅駅のホーム

7時ちょうど発のハマイバ前行きのバスに乗車します。普段だと週末の朝の便は貸し切り状態になることも珍しくない路線ですが、お伊勢山の桜効果なのかそこそこの乗車率でした。
ハマイバ前行きのバス
しかし、おそらく1年で最も利用者が多い書き入れ時の時期であってもこの程度の乗客しかいないとなると、このバス路線の営業はそうとう厳しそうですね。

路線が廃止になってしまってから嘆いてももう手遅れです。そうならないためにも乗って残そう公共交通!・・・私は日本バス協会の回し者ではありません。

バスの車窓から、お伊勢山の後に登るつもりでいる花咲山の姿が見えました。どこにでもありそうな里山そのものといった佇まいの山です。
大月市街から見た花咲山

真木集落の狭い坂道を登って行くと、やがて集落の右手に目的地と思われるれる場所が見て来ました。見たところ満開御礼状態ですね。訪問のタイミングとしては完璧であったようです。
ハマイバ前行きのバスの車窓から見た真木お伊勢山

7時17分 上真木バス停に到着しました。せっかくバスがあるので乗って残そう公共交通の精神で利用しましたが、その気になれば大月駅から直接歩いてでも来れないことはないくらいの距離です。
上真木バス停

目的地のお伊勢山はバス停からすでに見えています。こうして見ると、山と言うよりは集落の外れにある丘でしかないのが良くわかるかと思います。地元の人が、朝の犬の散歩で毎日登るような場所です。
上真木バス停から見たお伊勢山

2.桜が満開の真木お伊勢山

お伊勢山の入り口は、上真木バス停から元来た方へ少し引き返した地点にあります。前述の通りお伊勢山は秀麗富嶽十二景の一つに選ばれていますが、登るまでもなくバス停の前からでも富士山は良く見えました。
上真木バス停から見た富士山
正面に見ている山は高川山(976m)です。あちらも秀麗富嶽十二景に選ばれている一座です。

やがて道の左手に上真木大神社と書かれた立派な石碑が現れるので、ここから左へ入って行きます。
上真木大神社の入口

五福巡りと呼ばれる、上真木集落にある五つの社寺を巡るコースが設定されてます。全部回っても1時間程度であるらしいので、お花見がてらに巡ってみるのも良いかと思います。
お伊勢山 五福巡りの案内板

この鳥居が登山口・・・というよりは大神社の入り口です。参道を歩く以上、お伊勢山への訪問は登拝と呼ぶべきなのだろうか。
お伊勢山の入り口

石段を登らされますが、登山と呼べるほどの運動強度はありません。あくまでもお散歩の範疇です。
真木お伊勢山の参道

振り返ると眼下に上真木集落を一望できます。まさに集落の裏山といった立地です。
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上真木大神社は西暦でいうと18世紀になる江戸時代中期の創建で、伊勢神宮の天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)を祀った神社です。お伊勢山という名前もこの神社があることに由来しています。
上真木大神社

鳥居の前で振り返ると、山頂に行くまでもなく既に絶景が広がっていました。なんと言うかこう、春が爆発しているような光景です。
お伊勢山から見た富士山

何だかもう既に満足してしまいそうになりましたが、ともかく山頂を目指しましょう。山頂は大神社の裏手へ進んだ先にあります。
真木お伊勢山 大神社

続いて今度は、五福巡りの一つである愛宕神社がありました。火防の神様を祀っており、それこそ日本全国の津々浦々にある神社です。いつの時代にも火災は怖いですから、集落の守り神としては極めて妥当な存在なのでしょう。
お伊勢山 愛宕神社

愛宕神社から桜並木の中をほんの少しだけ下ります。登り返しと言うほど大げさなものではなく、あくまでもお散歩道の範疇です。
お伊勢山の桜並木

毎年3月末から4月頭の週末限定で、ライトアップイベントも行われてます。あまり話題になっているところを目にしたことが無いので、穴場なのかもしれません。
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上神社からせいぜい5分と少々で、お伊勢山の山頂らしき場所が現れました。
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7時35分 お伊勢山に登頂(?)しました。秀麗富嶽十二景の存在を知ってから足掛け何年目になるのか最早わかりませんが、ともかくこれで完登です。
お伊勢山の山頂

白旗史朗氏の顕彰碑が置かれていました。大月市出身の山岳写真家で、秀麗富嶽十二景の選定にもかかわった人物です。令和元年に亡くなられたとのこと。
白旗史朗の顕彰碑

それでは早速ですが、秀麗富嶽十二景8番山頂の実力の程を見てみましょう。おおー、これは確かに秀麗です。
お伊勢山の桜と富士山

うまい具合に手前の山が切れ目になっている場所に収まっています。左右に少しでもズレていたらこれだけ綺麗には見えなかったでしょうから、絶妙な位置関係です。
お伊勢山から見た富士山

ちなみにこのお伊勢山は、上真木集落の墓地を兼ねています。というか、もともと墓地だった場所に桜並木が整備されたのだと思います。
お伊勢山

無事登頂(?)も達成されたところで大神社まで引き返します。実のところお伊勢山の真骨頂と言えるのは山頂ではなく、この大神社の南側に広がる桜並木です。
真木お伊勢山の大神社

ベンチが置かれた陽だまりの尾根道上に、満開の桜が咲き誇っていました。素晴らしい。
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何と言う光景だろう。花咲か爺さんは上真木に実在したのだろうか。ポチは犠牲になったのだ。
桜が満開のお伊勢山

五福巡りの一つである天満宮がありました。学問の神様を祀った神社です。
真木お伊勢山の天満宮

学問の象徴と言う事なのか、勤勉家の代表である二宮金次郎の像が立っていました。野暮なのは承知で言いますが、本は座って読まないと危ないですよ。
お伊勢山の二宮金次郎像

この天満宮の鳥居の先が、一面の桜並木となっています。期待して見てみましょう
真木1お伊勢山

真木伊勢山の光景として最も有名なのは、間違いなくこの天満宮からの光景です。満開の桜の先に富士山という、まるで絵ハガキか何かに出て来そうな光景が広がります。
お伊勢山の桜並木

やはり桜は青空の下が最も映えます。東京都内の桜が満開を迎えてからちょうど1週間後になるタイミングでしたが、まさしく満開のど真ん中状態でした。
満開状態の桜

飽きもせずに、同じような写真ばかりを何枚も撮ってしまいます。間違いない、やはり真木には花咲か爺さんがいるのでしょう。
お伊勢山の桜

富士山が桜にフレームインです。変に妥協せずに、桜が満開のタイミングを待って訪問したのは大正解でした。桜の季節ではない時期に訪れても、「確かに富士山が良く見えるね」で終わっていたでしょうから。
お伊勢山の桜と富士山

まだ若い木が多く、比較的最近になってから整備された並木であることが伺えます。この先も末永く咲き続けてくれることでしょう。
真木お伊勢山の桜

3.花咲山の好展望地、女幕岩

お花見終えてお伊勢山から下って来ました。これより登山の部に入ります。お伊勢山だけで既に満足感でいっぱいな気分でしたが、一応は登山ブログを標榜している以上、大月まで来ておきながら山登りをしない訳にはいかないのです。
お伊勢山の入口

入口から振り返って見たお伊勢山です。こうして見ると、住宅地の真っただ中にあるのが良くわかります。
真木集落から見たお伊勢山

お伊勢山の入り口から、南に向かって道なりに下って行きます。道の脇の畦にはこぼれんばかりに花々が咲き誇っていました。うーん、春ですね。
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やがて小学校にぶつかるので、突き当りを左に進みます。大月市内でよく見かける標識もしっかりとあるので、その導きに従えば迷う事は無いかと思います。
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正面に花桃が咲き誇っているいるのが良く見えます。これから登ろうとしている花咲山は、その名の通りに花が咲き誇る桃源郷のような山なのだろうか。
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8時20分 花咲山の登山口までやって来ました。民家のすぐ脇に取って付けたかのような登山口がある、里山にありがちな光景です。
花咲山の登山口

のっけからいきなりの急登が始まりました。実は私、2日前にも山に登っておりまして、中1日のインターバルを置いただけでは筋肉痛が治っておらず、本日は立ち上がりから既にダメージを負っている状態です。
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そもそも、そんな状態で山登りに来るなよとは至極ごもっともなご指摘ですが、これで良いのです。ここはもともと、そういうブログなのですから。

登り始めて早々に一度林道に出ました。横断して、再び登山道へと入ります。
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道の両脇が背丈を越える笹竹に覆われていますが、幸いにもしっかりと刈払いが行われていました。花咲山は山と高原地図上では破線扱いの極めてマイナーな山ですが、整備はされているようです。
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所々にこうして礫岩が露出しています。礫岩は堆積岩の一種で、隣接する岩殿山や九鬼山などでもでも多く見られます。
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堆積岩は主に海底のプレート境界付近で形成される岩石であり、大月市周辺地層がかつては海底にあった事を示しています。

背後の視界が少しだけ開けました。お伊勢山からはあれだけよく見えていた富士山は、高川山に半分以上隠れており、おまけに雲に覆われつつありました。朝の好展望タイムはそろそろ終わりのようです。
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奥に見えているのは、左が三つ峠(1,785m)で、右が鶴ヶ鳥屋山(1374m)です。鶴ヶ鳥屋山はこうして見るとかなりの存在感がありますが、歩く人はほとんどいない静かな山です。
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花咲山の中腹には地上波テレビのアンテナ塔が存在します。恐らくはそこへ電源供給のための電線が、登山道と並走していました。なるほど、この電線の保守のための道を兼ねているからしっかりと整備されているのでしょう。
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それにしても、先ほどからなかなか急峻な山です。急な場所にはしっかりとお助けロープまで張られていました。
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中1日インターバル登山の筋肉痛ダメージが思いのほか効いており、先ほどから苦しい立ち上がりです。一度立ち止まってしまうと「どっこいしょ」と掛け声を出さないと再始動できない感じです。

どっこいしょ、どっこいしょと連呼しているうちに、脳内でソーラン節がエンドレス再生され始めて止まらなくなってしまいました。

急登を登りきると、明瞭な尾根の上にでました。この先は基本敵に最後までずっと、この尾根筋に沿って進んで行きます。
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それにしても、花咲山と名乗っている割には、登山口付近に咲いていた桃の花を最後に、以降はまったく花が咲いていません。ツツジの蕾らしきものはたくさん見かけたので、ツツジシーズンになれば名前通りの花咲く山になるのかもしれない。

お伊勢山の隣にあるからという理由で何となく行き先に選んだだけで、正直なところ展望にはまったく期待していなかったわけなのですが、予想に反して意外にも眺めの良い尾根道が続いていました。
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花咲山の麓のにあるゴルフ場の先に、大月の市街地が一望できました。周囲を完全に山に囲まれており、桂川に沿った細長い町であることが良くわかります。
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ちょうど眼下に中央道の花咲トンネルが見えます。大月JCLから分岐して河口湖方面へと向かう、富士吉田線のトンネルです。
中央道の花咲トンネル

やがて尾根道は、周囲の視界が大きく開けた岩場の上に出ました。
花咲山 女幕岩

ここは女幕岩と呼ばれている好展望地です。巨大な礫岩のスラブとなっており、北西方面が大きく開けています。
花咲山 女幕岩

大月市の北部に連なる山岳地帯を一望できます。この景色のなかには、秀麗富嶽十二景に名を連ねる山々も含まれています
女幕岩からの展望

これはその中の一つである滝子山(1,620m)です。キツ過ぎず、かと言ってゆるくもない、ほど良いコースタイムの山です。秀麗富嶽十二景の中でも個人的にイチオシの山です。
女幕岩から見た滝子山

こちらは秀麗富嶽十二景における栄光の1番山頂である雁ヶ腹摺山(1,874m)です。マイカー登山する人にとっては手軽に登れる山ですが、公共交通機関だと少々アクセスが厄介な場所です。
女幕岩から見た雁ヶ腹摺山

この遠目にも目立つ禿山は白谷ノ丸(1,920m)です。秀麗富嶽十二景には選ばれていない山ですが、実はここから眺める富士山が一番秀麗であったりします。
女幕岩から見た白谷ノ丸

富士山もちょこっとだけ見えました。もっと良く見える場所は他にいくらでもあるので、無理してここから眺める必要性は全くありませんが。
女幕岩から見た富士山

眼下に先ほど登って来たお伊勢山が見えます。桜の密集度が凄いことになっていますねえ。
女幕岩から見たお伊勢山

4.花咲山登山 登頂編 難路を経て、花は咲いていない花咲山の頂へ

女幕岩をすぎると、難路と書かれた案内が立っていました。秀麗富嶽十二景にある難路と書かれた場所は、本当に結構危ない場所であることが多いので、侮らず十分に注意して進みましょう。
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早速岩場が始まりました。隣接している岩殿山があれだけアスレチックな山であるわけですから、きっと花咲山も似たようなものなんでしょう。
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この岩の隙間を通り抜けます。なるほど、これが先ほどの道標に描かれていた胎内仏道でしょうか。修験の山にありがちな名称です。
大岩山の胎内仏道

9時30分 大岩山に登頂しました。花咲山の一つ手前に位置しているピークです。特に展望がある訳でもなく、ここを目的地として登ってくる人はまずいないであろう、ただの通り道と言ったところです。
大岩山の山頂

正面に花咲山の姿を捉えました。その手前にある鞍部に向かって、一度大きく高度を落とします。
大岩山から見た花咲山

この鞍部へ下りはかなり急勾配で、お助けロープが整備されていました。足元は乾燥した砂地で滑りやすく、なるほど確かにこれは難路であるかもしれない。
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下った後は当然登り返しです。足元は乾いた砂地で、周囲には松の木の姿が目立ちます。松は栄養を嫌う性質があるので、もともとこの山は痩せて栄養に乏しい土壌なのでしょう
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喘ぎつつ急坂を登りきると、山頂らしき場所へと飛び出しました。
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9時50分 花咲山に登頂しました。低山だと思って甘く見ていましたが、アップダウンが多めでなかなかの防御力の持ち主でした。
花咲山の山頂

山頂にもやはり花は咲いておらず、冬枯れの殺風景が広がっていました。新緑前線が山頂にまで到達するのは、もう少し先の事であるようです。
花咲山山頂からの展望

5.花咲山登山 下山編 大月駅まで直接歩いて下る

ピークハンターとしてのお役目は無事に達成されました。花は咲いていないことであるし、ボチボチ撤収に移りましょう。
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登って来たのとは反対側の、大月駅方面へと降下を開始します。こちら側の斜面もなかなかの急勾配です。

山頂から大きく下った地点が花咲峠です。お伊勢山の桜を目指しているのか、反対側から登ってくる登山者を結構たくさん見かけました。
花咲峠

こうして古びたお地蔵さんが置かれている辺り、ここは古くは人の往来がある峠道だったのでしょうね。
花咲峠の地蔵

今ではこの峠を越える旅人は存在しないらしく、道のあった痕跡は消滅しつつありました。見たところだいぶ斜めになってしまっていますが、今でも峠道を辿ることは出来るのだろうか。
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峠を過ぎて以降も、なおもアップダウンの連続が続きます。先ほどから登ったり下りたりと、思いのほかキツイ道ですぞ。
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おまけに結構な急登です。本日は最初からボロボロの状態だった私にとっては、何気にしんどい道程です。ソーラン、ソーラン、ハイハイ
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振り返って見た大岩山と花咲山です。アップダウンが何気にエグイのが、何となくおわかり頂けるかと。
大岩山と花咲山

延々と続いたアップダウンからようやく抜け出して、緩やかに高度を落とし始めました。そうそう、里山歩きと言うのはこう言う感じで良いのですよ。エキサイティングなアップダウンは特に求めていません。
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正面に岩殿山の姿が見えて来ました。これだけ岩殿山の近くまで来たと言う事は、そろそろ大月の市街地が近いはずです。
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北側の谷を挟んだ向かいに、稚児落としが見えました。岩殿山城が落城した際に、落人たちが追っ手に赤子の鳴き声を聞きとがめられる事を恐れて、ここから投げ落としと言う伝説がある場所です
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いつしか周囲は、またもやボーボーに生えた笹竹に覆われた状態となりました。ここまで下ってくれば、ゴールまではもう後僅かです。
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中央道の岩殿山トンネルを抜けた地点のすぐ近くに飛び出しました。実はこんな所にも登山道があったのですね。初めて知りました。
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11時25分 花咲山登山口まで下って来ました。2日前の筋肉痛ダメージが思いのほか重く、標準コースタイムを大幅に超過するスローペースでの到着でした。
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現在地からは中央道に阻まれて真っすぐには駅へ戻れないため、一度グルっと左方向へ大きく迂回します。
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市街地の中はどこもかしこも花が満開状態で、春が爆発していました。花の無い花咲山に登るよりも、街中でお花見ウォークでもすべきであったのかもしれない。
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グルっと回り込んだところで、中央自動車道の橋脚の下を潜ります。稚児落としからの下山に通るのと同じルートです。
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桂川沿いの桜も満開御礼状態です。今日は本当に絶好のお花見日和でありました。
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なお大月駅は、桂川の崖上にあります。と言う事で、ここに来てまさかの登り返しがありました。
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振り返って見た花咲山です。花は咲いていなかったけれど、なかなか楽しいお山ではありました。この山のベストな訪問時期は、ツツジが咲く頃であろうと思います
大月市街地から見た花咲山
花咲山だけではまだ歩き足りないと言う人は、そのまま稚児落としを経て岩殿山まで歩くのが良いのではないでしょうか。

最後に跨線橋で中央線の上を渡ります。
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今日もおはようからおやすみまで大月市を見守る岩殿山です。中腹にある丸山公園は、桜の名所として名高い場所です。なるほど確かに、ポツポツと桜が咲いているのがここからでも視認できます。
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当初は丸山公園にも寄って行こうかと考えていまいしたが、予想に反してもう既にお腹いっぱいな状態です。と言う事で、本日はこのまま撤収します。
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まだ正午にもなっていない時間帯でしたが、早々と帰宅の途につきました。
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こうして秀麗富嶽十二景完結編は、数年越しにようやく感動(?)の結末を迎えることが出来ました。。
最初からオマケ扱いだった花咲山共々、正直なところそれほど大きな期待はしていなかったのですが、思っていたよりもずっと秀麗な富嶽に出会うことが出来ました。
山と言うよりは公園のようなものなので、お花見がてらに訪れるのがベストであろうかと思います。
秀麗富嶽十二景を始めとした中央本線沿線の山々は、奥多摩や丹沢に比べると歩く人の姿はずっと少なく、穴場的な山域となっています。首都圏からのアクセスが良好にして富士展望もありと良い事づくめな山域なので、もっと注目を浴びても良い山域だと思います。秀麗なる富嶽に出会いに、たまに見かける謎の中央線の行き先大月へと繰り出してみては如何でしょうか。

<コースタイム>
上真木バス停(7:20)-お伊勢山(7:35)-花咲山登山口(8:20)-大岩山(9:30)-花咲山(9:50~10:05)-花咲山登山口(11:25)-大月駅(11:55)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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