栃木県那須町にある那須岳(なすだけ)に登りました。
栃木県北部の関東地方北端部に位置する火山群の総称です。冬期の強風と火山性ガスの影響により山頂部は森林限界を超えており、たいへん眺めが良く登山者に人気の高い山です。標高1,000メートルを超える地点にある那須温泉まで車道が通じていることから、アクセスがしやすく、冬山登山の対象としても大定番の存在です。
申し分ない晴天のもと、白一色に染まった北関東の名峰を巡って来ました。
2022年2月26日に旅す。
那須岳は関東地方の北端の、福島県との境界付近にある山です。那須岳と言う名称は付近一帯に林立する火山群の総称であり、那須岳と言う名のピークは存在しません。一般的には主峰である茶臼岳のこと指します。
茶臼岳は那須ロープウェイで山頂近くまで登ることが可能な山で、特に紅葉シーズン中は観光客で大混雑します。山麓にある那須温泉と合わせて、観光地としての側面が非常に強い山であると言えます。
また茶臼岳は、雪山初心向けの山としても定番の存在です。ロープウェイは冬の間は運休となりますが、登山口までのアクセスが容易でかつ危険個所も少ないことから、冬期にも多く登られています。
茶臼岳にのみに登るのであれば、冬でも比較的安全であると言えますが、お隣の朝日岳まで足を延ばそうと思うとなかなか際どいトラバースを歩くことになります。
短距離ではありますが、滑落すればタダでは済まない道を行くことになるため、12本爪アイゼンやピッケルなどの装備があった方が無難です。
山頂からは文字通り360度全方位の展望が広がります。冬の那須岳は暴風に見舞われることの多い山域ですが、終日に渡り晴天に恵まれた会心の山行きでありました。
白銀世界と化した北関東きっての名峰を巡って来た一日の記録です。
コース
大丸温泉バス停よりスタートし、茶臼岳と朝日岳の2座を巡ります。冬の那須岳登山としてはごく一般的な行程です。
無雪期には那須ロープウェイ山麓駅まで路線バスが乗り入れてくれますが、冬期はその手前の大丸温泉止まりとなります。
1.那須岳登山 アプローチ編 新幹線で行く関東地方北端への旅路
6時33分 JR東京駅
那須岳は関東地方の北の外れに位置する山ですが、公共交通機関を利用した日帰り登山が可能な山です。もっとも、新幹線利用となるため交通費はそれなりに高くつきます。
7時51分 那須塩原駅に到着しました。那須は冬であっても人気の観光地らしく、かなりの数の乗客が下車しました。
山登りの格好をしている人の姿もチラホラとあります。間違いなく目的地は同じでしょうな。
目指す那須岳はこの通り、駅からもよく見えます。一見近くにあるようにも見えますが、間を遮るものがなにも無いから良く見えているだけのことであって、距離はそれなりにあります。
8時5分発の大丸温泉行きのバスに乗車します。従来は那須ロープウェイ山麓駅まで乗り入れている路線ですが、ロープウェイが運休となる冬期には、少し手前の大丸温泉止まりとなります。
終点までの乗車時間は1時間以上の長丁場となります。立って行くのは辛いと思うので、新幹線を降りたら油を売らずに真っすぐに乗り場へ向かった方が無難です。
那須岳へと向かう途中にある、この那須戦争博物館なる施設が、以前より気になって仕方がありません。なんと言ったらよいのか、入り口の佇まいからして隠しきれないB級スポット感が溢れ出している場所です。
閉館時間が17時であると言う事なので、那須岳から下山後に立ち寄るのは時間的に厳しく、未だに訪問が叶っていません。はたして単体で訪れるだけの価値がある場所なのかどうか。うーん、気になります。
9時14分 大丸温泉バス手に到着しました。大丸温泉は那須温泉の中でも最奥に位置しており、秘湯として名高い場所です。それはすなわち、本日は下山後のひとっ風呂が始めから約束されていると言う事です。
駐車場には、こぼれんばかりの車があふれていました。本日はまたとないほどの晴天ですからね。那須岳への入山者はかなり多そうです。
バス停のある現在地は、大丸園地と呼ばれている場所です。那須温泉ファミリースキー場と隣接しているため、駐車している車のうち何割かは、スキー場の利用者のものであると思われます。
その那須温泉ファミリースキー場ですが、利用者の減少と施設の老朽化により、2022年3月21日をもって営業を終了することが既に決まっています。
この記事が公開される頃には、既に営業は終了していると言う事ですな。
2.緩やかに登り上げる、峰の茶屋跡への道程
手早く身支度を整えて、9時20分に行動を開始します。本日の目的地の一つである茶臼岳は、この通りスタート地点から既に見えています。
まずは那須ロープウェイの山麓を目指して登って行きます。舗装路を道なりに歩いてもたどり着けますが、車道の真ん中を突っ切る登山道がしっかりと存在します。
続いて今度は正面に朝日岳が姿を見せました。のっぺりとしている茶臼岳とは違い、こちらはかなり急峻な山容をしています。朝日岳にもこの後登りますよ。
まだアイゼンを付けるほどの傾斜は無いので、ベタ足のまま登って行きます。たしか以前紅葉シーズン中に那須岳へ訪れた際に、バスが渋滞にはまって動かなくなってしまったので、バスを途中下車してこの道を歩いたっけか。
歩き始めてからまだ大した時間も経過していませんが、あっけなく那須ロープウェイの山麓駅が見えて来ました。少し手前でバスを降ろされたとは言いつつも、大丸園地から大した距離はありません。
9時45分 那須ロープウェイ山麓駅に到着しました。冬期以外であれば、ここまでバスに運んでもらえます。さらにロープウェイまで使えば、それこそ高尾山レベルの山です。
運休中なばずのロープウェイのゴンドラが、なぜか宙吊りになっていました。春からの運転再開に向けた点検中と言ったところでしょうか。
まだ必要はないのかもしれませんが、一応はここからアイゼン装着で行きます。茶臼岳に登るだけなら軽アイゼンでも十分かもしれませんが、朝日岳にも登ろうと思っているので、前爪のある12本爪アイゼンです。
アイゼンと言う足かせを付けたことにより、あからさまに足取りが重くなりました。なにしろ、冬靴と合わせると片足だけでも2kgオーバーですからね。
振り向けば、背後には関東平野が広がります。本日は気温が高めであるためか、何となくボヤーッと霞んだ空気です。
駐車場まで登ってきました。無雪期にはここまで車で入れますが、冬は閉鎖されており大丸園地から先の道は通行止めです。
駐車場の正面に峠の茶屋がありますが、完全に雪に埋もれており当然営業はしていません。営業している時期ならば、ここで那須岳の山バッジが買えます。
駐車場に停めたままになっている痛車が、半分以上雪に埋まって冬眠モードになっていました。一体いつからここに停まっているのでしょうか。
これまた埋没している安全指導センターの脇から、山道へと分け入って行きます。
鳥居が雪に埋まって、頭だけがかろうじて露出していました。この埋まり具合からして、積雪量は5~6mはありそうな感じです。
ちなみに、雪の無い時だとこんな姿をしています。今年の冬の積雪量の多さ加減が伺えます。
夏道がどこに埋まっているのかはもはや定かではないので、直登気味に登って行きます。登り始めて割とすぐに森林限界を超えたように記憶していたのですが、意外に灌木帯が長く続きます。
森を抜けたところで、前方の視界が一気に開けました。さあ、ここからがいよいよ那須岳の真骨頂です。
谷向に発つ朝日岳です。厳つくでカッコいい。この切り立った岸壁は、かつての火口壁の残骸だと言われています。
茶臼岳の山腹に沿うようにして、峠へと道が続いています。緩やかで歩きやす道ですが、森林限界を超えたことにより少し風が出て来ました。
この程度の風などは、まだまだ序の口に過ぎません。冬の那須岳は暴風の通り道として悪名高い場所であり、稜線上に出てからが本番です。
こちらは朝日岳の隣に立つ剣ヶ峰です。夏道はこの山には登らずに脇をトラバースしますが、冬は直登します。
横から見ると特に険しそうには見えない山容をしていますが、峠から正面に見た時にはガラッと印象が変わる急峻な山です。
峠に立つ避難小屋が、徐々に大きく見えるようになって来ました。始めからずっと見えているので、いくら歩けど一向に辿り着かないような錯覚を覚えます。
左右に並んだ剣ヶ峰と朝日岳です。かなり急峻な山容をしているのが良くわかります。
10時50分 峰の茶屋跡まで登って来ました。かつてはここに茶屋が存在したのですが、現在はその跡地に避難小屋が立っています。
本日はここを起点にして、朝日岳と茶臼岳に登ります。
峠からここまで登ってきた道を振り返って見た光景です。ここまでは言ってみればウォーミングアップのようなもので、この先からは本格的な山道となります。
3.冬季限定の剣ヶ峰と、危なっかしいトラバースを越えて朝日岳へ
如何にも混んでいそうな茶臼岳は後回しにして、まずは比較的空いていそうな朝日岳を先に往復します。ここでストックは収容し、ピッケルに持ち替えました。
稜線上に出たことにより、これまでとは比較にならないくらい風が強くなりました。那須岳は強風の通り道として知られており、特に西高東低の冬型の気圧配置化においては、凄まじい暴風が吹き荒れる場所です。
本日も風は強いと言えば強いのですが、それでも冬の那須岳にしてはかなり穏やかな方だと言えます。
前爪を蹴り込みながら剣ヶ峰を直登します。この山に登れるのは雪が付いている冬季限定です。夏道は脇をトラバースしています。
急坂を登りきると、細長く平坦な頂上部に出ました。剣ヶ峰と言う名前から思い浮かべるような鋭利さは無く、以外に広い空間です
振り返ってみた茶臼岳は、まるで絵にかいたかのような溶岩ドームそのものな形をしていました。冬季限定でしか見ることのできないアングルの光景です。
一応は小さな山頂標識も立っていました。期間限定でしか登る事の出来ない山なためか、かなり控え目の標識です。
一面が雪に埋もれた深い山並みが広がっているのが一望できます。方角的に福島県南部の奥只見地方の光景です。人工物らしきものが一切視界内に入らない、深山幽境の世界です。
正面にはこれから登る朝日岳が立ちはだかります。ここから先は岩場が続くので、気を引き締めて参りましょう。
鞍部に向かって一旦下りです。登りと同様にこの下りもかなり急な斜面です。なにしろここは、雪の付いている時にしか登れないとされているくらいの斜面ですからね。
下りて早々ですが、すぐに朝日岳に向かって登り返しが始まります。無雪期だと岩場になっている場所ですが、ここはむしろ雪がある方が登りやすいです。
クサリの金具にえびのしっぽが生えていました。このクサリは中途半端に雪に埋まっているので、冬は当てにできません。
強風で雪が吹き飛び、完全に岩が露出している場所もあります。こう言う場所は、アイゼンを履いていると歩きづらくて神経を使います。爪を引っかけて転倒しないように要注意です。
山頂直下のトラバース地帯まで登って来ました。ここは確か無雪期であっても、すれ違い困難な結構怖い場所であったはずです。さあて、どんな感じでしょうか。
これは・・・かなり際どいですな。完全に足一足分の幅しかありません。
このトラバースにはクサリの手すりが整備されているのですが、冬は雪に埋まっているので掴めません。足元の感触を確かめながら、一歩一歩ゆっくりと通過します。
このトラバース地帯は大した距離ではないのですが、かなり神経をすり減らしました。一番最初にトレースを付けた人の度胸には、ただただ感服いたします。
トラバースを抜けるとガレ場の急登です。ここも、むしろ雪がある方が登りやすい。
朝日の肩まで登ってきたところで、ようやく安堵のため息を付けました。前方に続いているのは三本槍岳方面の稜線です。時間的に少々厳しいものがあるので、本日はこちらへは進みません。
朝日岳の山頂を目指します。こうして反対側から見ると、山頂付近が吹き飛んでしまっているのが良くわる形状をしています。
正面に白く染まった茶臼岳の全容が見えます。この姿を見たかったがために、朝日岳まで足を延ばしたと言っても過言ではありません。茶臼岳からでは茶臼岳の姿は見えませんからね。
灌木に雪が付着し、まるでサンゴのような姿になっていました。稜線上の強風地帯ならではの光景です。
岩の表面にはびっちりとエビのしっぽが生えてエビフライ定食状態です。
11時55分 朝日岳に登頂しました。峰の茶屋跡からは僅か1時間少々での到着ですが、しかしなかなかスリリングな道程でありました。
朝日岳の山頂からは、視界を遮るものが何もない360度の展望が広がります。眺望に関しては大いに期待して良いですよ。
先ほど超えてきた剣ヶ峰と茶臼岳。那須岳と言われて真っ先に脳裏に思い浮かぶであろう、定番の光景です。
那須岳の背後には、日光連山の山並みが遠望できます。左から女峰山(2,483m)、太郎山(2,368m)、日光白根山(2,578m)です。
西側には福島県南部の山並み。見渡す限りの山また山な光景です。
周囲から頭ひとつ飛び出しているこの山は、東北地方最高峰の燧ヶ岳(2,356m)です。特別豪雪地帯にある山だけに、周囲の山とは白さ加減が違っています。
奥只見方面の山並みです。会津駒ケ岳(2,133m)や平ヶ岳(2,141m)などが見えているはずですが、のっぺりしている山が多いため山座同定が非常に難しい。と言うか、さっぱりわかりません。
こちらは奥那須と呼ばれる、栃木県と福島県の境界を形成している山並みです。初夏の花の季節に是非とも歩いていたみたいと思っている一帯なのですが、いかんせん交通アクセスが絶望的に悪いのが悩みどころな一帯です。
北には三本槍岳(1,917m)が緩やかに稜線を引いています。実は那須連峰の最高峰は茶臼岳ではなくこの三本槍岳なのですが、しかし何故かあまり登る人はいない静かな一座です。
4.雪に覆われた那須岳の主峰、茶臼岳
12時15分 絶景を目に焼き付けて大に満足しました。ボチボチ行動を再開しましょう。この後は一度峰の茶屋後まで戻り、そこから返す刀で茶臼岳へ登ります。
上から見下ろすと、ただの稜線上の小さなコブかなにかにしか見えない剣ヶ峰。しかし越えるとなると、なかなか厄介な障害物です。
ザレ場の急坂を下ります。以前無雪期に訪れた時は、砂礫の地面がズルズルと滑って肝を冷やした記憶がありますが、ここはむしろ雪があった方が歩きやすい。
再び恐怖のトラバース地帯を突破します。途中ですれ違うのは不可能なので、人の切れ目が出来るのを待ってから突入します。
自分の事は100パーセント棚上げにして言いますが、通過中は写真など撮っている場合ではありません。余計なことはせずに、足元だけに集中してください。
トラバース地帯を抜けた後も、緊張を要する道がしばしの間続きます。集中していきましょう。
横から見た剣ヶ峰は、上から見たの時とはだいぶ印象が変わります。いかにも火山らしい、荒々しき光景です。
剣ヶ峰へ登り返します。この進路をふさいでいるネコミミのような岩は、左側から回り込みます。
往路では気が付きませんでしたが、剣ヶ峰の山頂に小さなお地蔵さんがいました。誰かがお参りするために掘り起こしたのだろうか。
剣ヶ峰からの下りは、急と言えば急ですが特段難しくはありません。剣ヶ峰止まりで朝日岳までは行かないのなら、ピッケルは必要ないと思います。
12時55分 峰の茶屋跡まで戻って来ました。もう既に時刻は正午を回ってしまっておりますが、今から茶臼岳をサクッと往復します。
茶臼岳については、道中には特に危険な場所もなく万人向けと言える山です。ただし、強風に晒される事だけは避けれないので、防寒については万全を期してください。
直登はせずに、東側からぐるりと回り込むようにして登ります。ルートは無雪期と変わりません。
最後の最後に少しだけ急な登りがあります。雪の状態によっても変わってくるのでしょうけれど、前爪の無い軽アイゼンでも特に問題なく登れそうな斜度です。
割とあっけなく山頂部のお釜口へと登って来ました。茶臼岳の山頂はかなり広々とした空間で、中心にある火口を取り囲むようにお鉢になっています。
最高地点へ向かって、このお鉢をぐるりと回り込みます。一応はお鉢巡りと言うことになるのかな。
眼下には広大なる関東平野が広がります。晴れて空気が澄んでいる日だと、平野の彼方に富士山まで見えますが、本日はもやーっと霞んでしまっております。
陽当たり良好な山頂付近には既に雪がなく、岩が露出していました。アイゼンを履いていると、歩きにくくてしょうがありません。
13時40分 茶臼岳に登頂しました。峰の茶屋跡からは1時間とかかりませんでした。とてもお手軽な山です。
ここは紅葉シーズン中にもなると、ロープウェイで登って来たスニーカー履きの観光客でごった返す場所なのですが、流石に冬には登山者以外の姿はありません。
茶臼岳の山頂に立つ那須岳神社です。時間が時間だけに周囲には人影もなく、山頂を独占できました。朝日岳を先にしたのは、我ながら冴えた判断であったようです。
朝日岳と同様に、茶臼岳からもほぼ全方位の展望が開けています。見える光景については、朝日岳からのものとほとんど違いはありません。
少し雲が出て来てしまいましたね。快晴タイムはそろそろお終いなのかな。
山頂から見下ろした火口です。周囲をグルとお鉢巡りできるように登山道が整備されています。
5.那須岳登山 下山編 温泉にむかって、元来た道を足早に駆け下る
さあ、帰りましょう。せっかくなので、帰路で一応はお鉢巡りをしつつ下ります。
茶臼岳から見た朝日岳です。火山によって作り出された荒々しき光景です。つまり、とてもカッコいい。
火口をグルっと一回りして、お釜口まで戻って来ました。1周しても、せいぜい15分程度の大きさです。
眼下の彼方に那須塩原駅が見えます。駅前から那須岳の姿が良く見えていたのですから、当然逆もまたしかりな訳です。
スタート地点の大丸園地も、足元のすぐ下に見えています。こうして見ると、那須岳と言うのはとてもコンパクトにまとまった山域なんだなあとしみじみ思います。この圧倒的な手軽さこそが人気の理由なのでしょうね。
14時30分 本日三度目となる峰の茶屋跡へ戻って来ました。流石にもう周囲には人影もなく、閑散としていました。
後はもう温泉に向かってウイニングランを決めるだけです。大股でザックっザクと快調に山を下ります。
峠からは30分とかからずに、鳥居まで戻って来ました。雪山の下山と言うのは実に楽なものです。
だいぶ日が傾いてきました。アイゼンと言う足かせを外し身軽になったところで、下山を続行します。
ここまで下ってくると、すでに雪は腐っており足音はグズグズの状態でした。季節は確実に春へと向かいつつあるのを実感しました。
15時25分 その後もサクサクと快調に下って、スタート地点の大丸園地へと戻って来ました。さあ、温泉だ温泉。
大丸温泉コースの素晴らしい所は、下山地点に日帰り入浴可能な温泉があると言う事です。と言う事で那須大丸ガーデンの風呂に直行します。時間が遅めであったためか、浴場は混雑もしておらず快適空間でした。
那須温泉は私の大好きな白濁した硫黄泉です。全身が硫黄臭くなって大いに満足しました。
16時発の那須塩原駅行き最終便のバスに乗車します。バス停は温泉の目の前であるため、ギリギリまでゆっくりと過ごせます。
東北新幹線界における鈍行列車である「なすの」に乗り込み、帰宅の途につきました。
かくして冬の那須岳訪問は、大満足の内に幕を下ろしました。冬の那須岳は例え晴れていても暴風に見舞われることの多い山域なのですが、この日は終日に渡って風も比較的穏やかで、最上と言って良いコンデションであったと思います。
本文中でも述べた通り、茶臼岳のみであれば特に危険な箇所もなく、雪山初心者向けな山であると思います。無理して朝日岳まで足を延ばさずとも、十分すぎるくらいに素晴らしい光景に出会えます。
冬の那須岳はなかなか天気が気難しい山域であり、スカッと快晴になる日はそう多くはありません。冬に訪問を考えている人は、数少ないチャンスを見逃してしまうことが無いように、天気予報をこまめ確認して待ち構えましょう。晴天を射止めることにさえ成功すれば、さほどの苦労もなく最高の景色に出会うことができます。
<コースタイム>
大丸園地(9:20)-那須ロープウェイ山麓駅(9:45)-峰の茶屋跡(10:50)-剣ヶ峰(11:05)-朝日岳(11:55~12:15)-峰の茶屋跡(12:55)-茶臼岳(13:40~14:00)-峰の茶屋跡(14:30)-那須ロープウェイ山麓駅(15:10)-大丸園地(15:25)
完
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
オオツキ様
那須岳には登山を始めた数年前に登りましたが、当初は三本槍岳まで縦走するつもりでしたが時間の都合上、茶臼岳の先で断念しました。
ブログで見ると緊張感が伝わりませんでしたが、あのルートを12本歯のアイゼンで登れるのはスゴイと思います。
しかし、那須戦争博物館とかラバウル海軍航空隊とか、変わったところに興味を持つんですね!
もうもうさま
コメントをありがとうございます。
あのトラバース地帯は、かなりビビりながら通過しました。安心安全に行きたかったら、茶臼岳のみにしておいた方が無難だと思います。
オオツキさん、こんばんは!
火山というだけで茶臼岳が小さな浅間山に見えてしまいました。
雪がなくてもすばらしい景色だと思いますが、雪が加わるとよりずっと眺めていられる絶景ですね!
こんな景色を見たいなら雪山を歩けるようにならないといけませんねー来年の目標かな。
オオツキさんの雪山デビューはどこの山だったんですか?
MMさま
コメントをありがとございます。
始めてアイゼンを履いて登った山は、たしか奥多摩の三頭山だったと思います。東京の平野部にも雪が積もった翌日に「ヒャッハー、雪だッ」と喜び勇んで出かけたような。
・・・今でもやっていることは当時とまったく変わっていないですね。