千葉県南房総市と鴨川市にまたがる烏場山(からすばやま)に登りました。
房総半島南部の外房の海を一望する場所にある、標高267メートルほどの低山です。かつてはこの山域を越えて海沿いと山間部にある集落を結ぶ街道が通っており、近隣の村へと嫁ぐ花嫁行列も通っていたことから花嫁街道と呼ばれています。現在でも街道跡を辿ることが可能で、人気のハイキングコースとなっています。
スイセンや菜の花が咲き始め、春の気配が漂い始めた房総半島南部を巡って来ました。
2025年1月31日に旅す。
烏場山は房総半島の最南端にもほど近い外房に面している山です。遠目には山とも言えない丘陵の切れ端のような姿をしていますが、山頂は展望が開けており、房総の山の中では比較的人気の高い一座です。
この烏場山に至るハイキングコースは、通称花嫁街道と呼ばれています。かつて近隣の村へと嫁いで行く花嫁たちが歩いたという伝承にちなんで命名されたものです。
烏場山は眺めの良い山ではあるのですが、それよりもこの花嫁街道と言う名称に興味をもって訪れる人の割合の方が、ずっと多いのではないでしょうか。
スイセンや菜の花が咲き誇り、早咲きの桜もチラホラと開花し始める1月下旬から2月上旬にかけての時期は、房総半島訪問のベストシーズンです。遠路はるばる、花咲く外房の山を訪れて来た記録です。
コース
JR内房線の和田浦駅からスタートして、花嫁街道を歩き烏場山に登頂します。下山は道中にある黒滝や抱湖園などに立ち寄りつつ和田浦駅に戻ります。
駅を起点とした周回コースです。
1.烏場山登山 アプローチ編 踏切事故による計画変更から始まった、房総半島南部への旅路
6時34分 都営新宿線 馬喰横山駅
京王線沿線にお住いの私が電車で千葉県を訪れる場合、基本的には新宿で黄色い電車に乗り換えれば良い訳なのですが、どうやら総武快速線と言うのに乗ると多少は早いらしいので、本日はそちらから参ろうかと思います。
なにぶん私の日常生活の動線にはかすりもしないエリアなので、総武快速線の路線がどこでどう繋がっているのかは全く知りません。Yahoo路線検索に言われた通りに乗り換えます。
総武快速線は地下鉄ではありませんが、東京駅から馬喰町駅までの区間は地下駅となっています。なんでもこの馬喰町駅は開業当時、国鉄で最も低い位置にある駅だったのだとか。
実はこの日私は、烏場山ではなく房総半島中部にある高宕山に訪問する予定でした。
房総半島の南端の辺りにまで行くつもりがあるのなら、東京湾フェリーなり新宿さざなみなりを利用するところでしたが、そこまで行く計画では無かったがための普通列車での旅路です。
終点の千葉駅で、続いて7時27分発の君津駅行きの内房線に乗り換えます。これで8時8分に木更津駅に到着し、そこから8時20分発の亀田病院行きバスに乗車する予定でした。
しかし千葉駅を発車して程なく、踏切事故により電車が完全に止まってしまいました。もともと木更津駅でバスへの乗り換え時間は12分しかなかったのですが、無情にも運転が再開されたのは15分後の事でした。
8時20分発のバスを乗り逃してしまうと、次のバスはもう11時までありません。入念に計画していた乗り継ぎは、これで全てご破算となりました。なんてこったい。
8時30分 今日の登山はこれでもう終了かと茫然自失している間に、電車は終点の君津駅に到着してしまいました。さあて、これからどうしてくれましょうか。
ここでふと、登りたい山リストの中に確か房総の山がもう一つあったことを思い出しました。と言うことで、これより急遽プランBを発動します。烏場山に進路を取れ。
スマートフォンをテクニカルに操作してアプローチを確認します。ふむ、内房線の和田浦駅まで行けばよいらしい。
ああちなみに、私はもうすっかりと脳みそが硬直してしまったオッサンなので、フリック入力がまったく出来ません。スマートフォンを操作する時は、人差し指1本でポチポチです。
君津から上総湊駅まで出て、そこから安房鴨川行きに乗り換えます。ここから先の内房線は、運行本数が非常に少なくなります。
漠然と内房線と外房線の境界は館山駅なのだろうと思っていたのですが、実は安房鴨川駅が境界扱いになっていることを初めて知りました。鴨川は完全に外房側なのにね。
車窓に内房の海が見えて来ました。この光景を見ると、房総に来たなあと言う気分が盛り上がって来ます。
東京湾越しに富士山が見えています。今日本来登る予定だった高宕山は富士展望が良い山らしいのですが、烏場山は外房側にある山なので恐らくは見えないでしょう。富士展望は今のうちに楽しんでおきましょう。
10時7分 和田浦駅に到着しました。海水浴シーズン中はそれなりに賑わう駅であるようですが、今の時期はひと気もなくひっそりとしています。なお、当然無人駅です。
駅舎に花嫁街道のコースマップが配布されてていたので、ありがたく貰っていきます。何しろ急遽予定変更したので、烏場山周辺の地図は当然ながら用意はしていなかったものですから。地図非携帯の山ナメ登山、ダメ絶対。
2.花咲く街中を抜けて、花嫁街道入口を目指す
ヤシの木がそびえる駅前の光景が、いかにも南国の情緒を醸し出していて素敵です。トイレと身支度を済ませて、10時10分に行動を開始します。
登山口までは暫しの舗装道路歩きです。小道が複雑に入り組んだ集落の中を歩くので、道順は少々わかりにくいです。要所ごとに花嫁街道の案内の道標があるので、その導きに従って進みます。
この道すがらに、何やら癖の強そうな店がありました。うな陣と言う名前のうなぎ料理店であるようです。この謎オブジェが置かれているのは駐車場の入り口で、店舗自体は道の向かいにあります。これはハニワ?なのだろうか。
うな陣を通り過ぎてすぐに左折します。ここにもしっかりと道標の案内はありました。この道標は地元の行政ではなく和田浦歩こう会による設置物のようですが、花嫁街道の売り出しにかなり真剣に取り組んでいることが伺えます。
再び内房線の踏切を渡します。先ほどから線路の両側を行ったり来たりしていますが、それだけ道が不規則でグネグネだと言うことです。
道の畦にはスイセンが咲き誇っており、辺りに独特の甘い香りが漂っています。今の時期の房総半島は、やはりこうでなくてはいけません。
河津桜はまだ咲きはじめです。あわよくばスイセンと河津桜の両方が見れるのではないかと期待してたのですが、桜にはまだ少し早かったようです。
前方に山とも言えない様な丘陵地が見えて来ました。なるほど、これからあそこを越えていくのでしょう。
山中に入っていくと、道の両脇をサザンカに囲われたフラワーロードになりました。花に囲まれた花嫁街道と言う趣向なのでしょうけれど、こちらは時期的にもう終わりかけで大部分は落花していました。
分岐が現れました。花嫁街道へ進むなら左で、反対の右側の道は花婿コースと呼ばれているようです。今回は花嫁街道から登って花婿コースから下りて来る周回ルートを取ります。
10時45分 花嫁街道入口まで歩いて来ました。この道は、かつて沿岸部と山間部にある集落間を結んでいた、古い街道のルートを概ね踏襲しています。
主に海産物と農産物を交換するための交易路であったようようですが、近隣の村に嫁ぐ花嫁たちもここを歩いたと言う伝承にもとづき、花嫁街道と命名されました。
南房総市は温暖な気候を利用した花の生産地としても名高い場所なので、そこから花にかけた名称にしたと言う意味合いも当然ながらあるのでしょう。
3.数多の見晴台を横目に歩む、烏場山への道程
登り始めは、トンネル状になっている笹竹の中を歩む道です。わりと低山にはありがちな光景です。刈払いがされていなかったら、分け入ることさえも困難な藪山なんでしょうね。
南房総市は令和元年台風19号の被害がことさら大きかった地域です。倒木の痕跡がそこかしこに残っており、迂回路に切り替えられている個所もあります。
まるで密林を思わせるような緑が濃い森です。普段見慣れている関東甲信地方の里山とは、明らかに植生が異なっています。房総半島南部は黒潮の暖流の影響により気候は温暖かつ多雨で、どこか南国の様相です。
歩き始めて20分少々で、第一展望台と銘打たれた場所まで登って来ました。
かつては展望があったのかもしれませんが、今では鬱蒼とした樹林に囲まれていて展望は全くありません。と言うか、周りの木々はかなり大きく育っていますが、本当に展望の良かった時代はあったのでしょうか。
古くから歩かれてきた街道由来の山道らしく、大きくU字に窪んでいます。長年にわたって踏まれ続けてきた尾根と言うのは、ここまで抉れてしまうものなんですね。
登山口からずっと鬱蒼とした森の光景が続いていましたが、ようやく少し視界の開けた場所が現れました。
第二展望台とありました。先ほどの第一展望台とは異なり、こちらにはしっかりと展望があります。
外房の海が良く見えています。内房とは違いこの先にはもう太平洋しかないので、水平線まで見渡す範囲の全てが海です。
第二展望台からさらに進んでい行くと、ようやく目指す烏場山の名前が書かれた道標がありました。
道標が指し示している先にはどう見ても道がなく、一体どういうことなのだろうと少々混乱しましたが、どうやら谷向に見えているあの山が烏場山だよと教えてくれていただけのようです。紛らわしいですな。
割とすぐ近くのように見えますが、尾根沿いに左側から大きく回り込んで行く必要があるため、まだひと道あります。
ここから先は、ほぼ水平移動であまり変わり映えのしない光景がダラダラと続きます。読者の皆様を退屈させるのも忍びないので、要所だけをダイジェスト気味にお送りいたします。
こちらは経文石と呼ばれている岩です。梵字で経文が刻まれていたらしいのですが、現在はもう擦れてしまっていて読み取ることは出来ません。古くから人の往来がある道であったことを示す痕跡の一つです。
ちいさな涸れ沢に木橋が架かってますが、すでに朽ちていて迂回するように案内がされていました。
じがい水と書かれた標識が立っていますが、みたところ水場らしきものは見当たりません。先ほどの涸れ沢のことを言っているのでしょうかね。
物々しい響きがする名称ですが、漢字で書くと自害水ではなく自我井水であるらしい。
続いて今度は駒返しと書かれた標識が立っていました。これは全国各地の山々で多く目にする地名で、ここまでは馬が入れたことを示しています。
駒返しという名前が付いた場所を過ぎると、大抵は登山道の傾斜が一気に増してくるものなのですが、花嫁街道の様子は特に変わることもなく淡々としています。これなら別に返さなくても馬が歩けるのではなかろうか。
ここで再び展望が大きく開けていそうな場所が現れました。また展望台があるのでしょうか。
トイレまで整備されています。男女兼用であることを示しているのでしょうが、他では目にしたことが無いマークです。
12時10分 見晴台まで登って来ました。標識にカヤ場との記載があるので、かつは茅場として使われいた場所だったのでしょう。茅場と言うのは読んで字のごとく、茅葺き屋根に使うための茅を育てるための場所です。
ここからも海が良く見えますが、山奥まで進んできたこともあって距離はだいぶ遠くなりました。
かなり広々としていてベンチもあるので、ここで昼食休憩を取っても良いのですが、山頂まではもうあと一息なのでこのまま行動を続行します。
見晴らし台を過ぎてすぐに、今度こそ山頂らしき場所が現れました。
と思ったら、今度は第三展望台でした。このハイキングコースには、一体いくつ展望台があるのでしょうか。もったい付けてくれますな。
ここから見える山の方角とシルエットが描かれた標識が立っています。これはとてもわかりやすくて良いですね。他の山でも見習ってほしいくらいです。
千葉県最高峰の愛宕山(408m)がちょうど正面に見えています。山頂に航空自衛隊のレーダ基地があるため、無許可での立ち入りは禁止されています。
2週間前に申請すると、三角点のある山頂へは入れるらしいです。ただし、写真撮影などは色々と制限されます。
房総のマッターホルンこと伊予ヶ岳(336m)の背後に、富士山の頭が僅かに覗いていました。見えるとは思っていなかったので、意外な感じがしました。
次に現れるピークこそが、展望台ではなく烏場山の山頂であるはずです。もうこれ以上展望台は結構ですと言うことで、山頂へ足早に向かいます。
山頂が見えました。・・・まさか第四展望台だなんて言わないよね。
12時35分 烏場山に登頂しました。標高300メートルにも満たない低山ながら、新日本百名山なるタイトルを保持しています。
この新日本百名山と言うのは、登山家の岩崎元郎氏という方が、中高年でも登り易い山と言う観点で選定したものなのだとか。・・・その割にはリストに普通に剱岳とか入っていますけれど、中高年にも登りやすい山ですかね?
花嫁さんと言うことなのか、変わったデザインの地蔵が置かれていました。おふくさんと言う名前で、縁結びのご利益があるそうです。
展望は北側が大きく開けています。見える光景に関しては、先補ほどの第三展望台からの眺めとほとんど変わりはありません。ここでもやはり、愛宕山の姿が目を引きます。
事前申請などの手続きがいろいろ面倒そうではありますが、房総の山を愛する者として、やはりは一度くらいは愛宕山に登っておくべきなのだろうか。
反対側には、少しだけですがオーシャンビューもあります。総じて、眺めの良い山であると評して良さそうです。
4.花嫁街道の谷向かいにある花婿コースを下る
下山を開始します。もと来た花嫁街道には戻らずに、今度は花婿コースと呼ばれているルートから下ります。この道を花婿が歩いたという歴史的事実などは特に無く、単に花嫁街道と対になっている道だから付いたのであろう名称です。
下山を開始して程なく、旧烏場展望台と銘打たれた場所がありました。山頂が新烏場展望台と言うことなのでしょうかね。何が旧なのかはよくわかりません。
ここからも烏場山の姿が良く見えます。当初はこのカットが記事の冒頭を飾る予定でしたが、あまりにも地味すぎたのでボツにして山頂の写真と差し替えました。一応は供養のために、ここに載せておきます。
街道由来の花嫁街道とは違い、花婿コースの方は普通の登山道です。特に難所と言えるような個所はなく、至って歩きやすい道です。
またもや前方に視界が開けそうな予感です。密林のような森の濃さでありながらも、なんだかんだで結構展望の開けている場所の多い山です。
行く先にも同じような標高の低山がひしめいています。左手に見えているピークは大塚山と言う名称であるようですが、あそこまでは登り返さずに右へ降りて行きます。
ここも見晴台でした。もはや数えてもいませんが、一体何個目の展望台でしょうか。ここまで来ると展望台街道ですね。
下山を続けましょう。花嫁街道も花婿コースも、どちらも最初から最後までずっと尾根筋です。
下り一辺倒ではなく、小刻みにアップダウンがあります。傾斜は緩やかでまったくキツくはありませんが、代り映えのしない光景に少々ダレて来ましたぞ。
ただの尾根上のコブのような場所ですが、金毘羅山と言う名前がついていました。名前からして、古くから信仰の謂れがある山なのでしょう。
小さなお社がありますが、これが金毘羅様でしょうか。浄財箱が置かれていますが、回収しに来るだけでも面倒だろうに。
5.通行止め中の黒滝を見物する
この花婿コースの道中に、黒滝があります。落差13mほどの滝で、花嫁街道を歩く際のイチオシのスポットだったのですが、現在は通行止めとなっています。
以前はここから滝がある谷底へ下っていける階段があったようですが、老朽化に伴い撤去されており、現在はコンクリートの土台だけが残っている状態です。
黒滝のある場所のちょうど真上に架かっている橋を渡ります。思った以上に険しい地形で、徒手空拳で何とかなりそうな落差ではありません。下流側から回り込めることに一縷の望みをかけて、一旦は道なりに下ります。
道なりに下って行くと、すぐにはなその広場と呼ばれている場所に出ました。花婿コースの登山口となっている場所です。
ここから先ほどの黒滝まで入って行ける遊歩道がありますが、こちらも現在は通行止め中です。
途中の橋が流出していると言うことですが、水量の少ない今の季節なら渡渉可能なのでは無いかと思い、見に行ってみることにしました。無理そうであれば引き返します。
通行止め個所から谷底に下りて行くと、三浦半島の前田川遊歩道を思い出すような、川沿いの歩道が整備されていました。雰囲気や良しです。
すぐに橋の崩落地点が現れましたが、思った通り何の問題もなく渡渉ができそうです。恐らくはここも、令和元年の台風19号にやられたのでしょうね。
と言うことでこちらが黒滝でございます。周囲を岩壁に囲まれた空間の中に、一筋の滝が流れ落ちています。
画になる滝だとは思いますが、水量自体が少ないためかイマイチ迫力には欠けます。雨の多い時期だとまた少し違った印象になるのかもしれません。
先ほど上から見下ろしたコンクリートの土台です。以前はここが花婿コースの登山口だったわけなのですが、もう復旧する意思はないのでしょうか。この土台はまだしっかりしており、流用できそうなものなんですけれどね。
この先はもう行止まりなので、元来た道を引き返します。ちなみに春以降の季節になると、黒滝の周辺にはそれはもうたくさんのヤマビルが出没するそうです。確かに、いかにも奴らが好みそうな環境ではあります。
はなその広場まで戻って来ました。このまま道なりに進めば、往路に通った花嫁街道の入口に戻ることが出来ます。
ここからそう遠くない場所に、抱湖園と言う桜の名所があります。せっかく近くまで来ているのですから、元来た道に戻るのではなく寄り道をしていきましょう。
6.桜の名所の抱湖園に寄り道する
はなその広場から抱湖園に向かうには、大した距離ではありませんが山越えをする必要があります。こちらの何故か大量のカラーコーンが並べられた木橋を渡り、川向かいの山に取り付きます。
この道も雰囲気からしてただの登山道ではなく、古道由来の道であるように思えます。海沿いの地域と行き来するための生活道路が、尾根上に張めぐらされていたのでしょう。
途中はだいぶ端折りましたが、海の見える高台まで登って来ました。
今日はどうやら海上に吹く風が相当強いらしく、海岸を洗う波の音がここまで聞こえてきます。
海に向かって下って行くと、その途中に抱湖園がありました。小さな池を抱くかのように造成された庭園です。
桜の名所であると聞いていたので期待していたのですが、時期的に早すぎたらしくまだ蕾の状態でした。満開の時期には、湖面に花が映るリフレクションがたいへん素晴らしいのだとか。
最後はコンクリートの階段を下って、市街地まで戻って来ました。
池の周囲の桜はまだ咲いてはいませんでしたが、抱湖園の入り口周辺にある桜並木は、もう咲き始めていました。と言ってもまだ、2~3部咲と言ったところでしょうか。
元朝桜と言う種類の桜です。河津桜と同様の早咲き種ですが、河津桜よりはややピンクの色合いは薄く白よりの色をしています。
期待していた光景とは若干異なりましたが、それでもこうして桜を見ることも出来ました。これでもう、思い残すことは何もありません。
7.海岸線に立ち寄りつつ和田浦駅に戻る
和田浦駅からは結構離れている場所に下りて来てしまっているため、駅へ戻るにはまだひと道あります。線路沿いの道を歩いて行くのが一番早いのでしょうけれど、ここまで来ておきながら海を見て行かない訳にはまいりません。
と言うことで海岸線までやって来ました。和田浦海水浴場は、日本快水浴場100選なるものにも選ばれている人気の砂浜なのだとか。確かに海はとても綺麗そうです。
ここでいつものお約束のセリフである「ヒャッハー、うみだー」を叫んでおく。これを言いたいがためだけに、わざわざ海岸まで歩いてきたまであります。
右手の奥に見ているのが、房総半島の最南端辺りでしょうか。一度自転車を持ち込んで走ってみたいと思いつつ、未だに叶ってはいません。輪行袋を抱えた状態で都心部を横断してくるのは、何気にしんどいのですよ。
さあ今度こそ帰りましょう。道路脇に咲いている菜の花を愛でつつ、駅までトボトボと歩いて戻ります。
鯨の尾ひれのモニュメントで有名な花の広場公園にも一応立ち寄っていきます。最短ルートで駅に戻ろうとするとここは通らないので、寄っていきたければ少し余計に大回りする必要があります。
16時 和田浦駅に戻って来ました。結構な距離を歩いたようでいて、行動時間およそ6時間程度の行程でした。
帰りは何となく気分で、わざわざ内房線ではなく外房線経由で帰宅の途に付きました。
踏切事故から始まった予定外の山旅でしたが、何とかトラブルも無しに無事に想定していたコースを巡ることができました。いや、そもそもこの山に登ったことそのものがトラブルであると言えばその通りではありますが。
房総半島にある山で全国区の知名度持つ山は、そもそもそ数えるほどしか存在しませんが、その中でも花嫁街道は比較的知名度が高いほうであろうかと思います。ルートはよく整備されており、道中には見所も多く優等生的なハイキングコースです。
東京からだと少々遠いのが難点ですが、たまには気分を変えて南国の情緒があふれる山を巡って見ては如何でしょうか。
<コースタイム>
和田浦駅(10:10)-花嫁街道入口(10:45)-第二展望台(11:20)-駒返し(11:55)-見晴台(カヤ場)(12:10)-第三展望台(12:25)-烏場山(12:35~12:50)-旧烏場展望台(13:05)-はなその広場(14:10)-黒滝(14:20)-抱湖園(15:05)-和田浦駅(16:00)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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