金峰山 車道峠最高地点の大弛峠から登る奥秩父山塊の主峰

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山梨県甲府市と長野県川上村にまたがる金峰山(きんぷさん、きんぽうさん)に登りました。
奥秩父山塊の主脈上に位置し、同山塊を代表する山です。標高2,599メートルを誇る堂々たる高峰ではありますが、日本国内の車道峠最高地点である大弛峠(おおたるみとうげ)からスタートすれば、比較的余裕をもって日帰り登山することも可能です。
稜線からの景色に期待して訪れた展望雄大なる山でしたが・・・峠に降り立った私を出迎えたのは、濃厚なガスと強風でした。

2018年9月9日に旅す。

今回の行き先は奥秩父山塊の盟主、金峰山です。展望雄大にして、山頂に五丈岩なる巨大かつシンボリックな岩を擁するこの山は、奥秩父エリアでも一番人気の山です。
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このルートを公共交通機関を利用して日帰りで歩くのは、コースタイム的に見てかなりシビアです。そのため前回の訪問時には、富士見平小屋でテントを張り、一泊二日の行程で歩きました。

ではこのへ山の日帰り登山は困難なのかと言うと、決してそんなことはありません。金峰山山頂の東に位置する大弛峠まで車で乗り入れれば、登山口から往復時間が五時間未満の、とてもお手軽な登山となります。
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6月から11月までの期間に限り、中央本線の塩山駅から大弛峠を結ぶ乗り合いバスが運行されています。私のような車も買えない貧乏人環境意識高い系ハイカーであっても、公共交通機関だけでアクセスが可能です。

そんな訳で、早々にバスを予約し、意気揚々と大弛峠に乗り込んだわけでありますが
・・・・・・・
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*ガスのなかにいる*

コース
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大弛峠よりスタートし、尾根伝いに金峰山へ登頂。下山は公共交通機関利用の強みを生かして反対方向へつき進み、瑞牆山荘まで歩きます。金峰山を東西に横断するコースです。

1.金峰山登山 アプローチ編 乗合バスで国内車道峠最高地点の大弛峠へ

6時10分 JR高尾駅
ここから6時14分発の松本行き鈍行列車に乗り込み、塩山駅へと向かいます。
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「甲府までは鈍行圏内」と言う、特に何の根拠もなしに決めた自分内ルールを厳格に適用し、特急あずさは利用しません。たとえ乗りたくても、そもそも早朝の時間帯にはまだ走ってはおりませんがね。

7時22分 塩山駅に到着しました。
1時間以上もかかるんだったら、べつに特急に乗ってもいいじゃないという気もしなくはありませんが、私は生来ドケチ倹約家なのです。
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ここから栄和交通が運行する、大弛峠行の乗り合いバスに乗車します。このバスは予約制です。事前予約なしで当日にフラッと訪れても、乗せてはもらえませんのでご注意ください。
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乗車場所はロータリーのある南口ではなく北口です。

バスは両側にブドウ畑の広がる坂道を、颯爽と駆け上がって行きます。収穫が近いのか、どの木にも大粒のブドウがたわわ実っていました。
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進行方向にある山の上に、文字通り暗雲が垂れ込めているのがとても気になります。なんと言うか、始まる前からすでに敗北が確定しているような予感しかしません。。

柳平と呼ばれる場所で一度バスから降ろされて、この先は乗り合いタクシーに乗り換えです。運賃は塩山から柳平までが1,000円で、柳平から大弛峠までが800円となります。どちらも都度回収の先払い方式です。
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8時50分 大弛峠に到着しました。
塩山駅からの所要時間は1時間20分ほどです。グネグネの山道をかっ飛ばすので、乗り物酔い体質の人には試練かもしれません。
180909金峰山_008降り立つなり、ガス&強風にさらされました。これはやってしまったか。

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バス停というかタクシー乗り場がありますが、帰りの便も別途予約が必要です。私は瑞牆山荘まで抜けるつもりでいるので、ここへは戻って来ません。
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大弛峠は山梨県と長野県の境界となっております。長野側の道は未舗装です。最低地上高の高い車でないと通行は困難であるとのこと。
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峠にはトイレの他に水場もあります。前日が雨だったということもあってか、勢いよく噴き出しておりました。
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鳥観図が置かれていました。かなりの力作です。
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聞いた話では、この鳥観図は絵心のある山梨市職員が描いたものなのだとか。確か西沢渓谷のネトリ広場でも、同じ作者が描いたと思われる作品を見た記憶があります。

大弛峠に立つ大弛小屋。森の中にひっそりとあります。なんとなく覗いてみたと言うだけで、金峰山へ向かうなら逆方向です。
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スタート前からテンションダダ下がり状態ではありますが、帰りのタクシーに座席を確保していない身の上である以上は、このまま前へ進むしかありません。
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身支度を整えて、9時10分に登山を開始します。

2.金峰山登山 登頂編 苔生す原生林を抜けて、ガスと暴風に覆われた頂へ

如何にも奥秩父らしい、針葉樹の原生林の中を進みます。先週の台風21号の影響か、倒木が多くみられました。
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モフモフなコケの絨毯にしばし癒されます。樹林帯&ガスの相乗効果により、言っちゃあなんですが、コケくらいしか見るべきものがありません
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生憎な天気であるにもかかわらず、驚くほど多くの登山者を見かけました。流石は人気の百名山です。
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登山道は緩やかなアップダウンを繰り返しつつ続いています。急勾配な場所は存在せず、歩きやすい道と言えるでしょう。
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楽な道であるにも関わらず、どうも先ほどから目の奥あたりにズッシリと重い鈍痛を感じます。この感覚は、もしかしなくても高山病の予兆です。

大弛峠の標高は2,360メートルあります。何気に富士山五合目よりも高い場所です。そこからロクに準備体操もせずにズカズカと歩き始めたわけですから、高山病になったとしても何ら不思議はありません。

と言うことで、少しペースを落とし、ゆっくり大きく深呼吸しながら歩きます。それでも収まらないようであれば、あとはロキソニンに頼るしかありません。

見渡す限りの圧倒的なコケの群れです。言っちゃあなんですが、コケくらいしか見るべきものがありません。大事なことなので2度言いました。
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秋の気配が深まりつつありました。ガスのせいなのか、この日はオートフォーカスの仕事がやけにいい加減で、どこにピントが合っているのかよくわからない写真を大量生産してしまいました。
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紅葉シーズンの最盛期になると、大弛峠行の乗り合いバスには人が殺到して、なかなか予約が取れなくなります。今くらいの夏の終わり季節は、穴場の時期と言えます。

周囲の木の背丈が低くなってきました、森林限界が近い。
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視界の開けたガレ場に出ました。まあ、真っ白で何も見えはしませんが。
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本来であれば、ここからは正面にばばーんと富士山が見えるはずの場所なんですけれどね。
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・・・どうも最近は歳のせいか、人にものを説明する時に「ばばーん」だの「じゃじゃーん」だのと、擬音に頼ることが多くなってきたように感じます。言語力が衰えてきているのか。

標識を見落としてしまいましたが、この辺りが朝日岳の山頂であるようです。奥秩父山塊の主脈上にある標高2,559メートルほどのピークです。
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晴れていれば、この場所から真正面に金峰山と五丈岩の姿を目にすることができます。晴れていればね。大事なことなので2度言いました。
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朝日岳からは一度大きく標高を落とします。
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大弛峠と金峰山の山頂は、標高差は200メートルちょっとしかありませんが、累計のアップダウンで言うと、その倍くらいはあると思った方が良いです。

倍であっても、たかが400メートルなんですけれどね。大弛峠スタートであれば、金峰山は高尾山レベルの山だと言うことです。

下った後は、当然ながら登り返し。
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再び森林限界を超えそうな予感です。奥秩父の主脈と言うのは、森林限界を超えそうで超えない微妙な高さで連なっています。
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稜線に出ました。本来であれば、ここで瑞牆山がじゃじゃーんと姿を現すはずなのですけれどね。
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見えないものは仕方がないので、ともかく山頂を目指します。側面を守ってくれていた樹林がなくなったことにより、よろけそうな強さの暴風にさらされます。
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大きな石が散乱する歩きにくい道です。強風も重なって、歩行に困難をきたすレベルでした。
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そうそう、確かに金峰山の山頂というのはこんな感じでした。前回の訪問時に岩場で盛大にコケて、肘を大きく擦りむいて大量出血したことを思いだしました。

岩の群れの中四苦八苦しながら歩くうちに、不意に山頂が現れました。
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11時15分 金峰山に登頂しました。
標高2,500メートル超えの高峰であることを考えれば、驚くほどあっけない登頂です。それは単に、標高差の大半をバスに運んでもらったらにすぎませんが。
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山頂の様子
あまり広くはありません。隙間に落下しかねないような、大きな岩がゴロゴロと散乱しています。
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3.金峰山のシンボル、五丈岩に登ってみる【あっけなく敗退】

さて、五丈岩さんは何処にいらっしゃるのでしょうか。あれだけデカいものが視界に入らないだなんて、視界不良も甚だしいですな。
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おお、いたいた。良かった。あいも変わらず濃厚なガスにくるまれてはいるものの、何となく空が明るくなってきました。これはひょっとして晴れてくれるかもしれません。試しに念じてみましょう。
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ささやき、えいしょう、いのり、ねんじろ!

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・・・・・・
駄目なようですね。

ケチなはいきょうしゃめ!でてゆけ!

ということであらためまして、こちらが金峰山のシンボル五丈岩です。
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この岩自体がご神体として、古くから信仰の対象となってきました。あまりにも特異で目立つため、人工物説やら果てはオーパーツ説(?)なんてものまであるのだとか。

この後の下山時に歩こうとしている瑞牆山荘からのルートは、かつての金峰山信仰の参道ルートだったコースです。

ちなみにこの岩、登ろうと思えば登れるのだそうです。まあ、今日は濡れてるし風は強いしで、てっぺんまで行ける気がしませんが、とりあえず行けるところまで登ってみることにしましょう。
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遠くから見る分には意外と簡単そうに見えましたが、真下から見上げると思った以上にデカい。
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これは・・・無理ですね。度胸云々の問題ではなく、技術的に明らかに私の手には負えないシロモノです。
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登り初めて早々ですが、実にあっけなくリタイアします。鎖の1本でも垂らしてくれれば私にも登れるのでしょうけれど、ご神体にそんなマネをするわけにもいかんでしょうし。
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登ろうと思えば登れるという趣旨のコメントをよく目にしていたので、もっとしっかりとした足場が存在するものだと勝手に思い込んでおりました。

これは登山ではなく、完全にクライミングの範疇にあるものと考えた方がよさそうです。

断念した地点から山頂を見下ろしたところです。半分も登れてはいませんな。
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4.金峰山登山 下山編 険しい岩の稜線を下り瑞牆山荘へ

12時ちょうどに、山頂を辞去し下山を開始します。ガスと強風は、正午になっても一向に衰える気配がありません。
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五丈岩ともお別れです。横から見ると意外と薄くて、正面から見た時とは大分印象が異なりますな。
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ここは本来であれば、遠くに富士山の姿を望みながら最高の稜線歩きができる場所なんですけれどね。
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ちなみにこのルートは、一般登山道と言いながらもなかなか険しいです。思わず鎖が欲しくなるような場面もチラホラとあります。
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金峰山荘へ向かう道との合流地点まで下って来たところで、少し視界が晴れてきました。どうやら、ガスにくるまれているは山頂付近だけで、下の方は晴れているようです。
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鋸のようなギザギザの稜線が、うっすらと姿を見せ始めました。
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続いて瑞牆山(2,230m)が姿を見せました。どうやら、あちらは晴れているようです。今日は、金峰山ではなく瑞牆山に登りに行くべきであったか。
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ようやくコケ以外のまともな被写体を目にすることができました。ここぞとばかりに、喜び勇んでシャッターを切りまくったことは言うまでもありません。
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この山は本当に何度見ても、雰囲気が日本離れしているというか、異様な姿をしておりますな。

視界が晴れてきたことにより、ここまでのがっかりな光景で沈みこみがちだった気分も上向てきました。やはり、山は晴れた日に登ってナンボだとあらためて思わされた次第です。
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千代の吹上とよばれる断崖絶壁の脇を通過します。
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この名称は、むかしむかし、ここら滑落したお千代さんと言う人が、強風に吹き上げられて、登山道まで無事に舞い戻ったという伝説に由来します。

きっとそのお千代さんなるお嬢さんは、体脂肪率が3%くらいしか無かったのでしょう。

私の体重が浮き上がるには、おそらく新幹線よりも速いくらいの風速が必要になる思われるので、残念ながら私が滑落しても助かる見込みはなさそうです。

まあようするに、ここは強風の通り道なので気を付けましょうと言うことです。

素晴らしい眺望の稜線です。これこそが、金峰山が本来持っているはずのポテンシャルなのです。
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振り向くと、山頂部は相変わらずガスにくるまれたままでした。まあここは素直に、下の方だけでも晴れていてくれたことに感謝しましょう。
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砂払いの頭と呼ばれる小ピークが見て来ました。魅惑の稜線歩きは、ここまででお終いです。
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この先は展望のない樹林帯となります。あとはもう消化試合ですな。大日小屋までは結構な急坂が続くので気合を入れて行きましょう。
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木漏れ日の差し込む原生林の中を下って行きます。下の方は本当に良いお天気であるようですな。何とも腹立たしい限りで。
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大日岩まで下って来ました。五丈岩と並ぶ、金峰山を象徴する大岩です。
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見上げるとこの迫力です。この岩に大という字が入る名前を付け人の気持ちは、大いに共感できます。
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大日岩の下からは、偽八ヶ岳の異名を持つ茅ヶ岳(1,704m)の姿が良く見えました。日本百名山の作者、深田久弥の最後の地としても有名です。
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この山は、韮崎付近から見た時に、非常に立派で堂々とした山容を備えています。そのため「あれが八ヶ岳か」と勘違いしてしまう人が多いのだとか。

大日岩を過ぎて以降も、しばらくの間は急坂が続きます。鎖場もありますが、特に難しい要素はありません。
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14時ちょどに大日小屋の脇を通過します。
富士見平小屋が管理している無人小屋です。だいぶ年季が入っておりオンボロです。正直、あまり泊ってみたいとは思いません。
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大日小屋を過ぎると、傾斜が緩んで歩きやすくなります。ここぞとばかりにスピードアップして行きます。
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快調に飛ばし、大日小屋から30分ほどで富士見平小屋まで一気に下って来ました。
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金峰山と瑞牆山の分岐地点に立つ山小屋で、食堂のメニューがやたら充実しているのが特徴です。先ほどのオンボロ大日小屋に宿泊する場合も、受付はここで行います。
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小屋の前にはキャンプ指定地もあります。2年前に金峰山を訪れた時には、ここにテントを張ってから登りました。
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最終便の1本前の15時20分のバスに間に合いそうな時間だったので、休憩はせずにこのままノンストップで下山を続行します。
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眩い木漏れ日。下の方はいいお天気なんですけれどねえ。
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瑞牆山もこれで見納めです。うーん、ホント憎たらしいくらいに、いいお天気ですねえ。こっちに登ればよかった。
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ゴール地点直前の、まるであつらたかのような絶好の場所に小川が流れていたので、ここで丹念に靴の泥を洗いとしました。
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山荘が見えました。
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15時 瑞垣山荘に無事下山しました。もうバスが待機していたので、そのまま乗り込みます。
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私がたどり着いた時点で、座席はすでに満席でした。その後、途中の増富温泉で何名かが下車したことにより、なんとか座席にありつけました。

何気に韮崎駅まで1時間30分近くかかるので、立ったままは結構つらいのよ。

球児の像と言われれば、普通は高校野球児を思い浮かべるかと思いますが、サッカーの名門韮崎高校のある韮崎駅前においてはそうではないようです。
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金峰山からは全く見ることの叶わなかった富士山が、半分以上雲に隠れつつも駅前から見えました。
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こちらは先ほど大日岩の下から見えていた偽八ヶ岳こと茅ヶ岳です。八ヶ岳と間違えるかどうかはさておき、かなり目立つ山ではあります。
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こちらも良いお天気です。金峰山ではなく茅ヶ岳を行き先に選んでいれば、きっと大勝利だったんだろうなあ。まあ、後知恵であればなんとでも言えますが。

帰りも特急には乗らずに、鈍行列車で長い長い帰宅の途につきました。
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かくして、ガスのなかにいるとっても残念な感じのする金峰山訪問記はこれにて終了です。
とりあえず、大弛峠ピストンではなくて、瑞牆山荘への横断コースを選んだことが不幸中の幸いでした。峠から往復していたら、笑い話ではなく本当に、コケ以外にはなにも見どころの無かった山行きになってしまうところでしたから。
大弛峠からのコースは、全般的にアップダウンも少なく、比較的楽に歩くことができます。高尾山に登るのと大差のない標高差で、森林限界を超えた場所からの絶景に出会えるわけですから、人気があって当然だと思います。ぜひとも晴れている日に訪れてほしい山です。
登山初心者にも、そうでない人にも、あらゆる人に対しておススメできる山です。・・・晴れていればね。

<コースタイム>
大弛峠(9:10)-朝日岳(10:05)-金峰山(11:15~12:00)-大日岩(13:40)-大日小屋(14:00)-富士見平小屋(14:30)-瑞牆山荘(15:00)

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*ガスのなかにいる*

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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