
栃木県日光市にある黒檜岳(くろびだけ)と社山(しゃざん)に登りました。
どちらも日光の中禅寺湖の南側に連なる山です。一帯には足尾銅山からの鉱毒を含んだ煤煙の影響が今なお残っており、大きな樹木のない笹の稜線が連なっています。社山には一般登山道が存在して比較的多く登られていますが、その先の黒檜岳に至る区間は歩く人が極めて稀な静かな山域となっています。
クリンソウが見頃を迎えた千手ヶ浜からスタートし、シロヤシオの花咲く森の道を歩いて来ました。
2025年6月7日に旅す。
社山と黒檜岳は、日光男体山から見て中禅寺湖を挟んだ向かい側に連なっている山です。黒檜岳の方は昭文社の山と高原地図上で破線の扱いになっている、いわゆるバリエーションルートしか存在しない山です。

足尾地区と奥日光の境界となっている山域で、尾根の南側は足尾銅山で発生した公害による影響が色濃く残っています。そのため大きな樹木が育たず、視界の開けた笹の稜線が続いています。
社山と黒檜岳には過去にも1度登っています。前回訪問時は生憎の曇天で景色が何も見えなかったため、いつか晴れの日に再訪したいと思っていた山でした。

2度目の訪問となる今回は、前回とは逆向きに千手ヶ浜からスタートして中禅寺温泉バス停を目指します。

このルートは結構な長丁場である上に、途中でエスケープできるポイントもなく、帰路のバス時間を考えるとコースタイム的に結構シビアなものになります。
それを考えると、比較的遅い時間までバスがある中禅寺温泉をゴールにした方が、行程にも余裕が持てるだろうと考えて変更しました。
中禅寺温泉スタートに比べると登山開始時間は遅くなっていまいますが、帰路のバス時間に追われることなく歩けるので精神的には逆向きの方がずっと楽です。
シロヤシオの花咲く森りの道では、できれば出会いたくはなかった思わぬ出会いもありました。クリンソウとシロヤシオに彩られた、中禅寺湖南側の山を歩いてきた記録です。

コース

戦場ヶ原の赤沼車庫から運行している千手ヶ浜行きの低公害バスに乗り、千手ヶ浜バス停からスタートします。クリンソウ群生地を見物しつつ黒檜岳へ登り、そのまま稜線沿いに社山まで縦走します。
下山は阿世潟峠を経て、中前温泉バス停まで直接歩きます。ほぼ前回訪問時の逆走となる行程です。
1.黒檜岳&社山登山 アプローチ編 贅沢に新幹線を使って行く奥日光への旅路
5時51分 JR東京駅
日光に出かけるとなれば普段は東武線を利用することが多いのですが、本日は新幹線で参ります。贅沢をするためではありません。その後のバスへの乗り継ぎのためです。

6時54分 宇都宮駅に到着しました。宇都宮まで行くためにわざわざ新幹線を使用するのは、ごく一握りのお金持ちだけだろうと思いきや、以外にも多くの人がホームに降り立ちました。みんなお金持ってますなあ。

続いて7時2分発の日光線に乗り換えます。この時間の電車に間に合いたいがために、新幹線を奮発した次第です。乗り換え時間はわずかしかないので、素早くテキパキと移動しましょう。

7時46分 日光駅に到着しました。この時間までに日光駅に辿り着くことが出来ると、登山者にとってはとても良いことがあります。

それは7時50分発の湯元温泉行きのバスに間に合うのです。このバスに乗れると、東武の特急に乗って来た時よりも行動時間に余裕が生まれ、日光エリアにおける日帰り登山の可能性が色々と広がります。

満員御礼のバスで立ったままいろは坂に揉まれて、9時2分に赤沼バス停に到着しました。戦場ヶ原の入口に当たる場所にあるバス停です。ここからは千手ヶ浜行きの低公害バスに乗り換えます。

低公害バスの乗り場は、赤沼バス停から少し離れた赤沼駐車場の脇にあります。バス通りから男体山のある方向に向かって少し進んで下さい。

千手ヶ浜行きのバスは9時25分発なので、ここで少し待ち時間が発生します。トイレに行くなり、腹ごしらえしておくなりして時間調整しましょう。

千手ヶ浜にあるクリンソウ群生地がちょうど見頃を迎える時期とあってか、ここでも結構な混雑ぶりです。結局駅から目的地までずっと立ち状態でした。
バスは戦場ヶ原に隣接している小田代原を横目しつつ、ぐるっと遠回りしながら千手ヶ浜へ向かいます。これは間に高山(1,668m)があるためで、時間がかかってしまうのも致し方ありません。

9時55分 千手ヶ浜バス停に到着しました。時刻は間もなく10時になろうというタイミングで、ようやくスタート地点に降り立つことが出来ました。

登山開始時刻としてかなり遅くなってしまいましたがは、公共交通機関頼みの身の上とあっては、こればかりは致し方ありません。
2.見ごろを迎えた千手ヶ浜のクリンソウ群生地
身支度も早々に本日の行動を開始します。千手ヶ浜バス停は、中禅寺湖の湖畔からは少し奥へ入った森の中にあります。まずは舗装道路道なりに湖畔まで歩きます。

道の脇に早速クリンソウが咲いていました。クリンクリンしていますな。クリンソウはサクラソウの仲間の多年草で、主に水辺や湿地などの環境に咲きます。

まだ蕾のものも僅かにありますが、見頃と言って良さそうな咲きぶりです。訪問のタイミングとしては完璧でした。

地名に浜と付いているだけあって、しっかりと砂浜になっていました。このはしけは中禅寺遊覧船の乗り場で、ここへは電気バスだけではなく船で訪れることも可能です。

砂浜に沿うようにして、森の中に遊歩道が整備されています。浜を洗う波音と木漏れ日が気持ちの良い散歩道です。

仙人庵と言う小じゃれた名前の建物がたっており、その周囲がクリンソウの群生地になっています。

ここには前回訪問時にも立ち寄ってはいるのですが、帰りのバス時間の都合もあって駆け足気味に見て回っただけでした。本日もそこまで時間に余裕がある訳ではありませんが、寄り道して行きましょう。
水辺の対岸に、地面を覆いつくさんばかりの勢いでクリンソウが咲き誇っています。ただ環境保全のために中へは入っていけないようになっているので、こうして遠巻きに眺める事しかできません。

かつてはもっと広範囲に咲いていたらしいのですが、シカの食害によってだいぶ数が減ってしまっているとのこと。いずれは柵で囲まれてしまうことになるかもしれません。見れるうちに見ておきましょう。

寄り道は程々にしてボチボチ先へ進みましょう。クリンソウ群生地を過ぎると、周囲の人影はパタリと無くなりました。

道すがらに千手堂と言う立派なお堂が建っています。中禅寺の開祖である勝道上人が、この付近で中禅寺湖の湖上に千手観音の姿を見たと伝えられており、それが千手ヶ浜と言う地名の由来にもなっています。

10時30分 黒檜岳登山口まで歩いて来ました。湖畔の遊歩道はこの先もずっと続いていますが、ここから歩道を外れて山中へと分け入って行きます。

ここから先は山と高原地図上で破線扱いになっているルートとなります。気を引き締めて参りましょう。
3.シャクナゲとシロヤシオが咲く、黒檜岳山頂への道程
登り始めは谷に沿って緩やかに登って行きます。地表には水流が見えていませんが、どうやら地面の下を伏流している水の流れがあるらしく、一面が水生植物らしき草に覆われています。

栃木県内の山で見かける、赤と黄色の登山道の識別表が付けられています。私はこれを見るといつも皇海山を思い出します。

黒檜岳山頂周辺の登山道はかなり不明瞭なので、この識別表にはかなり助けられました。
谷底を歩く状態から脱して、尾根へと下り付きます。ここから先は急登が続きます。気合を入れていきましょう。

鋭角に九十九折れを繰り返しながら、グイグイと標高を上げていきます。足元が崩れかけてかなり細くなっている個所もあり、割としっかり破線ルートらしい道です。足元には十分注意して登りましょう。

シャクナゲが目につきますが、もう既に花は終わってしまっており咲いているものは見当たりません。まだ登り始めたばかりなので、もう少し標高の高い一帯に残っていることに期待しておきましょう。

尾根まで登ってきたところで、道標がありました。破線扱いとは言っても、一応管理されている登山道ではあるようです。そして、どう見てもクマにかじられたとしか思えない形跡がありますねえ。

尾根に乗って以降も依然としてシャクナゲに覆われた急登が続きます。比較的横幅が広い尾根なので、足元に危険を感じることはなくなりました。

地面にすでに散ってしまっているシロヤシオの花びらが散乱しています。シャクナゲと同様、こちらも時期的には少々遅かったようです。

まだ咲いている花も僅かに残っていますが、色がくすみ始めており完全に終わりかけです。

まだ咲いているシャクナゲもポツポツと目に着くようになりましたが、やはりもう萎れかけています。

シャクナゲとシロヤシオの開花時期は、千手ヶ浜のクリンソウよりは僅かに早い時期であるため、クリンソウが見頃になるタイミングに合わせると自ずとこうなってしまいます。なかなか一挙両得と言う訳にはいかないようで。
周囲の森の雰囲気が変わって、ツガなどの針葉樹が目立つようになりました。標高が上がって来た事により、亜高山帯の領域に入ったようです。

傾斜が緩んできましたが、なかなか山頂は見えてこずに単調な登りがしばし続きます。過去に一度逆向きに歩いたことがあるはずの道なのですが、まったく記憶にありません。こんなに長かったけか。

日影の窪みにまだ雪が残っていました。こうした雪解け水が山にしみ込んで伏流し、クリンソウの群生地に絶え間なくフレッシュな水を供給している訳ですな。

社山方面への分岐まで登って来ました。山頂はまだもう少し先へ進んだ所にあるので、ここからサクッと往復します。

始めに断っておきますと、黒檜岳の山頂は登っても特に良いことはありません。ピークハントすることそのものにこだわりが無ければ、スルーしてしまっても良いと思います。
12時40分 黒檜岳に登頂しました。先ほどの分岐からはおよそ5分程の距離です。名前の通りに黒々としている地味で静かな空間です。だがしかしそれが良い。

4.社山へと続く笹の稜線を行く
黒檜岳の山頂一帯は平坦でかなり広々としており、踏み跡は薄くルートはかなりわかりづらいです。例の栃木県の識別表の導きに従って進みます。

もしこの識別表が無かったら、かなり道迷いが続発する山だろうと思います。ありがとう栃木県。
不意に森が途切れて、視界の開けた笹原にでました。ここから先の稜線歩きこそが黒檜岳登山の真骨頂であり、山頂はおまけみたいなものです。

黒檜岳の稜線上に背の高い樹木がほとんど無いのは、足尾銅山からの煙害による荒廃が原因です。渡良瀬川の谷を挟んだ向かいにある、孤高のブナで有名な中倉山などと同じ事情によるものです。

この景観が作り出された背景を知ってしまうと、はたして眺めが良いと手放しで喜んで良いものなのか、複雑な気分にはなります。
右手にその足尾地区がよく見えています。眼下の谷底がちょうど銅親水公園がある辺りです。付近の一帯の山はどこも、地肌が剥き出しになっていまっている個所が目につきます。

前方に目指す社山と男体山の頭の部分が見えて来ました。早朝の快晴の空からだいぶ雲が湧いてきてしまってはいますが、前回の訪問時には完全に虚無の世界に呑み込まれてしまっていた稜線上の景色を、ようやく見ることが出来ました。

尾根上に広々とした窪地のような空間が広がっています。もう少し標高が高かったら、高層湿原になっていたりしたのでしょうか。

左手に男体山と中禅寺湖が見えています。これぞまさしく日光以外の何物でもない光景です。

窪地を過ぎると以降は尾根が細くなりました。と言っても滑落するような峻険さではなく、それこそ鼻歌混じりに歩けそうな尾根が続いています。

小刻みにアップダウンを繰り返しますが、急坂はなくて気持ちよく歩けます。ただ、踏み跡なのか獣道なのかよくわからない小径が多数入り乱れているので、あらぬ方向へ逸れないように注意を要します。

あまりにもセンシティブなので写真は載せませんが、先ほどから冬の間は雪の下に隠れていたのであろう、シカの死骸がやたらと目につきます。
どんな寄生虫が付いているか分かったものではないので、うかつに近寄らないようにしましょう。
禿山化した原因はひとまずさておき、素晴らしい展望の稜線ではありませんか。そして何よりも、全くと言っていいほどに人がいないのが素晴らしい。

どこから登るにしてもそこそこのロングトレイルになり、途中でエスケープできる場所も無いので、確かに玄人向けのコースではあります。
ですがそれにしても解せない程には人が少ないというか、先ほどから全く見かけないです。なんでみんなここを歩かないのでしょうか。
社山がだいぶ近くなって来ました。山腹は笹に覆われていて、山頂付近だけが黒々とした森になっています。日光側から見た時の姿とでは、だいぶ趣が異なっています。

この辺りは尾根が大きく湾曲しており、北側に大きく回り込みつつ進みます。近そうに見えて、なかなか勿体付けてくれます。

左手には黒檜山の姿が良く見えています。名前の通りに山頂周辺は黒々としており、山腹の広葉樹林と針葉樹林の境界が良くわかります。

シロヤシオが散発的に咲いています。元々痩せた岩尾根などに多く咲く花なので、こうした悪条件の環境に適応出来る強い樹木なのでしょう。

ここだけを見るとまるで東北地方の山のようにも見えます。ただこの景観は、冬の豪雪ではなく公害によって作り出されたと言う違いはありますが。

足尾銅山が閉山したのは昭和48年のことで、すでに半世紀以上が経過しています。それだけの月日を経ても今なお植生が回復していないのは、一度破壊されてしまったものはもう元には戻らないと言うことなのでしょう。

たぶんこの辺りが黒檜岳の姿を眺めるベストなビュースポットです。黒檜岳の姿をじっくりと眺めたいという需要が、どれほどあるのかはさておき。

見る角度によってはかなり急峻そうな姿をしている社山ですが、尾根沿いに見る分にはそれほどでもありません。とは言っても、最後はかなりしっかりと登り返しさせられることにはなりますが。

だいぶ年季の入っている道標が立っていました。獣道のような踏み跡しかありませんが、一応は登山道として整備はされたことがあるにはあるようです。

社山手前の最後の鞍部まで歩いて来ました。逆向きに歩いた前回訪問時は、この辺りからずっと虚無状態でした。今にして思うと、なぜ撤退と言う選択をしなかったのか理由が解せません。どう考えても晴れている日に歩くべき道です。

と言うことで本日最後の登り返しです。ここまでほぼノンストップで歩いて来ていて、既にだいぶお疲れ風味ではあるのですが、最後にもうひと踏ん張り頑張って登りましょう。

本日のゴール予定地である、中前温泉バス停がある辺りが良く見えています。今から社山を乗り越えていかなければならないので、まだまだ先は長い。

この社山への登り返しの斜面上が、かなりの規模のシロヤシオ群生地になっていました。この辺りはまだ散り始めてもおらず、ほぼ満開のド真ん中状態です。素晴らしい。

シロヤシオロードを駆け上がります。だいぶ雲が湧いて来てはいますが、一応は青空と呼べそうなものが残ってくれていたのは幸いでした。シロヤシオは青空の下が一番映えますから。

山頂に近づくと、黒檜岳と同様に鬱蒼とした薄暗い森になりました。踏み跡がかなり野放図につけられているので、あらぬ方向へ迷い込まないように、周囲をよく観察しながら登ります。

途中に岩場になっている個所があります。ここは逆向きに下る際にはかなりルートがわかりづらかったので、よく覚えています。登る分には、特に迷う要素はありません。

振り返ってみた黒檜岳は、雲に没しつつありました。それでも稜線を歩いている間は天気が持ってくれたのは幸いでした。ここでまた虚無に包まれようものなら、3度目の訪問を検討しなくてはならなくなってしまいますから。

14時50分 社山に登頂しました。途中からは晴れていると言えるか微妙な空模様ありましたが、とにかく天気の良い日に社山と黒檜岳を繋げて歩きたいという目標は達成されました。

社山の山頂からも一部の展望が開けてはいますが、やはり笹の稜線上を歩く時の気持ち良さには遠く及びません。ここまでで引き返してしまう人が大多数であろうかとは思いますが、黒檜岳への縦走も良いものですよ。

5.花咲く森の道でクマさんに出会う
さあ、帰りましょう。社山からの下山は、中禅寺湖を横目にしながら歩ける、とても気持ちの良い良い尾根道です。

中禅寺湖の湖上を行く遊覧船が見えます。一応あれでも千手ヶ浜に行けるのですが、運行時間的に登山で使うのは少々難しいです。

こちら側にもシロヤシオが咲いてはいますが、黒檜岳側にあった群生地に比べると小規模です。

今ぐらいの時期にシロヤシオを目当てに社山に登る人は結構いるかと思いますが、一番の見所は実はほとんど歩かれていない黒檜岳方面に隠れています。
森の中まで下って来たら、後はもう消化試合です。サクサクと足早に参りましょう。

ここで前方の森の中に、何やら動いている黒い生き物の姿が見えます。最初はカモシカさんかなと思ったのですが、それにしては筋骨隆々というか、もっとマッシブな感じがします。

最大望遠で覗いてみると、やっぱり熊でした。花咲く森の道でクマさんに出会ってしまったぞ。お嬢さんお逃げなさい!

幸いにもこちらの存在に気が付くなり、向うが勝手に逃げていきました。
逃げて行ってくれればそれでいいのですが、ここでもし仮に相手が突進してきた場合には、どう対処するのが最適解なのかイマイチよくわかりません。
肉のカーテンによる防御姿勢を取り頭を守るのが正解なのか、はたまた木を盾にするように立ち回って突進の勢いをいなすべきか。あるいは登山靴トーキックで応戦すべきなのか。
なにが正解なのかはわかりませんが、取りあえずどうするのか方針だけは前もって決めておかないと、いざとっさの時に動けないのではないかという気がしました。
峠付近まで下ってくると、シロヤシオではなくヤマツツジが目につくようになりました。文字通りの花咲く森の道です。花咲くもーりーのーみーちー クマさんにでーあーあったー♪

思わぬ嬉しくない出逢いがありましたが、無事に峠まで下ってこれました。

16時15分 阿世潟峠に到着しました。尾根はまだこの先の半月山へと続いていますが、今日はここまでにして中禅寺湖畔へ離脱します。

6.何気に結構長い中禅寺温泉バス手までの道程
峠から湖畔の阿世潟までは、下りならせいぜい10分ほどの距離です。よく整備された、遊歩道クオリティの登山道です。

と言うことであっさりと湖畔まで下って来ました。ちなみにここから千手ヶ浜まで、湖畔沿いを歩く遊歩道も存在します。

何やらもうやり切ったムードが漂いつつありますが、ここから中禅寺温泉バス停までは、まだ結構な距離が残っています。頑張って最後まで歩きましょう。

阿世潟の周辺も、千手ヶ浜と同じように砂浜が広がっています。晴れて湖面が凪いでいると、逆さ男体山を眺めることが出来る場所なのですが、すっかりと曇ってしまいました。

中禅寺温泉バス停へ戻る道中には、ヨーロッパ諸国の大使館別荘跡などのスポットがあるのですが、過去記事でも何度か取り扱っているので、今回はバッサリと省略します。

英国大使館別荘跡の前から見た社山の姿を写真に収めて、本日のミッションは完了です。

ここから先はもうあまり写真も撮らずに、黙々と早足気味に歩きました。

17時40分 中禅寺温泉バス停に到着しました。今日もたくさん歩て大満足です。

バス停に到着した時点で既に結構な長さの待ち行列が出来ていましたが、幸いにもギリギリ全員が着座できるくらいの乗車率でした。帰路でも立ったままいろは坂に揺られるという事態は回避されました。

なんだかんだで東武日光駅に戻って来た時には、時刻は19時近くになっていました。

往路では新幹線に乗るという大変な贅沢をしてしまったので、帰路は鈍行列車に揺られて長い長い帰宅の途に付きました。

社山から黒檜岳へと続く笹の稜線を、晴れの状態で歩いてみたいという目標は無事に達成されました。登山開始時刻が10時近くになってしまうという問題はあるにせよ、帰路のバス時間の心配をしなくてよいだけ、この逆走ルートの方がだいぶ気が楽であろうかと思います。
シロヤシオシーズンに半月山と社山を繋げて歩く人はそれなりに多いかと思いますが、その先の稜線にはさらなる規模の群生地と、殆ど人のいない貸し切り状態な笹の稜線が続いています。ここを歩かず社山に登っただけで満足してしまうのは、とても勿体ないことだと思います。
破線ルートらしく不明瞭な場所もあり、決して万人向けではないかもしれませんが、一度この花咲く笹の稜線を歩いてみては如何でしょうか。
<コースタイム>
千手ヶ浜バス停(9:55)-黒檜岳登山口(10:30)-黒檜岳(12:40)-社山(14:50~15:20)-阿世潟峠(16:15)-阿世潟(16:25)-中禅寺温泉バス停(17:40)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。






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