燕岳 北アルプス三大急登の合戦尾根を日帰りで登る

燕山荘前からみた燕岳
長野県大町市と安曇野市にまたがる燕岳(つばくろだけ)に登りました。
通称表銀座と呼ばれる縦走路の起点に位置する、北アルプス前衛の山です。花崗岩でできた山であり、白亜に輝くその美しい姿からアルプスの女王との異名を持ち、非常に人気の高い一座です。山頂へ至る最短ルートである合戦尾根は、北アルプス三大急登の一つに数えられている急峻な道程です。
久方ぶりの晴れ予報を受けて、はるばる北アルプスへと繰り出してきました。

2021年9月12日に旅す。

こんにちは。最近なにかと何かと繁忙で不摂生な生活が続き、体重が3ケタの大台越え寸前にまで増加してしまったオオツキです。

唐突ですが皆さま、最近北アルプスの山へ登られましたでしょうか。
燕岳から見たパノラマ銀座方面
2021年の夏山シーズンは惨憺たる有り様でした。週末になるたびに雨のマークが立ち並び、曇天の空を見上げては歯ぎしりして過ごす日々が続いておりました。

次の週末に晴れたら、今度こそ北アルプスの山に登りに行くんだ。そう思いながら日々を過ごしていた人も多かったのではないでしょうか。ええ、私自身も当然その一人です。

しかし、だらしなく突き出てしまった自分の腹を眺めているうちにふと、思うところがありました。そもそも今の自分は、北アルプスの山へエントリーする資格そのものを喪失してしまっているのではないかと。

登りたいと思っているルートはどこも基本的に、標高差が1,000メートル以上は余裕であります。例え晴れたとしても、そんなだらしない腹をしていて、まともに登れるんですかい?
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という事で(?)今回は、久方ぶりに北アルプスの燕岳へと繰り出してきました。焼岳や唐松岳などと並んで、「初めての北アルプス」に選ばれることも多い、このエリアの登竜門とでも言うべき山です。

燕岳にすらもまともに登れない様であれば、最早テントを担いでの縦走登山などは論外であると言えます。

絶賛体重増加中のメタボなおっさん二人組が、合戦尾根で死闘を繰り広げてきた一日の記録です。
合戦尾根の途中から見上げた燕山荘

コース
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中房温泉より合戦尾根を登り燕岳を往復します。燕岳登山としては最も一般的な行程です。

当時の体重は今よりも15kgも軽い状態でした。10kg以上の脂肪の重りを担いだ今回は、果たしてどれくらいで登ることが出来るのでしょうか。

1.燕岳登山 アプローチ編 安曇野市営第一駐車場で前泊する

9月11日 17時
中年二人を乗せた車が、長野県に向かって快調に中央自動車道を進みます。
中央自動車道の最高地点
燕岳は非常に人気の高い山で、週末ともなると激しい駐車場の争奪戦が繰り広げられます。当日の朝に出発したのではもう遅いので、本日は前乗りして車中泊する計画です。

諏訪湖SAで小休止。始めから分かってはいた事ですが、さわやか信州は遠いいですな。
中央道訪湖サービスエリアから見た諏訪湖
何とも言えない微妙な空模様をしていますが、これは翌日も似たり寄ったりの予報です。この際、雨でなければ構わんという事で遠征を強行しました。

19時過ぎに、中房温泉のすぐ下にある安曇野市営第一駐車場に到着しました。現地に到着した時は既に真っ暗だったので、この写真は翌朝に撮影したものです。
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入口がかなり分かり難いので、見落とさないように注意を要します。橋を渡ってすぐに左です。

頭上に満天の星空が広がっていました。なんだ晴れてるじゃないですか。
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もう冬の大三角形が見える季節になりましたか。今年はほとんど夏山らしい夏山に登ってすらいないと言うのに、季節が移ろうのは早いものです。

2.薄暗い合戦尾根をひたすら登る

空けて9月12日 5時10分
ヘッドランプがいらなくなるくらいに明るくなるの待ってから、この日の行動を開始します。
安曇野市営 第一駐車場
登山口に最も近い第一駐車場は、昨日の夜のうちから既に満車状態になっていました。平日がどんな感じなのかはわかりませんが、少なくとも週末は、実質的に前泊する人者専用の状態であると考えた方が良さそうです

駐車場は登山口である中房温泉から少し下った場所にあります。登山口まではしばしの舗装道路歩きです。
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10分ほど歩いたところで、中房温泉の建物が見えてきました。第一駐車場に止められたからこの程度で済みましたが、あぶれてしまった場合は、もっと下の駐車場から延々と登って来ることになります。
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つい今しがた毎日アルペン号の夜行バスが到着したらしく、登山口は多くの登山者で溢れかえっていました。相変わらずの大人気ぶりです。
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団体様が動き始めて登山道渋滞が始まる前に、速やかに出発します。

森の中に入ると、辺りはまだ足元が見えづらいくらいの薄暗さでした。
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思いっきり被写体ブレを起こしておりますな。ISO感度を6400くらいまで上げるべきであったか。

急登であることで名高い合戦尾根ですが、一番登りがキツイのは始めの取り付きの部分であったりします。初っ端からいきなり容赦ない登りが始めるので、覚悟して参りましょう。
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背後の有明山が、ようやく朝日に照らされ始めました。登山道にまで光が届くのはまだ先のことです。
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5時50分 第一ベンチに到着しました。合戦尾根上には、こうしたベンチの置かれた休憩スペースが全部で4ヵ所に設置されています。
合戦尾根 第一ベンチ

最初のベンチを過ぎて以降も、変わらぬ急登が延々と続きます。この時点ではまだ展望も一切無いので、脇目も振れずに黙々と登り続けます。
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登山道の頭上を索道が横断しています。これは合戦尾根の途中にある合戦小屋への荷揚げ用の索道です。合戦小屋名物のスイカも、この索道で運ばれています。ちなみに、人間は乗れません。
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6時15分 第二ベンチに到着しました。今のところは極めて順調なペースで登ってこれています。メタボなおっさんらしからぬ大健闘だと言えるでしょう。
合戦尾根 第二ベンチ

第二ベンチを過ぎると、一時の安息のような平坦な道になります。合戦尾根で一息つける区間はここしかありません。今のうちに呼吸を整えておきましょう。
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背後の眺望が少しだけ開けて気ました。今のところお天気は、どんよりとした空模様です。本日の天気予報は終日に渡り高曇りの曇り空という事であるので、おそらく最後までこんな感じなのでしょう。
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6時45分 第三ベンチに到着しました。前回訪問時には合戦小屋までノンストップで登り切ったのですが、今回はここで小休止を取りました。流石に15kgも体重が違えば、同じペースで歩けるはずもありません。
合戦尾根 第三ベンチ

第三ベンチを過ぎると、再び道の傾斜が増して来ます。ここは我慢のしどころです。甘ったれんな、キリキリ登れ。
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7時20分 富士見ベンチまで登ってきました。ここが合戦小屋より前にある最後の休憩ポイントとなります。
合戦尾根 富士見ベンチ

このベンチからは、晴れていればその名の通りに富士山が見えます。本日はと言うと・・・駄目そうですね。
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ここまで登ってくると、岩場などもチラホラと現れ始めます。上にばかり気を取られていたら、この写真を撮影した直後に強烈な根っこアタックを食らってしばし悶絶しました。
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合戦小屋まではあと五分。さあ、もうひと踏ん張り頑張って登りましょう。・・・合戦小屋はゴールではありませんがね。
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7時45分 合戦小屋に到着しました。その名の通り合戦尾根の途中にある小屋です。この小屋は売店兼休憩所であり、宿泊は出来ません。
燕岳 合戦小屋

標高はこの時点で既に2,350メートルあります。燕岳の標高は2,763メートルなので、残りの標高差はあと400メートルほどになります。おおよそ高尾山1つ分くらいですな。
合戦小屋の標高

合戦小屋の名物はスイカの切り身です。値段は一切れ500円なり。前回訪問時は既にシーズンオフで買えませんでしたが、今回は無事にあり付くことが出来ました。
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スイカは、ほぼゼロカロリーであると言って差し支えの無い、とてもヘルシーな果実です。ダイエット食にも適しています。

・・・出来るだけ多くのエネルギー摂取を必要とする、登山時の行動食としては不適格な食べ物ですかね。まあ、水分補給は出来るかな。

3.合戦尾根の死闘後半戦、稜線へと続く最後の登り

行動を再開しましょう。合戦小屋を過ぎると、森を抜けて徐々に頭上が開けて来ます。ここまで来れば、森林限界越えは近い。
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背後の視界が開けてきました。そして何よりもうれしいことに、お天気は上向きなようで、少しづつ青空が顔を覗かせつつありました。
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稜線の向こう側に、槍ヶ岳の穂先だけが見え始めました。稜線まで登れば先端だけでなく全容がドーンと見えますので、さっさと先へ進みましょう。
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続いてパノラマ銀座の稜線の全容が見えて来ました。ホントは日帰りのピストンなどではなく縦走がしたいのですけれど、悲しいかな社畜を生業としているので、なかなかまとまった休みを取れないのです。
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チラホラと紅葉の色づきが始まりつつありました。見ごろの最盛期を迎えるのは1~2週間後くらいかな。
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8時20分 合戦沢ノ頭まで登ってきました。この先は直射日光に晒されることになりますが、幸か不幸か本日は曇り空なので暑くはありません。
燕岳 合戦沢ノ頭

ここまで登って来て、ようやく燕岳の山頂部を視界に捉えました。
合戦沢ノ頭から見た燕岳の山頂

ちょっと分かり難いですが、山頂はここです。山頂にいる人影まで何となく見えます。
合戦沢ノ頭から見た燕岳の山頂

大絶景の広がる稜線まではもうあと一踏ん張りです。頑張って行きましょう。
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クサリ場もありますが、特に難しい要素は全くありません。クサリが無くても登れます。
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北側は良く晴れており、青空が広がっていました。正面に見えているこの特徴的な姿の双耳峰は、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳(2,889m)です。
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燕山荘の建物が、かなり大きく見えるようになってきました。・・・燕山荘はゴールではありませんがね。
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稜線直下最後の登りです。ここを越えると、正面に大展望がドーンと広がります。大いに期待して良いですよ。
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という事で稜線まで上がって来ました。目の前に北アルプス中心部の山並みが勢ぞろいです。素晴らしい。
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予報通りの高曇りで、遠望に関しては全く問題はなさそうです。これだけ苦労して登ってきたのに、何も見えなかったらショックで立ち直れなくなるところです。

左に目を向ければ、そこには登山者憧れの山こと槍ヶ岳が、天を突くかのようにして立っています。燕岳に登った人間は、皆例外なく次は槍ヶ岳に登ってみたくなるのではなかろうか。
燕山荘から見た槍ヶ岳

稜線上に立つ燕山荘(えんざんそう)です。今年で創業100周年を迎えると言う、北アルプスの中でも特に歴史ある山小屋です。
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4.燕岳登山 登頂編 北アルプス中央の山々を一望する大展望の頂へ

アルプスの女王陛下こと燕岳は、燕山荘の真正面にあります。小屋からは片道およそ30分程の距離です。それではサクッと行ってまいりましょう。
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燕岳は、甲斐駒ヶ岳などと同様の花崗岩からなる山です。風化して砂状になった花崗岩の事を真砂(まさご)と言いますが、山頂までは真砂が敷き詰められた白亜に輝く道が続いています。
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この白亜の稜線上に、有名なイルカ岩があります。あらゆるメディアで紹介されている光景なので、最初から既視感があると言う人も多いのではないでしょうか。
燕岳 イルカ岩

ハイマツの緑と、真砂の白のコントラストが実に美しい。燕岳がアルプスの女王と称される所以ですね。
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どちらを向いても絶景三昧です。撮影が捗りすぎて、なかなか歩みが進みません。
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山頂が近づいてきたところで、道は少しばかり険しさが増してきます。特に山頂の直下は、それなりに急峻です。
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これは通称メガネ岩と呼ばれている岩ですが、イルカとは違ってこちらは余りそうは見えません。穴の開いたただの岩です。
燕岳 メガネ岩

頂上の一帯は、剥き出しの花崗岩の岩場です。山頂はかなり狭く、ゆっくりと寛ぐのにはまったく適していません。
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9時35分 燕岳に登頂しました。行動開始から4時間25分での登頂です。メタボのおっさん二人が頑張って登りきりました。
燕岳
よかった、まだ私は北アルプスの山を歩く資格を失ってはいなかったようです。いいからもっと真面目に痩せろデブ。

5.燕岳山頂からの展望

燕岳の山頂からは全方位の展望が開けており、飛騨山脈の中心に連なる山々を一望することが出来ます。山座同定マニアには垂涎の場所であると言えます。
燕岳から見たパノラマ銀座

南側の正面に見ているのは、燕岳のお隣さんである大天井岳(おてんしょうだけ)(2,922m)です。パノラマ銀座方面と表銀座方面との分岐地点となっている、縦走路上の要の山です。
燕岳から見た大天井岳
その立地上、通り道扱いされがちな山ですが、この山の自体を目的に登っても十分すぎるほど満足できること請け合いの名峰です。

さらに南に目を向けると、常念岳(2,857m)の姿がありました。飛騨山脈の前衛部に位置していることから、麓の町からでもその姿が良く見える、極めてシンボリックな山です。日本百名山にも選ばれています。
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本日の当初の計画では、燕岳ではなく三俣から常念岳ピストンと言う案も出されてはいたのですが、結果的にやめておいて正解だったと思います。

なにせあちらは、登りのコースタイムだけでも7時間オ―バですからね。合戦尾根どころではない厳しさです。少なくとも、体重が100kg近くある人間が日帰りで登る山ではないと思います。

常念山脈から右へ視線を向けると、そこにはみんな大好きな槍・穂高連邦の山並みが連なっています。何れも標高3,000メートルを超える、日本有数の高山地帯です。
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何度見て圧倒的過な、この槍ヶ岳の存在感よ。見ていたら、無性にまた登りたくなってきましたよ。次に登るとしたら、できれば縦走したいな。
燕岳から見た槍ヶ岳

続いて東側に目を向けてみましょう。足元の彼方には、安曇野の街並みが広がっていました。
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よく目を凝らしてみると、富士山らしき山が薄っすらと見えているではありませんか。これだけどんよりしているのに、見えるとは思っていませんでした。流石は日本一の山です。
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続いて今度は北側の展望です。こちら側は綺麗に晴れておりますな。
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北燕岳の背後には、立山連峰の山並みです。あの辺りは富山県だという事ですね。立山の右奥には剱岳(2,999m)の姿も見えます。
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立山から右に目を向ければ、後立山連峰の山並みです。鹿島槍ヶ岳の背後に見えているのは、位置的に白馬三山の杓子岳(2,812m)かな。
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左が針ノ木岳(2,821m)で右が蓮華岳(2,799m)です。北アルプスの山の中では比較的歩く人が少ない、穴場的な山域です。前々から一度登ってみたいと思いつつ、未だに訪問が叶っておりません。
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続いて西側です。飛騨山脈中央部の山が居並ぶ、圧巻の光景が広がります。
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この大柄な山は野口五郎岳(2,924m)です。奥まった場所にあるため、たどり着くだけでも一苦労な一座です。この山にも登ってみたいんだよな。
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これは水晶岳(2,986m)です。別名で黒岳とも呼ばれます。たしかに岩肌が黒々としていますね。
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水晶岳は、北アルプスの山の中でも、登山口からの距離が最も遠い山として知られています。一番最寄りと言えるのは新穂高温泉ですが、山頂までは標準コースタイムで12時間を要します。

これは鷲羽岳(2,924m)です。黒部川源流域にある一座です。この山も登ってみたいんだよな。できれば雲ノ平周遊とセットで。
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登りたい山が多すぎて休みが足りない。全く足りないッ!

最後に、山頂から見た燕山荘です。特に名前などは無いようですが、この小屋自体が山頂に立っているのが良くわかります。
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6.燕岳登山 下山編 山は登ったからには下りなければなりません

9時50分 山頂からの絶景を十分すぎるほど満喫しました。ボチボチ下山に移ります。
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僅かな距離ですが、この稜線の光景がまたとても良いのですよね。燕岳が大人気なのにも納得の光景です。
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ゆったりとした足取りで白亜の稜線歩きを愉しみ、10時15分に燕山荘に戻って来ました。
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燕山荘はテント場のロケーションがこれまた大変素晴らしい。素晴らしいが故に、週末は争奪戦がかなり激しいようですね。まだ午前中だというのに、すでに半分以上がうまっています。
燕山荘のテント場

燕山荘名物(?)のよくわからん顔です。それで、結局のところコイツは一体何者なんですかね?
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山頂は相変わらず人でいっぱいで、さらに下から続々と山頂へ詰めかけている様が見えます。人気過ぎると言うのも考え様ですね。
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さあ帰ろう。本日はピストンなので、元来た道を引き返します。
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正面に見えているこの山は何だろうと思ったら、これは浅間山(2,568m)ですね。北アルプス側から見ると、普段見慣れている姿とは全く異なる外観をしていました。
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頭上を覆っている高曇りの雲が、まるで境界線かなにかがあるかのように、晴れ間の部分とクッキリ分離した異様な光景を作りだしていました。
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人気の山らしく、この時間になっても続々と登ってくる人波が絶えません。すれ違いには神経を使います。
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すれ違い待ちのおかげで、写真撮影が捗ります。紅葉と言うのは、曇り空だとイマイチ映えないんでよね。
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11時30分 合戦小屋まで下って来ました。この先はもう、消化試合のようなものです。サクサクと参りましょう。
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下山だけでもいいから、索道で運んでくれないかなあ。などとしょうもないことを考えつつ、観念して下山と言う憂鬱な作業に取り組みます。
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急坂であるが故に、帰りは短時間で見る見る標高が落ちて行きます。「そもそもこんなに登ったけか?」と言ういつものボヤキと共に黙々と下り続けます。
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眼下に中房温泉の建物の屋根が見えました。もっとも、見えてからがまた長いんですけれどね。
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途中で足が棒のようになってしまい、第二ベンチで小休止を取りました。前回の訪問時には、合戦小屋からはノンストップで下れたんですけれどね。やはりどうしたって体重増加の影響はありますな。
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13時40分 中房温泉に下山しました。バスでお越しの人は達成感でいっぱいになる瞬間であることでしょう。もうあとは、ひと風呂浴びて帰るだけだと。
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車で来ている場合は、駐車場への最後の下りがまだ残っています。着替えは車に置いてきてしまっているので、温泉は一旦お預けです。
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13時50分 第一駐車場まで戻って来ました。今度こそゴールです。第一駐車場に止められなかった人は・・・ご愁傷さまです。
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駐車場まで下って早々ですが、再び中房温泉まで戻って来ました。日帰り入浴専用の駐車スペースがあるので、そこに駐車します。
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この日帰り入浴専用施設である湯原の湯は、登山口のすぐ脇にある立地が大変すばらしい。下山後のひとっ風呂が始めから約束されているわけです。
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入浴料は700円です。湯舟は露天のみで、洗い場も外にあります。季節によっては寒いかもしれません。

無事に温泉にも浸かれて、これでもう思い残すことは何もありません。後は東京へと帰るのみです。
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頭上には、山頂から見た時と変わらない晴れ間の境界のような雲のが垂れ込めていました。後立山連峰の山々に見送られつつ、さわやか信州を後にします。
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中央自動車道名物(?)の小仏トンネルの大渋滞にしっかりと掴まりつつ、長い長い帰宅の途に付きました。
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もっと真剣に痩せよう。
今回はそう痛感させられた山行きでありました。登ること自体は出来たもの、4年前よりも足取りは重く苦しい山行きでありました。日帰りの軽装備でなら、合戦尾根くらいは休まずにヒョイヒョイと登るきれる体を取り戻したいところであります。
胸を突くような急登が続くものの、合戦尾根には滑落や道迷いのリスクなどは全くと言って良い程存在せず、初心者向けのルートであると言えます。道中には多くの休憩スペースがあり、合戦小屋や燕山荘の売店を当てにできるため、大量の水を担ぐ必要もありません。北アルプス中央部の大展望を眺めに、アルプスの女王へと繰り出してみては如何でしょうか。

<コースタイム>
第一駐車場(5:10)-中房温泉(5:20)-合戦小屋(7:45~8:00)-燕山荘(9:00)-燕岳(9:35~9:50)-燕山荘(10:15~10:40)-合戦小屋(11:30~11:40)-中房温泉(13:40)-第一駐車場(13:50)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. nobu より:

    オオツキさん、こんにちは。nobuです。
    しばらく更新がなかったため体調を崩されたかと心配しておりましたが、久々の記事を大変参考に楽しく拝見させていただきました。
    コロナがなければ昨年アルプスデビューに燕岳を検討しておりましたので、落ち着きましたら、本記事の駐車場・合戦尾根の詳細・コースタイム等を参考に、チャレンジさせていただきたいと考えております。
    以上

    • オオツキ オオツキ より:

      nobuさま
      コメントをありがとうございます。

      体重が増えただけで、体調の方は至って良好です。

      燕岳へ車での訪問をお考えでしたら、前乗りするかもしくは平日を狙った方が無難だと思います。第一、第二駐車場(無料)の他に有明荘の駐車場(こちらは有料)も利用できるようですが、そこからもあぶれると、安曇野市中の駐車場に停めてバスかタクシーで登って来るしかありません。