神奈川県二宮町にある吾妻山公園(あずまやまこうえん)で初日の出を見て来ました。
二宮駅のすぐ裏手に立っている標高130メートルほどの小さな山で、山全体が吾妻山公園として整備されています。海際にあり東側の展望が広く開けていることから、初日の出の鑑賞スポットとして定番の存在です。
JRの終夜運転を乗り継ぎ、海が見える山からの日の出を拝んできました。
2025年1月1日に旅す。
謹賀新年
私の内部ではここ数年、元日は山に登って初日の出を拝むことが半ば習慣化されています。という事で今年も繰り出そうと計画を練っていたのですが、一つの問題に行き当たりました。
そもそも論として、車も買えない貧乏人環境意識高い系ハイカーである私が、元日の朝に山へ登って初日の出を拝もうとすると、元日の終夜運転を実施している電車の駅から直接登ることのできる山しか選択肢になりえません
現地の近くに前泊するか、もしくは始めから山小屋に宿泊するという選択もあると言えばありますが、そうは言っても元日には山登り以外にも成すべき多くの行事が控えています。
そんな事情もあり、候補になりえそうな山は既にあらかた登りつくしてしまった感があります。
発掘しようと思えば隠れたマイナーなスポットはまだまだあるのでしょうけれど、しかしあまり一般的と言えない場所ばかりを取り上げるのも少々気が引けます。
という事でだいぶ前口上が長くなりましたが、今年は長時間のナイトハイクなどせずとも、それこそ誰にでも訪れることが出来そうな場所を紹介します。二宮町にある吾妻山公園です。
JR二宮駅のすぐ裏手にあり、ホームからも良く見える駅チカ物件です。山というよりは小高い丘と考えた方がよさそうな場所で、全体が公園として整備されています。
菜の花畑があることで有名な公園ですが、海に面した立地にあり東側の展望が開けています。初日の出の鑑賞スポットとしては申し分ない条件が揃っています。
果してこれを初日の出「登山」と呼べるのかどうかは微妙なところですが、吾妻山公園から令和7年の初日の出を拝んできた記録です。
1.元日終夜運転の電車を乗り継いで行く、湘南二宮への旅路
1月1日 2時30分 京王某駅
昨年に引き続き小田急線では元日の終夜運転を行わないと言う事なので、京王線で新宿に出てからJRに乗り継いで二宮駅を目指します。
反対向きの高尾山口行きの電車は超満員状態でしたが、新宿行きの電車内は至って空いていました。
JRの都内の主要な路線については、軒並み元日の終夜運転を実施しています。山手線に至っては15分間隔での運転が行われており、殆ど待ち時間もなくスムーズに移動できました。
品川で京浜東北線に乗り換えて、横浜駅までやって来ました。終夜運転が行われているのはここまでで、この先の東海道本線については、始発まで運行はありません。
日の出時刻は6時50分頃なので、横浜駅4時54分発の熱海行きの始発電車に乗ることが出来れば、時間的にはぜんぜん余裕をもって間に合います。
始発電車は意外にも大混雑していました。見たところ周りの乗客の多くは、これから出かけるのではなく帰宅するところのようです。
5時42分 二宮駅に到着しました。乗り継ぎがそこまでスムーズでなかったこともあってか、思いのほか時間を要しました。
目指す吾妻山は駅のホームからも見えるはずなのですが、この時間はまだ真っ暗で何も見えません。日の出時刻まではおよそあと1時間ほどしかないので、足早に山頂へ向かうことにしましょう。
2.登山開始から15分で登れてしまう頂き
駅前の信号を渡って道なりに進みます。案内の標識もあるので、特に迷う要素はありません
日の出時刻の1時間前にもなれば、もう少し周囲は薄っすらと明るくなっているものだと思っていましたが、意外にもまだ真っ暗な状態でした。公園内に街灯は無いので、ライトはしっかりと用意して来ましょう。
入口までやって来ました。これまで何度も強調してきた通り公園とあります。果たしてこれを今年の初登山と言って良いのか疑念はありますが、ともかく登山開始です、
なお、行程の大部分は階段となります。吾妻山登山(?)とは、階段を登ることと見つけたり。まあそれを言ったら、高尾山の1号路だって似た様なものではあります。
吾妻山公園は山頂にある菜の花畑で大変有名ですが、スイセンもなかなか見事です。と言っても、1月初頭の時点ではまだ一輪も咲いてはいません。
懐中電灯すらも持たずに、スマホのライトだけを片手に歩いている人の姿が目につきます。はたしてこれは山ナメ行為に該当するのだろうか。単に夜の公園を散歩しているだけだとも言えるし。
突然眩い光を放つ文明がありましたが、これはトイレです。繰り返しになりますが、ここはあくまでも公園ですからね。
6時 吾妻山に登頂しました。駅から山頂までの所要時間は僅かに15分でした。標高差がだいたい100メートルくらいなので、1/4高尾山だと考えればまあ大体そんなものでしょうか。
3.周囲の景色を眺めつつ日の出時間を待つ
空はまだ暗い状態ですが、東の空はオレンジ色に焼け始めていました。見たところ日の出の方角には雲一つなく、絶好の初日の出見物日和となりそうです。
反対側の西方向に目を向けると、国府津や小田原辺りの夜景が良く見えます。標高100メートル少々でしかない低山とは言えど、海に近いため眺めはすこぶる良好です。
北側には丹沢の山並みが一望できます。きっと今頃は、初日の出目当ての多くの登山者が詰めかけていることでしょう。
この通り富士山も良く見えます。展望のクオリティに関しては相当高い山だと思います。
ちょうど富士山の正面に重なって見えているのは、足柄山地の矢倉岳(870m)です。山頂にヘッドライト灯らしきものが微かに見えるので、あちらにも初日の出目当ての登山者が詰めているようです。
この木の下あたりに陣取って、その瞬間が訪れるのを待つことにします。今日は風もなく穏やかで、気温もこの時期にしては高めです。おかげで動かずにじっとしていても、ほとんど寒さは感じられません。
相模湾を挟んだ向かいに、房総半島の先端が見えています。千葉県の外房からの初日の出も一度見てみたい気はしますが、なかなか遠くて面倒なため実現はしていません。
周囲がだいぶ明るくなってきたところで、街の灯りが消えました。令和7年の夜明けは近い。
伊豆半島の天城山の辺りまでもが良く見えます。伊豆半島の達磨山なんかは、初日の出を眺めるのにとても良さそうですね。
日の出の時刻が近づくにつれて、徐々に人が集まり始めました。恐らく大多数は地元の人なんでしょうけれど。
4.吾妻山公園から望む令和7年の初日の出
日の出時刻までは、あと残すところおよそ10分程です。その瞬間が訪れるのを固唾をのんで見守ります。
地平線の一部が神々しく輝き始めました。さあ登ってこいレイジングサン。
6時51分 太陽が頭を覗かせ始めました。雲一つない完璧なご来光です。見よや、これが令和7年の夜明けだ。
たかが日の出、されど日の出。ご来光とは何故こうも神々しさを感じるものなのか。私は信仰心を一切落ちあわせていない人間ですが、世界の多くの原始宗教において最高神が太陽である理由はよく理解できる気がします。
寒々しかった山頂が、暖かい太陽の光に満たされて行きます。あったけえ、あったけえ。
富士山も太陽の光に照らされて行きます。あの上から初日の出を眺めている人は・・・いるのかな。1月の富士山山頂は、相当過酷な環境だとは思いますが。
まだまったく記事化できていませんが、昨年の末に登って来たばかりの箱根の神山も陽の光に照らされてきます。
こうして今年も無事に初日の出を拝むことが出来ました。きっと良き一年となってくれることでしょう。と言うところで
明けましておめでとうございます
昨年の3月末に仕事辞めて以来このかかたずっと遊び呆けて過ごして来ましたが、ここ最近はかつての飢えるかのような山に行きたいという欲求がだいぶ薄くなってきているのを感じます。
客観的に見て、私の登山道楽に対する入れ込みようと言うのは若干常軌を逸しているものだったと思いますが、それは仕事のストレスからの逃避だったのかなあと、自分ではたいへん腑に落ちているところです。
それが薄らいできたという事は、そろそろ労働に復帰すべき時が来たという事なのでしょう。
と言う事で今年の抱負ですが、働きます。以上。
本年もよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
日の出の楽しいひと時、ありがとうございます。時系列に写真を見ていると臨場感があって面白いものですね。動画より若干の空白を埋める想像力が働くせいでしょうか。それに写真の大半が美しいです。昇ったばかりの太陽から七本の光芒が出ているのがとても感動的でした。音階や虹や一週間の七…。いいことがありそうですね。最後の海の写真もちょっといいですね。よいお年を。お礼まで。
まーやさま
コメントをありがとうございます。
本当は登ってすぐに記事を上げたいと常々思っているのですが、記事化未了の山行きが積み上がって途方に暮れているところです。次回からはまた昨年の記事に戻りますが、地道に更新していくのでまた気軽にご訪問ください。
吾妻山公園の初日の出、観させていただきました。ありがとうございます。
写真が美しく、記事も落ち着いた感じなのがよいです。
今年も山の記事、楽しみにしていますので、登った時に見たこと感じたことを発信してください。
私の山登りにとってもいろいろ参考になりますので。
では今年も佳い山登り活動ができますように。
ひかるかぜさま
コメントを頂きましてありがとございます。
時々ヒャッハーとか叫んだりしていますが
(時々か?)、引き続きご愛顧いただけましたら幸甚です。今年も良い年でありますように。