高指山 丹沢湖から山中湖へ、丹沢山地西部を横断する

水ノ木幹線林道から見た世附川
神奈川県山北町と山梨県山中湖村にまたがる高指山(たかさすやま)に登りました。
神奈川県と山梨県の県境尾根上に存在する山です。登ってきたとは言いつつも、実のところ高指山は単なるゴール地点であり、今回は丹沢湖から世附川沿いの林道を歩いて西丹沢を横断する、東海自然歩道サブコースの踏破が主な目的です。
丹沢湖から山中湖へ、かつては森林鉄道が通ていたと言う林道を延々と歩き、西丹沢の懐深くを横断してきました。

2020年12月13日に旅す。

たまには丹沢湖の話でもしようか。

丹沢湖は三保(みほ)ダムによる堰き止めにより形成された人工湖です。このダム湖の主の目的は治水と上水道用の水源確保であり、副次的に小規模な水力発電も行われています。
大野山から見た丹沢湖
ダム湖の周囲は観光地化されており、一般財団法人水源地環境センターが選定したダム湖百選にも選ばれています。

この丹沢湖の特色の一つが、単一の水系ではなく3つの水系が合流する地点にあると言う事実です。西からは世附川(よずくがわ)。北からは中川川(※誤字ではない)。そして東からは玄倉川(くろくらがわ)が、この湖に向かって注いでいます。
丹沢湖の地図
この3つの河川のうち、ユーシンブルーで有名な玄倉川と、西丹沢ビジターセンターの脇を流れている中川川については、丹沢の山を歩くハイカーにとっては馴染み深い存在であろうかと思います。

しかし、西から流れ込む世附川については、あまりその存在は認識されていないことが多いではないでしょうか、この川は、神奈川県と山梨県の県境近くにある切通峠付近を源頭とし、はるばる西丹沢を横断して流れています。
世附川

世附川付近の登山地図を広げると、そこには登山道の情報が全く記載されていない大きな空白地帯が横たわっていることに気が付くでしょう。
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この西丹沢の奥深くに位置する一帯は、道なき尾根を辿ることに喜び見出す、酔狂なヤブ屋さん達が活動するフィールドです。

この空白地帯を挟むようにして東西を結ぶルートが二つ存在します。北寄りの尾根沿いにこの領域を横断する甲相国境尾根コースと、南の世附川沿いに続く水ノ木幹線林道のルートです。どちらのルートも東海自然歩道の一部に組み込まれています。

今回は私は、この林道のルートを歩いて西丹沢を横断してきました。

このコースについては「ただひたすら林道を歩き続けるなんて退屈なんじゃないの?」と思われる方も当然いることでしょう。
水ノ木幹線林道の崩落地
退屈などとんでもない!人里から遠く離れた荒れ気味の林道を巡り歩くのは、その行為自体が一つのアドベンチャーです。冒険気分を通り越して、本当に冒険しなければならないような場所もありはしましたがね。

丹沢湖から山中湖を目指し、ただ延々と林道を歩いてきた一日の記録です。
大棚沢線林道

コース
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丹沢湖畔の浅瀬入口バス停よりスタートし、水ノ木幹線林道を延々歩いて、山梨県との県境である切通峠へ。峠から高指山へ登頂の後に石割の湯へと下ります。

東海自然歩道のサブルートにもなっている、丹沢山地西部を横断する行程です。

1.世附川林道への入り口、浅瀬集落を目指す

7時6分 小田急線 新松田駅
始発電車を乗り継ぎ、西丹沢の玄関口である新松田へとやって来ました。
新松田駅のホーム8

早速ですが、自分の中では新松田駅訪問時の恒例行事となっている、天気が良いと富士山が見える窓からのお天気占いを実施します。
新松田駅の跨線橋の窓

まったく見えませんねえ。なお、本日の天気予報は午前中は晴れで、午後からは高曇りの空になるとのことです。このどんよりとした雲も、何れは取れてくれることでしょう。
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西丹沢行きのバスに乗車します。こんなに寒々しい季節であるし、さぞや空いているだろうと思いきや、まさかのバス待ち行列が出来ていました。西丹沢はいつからこんな人気の場所になったのでしょうか。
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8時26分 浅瀬入口バス停に到着しました。なお、このバス亭付近の丹沢湖に浅瀬があるわけではなく、浅瀬と言う集落の名前です。
浅瀬入口バス停

丹沢湖の上に朝日は昇る。いつの間にか、予報通りの晴れ空が広がっていました。右手に見えている橋は丹沢湖の象徴的存在である永歳橋です。
丹沢湖の永歳橋

季節は12月も中旬になろうと言う時期でしたが、湖畔にはまだ僅かに紅葉が残っていました。
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時期的に全く期待はしていなかっただけに、これは嬉しいサプライズです。朝日に照らされて綺麗ですね。
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本日は風も穏やかで、湖面に周囲の山が綺麗にリフレクションしていました。もう少し早く訪れていたら、もっと紅葉が綺麗だったことでしょう。
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8時40分 身支度を整えて行動開始です。降りたバス停から少し戻ったところにある、この落合隧道を潜り道なりに進みます。
落合隧道

陽の差さないトンネルの内部は、身震いするような寒さです。結構な長さのトンネルで、抜けるのには5分以上かかります。
落合隧道

トンネルを抜けると、すぐに目の前に厳ついコンクリート製の洞門が現れます。覆いの分厚さからして、ここは相当落石が多い場所なのでしょう。
丹沢湖 新井沢洞門

対岸に三保ダムの堤体が見えます。三保ダムはロックフィルと呼ばれる形態のダムですが、湖側から見ても違いは良くわかりません。
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世附大橋の脇を通過します。この世附と言う地名は、明治時代にこの地に存在した村の名前です。やがて中川村、玄倉村と合併して三保村となり、その三保村の集落も今ではダム湖の底に沈んでいます。
丹沢湖 世附大橋
本日歩こうとしている切通峠に至る広大な山間部一帯はすべて、かつては世附村に属していた領域です。

橋の袂から、正面にミツバ岳の姿がよく見えました。ミツマタの群生地として知る人ぞ知る山です。
世附大橋付近から見たミツバ岳

湖畔にいくつもあるある小さな浸食谷が、だいぶ派手に崩れているのが目につきます。恐らくはこれも、令和元年に日本を襲った台風十九号による破壊の痕跡です。
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続いて前方に世附川橋が見えて来ました。あの橋までが丹沢湖の領域で、その先からが世附川となります。
丹沢湖 世附川橋

サギだー。湖面の一点を凝視して静止していました。狩の最中ですかね。
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無料の駐車場とトイレがあります。見たところ、ここを利用しているのは主に釣り人たちであるようです。
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駐車場を過ぎると、いよいよ世附川に沿った道が始まります。ここからゴールの切通峠まで、この川と共に歩み続けることになります。
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ここにまだ紅葉の名残がありました。結構遅くにまで残っているものですね。
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道の脇を流れる世附川は、いかにも西丹沢らしい素晴らしい透明度の川です。生活排水が一切流れ込まない環境ならではです。
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付近には僅からながらに人家が存在します。この場所が浅瀬集落と呼ばれている場所になります。
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浅瀬にはゲートがあり、車で入れるのはここまででとなります。・・・本日は車以前に、工事のため歩行者までもが通行止めにされていましたがね。工事は3月15日まで行われるとのこと。
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なるほど、この部分の法面がゴッソリ崩壊しているのを補修している最中な訳ですな。
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・・・え?お前は一体どこからこの写真を撮ったのかって?まあそう細かいことは気にしなさるな。

※右側に迂回できる道がちゃんと存在します

2.崩落を箇所を乗り越えて水ノ木幹線林道を行く

ゲートの先から水ノ木幹線林道に入ります。この林道は昭和40年代まで存在した、世附森林鉄道と呼ばれる鉄道の跡地に造られています。
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軌道由来の道であるが故に、鉄道がクリアーできないような勾配や急カーブなどは存在せず、緩やかに高度を上げて行きます。

9時50分 浅瀬橋までやって来ました。大股沢支線との分岐地点です。
浅瀬橋
ああそういえば、肝心な申し送り事項を伝えていませんでした。今歩いているこの切通峠に至る林道は、現在公式には通行止めの扱いとなっております。

結論から言ってしまうと通り抜けること自体は可能ですが、すべては自己責任の領域であるという事をご認識おきください。

分岐から北側へと延びる道が大股沢支線です。この道もまた森林鉄道の軌道跡を利用したもので、地蔵平まで続いています。
浅瀬橋の分岐路
終点の地蔵平周辺には、昭和の中頃まで林業に従事する人々の暮らす小規模な集落が存在しました。最盛期には小学校の分校まであったのだとか。

この支線にも大いに興味がそそられるところではありますが、本日はこちらには進みません。

あくまで本線に沿って切通峠を目指します。峠まではおおよそ12kmと、まだまだ結構な距離があります。
浅瀬橋の道標

ゴルジュ帯と言うほどには狭くはありませんが、しばし両側が切り立った谷底を進みます。
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かつてはこの場所に世附川の対岸へ渡る吊り橋がかかっており、三国山稜の不老山へ続く登山道が存在しました。現在は既に廃道状態となっており、吊り橋も撤去されています。
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対岸にみえるこのか細い滝は夕滝です。落差はおよそ50メートルほどあります。目の前で眺めたければ渡渉するしかありませんが、世附川は冬でも結構な水量であるため、飛び石伝い渡るのは少々難しいかもしれません。
夕滝

無残にもなぎ倒されたカーブミラー。傾いている向からして、水流によってなぎ倒されたとしか考えられません。それはつまるところ、大雨時にはこの路面の高さにまで水が押し寄せてくるという事です。
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言うまでもないことですが、間違ってもこの川沿いのルートを、雨の日に歩こうなどとは思わないでください。

直撃したら即死級の大きさの落石もチラホラと散乱しています。あまり長居はしない方が良さそうな場所です。
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狭い谷間の回廊を抜けると、広々とした空間が現れました。右手には杉の植林帯が広がっており、現在でも細々と林業が続けられているのが伺えます。
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ここで再び橋を渡り、対岸へ移ります。親柱によると、この橋は芦沢橋という名称です。
芦沢橋

欄干の一部が破壊されたままになっていました。これも台風による破壊の痕跡でしょうか。
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進む先に大きな崩落地があるのが見えました。土砂により完全に道が塞がれているように見えます。
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水ノ木幹線林道が通行止めの扱いとなっている直接の原因がこの崩落地です。しかし、通行止めを意に介さない不届き者は常に一定数いると見えて、割と明瞭な乗り越えるための踏み跡が付いていました。
水ノ木幹線林道の崩落地

崩落してからはすでに結構な時間が経過しているらしく、崩落面は踏み固められて意外と安定していました。少なくとも、足を乗せた矢先から崩れ始めたりするほどには脆くありません。
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※繰り返しになりますが、すべては自己責任です。決して人の言葉を鵜呑みにはせず、必ず自分自身で安全性を確かめてから横断してください。一度滑り出したら、確実に崖下まで転落します。

この案内だと、車両以外は通っても良いと言っているように見えますが、それは・・・・
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もう一ヵ所、激しく崩落した形跡がありましたが、こちらはすでにガッチガチに補修されていました。
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崩落した先代の法面と思われる瓦礫が、河原に無残な姿を晒していました。
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道の脇に大きな廃屋がありました。ここは王子製紙の詰所の跡であるとのこと。
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重機が何台か駐車してありました。先ほどの崩落地を越えられるとは思えないので、明神峠側から運び入れたのでしょうかね。
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相変わらず緩やかな勾配の道が延々と続いています。通行に支障をきたす規模の崩落があったのは、先ほど乗り越えた一ヵ所のみでした。
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小さな橋を渡り対岸へ移ります。親柱によると、この橋は山百合橋と言う名称です。花の季節には、付近に山百合が咲いているのかな。
山百合橋

所々こうして激しく崩落しています。いかにも丹沢らしい青ザレの崩落面です。西丹沢の山ではよく目にする花崗閃緑岩ですね。
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かつてこの谷を走っていた世附森林鉄道は、この先にある水ノ木と呼ばれる地点にまで伸びていました。お金を払えば、登山者も普通に乗せてもらえていたそうです。現役当時の車窓風景を眺めてみたかったですね。
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ユーシンブルーほどには色濃くはありませんが、これまた実に丹沢らしい青味がかった水です。
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水深が深い場所だと、より鮮やかに青く見えます。
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玄倉林道が通行止めになっているため、現在ユーシンブルーを見に行くことは出来ません。ならばその代わりに、このヨズクブルーを全面的に売り出してみては如何であろうか。

・・・よくよく考えてみたら、ここも通行止めでしたね。

道すがらに、ミツマタの蕾を数多く目にしました。開花時期に合わせて訪れれば、きっと華やかな光景が広がってくれることでしょう。
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峠までは残り7km。いつの間にか半分は越えていました。
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周囲は冬枯れの殺風景に変わりつつありましたが、それでもうこうして時より紅葉が残っていたりします。
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ここで前方の視界が開けました。一番奥に見えている尾根が甲相国境尾根で、あの尾根を越えた先は山梨県です。
水ノ木幹線林道から見た世附川
今のところは頭上にはまだ晴れ空が広がっていますが、午後からは曇ると言う予報になっております。

つまり私は、晴れていて一番眺めが良いであろう時間帯に展望の無い谷底の林道をひた歩き、曇ってしまうであろう時間帯になってから、眺めが良い尾根の上を歩こうしているわけです。

全くもって、早朝晴天タイムの無駄遣いが甚だしい行動計画ですね。

ここも比較的最近に補修したばかりのように見えます。恐らくは現地調達したのであろう、杉の丸太の法面です。林道だから許されるフリーダムな工法ですな。
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11時40分 水ノ木橋に到着しました。この辺りが森林鉄道の終点であった場所です。
水ノ木橋

かつてはこの付近にも小規模な集落が存在し、製材所などもあったらしいのですが、痕跡と思えるような平場は見当たりません。
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この看板は、焚火をした男の子が両親に怒られていると言う意匠なのですかね。両親の表情を見ていると、じわじわとくるものがあります。
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3.知る人ぞ知る西丹沢の名瀑、大棚の滝

水ノ木を過ぎると、世附川は大棚沢と言う名に変わります。沢に沿って、相変わらず緩やかな勾配の道が続いています。ここもまだ軌道跡なのかな。
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水ノ木橋からほどなく、大棚の滝への降下地点へと辿り着きました。わざわざ、この滝を見るためだけにここまで歩いて来る人もいると言う名瀑です。当然、見て行きますよ。
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沢に向かって杉の植林の斜面を下って行きます。
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水車らしきものが森の中に遺棄されていました。水ノ木の製材所では小規模な発電が行われてれていたと言う記録があるので、恐らくこれは水力発電用のタービンです。
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大棚の滝までやって来ました。確かにこれはなかなかの迫力です。
大棚の滝
なお、棚と言うのは滝の事をさしている言葉で、丹沢の滝には棚と付くものが数多くあります。それでふと思ったのですが、「大棚の滝」では、「大滝の滝」になってしまうのではないでしょうか。単に大棚ではいけなかったのか。

水流が二俣に分かれて落ちつつも、滝壺で再び一つに合流する変わった姿をしています。私が立っている位置からは結構な距離があるにもかかわらず、飛んでくる飛沫が凄い。
大棚の滝

もう少し近づいて鑑賞したいところではありますが、この表面がしっとりと濡れた岩のグリップが全く信用をおけない状態であったため、これ以上の接近は諦めました。
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林道へと復帰して行動を再開します。
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これは道の上から見下ろした大棚の滝です。こうして横から見ると、ずいぶんと複雑な水の流れ落ち方をしていました。
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4.切通峠へと続く差後の登り

明神峠方面への分岐地点までやって来ました。道の途中で見かけた重機は、おそらくは峠からここを下って来たものと思われます。
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頭上高くに送電鉄塔があるのが見えます。送電線は県境付近を通っていたはずなので、ようやくゴールが近づいて来ましたよ。
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12時50分 切通沢橋に到着しました。ひたすら長かった世附川源流への旅も、いよいよ佳境へと近づいて来ました。
切通沢橋

峠までは残すところあと2.8km。最後のひと踏ん張りです。
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峠に近づくにつれて、道の登り勾配が増し大きく標高を上げ始めました。
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冬であってもあれほど多くの水量をたたえていた世附川も、今やすっかり小川のせせらぎ程度の大きさになりました。
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林道は峠の手前で力尽きて、最後の峠越えの部分は登山道となります。スタートから4時間以上歩きつづけたところで、ようやくにして登山開始です。
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以前に雨山峠付近を歩いた時にも感じましたが、沢の源頭付近の谷と言うのは、独特の雰囲気があります。
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シンとした静寂な空気感とでも言えばいいのでしょうか。うまく言語化ができません。こればっかりは実際に体験して感じてもらうほかありませんな。

最後の峠に取り付く部分は、結構な急登です。ラストスパートをかけていきましょう。
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振り返ると、背後には今日ここまでずっと歩いて来た、世附川流域の山々が横たわっていました。900万パワーを誇る神奈川県内に、かくも広大なほぼ人のいない空白地帯が横たわっていたことに驚きです。
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14時15分 切通峠に到着しました。これで、西丹沢の空白地帯を横断すると言う当初の目標は、無事に達成されました。
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切通峠側には、特に通行止めの案内がありませんでした。これだと、普通に人が入って行ってしまうと思うのですが・・・

5.甲相国境尾根上の好展望地、高指山

すでに目標は達成したのだから、このまま下山しても一向に構いはしませんのですけれど、せっかくなのでピークハントもして行きましょう。
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背後には三国山稜の山並みです。この尾根の先に、神奈川、山梨、静岡の三県国境である三国山があります。
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予報の通りにすっかりと曇り空になってしまいましたが、それでも高曇りであるおかげで、この通り富士山の姿も良く見えました。相変わらずでっけえなあ。
高指山から見た富士山

今年の富士山は驚くほどに雪が少ないですね。12月も中旬になろうと言う時期にまだこれしかないと言うのは、かなりの異常事態なのではないでしょうか。
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14時45分 高指山に登頂しました。もはやおまけの様な扱いですが、予定していた行程はすべて踏破されました。
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すっかりと陽が陰ってしまったことにより、立ち止まっているとあっという間に体が冷えてきます。僅かな山頂滞在時間で先へと進みます。
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目指すのは、長い長い林道歩きで冷え切ってしまったこの体を温めるための場所。そう、すなわち温泉です。

富士見岬平と呼ばれる地点まで歩いてきました。ここから甲相国境尾根を外れて、山中湖村方面へと下って行きます。
富士見岬平

6.石割の湯で暖まり、帰宅の途へ

この富士見岬平は、殆ど名もなき小ピークの様な扱いをされている場所ですが、ここからの富士山の眺めもなかなかのものです。
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まあ、この界隈であればどこからでも大抵は良く見えはしますがね。

ここから文字通りの一直線に下ります。麓の山中湖村の標高自体がかなり高い場所であるため、下山と言っても僅かな標高差しかありません。
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一直線の登山道を下りきると、別荘地の中に飛び出しました。舗装道路に出てからも、石割の湯まではもうひと道あります。
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道志道に出たら、後はひたすら富士山に向かって歩くのみです。
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振り返って見た高指山(右)と富士見岬平(左)です。こちら側から見ると、山と言うよりは、ただの丘のようにも見えます。
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ゴールはもう目の前です。早く温まりたい一心で、ほとんど駆け足の様なペースで歩きました。
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15時55分 石割の湯に辿りつきました。今日もたくさん歩いて大満足です。
石割の湯
入浴料金は800円です。泉質はPH値の高い強アルカリ性で、いわゆる美肌の湯と呼ばれる性質のものです。

風呂上りには、なぜか無性に牛乳が飲みたくなる不思議。武田牛乳と言う、見るからに山梨のご当地牛乳っぽ名称です。味の方は至って普通の牛乳でした。
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十分に体も温まったところで、河口湖行きのバスに乗り込み撤収します。以前はバスがここまでは乗り入れおらず、山中湖平野まで猛然とダッシュしたような記憶がありますが、現在は温泉の目の前まで来てくれるようになりました。
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このふじっ子号と呼ばれている山中湖方面の周遊バスは、観光路線でありながらも、同時に地元の人のための生活路線も兼務しています。

そのため途中で病院に寄ったり、いちやまマートの前を行ったり来たりしたりと、寄り道をしながらかなり遠回りな経路をたどります。

そんな訳で、富士山駅に到着したのは、平野を出発してから1時間近くがたってからの事でありました。えらい時間がかかりますな。
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20分程待ち時間があったので、駅ビル地下のフードコートで吉田うどんを食べて一日を締めくくります。
吉田うどん
コシが強い麺とはいったい何たるかを垣間見たいと言う人は、是非とも一度この吉田うどん食べてみてください。麺の弾力性の高さに驚かされますよ。

小田急線の駅から始まったはずの旅は、こうして無事に富士急線の駅で幕を下ろしました。月並な感想ですが、いろいろな要素が盛りだくさんな充実した休日でありました。
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西丹沢の空白地帯を埋めてみたいと言う、なんとなくの動機から決行した今回の山行きは、こうしてつつがなく目標を達成することができました。通行止めの扱いとなっている道ではありましたが、一か所だけ際どい崩落地の通過があったほかは、特段歩行に困難をきたすような場所は存在しませんでした。
ひたすら林道を歩き続けるだけのコースですが、所々にかつての人の営みの痕跡を見出すことの出来るこの道は、ちょっとした冒険心をくすぐってくれる格好の探検フィールドであると思います。まだ辿れていない地蔵平方面への支線も存在するため、機会を見てまた再訪してみたいところです。

<コースタイム>
浅瀬入口バス停(8:40)-浅瀬(9:40)-水ノ木橋(11:40)-大棚の滝(11:55)-切通沢橋(12:50)-切通峠(14:15)-高指山(14:40)-石割の湯(15:55)

高指山から見た富士山

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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