吾国山-難台山-愛宕山 すずらんが咲く新緑の笠間アルプスを巡る

福原駅周辺の田園と吾国山
茨城県笠間市にある吾国山(わがくにさん)、難台山(なんだいさん)および愛宕山(あとごやま)に登りました。
茨城県中部の平野部に立つ標高500メートル前後の低山の連なりで、通称笠間アルプスと呼ばれています。カタクリが咲く山として知られていますが、このコースには花の見頃の時期がもう一つあり、5月の上旬から中旬にかけてすずらんが咲きます。
新緑が光り輝くマイナーなご当地アルプスを巡って来ました。

2024年5月15日に旅す。

近年日本全国に増殖中のいわゆるご当地アルプスの一つである、笠間アルプスを歩いて来ました。その名の通り茨城県の笠間市にある山を巡るハイキングコースです。
吾国愛宕ハイキングコースの標識
こうしたご当地アルプスの呼称については、地元自治体公認のものもあれば非公式の愛称であるものもありますが、笠間アルプスについては非公式な呼び名です。

正式な名称は吾国愛宕ハイキングコースと言います。地元で古くから信仰の対象となってきた、吾国山と愛宕山を繋げる縦走コースとして整備されています。

このルート上にすずらんの群生地があります。例年だと5月の中旬頃までが見頃とのことですが、今年の開花はやや早かったらしく、既にほぼ終わりかけの状態でした。
笠間アルプスのすずらん群生地
それでもいくつか残っていた個体が、可憐な姿を見せてくれました。

標高500メートル前後の純然たる低山ですが、端から端まで歩き通すと全長は17kmほどあり、なかなか歩き応えのある縦走コースです。ほぼ丸一日をかけてマイナーなご当地アルプスを巡ってきた記録です。
愛宕山の駐車場

コース
笠間アルプスのコースマップ
JR水戸線の福原駅からスタートし、吾国山から愛宕山まで縦走します。下山はJR常磐線の岩間駅へ下ります。駅から駅へと繋ぐ、公共交通機関利用者にも優しい縦走コースです。

笠間市の公式サイトに吾国愛宕ハイキングコースのマップが公開されています。ルートの詳細についてはこちらを参照してください。
笠間市公式ホームページ

1.笠間アルプス アプローチ編 鈍行列車で行く常陸国への旅路

5時50分 JR上野駅
朝の常磐線は日暮里駅から乗車するといつも混雑しているため、本日はわざわざ始発駅の上野までやって来ました。所要時間的にも大きな差はありません。
上野駅の常磐線ホーム
なにしろ常陸国は広くなかなかの長時間乗車となるため、立って行くのは苦行であるかと思います。え?特急ときわ?なにそれ、おいしいの?

7時52分 上野からほぼ2時間をかけて友部駅に到着しました。続いて今度は水戸線に乗り換えます。なにしろまったく地理感覚が無いエリアなので、Yahoo路線検索に言われた通りに乗り換えます。
友部駅の水戸線ホーム
友部駅乗り換えの他にも、宇都宮線で小山まで出て水戸線に乗り換える経路もあります。所要時間に大きな違いは無いので、どちらでもお好みの方でどうぞ。

8時11分 福原駅に到着しました。自身初めて降り立つ駅です。この駅が吾国愛宕ハイキングコース北側の起点となります。
水戸線福原駅のホーム

縦走路最初のピークである吾国山は、この通り駅からすでに見えています。まさしく駅チカ物件の山と言えそうです。
福原駅のホームから見た吾国山

笠間アルプスに全国区の知名度があるとは言い難く、駅に降り立ったのは私一人だけでした。おそらく登山と言う趣味を嗜んでいなければ訪れる機会はなかったであろう、こじんまりとした駅です。
福原駅の駅舎

それでも一応は笠間市イチオシのハイキングコースであるらしく、駅前にはしっかりと案内板が掲げられていました。福原駅にはそもそも南口がないため、北口から出て踏切を渡り回り込む必要があります。
福原駅前のハイキングコース案内板

2.お日様ギラギラの中を歩く吾国山登山口までの道程

8時15分 身支度を整えて行動を開始します。駅前のハイキングコースの案内に従い、まずは踏切を渡ります。
福原駅の踏切

要所要所にしっかりと道標が整備されています。全般的にとても良く整備されているハイキングコースです。
吾国愛宕ハイキングコース

田植えが済んでからまだ間もない水田に吾国山が写り、逆さ吾国山になっていました。これだけ人里にも近く目立つ山であるとなれば、古くから信仰の対象になってきたと言うのも納得です。
水田に反射した吾国山
今のところ天気は上々で、むしろ容赦のない直射日光に晒されて、山登りを始める前からすでに薄っすらと汗ばんでいます。はやく日影の樹林帯の中に逃げ込みたい。

やがて前方を横切る北関東自動車道が見えて来ました。群馬県の高崎と茨城県の水戸を結んでおり、関越道、東北道および常磐道の3つの高速道路を繋げる東西路線です。
福原駅周辺の北関東自動車道

ここまではずっと駅からは道なりでしたが、北関東自動車道のちょうど真下で右の脇道へ入っていきます。
240515笠間アルプス-015

住宅地の中を小道を進みます。アプローチの下道歩きが実は一番わかりづらいと言うのは里山にありがちですが、その点笠間アルプスは分岐に必ず道標があり、その導きに従っていれば迷う事はありません。ありがとう笠間市。
吾国山登山口までの道

畑の中に唐突に鳥居が立っていました。どうやらここが、吾国山の山頂にある田上神社への参道の入口と言う事であるらしい。
240515笠間アルプス-017

参道らしく、道の脇に番地表示の石柱が立っています。最初に気が付いた時点で既に5丁目でしたが、1丁目から4丁目はどこにあったのだろう。
240515笠間アルプス-018

9時5分 吾国山登山口まで歩いて来ました。ようやくここから山中へと分け入って行きます。
吾国山登山口

3.ひっそりとた佇む信仰の山、吾国山

登り始めはいかにも里山らしい杉の植林帯です。吾国山の真骨頂と言えるのは、山の中腹以降に広がるブナ林にあります。なので、サクサクと足早に進みましょう。
240515笠間アルプス-020

道の脇には、相変わらず丁目の表示が並んでします。14丁目とありますが、山頂は一体何丁目なのだろうか。
240515笠間アルプス-021

一度林道を横断します。このあたりを境にして、周囲の森の雰囲気がガラッと変わります。
240515笠間アルプス-022

ナラやブナなどの広葉樹の森が広がります。まるで密林のような緑の濃さです。里から近い低山に、これほどの規模の自然林が残されているのは、なかなか稀有な事であると思います。
吾国山の広葉樹林

木漏れ日が差し込み、新緑が眩しく輝いていました。紅葉も良いけれど、私は新緑シーズンの山の光景が一番好きです。
240515笠間アルプス-024

山頂の近くまで登って来ると、ロープで保護されているカタクリ群生地がありました。今はもうとっくにシーズン外であるため、咲いている花はありません。
吾国山のカタクリ群生地
笠間アルプスへの訪問時期はカタクリが咲く4月上旬頃がベストシーズンで、時点なのがすずらんの咲く今ぐらい時期でしょうか。純然たる低山なので、夏は灼熱地獄になります。

小さな池がありました。こんな山の上の方であっても僅かな湧き水の流入があるのか、枯れることなくなみなみと水を湛えていました。
吾国山の池

ブナの巨木が、カタクリ群生地を見下ろすかのようにして立っていました。標高500メートル少々でしかない里山にこれほどの巨木が育つのは珍しい。信仰の山として長年守られてきた結果でしょうか。
吾国山のブナの巨木

現在地はまだ山頂ではありませんが、ベンチが置かれた休憩スポットになっています。そしてこの周囲に木々は、明らかに桜ですね。うーむやはりこれは、訪問時期を誤ってしまったかもしれない。
240515笠間アルプス-028

三十三丁目の石柱がありました。この先にはもう見かけなかったので、この石碑が参道の終点であるようです。しかし33で終わりとはまた中途半端ですね。
240515笠間アルプス-029

山頂に向かって最後の登りです。ここまでずっとなだらかな登りが続いていましたが、山頂直下だけはそこそこ急勾配です。
240515笠間アルプス-030

登りきると積まれた石垣の脇に飛び出しました。
240515笠間アルプス-031

10時10分 吾国山に登頂しました。山頂であることを示す標柱などはなく、田上神社の小さなお社が立っていました。それにしても、吾国山と書いて「わがくにやま」とはなかなかユニークな名称です。
吾国山山頂の田上神社

展望は一部だけが開けています。北側には、ここまで歩いて来た福原の長閑な水田地帯が広がります。
吾国山からの展望

南西方向には、筑波山(877m)だと思しき山が僅かに見えています。なるほどこういう位置関係になるのか。
吾国山から見た筑波山

神社の傍らにもうほぼ終わりかけのツツジが咲いており、周囲をカラスアゲハが忙しそうに飛び回っていました。
吾国山山頂のツツジ

4.道祖神峠を越えてすずらん群生地を目指す

先へ進みましょう。もと来た道には戻らず、道祖神峠方面に向かって下って行きます。
240515笠間アルプス-036

これから歩く笠間アルプスの稜線が見えました。起伏自体は比較的なだらかですが、こうして見るとなかなかのロングトレイルであることが良くわかります。
240515笠間アルプス-037
端から端まで歩くと何気に17kmほどあるので、ゆるふわな里山歩きと言う感じではなく割とガッツリな縦走です。

足元は粘土質の地面が剥き出しで、湿っている状態だと笑ってしまうほど良く滑ります。歩幅を小さくして、ベタ足で慎重に下ります。
240515笠間アルプス-038

またもや林道を横断します。この道は登りの時に横断した林道とつながっており、吾国山の中腹辺りをグルっと取り囲んでいます。
240515笠間アルプス-039

林道からさらに下って行くと、道の脇に赤い屋根の建物が現れました。
240515笠間アルプス-040

吾国園と言うキャンプ場です。かつては洗心館と名称で運営されていた青少年向けのリクリエーション施設でしたが、平成20年に閉館となり、現在はその跡地がキャンプ場に転用されています。
吾国園の旧洗心館キャンプ場

登山者は敷地内を通り抜けても良いが、キャンプ場利用者の邪魔はしないようにとの注意書きがありました。そういう事であれば、お行儀よく通らせてもらいます。
240515笠間アルプス-042

薪が大量に積み上げており、いまでも現役の施設として稼働中であるようです。
旧洗心館キャンプ場

ここからはしばしの間、登山道と林道がすぐ近くの距離を並走しています。キャンプ場の敷地内を通らなかったとしても、大した迂回距離にはなりません。
240515笠間アルプス-044

10時55分 道祖神峠(どうろくじんとうげ)まで下って来ました。笠間市と石岡市の境にあり、林道ではなく茨城県道42号線が峠を越えています。
道祖神峠

笠間氏側の展望だけが開けています。顕著に高いピークこそありませんが、平野部に無数の丘のような低山がひしめていました。
240515笠間アルプス-046

峠を横断して、車止めのチェーンでふさがれた入口から再び登山道へと入って行きます。
240515笠間アルプス-047

すぐに分岐が現れました。難台山の山頂と書かれた右の道へ入って行きます。
240515笠間アルプス-048
峠のチェーンによる封鎖に続いて、ここにも車止めの杭が設置されており2重の封鎖になっていました。

2輪車の乗り入れ禁止と書かれた立て看板を多数見かけたので、マウンテンバイクやオフロード車によって登山道が荒らされる被害が続発しているのかもしれません。

木製の階段がだいぶ朽ちかけていますが、幅の広い明瞭な道が続いています。ただのハイキングコースにしては高規格過ぎるように思えるので、この道の前身は林道だったのかもしれません
240515笠間アルプス-049

登り一辺倒ではなく小刻みにアップダウンが入ります。ここでも道の脇が桜並木になっていました。やはりどう考えても、お花見シーズンに歩くべき山でしたかね。
240515笠間アルプス-050

山頂らしき場所が現れましたが、ここはまだ難台山ではなくその手前にある名も無き小ピークです。
240515笠間アルプス-051

すずらんの群生地は、この小ピークから少し下った地点の山の中腹になあります。ということで、一度縦走路から外れて少し寄り道をしてゆきます。
240515笠間アルプス-052

5.見ごろのピークには少し遅かった、すずらんの群生地

分岐からは結構しっかりと下らされます。何気に急勾配で、補助のトラロープが張られていました。見物した後にまた登り返さなければならないので、あまり下ってほしくはないのだけれどな。
240515笠間アルプス-053

12時 すずらん群生地まで下って来ました。森の中にあり、ここだけぽっかりと頭上が開けている空間です。
笠間アルプスのすずらん群生地

野生動物対策の電気柵にぐるりと囲まれているこの草地が、どうやら群生地であるようです。しかしぱっと見では咲いている姿が見えません。あれ?時期を間違えてしまったのか。
笠間アルプスのすずらん群生地

良く目をこらしてみると、僅かにチラホラと咲いていました。思っていた以上に小さな花で、かなり注意深く観察しないと見つけられません。
笠間アルプスのすずらん

すでに終わりかけのようで、茶色くなりつつありました。前述の通り電気柵の中に咲いているので、大きく写したかったら望遠レンズがあった方が良いと思います。
笠間アルプスのすずらん
かく言う私は望遠を持ってきていないので、標準ズームのテレ端で写したものを目いっぱいトリミングしてこれが限界です。

一言すずらんと言っても種類がありますが、この群生地のすずらんは日本在来種で、特に花弁がサイズ小さいのが特徴です。見頃の盛りは過ぎていましたが、それでも良いものを見せてもらいました。
笠間アルプスのすずらん

6.最高峰の難台山と奇岩が並ぶ尾根

すずらんの見物を終えたところで、約束されていた登り返しに取り組みます。ここでようやく、この日初めてとなるほかの登山者とすれ違いました。どこまでも静かな笠間アルプスです。
240515笠間アルプス-059

尾根の上まで戻って来ました。笠間アルプス縦走を再開します。
240515笠間アルプス-060

相変わらず幅が広くてやけに高規格な登山道が続きます。確かにこれは、マウンテンバイクか何かで疾走したくなる気持ちも分からなくはありません。
240515笠間アルプス-061

こう言う勾配がキツめの場所は、道の幅を狭めて九十九折れに折り返した方が歩きやす道になると思うのですが、何故か愚直なまでに一直線です。仮に林道由来の道だったのだとしても、この勾配となるとブルドーザ専用だったのだろうか。
240515笠間アルプス-062

ズルズルと良く滑る急坂を悪戦苦闘気味に登り返すと、山頂らしき場所が現れました。
240515笠間アルプス-063

13時5分 難台山に登頂しました。標高は533メートルあり、ここが笠間アルプスの最高地点となります。これまた変わった名称の山ですが、どんな無理難題を吹っ掛けられたのだろうか。
難台山の山頂

方位板が置かれているあたり、昔は眺めの良い山だったのかもしれません。現在では森が大きく育ち、展望は一切ありません。
難台山山頂の方位板
この山にはかつは山城が建っていたとの事で、そう言われてみると確かに何となく曲輪の跡らしき地形になっています。

木の隙間から僅かに筑波山と加波山の姿が並んで見えました。
難台山から見た筑波山と加波山

難台山を過ぎると尾根上が少し岩山っぽくなりました。隣接する筑波山とよく似た雰囲気の花崗岩の岩場です。似ているのも当然で、難台山は筑波山地の一部であり、同時期に成立しています。
240515笠間アルプス-067

こちらは屏風岩と呼ばれている、高さおよそ10メートルの一枚岩です。大きな岩だねと言う以外の感想は特にありません。
笠間アルプス 屏風岩

変わらずツルツルで滑りやすい道が続きます。一見歩きやすいようでいて、意外と歩行に難儀する道です。
240515笠間アルプス-069

こちらは獅子ヶ鼻と呼ばれている岩です。表面に溶岩が固まってできたと言う、縞模様が浮かび上がっている様が分かります。
笠間アルプス 獅子ヶ鼻

こうして下から見上げると、獅子の鼻のように見えるかどうかはさておき、なかなか迫力があります。辛うじて乗っかっているだけのような状態なので、岩の上には乗らない方が無難だと思います。
240515笠間アルプス-071

たまに現れる大岩くらいしか代わり映えのしない道が延々と続き、流石に少しダレて来ましたぞ。ちょっとペースを上げて行きましょう。
240515笠間アルプス-072

筑波山がかなり大きく見えるようになって来ました。この山は平野の中にポツンと立っている独立峰のようなイメージがありますが、それは南側から見た時の姿で、北側には加波山を始めとした山脈が連なっています。
獅子ヶ鼻付近から見た筑波山

こちらは団子石だそうです。特にコメントはありません。
笠間アルプス 団子石

14時40分 団子石峠まで下って来ました。ここでまたもや林道を横断します。さほど標高が高くはない山塊だとは言えども、峠越えの道がやたらと沢山あります。
団子坂峠

次なるピークの南山に向かって登り返します。単純な標高差でいうと、難台山から峠まで一度250メートルほど下って、その後に100メートルほど登り返すことになります。
240515笠間アルプス-076
南山の山頂には展望台があるらしいので、期待して行ってみましょう。

ここまでと変わらない、やけに幅の広い一直線の道が続いています。防火帯と言う感じでも無し、マイナーなハイキングコースには不釣り合過ぎて出自が気になる道です。
240515笠間アルプス-077

ここでも見上げる高さの巨木が立っていました。里の近くの山にこれだけの自然森が残されているのは、笠間市にとって宝物のようなものだと思います。
240515笠間アルプス-078

15時5分 南山に登頂しました。尾根上にあるただの通り道と言った感じの場所ですが、北東方向に展望が開けています。ここまでくれば、笠間アルプス縦走ももうあと一息といったところです。
笠間アルプス 南山の山頂

ここにかつて存在したと言う展望台はどうやら既に撤去済みらしく、コンクリートの土台だけが残っていました。
笠間アルプス 南山展望台の土台跡

本日の縦走最後の山である愛宕山が見えます。愛宕山は山頂のすぐ下にまで車で入ることが可能で、登山の対象と言うよりは観光地の色合いが強い山です。
南山から見た愛宕山

7.岩間を見守る火防の信仰の愛宕山

仕上げに取り掛かりましょう。足元の土がツルツルで歩きにくいのは、結局最初から最後までずっと変わりませんでした。
240515笠間アルプス-082

15時40分 乗越峠まで下って来ました。登山道なのはここまでで、この先ば舗装道路歩きになります。
240515笠間アルプス-083

道の脇に瀟洒なコテージが並んでいます。エトワ笠間と言う名のグランピング施設です。まだ下山はしていないハズなのに、既に観光地の装いで、山登りの格好をして汗と泥にまみれている私は完全に浮いている感じがします。
240515笠間アルプス-084

愛宕山が正面に見えて来ました。山頂には神社が立っており、最後に石階段の登り返しが約束されています。
240515笠間アルプス-085

愛宕山神社の駐車場まで歩いて来ました。広々とした駐車所の脇にはお食事処まであり、観光地の色合いが強いと言うよりは完全に観光地です。はい。
愛宕山の駐車場

自動販売機もあります。本日は思っていた以上に気温が高く、実は飲み物が尽きかけていたので命拾いしました。キンキンに冷えた麦茶うめえ。
240515笠間アルプス-086

愛宕山には天狗が住んでいたという伝説があり、謎の天狗のマスコットキャラクターがいました。
愛宕山の天狗のマスコット

本日は空気が霞んでいて遠くは見えませんが、常陸国の平野部を広く一望することが出来ます。車で上がってこれる場所なので、夜景を見に来るのも良さそうです。
愛宕山駐車場からの展望

何故かギリシャ風の半円形の劇場がありました。こう言う思い付きで作った(としか思えない)ものがさり気なくある辺り、どこまでも観光地の装いです。
愛宕山の半円形劇場

気乗りはしませんが、鳥居をくぐって最後の登りに取り組みましょう。
240515笠間アルプス-090

石階段を割としっかり登らされますが、実は神社の裏手まで通じている車道も存在します。どちらでもお好みの方からどうぞ。
240515笠間アルプス-091

16時 愛宕山に登頂しました。それこそ日本の全国各地津々浦々に存在する愛宕神社は火防の守り神とされており、本宮は京都にあります。
愛宕さん神社
笠間の愛宕神社は創建が西暦806年と伝わっており、かなり古くからこの地に存在しています

眼下に岩間の集落を見下ろすことが出来ます。集落の守り神が座す場所としては絶好のロケーションです。
愛宕山の山頂から見た岩間の集落

ゴールの岩間駅も見えています。吾国山以上に駅チカ物件の山だと言えます。愛宕山がそもそも山カテゴリーに含まれるのかどうかはさておき。
240515笠間アルプス-094

8.笠間アルプス 下山編 寸断されてしまったかつての参道を下る

さあ、帰りましょう。下山方向にもしっかりと石階段があり、駐車場まで戻らずに真っすぐ下れます。
240515笠間アルプス-095

2車線の車道に出でました。このまま道なりに下っても駅へ下れますが、車道が出来る以前の時代からある愛宕山の参道もしっかりと存在します。
240515笠間アルプス-096

と言う事で、車道を外れて参道を下って行きます。この参道はスニーカーでも歩けないことはないと思いますが、割としっかり山道です。
240515笠間アルプス-097

かつての参道は、所々で後から出来た車道によって寸断されてしまっています。
240515笠間アルプス-098

隙間に無理やり押し込んだ感あるグネグネの道です。良く作りましたな。
240515笠間アルプス-099

もはや道ですらない路肩に鳥居が追いやられていました。せめて下を通れる場所に置けば良いものを。
240515笠間アルプス-100

参道の入り口まで下って来ました。住宅地のすぐ脇に登山口あるのは、里山にはありがちな光景です。
240515笠間アルプス-101

最後に駅まで10分少々の舗装道路歩きがあります。
240515笠間アルプス-102

16時50分 岩間駅に到着しました。なんだかんだでほぼ丸一日を費やしたガッツリハイキングでした。今日もたくさん歩いて大満足です。
岩間駅の駅舎

行きと同様に鈍行列車に揺られて、長い帰宅の途に着きました。
岩間駅に入線する常磐線

マイナーなご当地アルプスとして以前から目をつけていた笠間アルプスでしたが、お手軽な里山歩きと言う感じではなく、丸一日を費やしたガッツリ登山となりました。有名所な沼津アルプスなどと同種の、標高の割には歩き応えがある縦走ルートです。
本文中でも触れたとおり、このルートを歩くのにベストなシーズンは、桜やカタクリが咲く時期であろうかと思います。花よりも新緑を重視するのなら、すずらんシーズンで正解です。思いのほか長丁場となるので、飲み物の携行量にはくれぐれもご注意ください。

<コースタイム>
福原駅(8:15)-吾国山登山口(9:05)-吾国山(10:10~10:25)-道祖神峠(10:55)-すずらん群生地(12:00~12:20)-難台山(13:05~13:20)-団子石峠(14:40)-南山(15:05)-乗越峠(15:40)-愛宕山(16:00)-岩間駅(16:50)

難台山山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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