縞枯山-茶臼山-高見石 北八ヶ岳の山上に広がる溶岩台地と麦草峠

縞枯山展望台から見た、麦草峠と南八ヶ岳の山並み
長野県の茅野市と佐久穂町にまたがる縞枯山(しまがれやま)、茶臼山(ちゃうすやま)および高見石(たかみいし)に登りました。
いずれも北八ヶ岳と呼ばれる一帯に広がる溶岩台地上に立つ、緩やかな山容を持つ山です。北八ヶ岳ロ―プウェイを利用して登るかことが可能であり、また車で訪れることの出来るメルヘン街道がすぐ傍らをかすめていることから、とても手軽に訪れることの出来る山として人気のエリアです。
自身にとって八ヶ岳連峰の最後の空白地帯となる領域を踏破すべく、北八ヶ岳へと繰り出して来ました。

2021年8月29日に旅す。

それは今を遡る事およそ1ヵ月ほど前の事。

八ヶ岳連峰の中でまだ未踏の空白地帯だった、夏沢峠を中心とする北八ヶ岳と南八ヶ岳の境界のエリアを巡り歩いて来ました。
夏沢峠から見た硫黄岳
この日の山行きによって、細切れにではあるものの、私は八ヶ岳のすべての区間を踏破したものだと思っていました。

ではここで、過去の八ヶ岳への山行きを振り返ってみましょう。

これで八ヶ岳の全ての区間が繋がったはずである。そう思い込んでいた訳なのですが、しかしよくよく地図を広げなぞって見ているうちに、実はまだ未踏破の区間が残っている事に気が付いてしまったのです。

それは北八ヶ岳の、茶臼山から麦草峠に至る区間です。ほんの僅かな距離でしかありませんが、しかし未踏であることは間違いありません。
麦草峠とメルヘン街道
なんてこったい!私はまだ、八ヶ岳全踏破のタイトルホルダーではなかったのです。

まあ、何が何でも繋げなくてはならない義務を負っているわけでもなく、別にどうでも良いと言えばどうでも良いことではあります。しかし一度気になり始めると、何となく気分が悪いのもまた事実であります。ぐぬぬぬ。

前回の訪問から僅かに1ヵ月後にして、私は再び北八ヶ岳の地へと降り立ちました。目的はただ一つ、八ヶ岳連峰の踏破です。
茶臼山展望台から見た南八ヶ岳

コース
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北八ヶ岳ロ―プウェイ山頂駅よりスタートし、縞枯山と茶臼山を経て麦草峠へ。麦草峠からは白駒池を経由して、名物の揚げパンを求めて高見石小屋まで足を延ばしました。

下山はメルヘン街道上にある白駒池バス停へ下ります。麦草峠周辺の山を巡る、お手軽な行程です。

1.北八ヶ岳登山 アプローチ編 中央線の始発電車で行く、北八ヶ岳への旅路

4時30分 JR三鷹駅
未だ夜明け前の三鷹駅よりおはようございます。私の自宅最寄駅は京王線なのですが、本日は朝っぱらから自転車をこいでやって来ました。
三鷹駅のホームに入線する、高尾行きの始発電車

確か以前にも一度、まったく同じことを説明したことがある気もしますが、4時40分三鷹発の始発電車に乗ると、高尾駅で5時15分発の大月行きに接続します。
高尾駅のホームに停車する、大月行きの始発列車
この大月行きの電車は終点で甲府行きに接続し、甲府行きの電車は終点で今度は松本行きに繋がります。

7時48分 茅野駅に到着しました。
三鷹駅から始発電車リレーを継投して行くと、実はこんなにも早い時間に茅野駅に降り立つことが可能です。
茅野駅のホーム

そしてうまい具合に、7時55分発の北八ヶ岳ロープウェイ行きの始発バスにも繋がります。このバスに乗るためには甲府辺りで前泊するしかないものと思っていましたが、実は間に合うと言うことを知り決行した次第です。
茅野駅に停車する北八ヶ岳ロープウェイ行きのバス

山道を延々と1時間近く揺すられ、8時46分に北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅に到着しました。公共交通機関利用を前提とした場合、これがこの場所に降り立つことの出来る最速の時間です。
北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅の駐車場

2.ロープウェイで労せずに標高2,200メートル越えの世界へ

この北八ヶ岳ロープウェイは通年で営業しています。夏から秋にかけてのシーズン中は主に登山者や観光客を運び、冬になればスキー、スノボー客で賑わいを見せます。
北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅
恐らくはヨーロッパの高原リゾートをイメージしたのであろう、瀟洒な建物ですな。

本日はもうここへは戻ってこない計画であるので、片道切符を購入します。料金は大人一人で1,200円なり。
北八ヶ岳ロープウェイの片道切符

山頂駅にも一応はトイレがありますが、あくまで緊急時用であるという事なので、山麓駅の檜造りの化粧室であらかじめ用を済ませておきましょう。
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この時間帯はさほど混雑はしておらず、直前の到着でしたが首尾よく9時発の便に乗ることが出来ました。通常は20分間隔での運転ですが、多客時には10分間隔になります。
北八ヶ岳ロープウェイのゴンドラ

動き出して早々左手に、諏訪富士の異名をもつ秀峰である蓼科山(2,530m)が姿を見せました。空は素晴らしいまでの快晴で、気分が高揚してきましたよ。
北八ヶ岳ロープウェイから見た蓼科山

背後を振り返れば、遠くに北アルプスの山並みです。こちらは少々雲が多めです。
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山頂駅までの所要時間は僅かに7分程で、つかの間の空中散歩です。そして当然のことながら、耳がキーンとなります。
北八ヶ岳ロープウェイ

9時10分 坪庭に到着しました。降り立つなり、麓の町とは明らかに異なる冷涼な空気が出迎えてくれました。半袖一枚では、涼しいを通り越して少し肌寒いくらいです。
坪庭

坪庭名物のキツツキも、変わらずに元気そうでした。ちなみにこのキツツキ、ヒモを引っ張ると動きます。
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3.北八ヶ岳の溶岩台地を見晴らす好展望地、縞枯山

軽く腹ごしらえと身支度を済ませて、9時20分に行動を開始します。まずは坪庭から目の前に見えている、この縞枯山を目指します。
坪庭から見た縞枯山

実は冬にしか登ったことが無いと言う、かなり偏った縞枯山体験しかないので、無雪期にここを歩くのは自身初めての事です。冬には樹氷の森が広がっていた縞枯山の麓には、木道が整備されていまいした。
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この辺りはまだまだ観光地の領域です。この階段を登った先には、溶岩台地の上を散策できる遊歩道が整備されています。目的地からは遠ざかってしまうため、寄り道はしませんでしたが。
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針葉樹の森を抜けると、視界が開け笹原が広がりました。とても標高2,000メートル越えの場所であるとは思えないような、広々とした空間です。
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この青い屋根が印象的な建物は縞枯山荘です。縞枯山の麓に立つ、通年営業の山小屋です。
縞枯山荘 width=

熊笹の中を行く木道がしばしの間続きます。以前冬に訪れた際に、この辺りでトレースを外れるなり膝の上まで踏み抜いた記憶がありますが、実は雪の下には沢があったのですね。
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雨池山方面への分岐地点まで歩いてきました。観光客も入ってくるお散歩コースの領域はここまでで、ようやく登山の領域に入ります。
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登り始めは緩やかな傾斜の道です。いかにも北八ヶ岳らしい、苔生す針葉樹の森です。
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フカフカのコケの絨毯に癒されます。
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最後の方は結構な急登になりますが、しかし長くは続きません。縞枯山の標高は2,400メートル少々で、坪庭からの標高差は僅か200メートル足らずしかありません。
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そんな訳で、割とあっけなく頂上が見えて来ました。
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10時 縞枯山に登頂しました。全然山頂っぽくない場所ですが、三角点がここに立っている以上は、この場所が最高地点なのでしょう。
縞枯山の山頂

縞枯山はとてもなだらかな山容をしており、山頂部は広々とした平坦な空間となっています。要するに、この辺りは全部山頂です。
縞枯山の山頂

先へ進むと、少し視界が開けて南八ヶ岳方面の山並みが見えてきました。
縞枯山から見た南八ヶ岳

右手には中央アルプスの山並みが一望できました。なおこの先へ進むと、山頂よりもずっと眺め良い展望台と呼ばれる場所があるので、無理して山頂から周囲を眺める必要は全くありません。
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こうして所々に、縞枯山と言う山名の由来ともなっている縞枯れ現象が発生しています。コメツガなどの針葉樹が、こうして帯状に立枯れし、森が新陳代謝をしているのだそうです。
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この縞枯れ現象は、奥秩父山地の山でも見られます。なにを契機にして立枯れが始まるのか、その発生のメカニズムは全くもって不明なのだとか。自然はすげえ。

展望台方面への分岐地点までやってきました。先へ進むならここを直進ですが、ここは当然寄り道をして行きます。
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縞枯山の展望台は岩場になっていました。ちょい岩場などではなく、歩くのに難儀する本格的な岩場です。ここは、むしろ雪がある時の方が全然歩きやすいです。
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10時15分 縞枯山展望台に到着しました。先ほどの地味極まりない三角点があった地点よりも、この展望台の方こそが事実上の山頂であると考えた方が良さそうです。
縞枯山の展望台

展望台を名乗っているだけあって、眺めの方はすこぶる良好です。正面に見ているのは中央アルプスの山並みですね。北アルプス方面の眺めは、縞枯山の本体が邪魔をするためあまり良くありません。
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北アルプス方面については、この先の茶臼山の展望外から良く見えるので、心配には及びません。

眼下には、本日の真の目的地である麦草峠が見えます。茶臼山からこの峠に至るほんの僅かな区間が、自身にとってまだ未踏の領域です。
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この標高2,127メートルの峠の上を、メルヘン街道こと国道299号線が乗り越えていっています。

4.縞枯山と並ぶもう一つの好展望地の茶臼山

行動を再開しましょう。お隣の茶臼山との鞍部に向かって、一度高度を落とします。足元には大きな岩がゴロゴロと山積しており、地味に歩きづらい道です。やはり雪がある時のほうが全然歩きやすいかもしれません。
縞枯山から見た茶臼山

割とあっけなく鞍部まで下ってきました。当然すぐに登り返しが始まります。縦走登山とはそう言うものです。
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縞枯山の山頂直下のような急坂もなく、どこまでも緩やかな山容の山です。北八ヶ岳が初心者向きであるとされる所以ですな。
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ゆるゆると登り返すうちに、あっけなく山頂らしき場所に辿り着きました。
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これまた地味な山頂ですねえ。縞枯山と同様に、最高地点からは少し外れた場所に、眺めの良い展望台があります。
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山頂からは5分とかからずに行ける場所なので、忘れずに立ち寄って行きましょう。ここに立ち寄ったか否かで、茶臼山に対する印象が一変してしまう位には眺めの良い場所です。
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森から出るなり、目の前の展望がドーンと開けました。実に素晴らしい。
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10時55分 茶臼山展望台に登頂しました。正面には、南八ヶ岳の秀峰たちが勢ぞろいです。
茶臼山展望台から見た南八ヶ岳

反対向きの北側の展望です。のっぺりとした丘のようなシルエットを持つ山が、幾重にもわたって横たえている様が見て取れます。
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周囲の山々を望遠で覗いてみましょう。眼下にあるこの丘のような山は、霧ヶ峰(1,925m)です。山頂にある雨量計レーダーアンテナのおかげで、山座同定は容易です。
茶臼山展望台から見た霧ヶ峰

みんな大好きな、穂高連邦から槍ヶ岳に至る稜線も、この通りバッチリ見えました。あちらも良いお天気であるようで。
茶臼山展望台から見た槍穂高

これは木曽御嶽山(3,067m)ですね。周辺の山の中でもひと際目立つ、非常に大柄な山です。
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足元には、本日のスタート地点である北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅が良く見えました。すぐ近くのように見えるという事はつまり、今日はまだまだ大した距離を歩いていないという事です。
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5.麦草峠との間に横たわる、最後の空白地帯へと足を踏み入れる

ここまでは、過去に一度歩いたことのある領域です。ここからいよいよ、自身にとって未踏の一帯へと足を踏み入れます。
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ガラ石の散乱する、ひたすら長ーいザレ場の下りです。逆向きに麦草峠側から登るのは、なかなかキツそうです。
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下りの途上で、視界の開けた場所に出ました。地図上に中小場と書かれている地点です。
茶臼山の中小場

振り返ると、ここまで歩いてきた茶臼山と縞枯山が並んでいる様を一望することが出来ました。
中小場から見た茶臼山と縞枯山

中小場から少し下ったところで、大石峠に到着しました。全然峠っぽくはなく、単なる登山道の一部のような場所です。
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大石峠を過ぎると、道の傾斜はほとんどなくなり、ほぼ水平移動のような道になりました。
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いつしか足元には木道なども整備されており、再び観光地の領域へ近づきつつあるのを感じます。
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その名も茶水池なる、干上がりかけている水たまりの脇を通過します。
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その名の通りの茶色い池です。単に水深が浅いから底の土の色が見えていると言うだけであって、特に水が茶色く濁っているわけではありません。
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12時 麦草峠に到着しました。厳密に言うと、峠の最高地点はここから少し離れた場所にありますが、広義にはこのメルヘン街道が横断している一帯を麦草峠と呼びます。
北八ヶ岳 麦草峠
麦草峠の標高は2,127メートルあり、国道としては2番目に高い地点です。

麦草峠に立つ麦草ヒュッテです。コタツとお風呂があり、山小屋と言うよりは普通の宿泊施設に近い存在です。まあ、車で直接入ってこれる場所ですからね。
麦草ヒュッテ

一日に僅か3便だけですが、ここへは路線バスに乗ってやってくることも可能です。
麦草峠バス停

残りあと僅かではありますが、ここから白駒池に至る区間がまだ未踏です。最後の仕上げに取り掛かりましょう。
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この麦草ヒュッテの周辺一帯は、鹿よけの柵に囲われたお花畑となっていました。既に花の最盛期はとっくに過ぎてしまっておりますが、それでもわずかに名残が残されていました。
麦草峠のお花畑

小さい秋見つけた!
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峠から見上げた茶臼山と縞枯山です。なだらかで放牧的な山容をしており、実に私好みの山です。
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麦草峠と白駒池と間の一帯には、木道が整備された庭園風の空間が広がっていました。
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その名も白駒の奥庭です。なお、割とすれ違いが頻発するので、散策時には木道から落ちないように注意を要します。
白駒の奥庭 width=

やがて前方に、見覚えのある木道地帯の光景が飛び込んできまいした。最後の空白地帯が埋められた瞬間です。
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6.白駒池の周辺を散策する

白駒池の散策路に合流しました。この先はもう、過去に一度歩いたことのある一帯となります。
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しっとりと苔生す森の雰囲気が実に素晴らしい。この辺りはまだ駐車場から簡単に歩いてこれる場所であり、完全なる観光地の領域です。
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分岐地点までやって来ました。前回訪問時にはここを直進しましたが、せっかくなので今回は左回りにグルっと白駒池を一周してみましょう。
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左折して進むと、すぐに森の中に人工物があるのが見えて来ました。
青苔荘

12時40分 青苔荘に到着しました。白駒池の傍らに立つ通年営業の山小屋です。テントサイトもあります。
青苔荘

小屋の目の前には白駒池。素晴らしいロケーションです。
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池の向かいには、白駒池の辺に立つもう一軒の山小屋である白駒荘の姿が見えます。・・・人気の山域とは言えども、いくら何でも山小屋が多すぎませんかかね。
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先へ進みましょう。池の周りを一周できるとは言っても、道は池から少しはなれた場所に整備されています。木道が無かったら歩くこと自体が難儀しそうな、大岩が散乱する森です。
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こうして岩の上にまで木々が覆い茂っている光景は、どこか富士山麓の青木ヶ原樹海を思わせる光景です。
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北八ヶ岳の謎多き山、にゅう方面への分岐が現れました。今回はにゅうには登りません。このまま池の周囲を進みます。
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空の青色を写した湖面が実に美しい。だいぶ雲が湧いてきてはいますが、今が夏山シーズンである事を考えれば、良く天気がもっていると方だと思います。
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グルっと白駒池の周囲を一周して、高見石方面への分岐地点までやって来ました。ここからは高見石小屋名物の揚げパンを求めて、サクッと高見石へ登ります。
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ちなみに、名称は高見石山ではなく単に高見石です。あくまでも山ではなく石であるらしい。

7.売り切れてしまった揚げパンと、白駒池を見下ろす好展望の頂

登り始めてからしばし間、足元には木道が整備されていました。今は木道の表面がドライ状態だから良いものの、表面が濡れていたら滑りまくって最悪でしょうね。
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このまま最後まで木道が続くのかなと思ていましたが、途中からはしっかりと普通の登山道になりました。
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大した登りではないのですが、ここまで歩きづくめであったこともあり、疲労で徐々に足が前に出てこなくなって来ました。

森の中にこれまた立派な小屋が姿を見せました。人気の山小屋らしく、周囲はかなりの人だかりです。
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13時55分 高見石小屋に到着しました。その名の通り、高見石の直下に立つ山小屋です。
高見石小屋
さあて、着いて早々ですが早速名物の揚げパンを頂こうではありませんか。このために昼食を控えめにして我慢していたので、もうお腹ペコペコです。

・・・しかし、なんとも無情な事に、揚げパンはすでに売り切れてしまってしました。なんという事でしょう。揚げパンだけを楽しみにして、ここまで足を延ばしたと言うのに!
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まあここは、体の良い再訪の口実が出来たのだと、無理やりポジティブに受け取っておくことにしましょう。・・・揚げパン食べたかったよう。

ショックは隠せませんでしたが、とりあえずはカルピスを一杯頼んで気分を落ち着かせます。
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てっきり500mlペットボトルのカルピスウォータが出て来るものだとばかり思っていたので、氷入りでコップに注がれて出てきたのには少々驚きました。

名物はコケモモジュースらしいのですが、見るからに酸っぱそうだったので、躊躇して注文はしませんでした。

気を取り直して、高見石のピークハントをしてゆきましょう。縞枯山の展望台と同様に、割としっかりした岩場なので慎重に行きましょう。ザックは小屋の脇にでもデポして行った方が良いと思います。
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気を抜けない岩場を登ると、眼下に白駒池が姿を見せました。
高見石から見た白駒池

ここまで歩いて来た、縞枯山方面を振り返る。朝には雲一つ無い快晴であった空にも、何時しか雲が沸き立っていました。まあ、夏山の天気と言うのは基本的にこんなものでしょう。
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南にあるこの山は中山でしょうかね。この中山の先には天狗岳があるはずですが、残念ながら高見岩からは見えません。
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満足しました。そろそろ良いお時間なので、撤収に移ることにします。
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8.メルヘン街道の白駒池バス停へラクラク下山

時間の余裕があれば、渋の湯方面へと下ろうかとも考えておりましたが、実際にはまったく余裕などありはしませんでした。このまま、白駒池バス停へ下ります。
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渋の湯を発つバスの最終便は、14時55分と言うかなり早い時間帯にしかありません。渋の湯へと下ってひと風呂浴びたいと言う人は、かなり早足で気張って歩く必要があります。

もと来た道には戻らず、周回ルートを取ります。こちらの道の方が、傾斜も緩めでずっと歩きやすい道でした。
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やけにあっさりと、白駒池周辺の散策路まで下って来ました。このまま、メルヘン街道上にある駐車場を目指します。
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15時5分 白駒池入口に下山しました。下山したと言いつつも、ここはまだ標高2,000メートル越えの地点ですがね。
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茅野駅行きの最終便は、15時43分発です。少し待ち時間があったので、売店で手作りモナカアイスを買ったのですが、前歯が折れるかと思う位にアイスがカチカチでした。
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ここを通るバスは麦草峠が始発であるため、最初から既に大勢の先客が乗車していました。どうしても座って帰りたいと言う人は、ここではなく麦草峠バス停から乗車した方が良いでしょう。
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往路は鈍行列車で始発リレーをして来ましたが、帰路では素直に茅野駅から特急あずさに乗り込み、帰宅の途に付きました。
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こうしてつつがなく、自身にとっての八ヶ岳の空白地帯はすべて埋まりました。北八ヶ岳の中でも、麦草峠を挟んだ付近一帯の山は、比較的なだらかな山容をした登りやすい山が多く、登山初心者向きであると言えるエリアです。また、通年営業の山小屋が多くあることから、冬期であっても登りやすく雪山初心者にもお勧めです。
これまでに小刻みに八ヶ岳連峰の全領域を踏破した訳ではありますが、そうなると次の目標としてはやはり、八ヶ岳の全山縦走が視野に入って来ます。私の足でも、頑張れば3泊4日の行程でなんとか行けそうかな。なかなかまとまった休みを取るのが難しい現状にありますが、折を見て挑戦したい所です。

<コースタイム>
坪庭(9:20)-縞枯山(10:00)-縞枯山展望台(10:15~10:30)-茶臼山展望台(10:55~11:10)-麦草峠(12:00)-青苔荘(12:40)-高見石小屋(13:55)-高見石(14:10~14:30)-白駒池バス停(15:05)

縞枯山展望台での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. たむ より:

    2000m以上の場所にあるとは思えないリゾート感ですね、北アルプスも中央アルプスも綺麗に見えて素晴らしい!ソフトクリームも食べたいな、是非行ってみたいです!

    • オオツキ オオツキ より:

      タムさま
      コメントをありがとうございます。

      車で直接上がれる場所なだけあって、白駒池の周辺はまさに高原リゾート地そのものです。コースタイム短めな手軽な山が多いので、是非とも訪れてみてください。