鷲羽岳-水晶岳 黒部川源流域に広がる日本最後の秘境、雲ノ平【Day3】

祖父岳から見た雲ノ平
長野県大町市と富山県富山市にまたがる鷲羽岳(わしばだけ)および水晶岳(すいしょうだけ)に登りました。
北アルプスこと飛騨山脈の中でも最奥部に位置する、黒部川源流域に立つ深山です。周りを名だたる名峰に取り囲まれた立地にあることから、山頂からはどちらの方角を向いても圧巻の大絶景が広がります。袂には雲ノ平と呼ばれる広大な溶岩台地が広がっています。
長年の憧れであった、日本最後の秘境と呼ばれた地を巡って来ました。

2024年8月2日に旅す。

前回の双六岳&三俣蓮華岳に引き続き、雲ノ平編3日目の記録です。今回はいよいよ雲ノ平へと足を踏み入れます。

雲ノ平は今から10万年以上昔に噴火した祖父岳火山からの溶岩によって形成された溶岩台地です。周りを山に囲まれ完全に外界とは隔絶した場所にあり、どこから登るにしても1日では到達できないことから、日本最後の秘境と呼ばれています。
雲ノ平の木道
秘境とは言いつつも、雲ノ平を歩く人の数はかなり多く、木道がしっかりと整備されていたりします。秘境感に期待していると若干肩透かしを食らうかもしれませんが、それでも容易にはたどり着けない奥地であることに変わりはありません。

雲ノ平の傍らには、鷲羽岳や水晶岳といった飛騨山脈最奥部の山々が立ち並んでいます。雲ノ平を目指す過程でどのみちすぐ近くを通るのですから、当然ながら登って行きます。
水晶岳山頂からの眺望
どちらのピークも全方位の展望が開けており、圧巻の大絶景が広がります。目に入る光景のいちいちすべてが絶景過ぎて、胸焼けを起こしそうになるくらいです。

天気は上々・・・を通り越してだいぶ暑さに苦しめられましたが、長年の憧れだった雲ノ平の光景をこれでもかと言わんばかりに満喫してきました。
夏の陽射しに照らされる雲ノ平キャンプ場

コース
三俣山荘から雲ノ平までのコースマップ
三俣山荘からスタートして鷲羽岳に登頂します。鷲羽岳からワリモ北分岐まで下り、そこから水晶岳を往復します。その後は祖父岳(じいたけ)を越えて雲ノ平入りし、雲ノ平キャンプ場に宿泊します。

1.歩き始めからいきなりの急登が待ち構える鷲羽岳

5時 早朝の三俣山荘キャンプ場よりおはようございます。前日の疲れが取れているような取れていない様な微妙な調子ですが、ともかく始動します。
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当初はまだ夜のうちから行動を開始して、鷲羽岳の山頂でご来光をキメるプランを温めていました。ですが前日の時点で既に思いのほか疲労がたまっていたので、しっかりと睡眠をとって明るくなってからの行動開始に切り替えました。

・・・切り替えたと言うか、単に起きれなかっただけです。はい。

出発前に三俣山荘でトイレを借りていきます。品が無いことは百も承知していますが、「クソを捻る」という言い回しが個人的にはすごく好きです。
三俣山荘

そんな事をしている間に日の出時刻を迎えたらしく、背後の三俣蓮華岳の山腹が朝日に照らされていました。5時30分に行動開始です。
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本日の最初の目的地っである鷲羽岳は、三俣山荘の目の前にあります。現在地はちょうど鷲羽岳の影に隠れる位置にあるため、今のところまだ陽は射しておらず、半袖シャツ一枚だと少し肌寒いくらいです。
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右に目を向けると、槍ヶ岳が朝日に照らされて輝いていました。登り始める前から既にこの絶景ですが、山頂まで行くともっと凄い絶景が待っています。
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歩きだして早々ですが、鷲羽岳への登りが始まりました。北アルプスの山にはありがちなザレ場の急登です。ろくなウォーミングアップもなしに、いきなりこの登りはなかなかしんどいものがあります。
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急登ゆえに短時間でみるみる標高が上がっていきます。30分とかからずに、昨日歩いた三俣蓮華岳と同じくらいの標高まで上がって来ました。
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左側の谷底を流れているのが、黒部川の源流部です。ここから雲ノ平の北側をグルっと回り込むようにして流れていきます。
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黒部五郎岳(2,897m)のカールがちょうど真正面に見えます。出来ればこの山にも登りたかったのだけれど、鷲羽岳と水晶岳に登りつつさらに雲ノ平と同時に巡るのは行程的にかなり厳しいものがあります。
鷲羽岳から見た黒部五郎岳のカール

黒部五郎岳の左奥に北陸の名峰、白山(2,702m)が見えます。首都圏近郊に在住している人間の感覚だと非常に遠い印象がある山ですが、北アルプスに阻まれているだけで直線距離はそこまで遠くはないんですよね。
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遠目にはそれほど急峻な山には見えなかった鷲羽岳ですが、山の東側は切り立った岸壁になっていました。
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山頂部が見えてきたところで、ついに登山道上にまで太陽が差し込んできました。陽に照らされるなり、一気に大粒の汗が噴き出して来ました。今日も昨日と同様、暑さに苦しめられることになりそうです。
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だからもっと早い時間から行動開始すればよかったのにと思ったところで、今となっては後の祭りです。

肩のようなっている場所まで登ってきたところで、眼下に鷲羽池が見えました。鷲羽岳は約12万年前に活動していた古い火山で、池になっているこの窪みは火口の跡です。
鷲羽池

池の目の前まで下りていける登山道があるようですが、本日はこの後も予定が盛りだくさんなので、ここは上から眺めるだけにしておきます。
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山頂が見えました。いかにも眺めが良さそうで期待が高まります。
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6時50分 鷲羽岳に登頂しました。標高は僅かに3,000メートルに届いていませんが、3,000メートル級と言って差し支えの無い高峰です。
鷲羽岳の山頂
山頂からは360度全方位に展望が開けています。早速ですが順番に見ていきましょう。

2.鷲羽岳山頂からの展望

まずは北側。水晶岳へと続く尾根が伸びています。なんとも気持ちが良さそうな天空の縦走路です。今日はこの後ここを歩きます。
鷲羽岳から見た水晶岳

視線を少し右へ動かすと、野口五郎岳(2,924m)へと続く、通称裏銀座と呼ばれている尾根が続いています。
鷲羽岳から見た裏銀座
当初は裏銀座からの雲ノ平と言う欲張りセットを歩いてみた気持ちもあったのですが、体力的に厳しそうだったので無難に新穂高スタートにしました。もしここを歩くのであれば、流石にテントを担いで歩くのではなく山小屋泊かなあ。

鹿島槍ヶ岳(2,889m)から白馬岳(2,932m)に至る、後立山連峰の山並みが遠くに見えています。後立山連の山はみな特徴的なシルエットをしているので、遠くからでも山座同定がしやすい。
鷲羽岳から後立山連邦

続いて東側の、常念山系から槍ヶ岳に至る山並みです。北アルプスの中でも表に位置している一帯です。
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これはもしかしなくても富士山です。位置的に槍ヶ岳に阻まれて見えないものだと思っていましたが、実は見えるという事実を初めて知りました。
鷲羽岳から見た富士山

南方向には槍ヶ岳から双六岳にいたる西鎌尾根が横たわっています。この尾根も一度歩いてみたいんだよな。歩いてみたいルートが多すぎて途方に暮れてしまいます。
鷲羽岳から見た西鎌尾根

遠くに焼岳(2,455m)、乗鞍岳(3,026m)および御嶽山(3,067m)の3つの火山が綺麗に並んで立っています。こうして見ると、同じ断層面上に並んでいる一連の火山群であることが良く分かる光景です。
鷲羽岳から見た焼岳と乗鞍岳と御嶽山

さらに右へ視線を動かすと、昨日歩いて来た双六岳(2,860m)と三俣蓮華岳(2,841m)が並んで見えます。明治時代以前は三俣蓮華岳が鷲羽岳と呼ばれていて、現在の鷲羽岳は東鷲羽岳と言う名称だったらしい。
鷲羽岳から見た三俣蓮華岳

西側の黒部川源流方面の展望です。こちらはやはり黒部五郎岳の存在感が頭一つ抜きんでています。ああぁ登りたい。凄く登りたい。無限の時間と体力が欲しい切実に思います。
鷲羽岳から見た黒部川源流方面

黒部川の最初の一滴を見ることのできるルートも存在しますが、そのためにはまず一度、この谷底まで下りて行く必要があります。水晶岳まで登った時点でまだ余力が残っていれば足を伸ばすことも考えていますが、さてどうなるか。
鷲羽岳から見た黒部川源流

最後に北西方向です。祖父岳(2,825m)の背後に、北アルプスの女王こと薬師岳(2,926m)の白く輝く巨体が横たわっています。美しい山ですねえ。
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3.登山口から最も遠い日本百名山の水晶岳

7時20分 鷲羽岳からの展望を十分に満喫したところで、先へ進みましょう。水晶岳へ向かうまえに、まずは尾根上にオデキのようにピョコっと突き出しているワリモ岳を越える必要があります。
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一見すると垂直に近い角度の岩壁に囲まれているようですが、さて登山道はどんな感じなのでしょうか。

山頂付近位はまだ雪がチラホラと残っていましたが、幸いにも登山道上は一切ありません。今回軽アイゼンは用意してきていないので、雪渓の横断があったりすると難儀することになりそうです。
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谷底にもまだ雪渓が残っています。この雪渓から流れ出るワリモ沢は最終的に黒部川ではなく信濃川へと流れ着きます。この辺りの川はどこも流路が複雑怪奇で、どこでどうつながっているのか非常にわかり難い。
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鞍部まで下って来ました。基本的にはただの通り道扱いされているワリモ岳ですが、下から見上げるとなかなかの存在感があります。漢字で書くと割物岳らしいのですが、なぜカタカナ表記の方が定着してしまったのでしょうか。
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風化した花崗岩の真砂が堆積した道です。右側は切れ落ちているのでスリップには要注意です。
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振り返って見た鷲羽岳です。鷲羽岳は三俣蓮華岳から見た姿こそが至高だとは思いますが、裏側から見た姿も悪くはありません。と言うかですね、先ほどから目に入る光景のすべてが絶景すぎて胸焼けしそうです。
ワリモ岳から見た鷲羽岳

思った通り山頂の直下はしっかりと岩場になっていました。ここは大真面目に手も使って三点支持でよじ登ります。高度感はそれなりにありますが、特に難しくはありません。
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8時 標識は見当たりませんが、ワリモ岳の山頂らしき場所まで登って来ました。案の定と言うか、やはりただの通り道扱いされています。
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ワリモ岳から水晶岳へと続く稜線は、アップダウンはしっかりとありますが、それほど急な箇所もなく歩きやすそうに見えます。ああ、とても良いですね。私好みの稜線です。
ワリモ岳から見た水晶岳
水晶岳は日本百名山に選ばれている山の中でも、登山口からの距離が最も遠い山として知られています。

日帰りで歩く酔狂な人がいるのかどうかは知りませんが、最短ルートでも往復の標準コースタイムは20時間を越えます。1泊2日でも、まあまあしんどいのではなかろうか。

いつまでも眺めていないで進みましょう。鷲羽岳側から登ると非常に急峻なワリモ岳ですが、反対側は緩やかです。
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期待通りのなだらかで歩きやすい稜線です。道自体は優しいのですが、ジリジリと照り付ける真夏の太陽によって、早くもグロッキーになりつつあります。暑いんだってば。
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祖父岳がすぐ隣にあります。目指す雲ノ平はこの山のちょうど裏側にあります。雲ノ平はこの祖父岳の噴火で生じた溶岩によって形成された溶岩台地です。
ワリモ北分岐から見た祖父岳

8時15分 ワリモ北分岐と呼ばれている地点まで歩いて来ました。
ワリモ北分岐

雲ノ平へ向かうにはこの分岐を左折して祖父岳方面へ下って行くのですが、その前にまずは水晶岳を往復してきます。
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水晶岳方面へ進むと、微妙に尾根筋を外したトラバースの道になりました。ほぼ水平移動のようなものですが、ガラ石が散乱していて何気に歩行に難儀します。
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池塘がポツポツ残っていますが、もうほとんど消滅しかけです。もうすこし早い時期だと、きっとここにも一面のお花畑が広がっていたんでしょうね。
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稜線が真面目に標高を上げ始めました。大した急登でもないのですが、とにかく直射日光の暑さが厳しくて息も絶え絶えです。覚悟していたこととは言えど、暑いものは暑い。
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ここまで来てようやく、雲ノ平の全容が見えました。周囲をぐるりと山に囲まれた只中に、平坦な台地が広がっています。外界からは完全に隔絶されており、日本最後の秘境と呼ばれるのも納得の立地です。
水晶小屋付近から見た雲ノ平

暑さに喘ぎつつ登りきると、小屋の裏手に出ました。
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9時10分 水晶小屋に到着しました。稜線上に立つ比較的小さな山小屋です。裏銀座コースを歩く人にとっては、非常に重要な位置を占めています。
水晶小屋

小屋の前に荷物をデポさせてもらい、貴重品だけを持って水晶岳をサクッと往復してきます。
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空荷になるなり、嘘のように足取りが軽やかになりました。テント泊ではなく山小屋泊すればもっと気楽に歩けるのでしょうけれどね。宿泊料金の高さもさることながら、予約争奪戦に心底嫌気が差してここ最近はテント泊しかしていません。
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山頂に近づくにつれて、ギザギザした険しい山容になって来ました。安心安全な鷲羽岳とは違って、水晶岳はそこそこ危険度の高い山です。この先は十分に気を引き締めて参りましょう。
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流石に正面の岩壁を直登はできないと見えて、登山道は左側から大きく回り込みます。この先はトレッキングポールは邪魔になるので、予め収納しておいた方が良いと思います。
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収納しようにもザックを小屋の前に置いてきてしまっている私は、邪魔なポールを手首からぶら下げたままの山ナメスタイルで挑みます。

岩壁にハシゴがかっており、割としっかり岩場です。特に難しくはありませんが、落ちたら滑落ではなく墜落する場所もあるので、緊張感を持って慎重に登ります。
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裏側へぐるりと回り込んだ所で、最高地点がお目見えしました。ここだけを見ると剱岳のような岩峰にも見えます。こんな険しい山だったのですね。
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水晶岳は石英を含んだ岩から成る山で、その名の通り水晶が取れます。中部山岳国立公園の敷地内にあるため、採取する事は禁止されています。間違ってもお土産に持って帰ろうとはしないように。
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山頂直下まで登って来ました。岩場の山頂はかなり狭く、定員は10人未満であると考えた方が良さそうです。
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9時55分 水晶岳に登頂しました、登山口から最も遠い山の頂きを、こうして無事に踏むことが出来ました。
水晶岳の山頂
水晶岳もまた、鷲羽岳に負けず劣らずな360度のパノラマが広がる山です。そうそう気軽に来れるような場所でもないので、よく光景を目に焼き付けておきましょう。

北側には赤牛岳(2,864m)へと続く尾根が連なり、そのさら先には立山(3,015m)が佇んでいます。この尾根沿いに進むと、読売新道と言うそれはそれはしんどい道を経て、黒部湖へ下ることも出来ます
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黒部湖もしっかりと見えています。雪解け水によりほぼ満水状態である様子が遠目にもうかがえます。その背後には、山頂部分の特徴的なシルエットにより一目でそれとわかる、白馬岳の姿が見えます。
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東側の谷を挟んだ向かいには野口五郎岳が横たわっています。北アルプスの中でも歩く人が比較的少ない山だと思いますが、白く輝く花崗岩が美しい山です。
水晶岳から見た野口五郎岳
同じく花崗岩の山である薬師岳との間に、何故これほど人気の差がついたのか不思議に思えるくらいには存在感があります。ああ、この山にも登りたないな。

黒部五郎と野口五郎を繋げる五郎to五郎とかやってみたい気もしますが、いったい何日がかりになるのだろうか。

南側には鷲羽岳からここまで歩いてきた稜線がすべて一望できます。飛騨山脈最奥部の圧巻の光景です。
水晶岳山頂からの眺望

どうせすぐに見えなくなるだろうと思っていた富士山が、この時間になってもまだ意外と頑張っていました。というか、水晶岳からでも見えるんですね。流石は日本一の山です。
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昨日歩いた辺りの光景もしっかりと見えています。あらためて笠ヶ岳(2,897m)の存在感が凄い。
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雲ノ平も当然よく見えています。本当にどうでもいいことですが、英語で言うとCloud Fieldになるのかな。
水晶岳から見た雲ノ平

4.祖父岳を越えて雲ノ平を目指す

満足しました。寄り道はこれ位にして、いよいよ本命であるところの雲ノ平へと向かいましょう。
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恐らく土留め板か何かがあったのでしょうけれど、剥き出しの鉄筋だけが道から突き出していました。この上に転びでもしたら普通に死ぬ可能性があるので、十分に注意しましょう。
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小屋に戻ったらまたあの重荷を背負わなければいけないのかと思うと、今から気乗りがしません。一時期に比べれば体重は相当絞れているのですが、それでも重いものは重いのです。
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11時 水晶小屋までも戻って来ました。スマホの電波がつながったので、ここで下山後の折立からのバスのを予約しました。既に残席が2席しかのこっていない状態でした。あぶないあぶない。
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もっと早くに予約しておけよとは至極ごもっともな意見ですが、途中で停滞や計画変更する可能性がゼロではなかったので、ギリギリまで下山の予定を保留にしていた次第です。

水晶小屋はお布団干しの真っ最中でした。天気が良いですからね。ここで水晶岳の山バッジと、超カッコいいデザインのTシャツを買いました。
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割と有名だとは思いますが、ご存じでない方は「水晶小屋 Tシャツ」と言うワードでGoogle画像検索してみてください。あまりのカッコよさに痺れることでしょう。

次にここへ訪れる時は、裏銀座ルートを歩こう。そう心に決めて水晶小屋の前を後にします。
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ワリモ北分岐まで元来た道を引き返します。時刻は正午に近づきつつありますが、特にガスが沸き立ってくることもなく良いお天気が続いてます。
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しかしとにかく暑い。いかにも気持ちよく歩けそうな稜線なのに、ギラギラの直射日光にスタミナを削り取られる来る苦しい展開です。雲ノ平に辿り着くまでに、水足りるかな。
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12時5分 ワリモ北分岐まで戻って来ました。なんだかんだで、水晶岳を往復するに4時間近くを要しました。暑さにやられて、だいぶスローペースです。
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雲ノ平に足を踏み入れるには、まずはこの祖父岳を乗り越える必要があります。一見すると緩やかな山容をしており、そこまで厳しい登りではなさそうですが、果たしでどうなるか。
ワリモ北文器から見た祖父岳

サクサクと鞍部まで下って来ました。ここから左へ下って行くと黒部川の源流に至りますが、もうあまり余力もない感じなので直進して祖父岳越えの最短ルートへ進みます。
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祖父岳と書いてじいたけとは、なかなか味わい深い山名です。ちなみに、すぐ近くに祖母岳(ばあたけ)もあります。北アのおじいちゃんとおばあちゃんです。
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祖父岳の斜面はチングルマが咲き誇るお花畑になっており、うだるような暑さに若干やさぐれ気味にになりつつあった心を、いくらか癒してくれました。
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左手には黒部川源流の谷が広がっています。本当はこちらを歩きたのですけれど、下った後にまた雲ノ平へ登り返さないといけないなくなるので、結構なアップダウンになります。
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一見楽そうに見えた祖父岳への登りですが、意外としっかり登らされます。勘弁してくださいお爺さん。私はただ雲ノ平に行きたいだけなんです。
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右手に雲ノ平が見えて来ました。一度山頂まで登った後に、今度はしっかりと下らされます。いかにも無駄なことをしている感がありますが、道がそうなっている以上は致し方ありません。
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背後を振り返ると、先ほどの登って来たばかりの水晶岳の姿がありました。別名で黒岳とも言いますが、こちら側から見ると確かに黒々としています。
祖父岳から見た水晶岳

なんだかんだとしっかり登り、ようやく山頂まで登って来ました。
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13時10分 祖父岳に登頂しました。全方位に展望が開けている山ですが、基本的には雲ノ平へと至るただの通り道として通過されることがほとんどなピークだろうと思います。
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正面に雲ノ平が広がっています。3日間をかけて、ようやく日本最後の秘境の入口までやって来ましたぞ。
祖父岳から見た雲ノ平

本日の宿泊予定地である雲ノ平キャンプ場が足元に見ています。一見するともうすぐそこのようにも見えますが、登山道は右側からグルっと大回りしているため、まだまだ結構な距離を歩く必要があります。
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5.日本最後の秘境へと足を踏み入れる

祖父岳はもともと火山だったと言う事で、北側の雲ノ平側の斜面は岩が散乱するガレ場になっています。様々な力が作用した結果自然に生まれた地形なのですが、山の上だとは思えない高原台地のような光景です。
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ここでもチングルマが満開に咲いていました。今回の訪問は花の最盛期には少し遅いと思われる時期でしたが、それでもまだまだたくさん咲いていてくれました。
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祖父岳分岐まで下って来ました。ここで黒部川源流ルートと合流します。
祖父岳分岐

木道が整備されています。この先は尾瀬のようにほぼ平坦な木道歩きになるのだろうと、この時はそう思っておりました。実際にところ、日本最後の秘境はそこまで易しくはありませんでした。
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以前はここからまっすぐにテント場に下りていく道があったらしいのですが、道が荒れてしまい現在は植生回復中であるとの事で、ここから右側へ大きく大迂回が始まります。ちょい迂回ではありません。大迂回です。
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水晶岳を目の前に望みつつ、ハイマツの中を進みます。地図を見た限りでは、どうやら溶岩台地の崖際のフチギリギリの辺りを歩くようです。
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道の上まで大きくはみ出しヤブ化しつつあるハイマツを、かき分けるようにし進みます。松ヤニがザックにベッタリとこびり付いてしまいましたが、松フローラルで汗臭さを少しは緩和してくれるかもしれないから、むしろ歓迎すべきか。
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遂には崖際と言うか、崖の中腹をトラバースするような道になりました。テント場は祖父岳分岐の本当にすぐ目の前にあったというのに、よもやこんな遠回りをすることになるとは。
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この辺りのチングルマはすでに綿毛化していました。爺ヶ岳の斜面とそれほど標高差がある訳でもないのに、季節の進み具合にこれだけ差があるのは陽当たりの違いでしょうか。
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だいぶ大回りしましたが、ようやく溶岩台地の上に立つことが出来ました。思い浮かべていた通りに光景に胸が躍ります。
雲ノ平の木道

この辺りの一帯はスイス庭園と呼ばれています。雲ノ平の周辺は基本的にスマホの電波が入りませんが、このスイス庭園の周辺だけは僅かに入ります。いったいどこから飛んできている電波なのだろう。
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池塘が点在していますが、大部分は既に干上がっていました。雲ノ平のお花シーズン最盛期は、雪解け直後の7月上旬から中旬頃にかけてです。
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現在地はおよそ標高2,600メートルの山の上なのですが、そのことを全く感じられない様な光景が広がっていました。まさに雲上の楽園です。
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14時20分 キャンプ場の入口まで歩いて来ました。テント場はここを左に下って行った場所にありますが、受付は雲ノ平山荘で行う必要があるため、ここに荷物をデポして山荘まで往復してきます
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先ほど登って来た祖父岳が真正面に見えています。あそこからから雲ノ平に向かって溶岩が流れ出たのが良くわかるガラ石の散乱の仕方です。
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テント場から山荘までは、まあまあ距離が離れています。気軽に何度も往復するような距離感ではないので、テント泊する人は買い出しなどは一度で済ませた方が良いと思います。
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昨日の三俣山荘では到着が農取門限(15時)を過ぎてしまっていたため、食堂の営業が終了していて食事を食べ損ねました。今日こそは是が非でも雲ノ平カレーを食べたいと言う事で、足早に先を急ぎます
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この時間にもなると、流石に少し雲が湧いてきました。それでも肝心の私の頭上は全く覆ってくれないという、まったく役立たずな雲です。
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14時40分 雲ノ平山荘に到着しました。今日はちゃんと農取門限前に辿り付きました。さあ、テントの受付をしつつカレーを食べるぞぉー。
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と意気上がったのもの束の間で、雲ノ平門限はまさかの農取門限よりも厳しい14時でした。なん・・・だと・・・。

2日連続でカレーを食べ損ない、がっくりうなだれつつテント場への道を引き返すのでした。明日こそは絶対に、太郎平でラーメンを食べてやるからな。覚えてやがれ。
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テント場は、分岐から谷の下へすこし下った場所にあります。ここでも気軽に往復する気にはなれないくらい大きく下ります。雲ノ平は広大な空間であるだけに、何をするにもとにかく結構歩きます。
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15時25分 雲ノ平キャンプ場に到着しました。やはり日本最後の秘境は遠かった。
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6.雲ノ平でゆるりと過ごす夕べ

今宵の我が家を設営します。雲ノ平キャンプ場は全体的に石が多めで、フラットなスペースはあまりありません。良い場所を確保したかったら、早めの到着を心がけたほうが良さそうです。
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水場は祖父岳のある方へ少し登り返した場所にあります。冷たいを通り越して痛いくらいの水がドバドバと大量に出ていました。
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ここで上半身を濡れたタオルで拭いつつ、ついでに汗だくのTシャツを洗いました。このギラギラの陽射しがあれば、すぐに乾いてくれることでしょう。

水場から見下ろしたキャンプ場の光景です。かなりの広さがありますが、テントの張れそうなスペース自体はそれほど多くありません。お盆休みなどの混雑が予想される日は予約制となるので、訪問の際には事前によく確認してください。
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2日連続歩き詰めで流石にだいぶ疲労も溜まっているので、このまま昼寝でもしようかと思ったのですが、強烈な日差によりテントの中があっという間にサウナ状態になってしまいました。
夏の陽射しに照らされる雲ノ平キャンプ場
これではとても寝ていられないので、先ほどのスイス庭園辺りまでちょっとお散歩にでも行きましょうか。

と言う事でスイス庭園へとやって来ました。先ほども述べた通り、この辺りには僅かに電波が入るので、「雲ノ平なう」とどうしてもつぶきたい人はこの辺りでつぶやきましょう。
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木道が整備されているので、とりあえずは終点まで行ってみましょう。
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終点にはベンチが整備されていました。ちなみにここまで下りてくるともう電波は入りません。スイス庭園の入口がある分岐付近が一番強く入ります。
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この周り全てを山に囲まれた光景は、確かにスイスっぽさを感じます。・・・スイスに行ったことはありませんが。
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私のスイスに対するイメージは基本的に、アルプスの少女ハイジの映像によって構成されています。

時刻は18時を回りだいぶ日も傾いてきたので、ぼちぼちキャンプ場へ戻りましょう。
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チングルマの綿毛が、西日に照らされてキラキラと輝いていました。
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スイス庭園でボーとしていた間にもテントが増えて、テント場はだいぶにぎやかになっていました。良いところであることは間違いないのだけれど、やはりあまり秘境感は無いかな。
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陽が沈むと流石に半袖一枚では少し肌寒くなり、上着を羽織りました。岩の上に干してあったTシャツは、しっかりと乾いていました。
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今日もカレーを食べられなかったので、2日連続でお湯すらも沸かさない健康的で文化的な食事を取ります。明日こそは、ちゃんと調理されたまともな食事をとりたい。
240802雲ノ平-118

夕焼けに染まった空を見上げつつテントに入り、早々と就寝しました。明日もまだまだたくさん歩きます。
240802雲ノ平-119

北アルプス最奥部を目指した一日は、最高の晴天に恵まれて無事に終了しました。もっとも、天気が良すぎてだいぶ暑さには苦しめられましたが。
鷲羽岳も水晶岳も、どちらもそうそう気軽に登りに行けるような場所にある山ではありませんが、山頂からの展望は圧巻の一言に尽きます。訪問の苦労に見合うだけの値打ちがあることは間違いありません。
黒部五郎岳と野口五郎岳の2つの五郎岳を始めとして、この雲ノ平周辺の山域にはまだまだ登ってみたい山や歩いてみたい尾根が無数に残されています。一生のうちに全てを歩きつくすことが出来るかどうかはわかりませんが、必ずまた再訪することにはなるでしょう。

<コースタイム>
三俣山荘(5:30)-鷲羽岳(6:50~7:20)-ワリモ岳(7:55)-ワリモ北分岐(8:15)-水晶小屋(9:10)-水晶岳(9:55~10:15)-水晶小屋(11:00~11:15)-ワリモ北分岐(12:05)-祖父岳(13:10)-雲ノ平山荘(14:40~15:00)-雲ノ平キャンプ場(15:25)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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