北奥千丈岳-国師ヶ岳ー金峰山 奥秩父山塊で最も標高の高い重鎮の山々を巡る

北奥千丈岳から見た金峰山
山梨県と長野県の境界に連なる北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)、国師ヶ岳(こくしがたけ)および金峰山(きんぷさん)に登りました。
奥秩父主脈の中でも最も標高の高い一帯に連なる山々です。いずれの山もドッシリと構えた重厚な山容を持ち、ともすれば地味と言うイメージを抱かれがちな奥秩父山塊の中にあって、大きな存在感を持ったこの山域の重鎮達です。人里からは遠くはなられた奥地ながら、標高2,360メートル地点の大弛峠(おおだるみとうげ)まで車で入ることが出来るため、比較的手軽に訪れることが可能となっています。
文句なしの快晴青空の下、大弛峠を起点に奥秩父の重鎮達を巡り歩いて来ました。

2020年8月15日に旅す。

山梨県と長野県の境に位置する大弛峠は、自動車で登ることが出来る峠としては日本国内で最も標高の高い場所です。奥秩父主脈の中でも最も標高の高い一帯を縦断しています。
大弛峠
JR中央本線の塩山駅より、栄和交通が運行する大弛峠行きの乗り合いタクシーが運行されており、公共交通機関でも訪れることが可能です。

今回はこの大弛峠を起点にして、付近の山を巡っていました。奥秩父主脈の中でも特に標高が高い一帯であることから、夏であっても比較的的涼しく、稜線上は快適そのものでした。
国師ヶ岳の山頂

いかにも奥秩父らしい深い森と、高山帯特有のハイマツの稜線が交差する、魅惑の稜線を歩いて来ました。
北奥千丈岳からの眺望

コース
200815金峰山-map
大弛峠よりスタートし、奥秩父山塊最高地点の北奥千丈岳と、富士山を望む好展望地の国師ヶ岳へと登ります。その後、一度峠へと引き返し金峰山を往復します。

大弛峠周辺の山々を巡り歩く充実の行程です。

1.奥秩父主脈 アプローチ編 乗合バスで車道最高地点の大弛峠へ

6時12分 JR高尾駅
いつもの6時14分発の松本行きの鈍行列車に乗り込み、塩山駅へと向かいます。いったい年に何回この時間の電車に乗っているのだろうか。
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7時22分 塩山駅に到着しました。栄和交通が運行する大弛峠線の乗り場は、バスロータリーのある南口ではなく北口の方です。
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大弛峠までの運賃は2,000円です。なおこの路線は事前予約制なのでご注意ください。予約人数に応じて台数を出すらしく、この日は全部で4台出ました。
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大弛峠までの所要時間は1時間20分となかなかの長丁場です。目指す金峰山の五丈岩が、麓からでも小さく見えました。
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途中で乙女湖の脇を通ります。琴川ダムによって作られた人工湖で、周囲一帯は乙女高原とよばれる高原台地が広がります。
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この高原もいつか散策してみたいと思いつつ、未だ訪問が叶っておりません。もう少し涼しくなってからまた来ようかな。

車窓から見える五丈岩が徐々に大きさを増して来ました。栄和交通の運転手からすれば最早通いなれた道らしく、結構なスピードでかっ飛ばします。
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8時39分 大弛峠に到着しました。途中で焼山峠には寄らない直行便であったためか、所定時刻よりも早くに到着しました。
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降り立つなり、高山帯特有のひんやりとした冷たい空気が迎えてくれました。ここは何気に、富士山五合目よりも標高が高い地点ですからね。

この鳥瞰図は絵心のある山梨市の職員が描いたものです。西沢渓谷や乾徳山の登山口にも同じ作者が描いた作品が設置されています。
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何気に凄いクオリティで、いつも見入ってしまいます。画集にして売ってほしいくらいです。

2.主脈の外れにひっそりと佇む、奥秩父山塊最高地点の北奥千丈岳

軽く腹ごしらえと身支度を整えて、8時50分に行動開始です。まずは奥秩父山塊最高峰の北奥千丈岳を目指します。
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個人的に気になってしょうがない存在である、やまなしの森林百選がありました。
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一瞬のこと事だったので良く見えませんでしたが、大弛峠まで登ってくる途中の道路脇にも、この看板が立っていたような?確かめたければ、歩いて下るしかないのかな。

大弛峠に立つ大弛小屋。小屋の前の森の中にテント場もあります。奥秩父主脈を縦走しようという人にとっては、とても重要な位置にある小屋です。もうこの先は、甲武信小屋まで補給が出来る場所はありませんからね。
大弛小屋

登山口は小屋の裏手にひっそりとあります。
北奥千丈岳の登山口

始めからいきなりの階段地獄が始まります。大弛峠から前国師ヶ岳の手前までの一帯は、夢の庭園と言う名の散策路として木道が整備されています。
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奥秩父と言えば、八ヶ岳と双璧を成すコケの名所でもあります。足元一面がフカフカなコケに覆われており、好きな人にはたまらない光景が広がります。
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ひたすら整備された木道を進みます。スニーカーでも歩けないことは無い道です。この木道は、苔の植生を保護するためでもあるのかな。
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今の所まだ樹木に守られていますが、頭上は雲一ないドピーカンです。稜線に出でたら容赦ない直射日光に晒されることでしょう。
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階段のおかげで難なく登れますが、何気に結構な急勾配です。短時間でグイグイと標高をあげていきます。
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背後の視界が開けて、金峰山の姿が見えました。本日は北奥千丈岳と国師ヶ岳へ登った後に、返す刀で金峰山まで往復する計画です。
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山頂の五丈岩が、遠くからでも良く目立ちます。今ではすっかり五丈岩と言う呼び名が定着してしまっていますが、もともとは五丈石と呼ばれていたのだそうです。
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なぜ石が岩になってしまったのか、理由はよくわかりません。

不意に視界の開けた場所に飛び出しました。前方に見えている、のっぺりとした丘のようなピークが北奥千丈岳です。
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ここは前国師岳と呼ばれるピークです。文字通り、国師ヶ岳の手前にある小ピークです。
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前方に南アルプスの山並みが居並びます。あちらも気持ちよいまでの快晴なようですね。
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コロナ渦の影響で、南アルプスの主要な山小屋の大半は2020年度の営業を取りやめています。今あの山域を歩くことが出来るのは、山小屋に一切頼ることなく必要なものすべてを自分で担いで歩くことの出来る登山者に限られます。

道は再び森野の中へ。今度は微妙な下り勾配の道です。
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分岐地点が現れました。右へ行くと北奥千丈岳で、左に進むと国師ヶ岳です。まずは北奥千丈岳をサクッと往復してきます。
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遠目にもなだらかな丘のようなシルエットをしていただけあって、緩やかな登りです。森林限界を越えそうで超えない灌木帯の中を進みます。
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割とあっけなく頂上に飛び出しました。分岐からは5分程の道のりです。
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9時30分 北奥千丈岳に登頂しました。奥秩父山塊の最高峰でありながら、主脈縦走路からはほんの少し外れていると言うだけの理由で、ほとんど顧みられることのない不遇の頂です。
北奥千丈岳の山頂

見たところ、本当の最高地点はこの森の中であるように思えます。ちょうど富士山のある方角なので、山頂標識がある場所からは、富士山の姿は一切見えません。
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山頂からは、金峰山とその先に居並ぶ南アルプスの山並みを一望できます。
北奥千丈岳から見た金峰山

鳳凰三山の背後には、みんな大好き白根三山の山並み。奥秩父の最高地点であるだけの事はあって、普段は裏に隠れていて見えにくい間ノ岳や農鳥岳まで良く見えます。
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甲斐駒ヶ岳に鋸岳。左の背後には仙丈ケ岳の姿も見えます。南アルプスのオールスターがそろい踏みです。
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北に目を向けると奥秩父主脈の背後に八ヶ岳の姿が見えました。八ヶ岳については、ここからよりも金峰山からの方が良く見えます。
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北の遠く彼方には浅間山の姿が見えました。奥秩父からはかなり離れた場所にあるため、夏だと霞んでいて見えないことが多いのですが、今日はクッキリとよく見えました
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浅間山の左手前にある尖った山は御座山(おぐらやま)(2,112m)です。だいぶ以前から「いつか登りたい山リスト」に名を連ねているものの、公共交通機関によるアクセスが絶望的なまでに悪く、未だに訪問が叶っておりません。

かくなる上は金に糸目を付けずにタクシーで乗り付けるしかないかな。出来ればシャクナゲシーズンに訪問したいところです。

お隣には、この後に登る予定の国師ヶ岳が、のっぺりとしたシルエットで横たわっていました。奥秩父山塊の中でも最大級の山体容積を持つ大柄な山です。遠目には、今いる北奥千丈岳も国師ヶ岳の一部のようにしか見えません。
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3.地味ながらも富士山の好展望地、国師ヶ岳

先ほどの分岐まで引き返し、今度は国師ヶ岳方面へと進みます。
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こちらにも急坂はなく、至って緩やかな登りです。森林限界に達しておらず、奥秩父の幽玄なる森が広がっています。
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登り始めて10分とせずに、割とあっけなく頂上が見えました。
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9時50分 国師ヶ岳に登頂しました。この厳めしい山名の由来は、夢窓国師という鎌倉時代の高僧が、ここで修行したと言う伝説が残っているからだそうです。
国師ヶ岳の山頂
いまでこそ登山口から1時間そこらで簡単に登れてしまう山ですが、大弛峠に道路が出来る以前は、奥秩父山塊の最深部に位置していた山でありました。

それこそ、修験者くらいしか立ち入る者の居ない場所であったのでしょう。

眺望は南側だけが開けています。角度が限定されてはいるものの、北奥千丈五岳からの眺めにも引けを取ら無い、素晴らしい眺めです。
国師ヶ岳からの眺望

富士山が真正面に見えます。夏富士が霞もせずにここまでクッキリと見えるのは、なかなか珍しいのではないでしょうか。本日は格好の登山日和であったようですな。
国師ヶ岳から見た富士山
やはり富士山は、山梨側から眺めた時が一番シンメトリックで美しいカタチをしています。

東には大菩薩嶺から南へ延びる小金沢連嶺の山並み。右手前の尖った山は乾徳山です。アスレチックでなかなか楽しい山ですよ。
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金峰山方面の眺望はイマイチです。こちらについては、先ほどの北奥千丈岳からの方がよく見えます。
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見るものも見たところで、山頂を辞去して元来た道を引き返します。
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下山開始から五分とせずに、分岐地点まで戻って来ました。大弛峠方面へ戻ります。
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正面に金峰山の姿を望む、気持ちの良いトレイルです。その大半が深い森の中にある奥秩父山塊にあって、これほどにも眺めが良い場所と言うのはなかなかありません。
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北側に甲武信ヶ岳の姿が見えました。実に良い稜線ですねえ。この日一日で、奥秩父脈縦走への思いがかなり募りましたよ。
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木道と言うのは、登る分には楽なのですが、下りだと地味に足にダメージが来るんですよね。やはり、土の地面に比べると固いからなのでしょうか。
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10時40分 スタート地点の大弛峠へと戻って来ました。さあて、お次は金峰山です。
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4.何気に激しくアップダウンを繰り返す、金峰山への道のり

この大弛峠から金峰山に至るルートは過去にも一度歩いているのですが、その時はガッスガスな生憎の天気で殆ど眺望がありませんでした。スカッと快晴の本日は、道中からどんな光景が拝めるのかとても楽しみです。
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山梨百名山であることを前面に打ち出しているこの道標は、当然ながら山梨県による設置でしょうね。なお金峰山は、山梨県と長野県の境界上にあります。
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森の中へ入るなり、濃厚な奥秩父の香りが漂ってきました。腐敗した針葉樹の葉の匂いとコケの青臭さがミックスしたような、独特の甘い香りです。
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足元にはフカフカなコケの絨毯が広がります。うーん、奥秩父ですねえ。地味って言うな。
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稜線上には、こうして所々に縞枯現象が発生しています。どういうメカニズムなのかは解明されていませんが、帯状に森の木が立ち枯れして世代交代するのだそうです。この現象は、北八ヶ岳の森でも多く見られます。
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そしてこの縞枯地帯は、得てして好展望地であることが多いです。縞枯のあるところに好展望ありです。
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ほぼ水平移動であるかのように見えて、割と小刻みにアップダウンを繰り返します。登山口から山頂までの標高差こそさほど大きくはありませんが、意外と歩きでのある道です。
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やがて前方に、大きなケルンが詰まれた鞍部が見えて来ました。
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朝日峠と呼ばれる地点です。山と高原地図によれば、大弛峠からここまでの標準コースタイムは30分という事になっておりますが、このタイムは少々シビアです。普通に歩くと30分以上はかかると思います。
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ゆるゆるとアップダウンを繰り返しつつ進みます。前回訪問時には、最初から全力でかっ飛ばしていたら、高山病らしき症状が現れてしまったっけか。この稜線は何気に結構標高が高いですからね。
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やがて前方に、視界の開けた場所が見えて来ました。
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森林限界を超えた訳ではなく、斜面の一部がガレ場になっていて、そこから展望が開けます。
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振り向くと、富士山が目の前にばばーんと姿を現します。前回訪問時は、見渡す限り一面が真っ白だった場所です。晴れていると、こんなにも素晴らしき光景に出会える場所だったのですね。
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背後には、先ほど往復してきた国師ヶ岳の巨体が横たわっていました。
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北には甲武信ヶ岳へと続く奥秩父主脈の稜線が一望できます。やはりこれはどう見ても、一度歩かなくてはいけないヤツですね。
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多くの人が絶景を眺めながら休憩をとっていました。・・・日陰は無いので、休憩向きの場所ではないようにも思えますが。
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やがて前方に、頂上らしき場所が見えて来ました。
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11時45分 朝日岳に登頂しました。金峰山の前に立ちはだかる前衛峰です。大弛峠を起点に周囲を散策している家族連れなどが、ここを目標にして登ってくることも多いようです。
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目指す金峰山が目の前に姿を見えました。なお見ての通り、この後一度大きく下って、その後再び登り返すことになります。
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山頂の五丈岩もこの通り良く見えます。なんと言うか、とても大きいですね。(月並な感想)
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富士展望もこの通りばっちりです。展望を楽しみたいだけであれば、この先へ進まずとも朝日岳でも十分に満足できるかもしれません。
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5.金峰山登山 登頂編 森林限界越えの稜線から望む大絶景

という事で、朝日岳からは一旦下りです。それはつまるところ、帰りに漏れなく登り返しがついて来ると言う事です。
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金峰山がすっかり見上げる高さになってしまいました。せっかく稼いだ位置エネルギーが無駄に費やされてゆく。
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途中に鉄山と言うピークがありますが、こちらは登らずに右から巻きます。分岐地点には山頂に向かって伸びる踏跡がしっかりとありましたが、登れるのでしょうかね。
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鉄山を巻くトラバースの水平移動が、しばしの間続きます。
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灌木帯を登りきると、いよいよ森林限界を越えます。奥秩父主脈上の山の大半は、森林限界を越えそうで超えない微妙な高さにあり、はっきりと頭が出ているのは金峰山と甲武信ヶ岳くらいなものです。
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稜線に出るなり、目の前に八ヶ岳連峰の巨体が視界に飛び混んで来ました。確かに、八ヶ岳側からも金峰山の姿はよく見ていたように記憶しています。
金峰山から見た八ヶ岳

八ヶ岳の手前には瑞牆山の姿が見えます。地味な通好みの渋い山が多い奥秩父の中にあって、ひと際異彩を放っている山です。
金峰山から見た瑞牆山

北側には、高原野菜の産地として名高い長野県の川上村が眼下に広がります。白く見えているいのは、ビニールに保護されたレタス畑です。
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瑞牆山の隣にあるこの大柄な山は小川山(2,418m)です。破線ルートしか存在しない、なかなかワイルドな山であるそうです。
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ここも登ってみたいんだよなあ。登りたい山が多すぎて、若干収拾がつかなくなりつつありますが。

富士山も、雲隠れせずにまだ頑張っていました。夏富士は午後になると大抵は雲に覆われてしまいますが、今日はよく頑張っています。
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ハイマツの稜線を進みます。風が強くなってきており、半袖では少し肌寒いくらいです。
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山頂直下には大岩が散乱しています。間に何かを落とそうものなら、回収不可能となる事は必至なので十分にお気を付けください。
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岩のトンネルの先に山頂が見えました。
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12時55分 金峰山に登頂しました。標高は2,599mという事になっていますが、それは五丈岩のてっぺんの高さで、この山頂標識がある地点の標高はそれよりも若干低いです。
金峰山の山頂標識

山頂の様子
歩くのに難儀するような大岩が散乱しています。休憩したい場合は、素直に五丈岩手前の平坦地へ移動した方が良いかと思います。
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山頂からの眺望はこの通り、大変素晴らしいものがあります。奥秩父の山の中では随一と言ってしまって差支えないと思います。
金峰山からの眺望

山頂で何よりも目立つのはやはりこの五丈岩です。高さは15メートルほどあります。
金峰山の五丈岩
金峰山は、古くから山岳信仰対象となって来た霊山でもあります。この五丈岩そのものがご神体です。

瑞牆山の方に向かって伸びるこのギザギザの稜線が、かつての参道であったルートです。修験達がわざわざ選んだくらいですから、なかなか険しい道程です。
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このギザギザの稜線歩きがまた良いんですよね。残念ながら、本日の予定ではこちらには下りません。
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麓の甲府盆地はすっかりと霞んでいました。後から知ったことですが、この日の甲府の気温は39度にも達していました。
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乗合タクシーが脇を通って来た乙女湖が眼下に見えました。乙女高原には未踏の山梨百名山である小楢山もあることだし、やはり是が非でも一度訪問せねばなりません。
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最後に振り返って見た大弛峠方面です。国師ヶ岳の圧倒的なボリューム感がやはり目を引きますね。
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誰かが五丈岩の登頂に成功したようです。拍手喝采が起きていました。私も一度挑戦してみたことがありますが、半分も登れないうちにリタイアしました。
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6.金峰山登山 下山編 元来た道を粛々と引き返す~ピストンとはそいうものです

13時20分 金峰山からの眺めを、満足行くまで目に焼き付けました。帰りの乗り合いタクシーの時間もあるので、ボチボチ撤収に移りましょう。
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東北地方の山を除けば、これほど手軽にハイマツの稜線を歩ける山と言うのは、なかなか無いのではないでしょうか。
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朝の時点では雲一つない快晴だった空にも、何時しかモクモクと積乱雲が沸き立ちつつありました。うーん、夏ですねえ。
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魅惑の稜線歩きは長くは続きません。あっという間に、再び森の中へと帰って行きます。
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約束されていた、朝日岳へ登り返しをクリアします。
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金峰山はこれで見納め。さらば金峰山。いずれ奥秩父主脈縦走するために、また来ます。
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この後はもう消化試合のようなものです。黙々と下山と言う作業に取り組みます。
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15時20分 大弛峠へ戻って来ました。この日三度目となる到着です。
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帰りの乗り合いタクシーは16時の便を予約していたのですが、時間前でも人数が揃えば出発してくれます。という事で、予定よりも少しだけ早くに撤収です。
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下界に戻って来るなり、あまり暑さに面くらいました。稜線の上はあんなにも涼しくて気持ち良かったのに。
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ちょうど普通電車が少ない時間帯だったので、珍しく奮発して特急あずあさに乗車し、帰宅の途に付きました。
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本日巡った三座は何れも、大弛峠を起点にすることによって簡単に登れるうえに、眺望も素晴らしく良いことずくめの山です。まだ未踏だと言う方は、一度訪問してみることを強く推奨します。奥秩父の香りに包まれる幽玄なる森と、ハイマツの稜線からの素晴らしき眺望が貴方を出迎えてくれることでしょう。
奥秩父主脈縦走に果然と興味が湧いて来たので、いずれはテントを担いでこの峠付近の山を繋げて歩いてみたいところです。

<コースタイム>
大弛峠(8:50)-北奥千丈岳(9:30~9:40)-国師ヶ岳(9:50~10:00)-大弛峠(10:40)-朝日峠(11:15)-朝日岳(11:45)-金峰山(12:55~13:20)-朝日岳(14:15)-大弛峠(15:20)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. もうもう より:

    今月の上旬に栄和交通のバスにキャンセルが出たため、国師ヶ岳と金峰山に行ってきました。

    5月にも瑞牆山と金峰山の日帰り縦走したのですが、そのときは疲れ果てて「もう金峰山はかなな?」
    と良いイメージが無かったのですがオオツキさんのブログを見ているうちに触発されました。

    富士山は色々な所から見ることが出来ますが、八ヶ岳や山梨側から見ると格別です。

    公共交通機関を使用しての日帰り登山ルートとして、かなり気に入りました。
    あと、コースタイムも大変参考になりました。

    • オオツキ オオツキ より:

      もうもう様
      コメントをありがとうございます。

      富士山は山梨県側から見た時が一番シンメトリックに見えますが、中でも特に奥秩父方面から眺めた時の姿は、最も均整がとれていて美しいと思います。

      瑞牆山荘から登る金峰山は決して手軽とは言えない山ですが、大弛峠からならば軽めのハイキングがしたい時に最適です。