山梨県富士河口湖町にある三湖台と足和田山を歩いて来ました。
富士五湖の一つである西湖の傍らに立つ山並みを巡るコースで、大変良好な富士展望を得ることが出来る場所です。ちょうど見ごろを迎えている富士芝桜まつり見物と合わせて、富士五湖エリアの見どころスポットを巡って歩く大変贅沢な計画です。
意気揚々と現地へ乗り込んだ私を待ち受けていたのは、前評判通りの素晴らしき眺望と、ゴールデンウィークの洗礼ともいうべき大渋滞でした。
2019年5月3日に旅す。
富士芝桜まつりは、毎年4月の中旬から5月の下旬にかけて開催されます。場所で言うと、本栖湖リゾートのある付近です。
このお祭りはとても人気が高く、今回はそこへさらにゴールデンウィークと見頃のピークとが重なってしまったのですから、それはもう大変です。
会場へと続く国道には尽きることのない道路渋滞が発生し、会場内は押すな押すなの大盛況です。言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
帰りはバスを途中下車して、風穴から樹海を巡る歩道を散策してきました。散々人酔いした後だけに、静かな森の中を巡る歩道歩きは爽快そのものでした。
麓の喧騒から一転、三湖台の展望台には人の気配が全く感じられれない、静寂な空間が広がっていました。この場所から望む富士裾野の広大さは、息をのむような圧巻のスケールです。
人に揉まれまくった芝桜まつりと、静かなる好展望の稜線歩き。静と騒とが入り混じった、忙しなきゴールデンウィークの一日の記録です。
コース
芝桜見物を終えたのち、風穴バス停で下車し、紅葉台、三湖台を経て足和田山へと登頂します。下山はそのまま東海自然歩道に沿って進み、直接河口湖駅へと戻ります。
半分以上は下道歩きとなりますが、なかなか歩きでのあるロングなコースです。
1.富士芝桜まつり アプローチ編 大勢の人でごった返すGWの河口湖
6時10分 JR高尾駅
山梨方面に出かける際の大定番である、6時14分発松本行き鈍行列車に乗り込み大月駅へと向かいます。
富士五湖エリアへお出かけの際は、電車よりも中央高速バスを利用した方が安いし快適です。ただし今回は、ゴールデンウィーク中という事で高速道路の大渋滞が予想されるため、電車をチョイスしました。
およそ40分ほどの乗車時間で大月駅に到着です。大月駅で富士急行線に乗り換えます。
三つ峠駅付近を過ぎると、車窓に大きく富士山の姿が見えて来ます。この日は車内アナウンスがあり、わざわざ電車を減速までさせる大サービスです。ゴールデンウィーク対応の一環と言ったところでしょうか。
8時 河口湖駅に到着しました。
始発を乗り継いでも到着はこの時間です。意外と遠いいですな、河口湖は。
芝桜まつりの開催期間中に限り、会場までの直通バス「芝桜ライナー」が運行されています。往復と入場券がセットになって2,000円です。
私は帰りに色々と寄り道するつもりでいるので、お得なセット券ではなく片道券を購入します。値段は1,230円でした。
芝桜ライナーは7番降り場からの発着です。高速バスタイプの車両なので、立ち乗りはなく全員が着座です。乗り切れない場合は増発便を出してくれます。
時刻表通りであらば、芝桜まつり会場までの所要時間は40分ほどです。しかしながら、時刻表通りには事が運ばないのがゴールデンウィークと言うものです。
10時40分 本栖湖リゾート駐車場
という事で、バスが会場に辿り着いたのは、河口湖駅を出発してから2時間10分後の事でありました。ゴールデンウィークの洗礼を前にして、始まる前からすでにぐったり気味です。
言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
見物を終えて現地を発つつもりでいた時間を既に過ぎてから、ようやく会場入りです。
2.芝桜と富士山の展望を堪能する
会場内には入ったものの、行列ができていてなかなか奥へ進めません。
道の脇には、芝桜以外にもいろいろな花が咲いていました。このハクサンコザクラのような花はサクラソウです。江戸時代から園芸用として親しまれてきた花です。
このブドウの房のような花はムスカリです。もともとは地中海沿岸に咲く外来の花で、ムスカリと言う不思議な響きの名はギリシャ語だそうです。
やっと会場の中心まで進んでこれました。それにしても凄い数の人だ・・・
とりあえずは、パンフレットなどでおなじみの定番の構図の一枚を抑えておく。
様々なメディアで何度も目にしたことのある光景なため、始めてきた場所なのに妙に既視感があります。
逆さ富士に出来ないものかと、背伸びしたり色々やってみましたが高さが足りません。脚立でもないと無理か。
基本的に私は高山植物か野草が専門(?)なので、園芸種となると名称は全くと言っていいほどわかりません。
奥に展望台らしき場所があるので、行ってみることにします。煙と一緒で高い所が大好きなので。
またもや行列です。まったくゴールデンウィークと言うやつは、どこへ行くにも何をするにも行列です。
言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
小さい富士山が造成されていました。せっかくなので本物とツーショットを一枚。
展望台からの光景はまあ、特に絶景と言うほどでもありませんが、芝桜まつり会場の全体を見渡すことが出来ます。
まあ、わざわざ並んで見るほどの価値はないかな?
タコ焼きは野菜である。何故ならばネギがのっているからです。という事で、野菜中心のヘルシーな食事をとりました。
タコ焼きを買うのにも15分も並ぶ羽目になりました。言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
売店のある一帯にはイベント会場が設置されており、和太鼓と津軽三味線の演奏が行われていました。
なお、会場の配置はこのようになっております。無料でパンフレットを貰えますが、参考までに一応のっけておきます。
3.風穴バス停で下車し樹海を散策
帰路は芝桜ライナーではなく、13時発の路線バスに乗車します。
再び訪れる大渋滞。行きの時点では反対側は順調に流れていたのですけれど、午後になって動線の向き変わってしまったようですね。まあ、当たり前か。
14時 風穴バス停で下車します。
当初は精進湖の赤池から歩き始める壮大な計画を思い描いていましたが、渋滞の影響ですっかり時間が押してしまったので、少しばかり行程を短縮します。
樹海の中へと進みます。ここも人でいっぱいです。恐るべしゴールデンウィーク。
青木ヶ原の樹海には、約1万年前の火山活動の痕跡がいたる所に残されています。
風穴へとやって来ました。中へ入るにはお金が掛かる上に、かなり狭くて中腰姿勢になる必要があるという事だったので、パスします。もともと腰痛持ちなので、中腰姿勢は辛いのよ。
ここからは、東海自然歩道の中でも最も魅力的だと言う、樹海コースにそって歩きます。
足元には、一目見ただけで溶岩だとわかる岩が散乱していました。
苔生す原生林が広がります。樹海内ではコンパスが狂うとか言われていますが、あれはただの都市伝説で普通に機能します。さらに言えば、携帯の電波も入ります。
樹木が溶岩石の上に絡みつくように根を張っています。不毛な溶岩台地の上に、これだだけの大森林が出来上がのには、一体どれほどの時間を要したのでしょうか。
歩道とは名ばかりの荒れた登山道であることが多い東海自然歩道ですが、この樹海の道はしっかり整備されています。スニーカーであっても全然問題ありません。
入り口にはこんな看板も。これもまた、樹海らしいと言えばらしい光景ではあります。
14時30分 鳴沢氷穴の入り口までやって来ました。
氷穴は一年中氷が解けないと言う、天然のクーラーです。暑くなってきことたし、少し涼んで行こうかな。
と思いきや、ここでもまた行列です。どうやら入るには30分以上待つ必要がある模様。ただの冷凍庫なのに。
言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
さすがに30分も並んではいられないので、今回はこれで我慢します。
樹海ライブが開催中でした。ボーカルの女性は英国人で、隣で打楽器を操作している男性は大阪人だそうです。
14時55分 紅葉台登山口に到着しました。
時刻は間もなく15時になろうとしているこのタイミングで登山を始めようとしているわけですから、山ナメも良いところです。
4.好展望地の三湖台と、イマイチな眺望の足和田山
ここまで散々歩き回って、ようやく登山らしい光景の場所へとやって来ました。緩やかな傾斜の山道を、ゆるゆると登ります。
ここまでの喧騒が嘘のように、周囲にはまったく人の気配がありません。まあ、時間的に当たり前と言えば当たり前ですけれど。
車が通行可能な道と徒歩道とが、並走するように続いています。当然ながら徒歩道の方を登ります。
何やら凝った看板が現れました。この上が紅葉台と呼ばれる場所であるようです。
15時10分 紅葉台に到着しました。
その名の通り、秋にはきっと素晴らしい紅葉を見ることが出来る場所なのでしょう。真ん中にある建物は、神社などでは無く消防関連の施設でした。
紅葉台は、富士五湖観光連盟が制定した富士八景の一つに数えられています。この通り、見事な「松と富士」を眺めることが出来ます。
先へ進みましょう。相変わらず緩やかな、桜の舞い散る坂道を登って行きます。
展望レストハウスと呼ばれている場所です。店内には段ボール箱が山積みなっており、ぱっと見では営業していないように見えました。
200円だか300円だかを払うと屋上に上がれるらしいですが、この先にある三湖台の展望台からはもっと素晴らしい眺望が得られるので、無理に上がる必要はないかと。
という事で、先へと進みましょう。三湖台へはあと15分ほどの道のりです。
15時40分 三湖台に到着しました。
この場所からは、360度の全方位に眺望が開けます。
振り向けば奴が居る。ここでも定番の「松と富士」を眺めることがでいます。これは明らかに、狙って植えておりますな。
樹海の中にポツンと頭を出したこの山は大室山です。公式には登山道が存在しないことになっていますが、踏み跡はあるらしいです。
ウッドデッキの展望台からは、圧巻のスケール感でもって広がる富士裾野の森を見ろすことが出来ます。
素晴らしい眺望です。氷穴なんかに並んでないで、みんなこっちへ来れば良いものを。
これは本栖湖と竜ヶ岳です。その背後に並んでいるのは天使山地です。
西湖を挟んだ対岸に連なるのは御坂山地の山並みです。御坂山地には、小粒ながらも良い山が多く、個人的にはオススメのエリアです。
三湖と言っているのは西湖、精進湖および本栖湖の事です。この三つの湖は水面の高さが全く同じで、地中でつながっているものと考えられています。
そしてこちらが、これから目指す足和田山です。足和田山の方には五湖台という通称がつけられています。
足和田山までは、標準コ-スタイムで50分ほど行程です。もう既に時刻は16時を回っていると言うのに、これからさらにもう一座行こうとは、山ナメもいいところです。
対岸にある十二ヶ岳の、「一人づづ渡れ」の吊り橋がある谷が見えました。この十二ヶ岳は、アスレチックでなかなか楽しい山ですよ。
緩やかに登って降りてを繰り返します。日没時間が近づきつつあり、少々焦り始めます。
16時50分 足和田山に登頂しました。
毎度おなじみの山梨百名山の標識が立っていました。
山頂は樹木が多く眺望は今一つです。五湖台を名乗っていますが、実際には二つしか見えません。
すぐ脇には河口湖があります。樹木に遮られるので、綺麗には見えません。
富士山も一応は見えます。この杉が育ってくる以前には、きっと良く見えたのでしょう。
5.日没後の下道を延々歩き、河口湖駅へ
17時10分 下山を開始します。日没タイムリミットが近づいているため、小走り気味に下って行きます。
きつくも緩くもない、程よい傾斜の坂道です。とても歩きやすい。
17時45分 そんな訳で、実にテンポよく麓まで下って来ました。まあ下山したと言っても、駅まではまだまだ遠いいのですけれどね。
東海自然歩道の案内に従い、河口湖駅へと戻ります。厳密に言うと、東海自然歩道のルートは駅の近くを通るだけで駅へは行かないので、近くまでルートに沿って行きます。
その立地上、富士五湖エリア内に居る限りは、別にわざわざ山へ登らずとも富士山は良く見えます。
しかし、本当にどこからでもよく見えますね。
一介の旅行者的には「スゲー」とか能天気に喜んでいられますが、毎日目にしなくてはならない地元の人からすると、凄い圧迫感のある光景なのではないでしょうか。
どうやら東海自然歩道は、この正面の小道に沿って続いているようです。見るからに街灯がなさそうな道だったので、ここからはルートを外します。
国道139号(富士パノラマライン)沿いに駅へと向かいます。
路線バスが通りかかったら乗ろうと思っていたのに、この時間にはもう走ってはいないと言う事実にぶち当たりました。河口湖町の夜は早い。
すっかり日も沈んでしまいました。この山の上の方に光が見えているのは、カチカチ山ロープウェイでしょうか。
結局、下山後にさらに1時間30分以上も下道を歩き続け、ようやく河口湖駅まで戻って来ました。意外と遠かったあ。
行きと同じ経路を逆にたどり、鈍行列車に揺られて帰宅の途につきました。
富士五湖周辺のスポットを巡る小旅行は、なぜか最後は夜の河口湖町内を無駄に延々と歩き続けて終了です。言っちゃあなんですが、富士五湖エリアと言うのは、ゴールデンウィークなんかに行くべきではない場所です。
芝桜も三湖台も、どちらも満足の行くスポットではありましたが、いかんせん道が混みすぎです。このエリアへの訪問を考えている人は、なるべく大型連休の期間は外して訪問した方が幸せになれることでしょう。
富士山周辺の東海自然歩道のコースはどこも非常にクォリティが高く、今回は歩かなかった範囲についても、何れしっかりと歩いてみたい所です。
<コースタイム>
風穴バス停(14:00)-氷穴入口(14:30)-紅葉台登山口(14:55)-紅葉台(15:10)-三湖台(15:40~16:00)-足和田山(16:50~17:10)-八幡神社登山口(17:45)-河口湖駅(19:15)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
いつも楽しく拝見しています
今回はブログランキングのアイコンが無いのが残念です
できれば先頭と末尾の両方に有ると、ファンとしては嬉しいです
toshi様
日頃からのご愛読およびご指摘をありがとうございます。
貼り付けるのを失念しておりました。すでに対応済みです。
先頭にも配置すると言うのは、まだ記事を読んでもいない時点の読者に向かって「クリックよろしく!」と言うのは、あまりにも図々しいのかなあと思う次第でして・・・