森山 東海自然歩道のミツマタの名所、上徳間黄金街道を巡る

上徳間黄金街道のミツマタ
山梨県南部町にあるおよび森山(もりやま)に登りました。
甲斐南部の富士川の流域に立ち、登山の対象としてはほぼ無名に等しいマイナーな山です。東海自然歩道のルートに隣接した場所にあり、すぐ近くに上徳間黄金街道という通称で呼ばれているミツマタの群生地が存在します。
人の気配が全く感じられないようなマイナーエリアの山奥に待っていたのは、想像をはるかに上回る黄金の道でした。

2024年4月2日に旅す。

今回は恐らく大多数の人が「何処だその山は?」となるであろう極めてドマイナーな、甲斐南部の森山に登って来ました。
井出駅から見た森山
と言っても実のところ森山の登ったのはもののついででしかなく、真の目的は近隣の東海自然歩道を歩くことにありました。

首都圏近郊の山を歩いていると何気なく目にすることも多い東海自然歩道ですが、東京の八王子から大阪の箕面まで全長1,697kmにも及ぶ長大な歩道です。
東海自然歩道の案内板
それだけ長ければ当然ながら、そもそも交通アクセスが困難でほとんど歩く人はいない、忘れ去られてしまった区間も存在します。

甲斐南部の鯨野から徳間に至る区間の東海自然歩道は、そんなほぼ忘れかけられている場所の一つです。しかしこのルート上には、知る人ぞ知るミツマタの群生地が存在し、上徳間黄金街道と呼ばれています
南部町 福士坂本の集落

遠路はるばる訪れた黄金街道上には、想像を上回る大群生地の光景が広がっていました。ほとんど知られていないミツマタ群生地を巡って来た一日の記録です。
上徳間黄金街道を歩く登山者

コース
井出駅から上徳間黄金街道へのコースマップ
身延線の井出(いで)駅からスタートし、東海自然歩道のルートを辿り上徳間黄金街道を目指します。ミツマタを鑑賞した後は、徳間までは抜けずに引き返して、帰路の途中に森山に登ります。

森山から下山した後は、下道を歩いて井出駅へと戻ります。公共交通機関を利用して上徳間黄金街道を巡る行程です。

1.上徳間黄金街道 アプローチ編 始発の鈍行列車で行く、甲斐南部への遠き道程

甲斐南部は遠い。まだ夜明け前の三鷹駅よりおはようございます。ここから始発電車を乗り継ぎ、遠路はるばる南部町を目指します。
早朝の三鷹駅前

なんの条件も指定せずにYahoo路線検索で調べたところ、さも当然のように東海道新幹線を使うルートが提示されましたが、甲府経由の鈍行列車の旅で参ります。
三鷹駅のホーム

甲府駅で身延線に乗り換えるのですが、身延線は交通系ICカードには対応しておらず、しかも乗り換え時間が2分しかないので、あらかじめ目的地までの切符を購入してから乗車します。
三鷹駅から井出駅までの乗車券

高尾、大月と始発電車リレーを継投していきます。いずれの駅でも乗り換え時間が非常に短いので、テキパキと行動しましょう。悠長に写真など撮っている場合ではありません。
早朝の大月駅

途中の勝沼ぶどう郷駅の甚六桜が、満開の見頃を迎えていました。この様子だと、南部町の桜にも期待できそうかな。
勝沼ぶどう郷駅の桜

甲府駅で身延線に乗り換えます。前述の通り乗り換え時間が僅か2分しかないので迅速に移動しましょう。身延線ホームは降りたホーム向かい側端にあります。
240402上徳間-010
前回訪問時は折り畳み自転車を抱えた状態だったのでかなり必死に走りましたが、今回は身軽だったので甲府ダッシュは難なく成功しました。

8時30分 井出駅に到着しました。三鷹駅を出発してから実に3時間50分をかけての到着です。やはり甲斐南部は遠い。
井出駅のホーム

2.甲斐南部のマイナーな東海自然歩道を行く

8時35分 身支度を整えて行動を開始します。まずは富士川の上流方向に向かって道なりに進みます。
井出駅の駅前の道

富士川を挟んだ向かいに見えているこの山が、たぶん森山だと思います。本日、上徳間黄金街道を歩いた後に立ち寄るつもりでいる山です。
井出駅から見た森山
ほぼ正面にあるのですが、一度北側に大きく迂回します。理由は単純に、駅の近くには富士川を渡る橋がないためです。何故こんな中途半端な場所に駅を作ったのか。

右手には篠井山(1,394m)があります。全国区の知名度は無い山ですが、山梨百名山に選ばれている一座で、付近の山の中でも一際存在感を放っています。
井出駅から見た篠井山

大きく迂回して富栄橋を渡ります。すでにだいぶ年季の入っている橋に見えますが、架け替える予定はないのだろうか。
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上流の彼方に見ている赤い橋は、内船の南部橋です。富士川に架かる橋は数が少なく、台風で流されでもした日には迂回するのも容易な事ではありません。
富栄橋の上から見た南部橋

橋の対岸に、富士川に沿うように小さな丘陵地が連なっているのが見えます。東海自然程のルートは、この丘陵を越えていくようになっています。
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多少遠回りにはなりますが、ここより下流の福士川沿いに、この丘陵地を迂回することも出来ます。どちらでもお好きな方からどうぞ。

橋を渡るとすぐに国道52号線にぶつかるので、信号を渡って真っすぐに進みます。
国道52号線の富栄橋入口

東海自然歩道の案内が現れました。この先は指導標の導きに従って進めばまず迷う事ありません。
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かなり年季の入った東海自然歩道の案内図が置かれていました。恐らく最初に整備した時以来、そのまままなのだろうと思います。
東海自然歩道の案内板
東海自然歩道が完成したのは1974年のことであるから、既に半世紀が経過していることになります。そりゃあ、くたびれもすることでしょう。

初っ端から結構な勾配の坂路をモリモリと登らされます。この坂の上には真篠と言う集落が存在し、この道は生活道路です。住んでいる人は相当足腰が鍛えられていそうです。
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と言っても南部町は完全なる自動車社会なので、徒歩で移動する人なんてほとんどいないんでしょうね。

シャガがチラホラと咲き始めていました。アヤメの仲間の花です。
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水場らしき場所がありました。飲んでも大丈夫とはどこにも書いていませんでしたが、何の疑いも持たずに一口頂きました。冷たくておいしい。
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頭上に見事なしだれ桜が咲いていました。見上げる高さの大木です。
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桃の花も咲き始めています。春爛漫な光景ですが、シーズン的にはミツマタよりも後発の花がもう咲き始めていると言う事は、黄金街道への訪問時期としては少し遅かったかもしれません。
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やがて進行方向に、中部横断自動車道の富沢ICが現れました。比較的近年になってから作られた高速道路であるため、既に土地がなくてこんな丘陵地の上に押しこまれてしまったようです。
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一見すると道が完全に寸断されていそうなものですが、しっかりと立体交差になっており通り抜け出来ます。
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道なりにアンダーパスを2つ潜って坂を登って行くと、東海自然歩道の案内が立った分岐がありました。
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この横道の先に家屋などは無く、純粋に東海自然歩道にアクセスするためだけに作られたようです。ほとんど歩く人のいないマイナーエリアながらも、決して見捨てられているわけではないようです。
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振り返って見ると、丘陵上の狭い隙間に無理やり詰め込まれた富沢ICの様子が良く見えました。現在地はまだこの丘陵の中腹付近で、この後さらに登ります。
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竹林の中へと続く山道へと足を踏み入れていきます。おそらく中部横断自動車道が出来る以前は、もっと手前からこんな感じの道が続いていたのでしょう。
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竹林になっていたのは入口の付近だけで、すぐにまるで奥多摩のような杉の植林になりました。南部町のある南巨摩郡は山梨県の中では特に雨の多い一帯で、林業が盛んです。
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沿道に早速ミツマタがポツポツと咲いていました。黄金街道と呼ばれている領域はまだ先ですが、植生的にはほぼ同じ環境なのでしょう。
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花弁は既に白っぽくなりつつあり、満開のピークを過ぎてしまっている事は明らかです。それでも、まだなんとか間に合いはしたようでひとまずは安心しました。
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道標も整備されていますが、やはりかなりの年季が入っています。環境省には、もう東海自然歩道を補修する予算は無いのでしょうか。
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階段もほぼ朽ちてはてており、土に還りつつありました。
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中横断自動車道の工事中に通行止めとなっていた時期あったらしく、その頃の案内が道の脇に残っていました。
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丘陵の最高地点と思われる場所を越えたところで、林道に合流しました。ここからはしばしの舗装道路歩きとなります。
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ここでもしっかりと東海自然歩道の案内があります。こうして実際に歩いてみると、東海自然歩道の整備には大きな理想とかなりの規模の予算が詰め込まれていたのだろうなと言うのを感じます。
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道標の案内に従い、林道から外れて脇道へと入って行きます。
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車道としてはかなり無理のある急勾配ですが、道の幅からしてこの脇道も元は林道だったようです。大きく洗堀されていて、すでに車道としての機能は失われており、現在は東海自然歩道としての役割に徹しています。
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こういうガタガタ状態の林道と言うのは、ただの山道よりも歩くのに難儀することが多いです。
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無事に丘陵を越えて麓の坂本集落へと下って来ました。
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ここに来てようやく道標上に徳間の文字が現れました。距離にするとあと5km程度ですが、この後には峠越えが控えています。
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3.富士山を背後に地蔵が立ち並ぶ六地蔵公園

坂本の集落内では桜が咲き誇っており、今まさしく春爛漫状態です。狙っていた訳ではありませんが、一番良い時期に訪問出来ました。
南部町 福士坂本の集落

南方向に見えているこの山は、山梨百名山の貫ヶ岳(897m)です。登ってみるとかなり微妙な山ですが、こうして麓から見上げると、確かにどこか名山の風格があります。
坂本から見た貫ヶ岳

道なりに進むと十字路が現れました。最短で上徳間へ向かいたければここを直進しますが、その前に右折して六地蔵公園に寄り道していきます。
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この十字路に南部町営バスの坂本バス停があります。山間部の公営バスにはありがちな平日のみ運行で、運行本数もかなり限られてるため、山歩きに使うのは難しそうです。
南部町営バス坂本バス停

六地蔵公園の入口の案内に従い、左の脇道へ入っていきます。ちなみに、東海自然歩道の公式ルートなのも、この六地蔵公園経由のルートの方です。
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公園の入口付近が桜並木になっており、ここでも見頃を迎えていました。
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貫ヶ岳が良い感じに桜の中にフレームインしていました。うーむ、これは間違いなく名山の風格だ。
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ちなみに六地蔵公園は高台の上にあるので、分岐からは割としっかり登らされます。ピークは通らないのに、登ったり下りたりと結構忙しないルートです。
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六地蔵公園は道からは少し外れた場所にあります。この分岐から左へ入って行きます。
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10時50分 六地蔵公園まで歩いて来ました。芝生の広がる開けた空間となっており、この写真からは見切れてしまっていますがテーブルベンチ付きの東屋もあります。
六地蔵公園

名前の通り6体の地蔵が並んでいます。これらの地蔵がそれぞれ六道輪廻の地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道および天上道に導いてくれると言う言い伝えがあるのだそうです。
六地蔵公園の地蔵

地蔵の背後に富士山の頭だけが覗いていました。手前に重なっている山は位置的に、天子山地の白水山(812m)かな。登ったことはありませんが、富士展望の良い山であるらしい。
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4.荒れ気味の登山道を登り上徳間黄金街道を目指す

先へ進みましょう。高台の上に登ってしまったので、また川沿いの道まで下ります。本当にお地蔵様を見るためにだけに登ってきたようなものです。
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殆ど崖のような傾斜の斜面を、グネグネと大きく九十九折れを繰り返しながら下ります。こんなところに、よく道を作りましたな。
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サクサクと下って、坂本バス停があった十字路を直進した地点に合流しました。
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これは八重桜かな。ソメイヨシノよりも開花期間が長く咲く桜です。こちらも見事に満開状態でした。
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ここでもミツマタが沢山咲いていました。もともとは田畑だったと思われる段々畑に咲いていますが、休耕田なのかな。
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道は再び登り始めました。徳間の集落はここから一つ山を越えた先の川沿いにあり、この先は峠越えの区間となります。その峠の上に、目指す上徳間黄金街道が通っています。
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ここには特に案内が出ていませんでしたが、川沿いの道から外れて左の林道へと入って行きます。
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間の悪いことに、林道はちょうど法面の工事中でした。邪魔にならないように通過します。
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なにしろ本日は火曜日、すなわち平日です。週末の休日に歩いている分には工事に遭遇することなどそう滅多にないのですが、平日登山だとこうした事態は頻繁に起こりえるのだろうか。

林道の脇に登山口が現れました。ここからようやく本格的な登山道が始まります。多少遠回りにはなりますが、このまま林道沿いを進んでも、最終的には目的地に到達出来ます。
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結構な急勾配の痩せ尾根を登って行きます。ここでもやはり道は全般的に荒れ気味です。登山者的感覚で言えば通行に支障ありませんが、自然歩道と名乗るにはいささか心許ない気がします。
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危なっかしいトラバースがしばしの間続きます。前方から轟々と水の流れる音が聞こえて来ました。
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前方に結構な落差の滝があるのが見えます。軽く調べてみた限りでは、特に名前などは無いようです。なるほど、この滝の落差を越えなければならないから、こんなにも急勾配な道なのか。
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崩れかかっている個所には、トラロープが張られていました。曲がりなりにも東海自然歩道の一部である以上は、こうして最低限の整備だけは今でもなされているようです。
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滝の上まで登ってくると、沢沿いの道になりました。雰囲気はとても良い道ですが、もう少し暖かい時期になるとヤマビルが出没します。
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何回か渡渉があります。水量はそこそこ多めですが、飛び石伝いに難なく渡れました。
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ここでも谷沿いの斜面上にミツマタが咲いていました。目指す上徳間黄金街道までは、もう後僅かな距離です。
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沢を流れる水量がかなりか細くなって来ました。そろそろ源頭が近そうです。
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頭上に空が見えて来ました。ようやく稜線の上までたどり着いたようです。
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12時10分 稜線上を横切る林道に合流しました。この林道上徳間鯨野線こそが、上徳間黄金街道と呼ばれている道です。
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5.上徳間黄金街道を散策する

確かに道の脇にミツマタが咲いています。ちなみにこの上徳間鯨野線は、特に通行規制などは無いので一般車でも走行可能です。最低地上高の高い車以外にはオススメしませんけれどね。
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先へ進むと、道の片側がびっちりとミツマタに覆われていました。なにこれ凄い・・・
上徳間黄金街道

既にピークは過ぎてしまっているため若干白っぽくなってしまっていますが、最盛期だったらもっと黄金色に輝いていたのでしょうね。
上徳間黄金街道のミツマタ

道の両側が黄色く染まっており、なるほど確かにこれは黄金街道と呼ぶのにふさわしい光景かもしれない。ジムニーか何かでドライブしたら、きっと楽しいでことしょう。
上徳間黄金街道

道基本的に展望は無い杉の植林が続いていますが、途中に少しだけ展望の開けているビュースポットがありました。
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ちょこっとだけ富士山が見えています。やはり山梨県の山からの光景には、こいつの存在が必要不可欠だと思います。
上徳間黄金街道から見た富士山

大きくカーブを曲がると、これまでとは桁違いのミツマタの群生地が現れました。
上徳間黄金街道

この場所が上徳間黄金街道の中でも最大のミツマタ群生地です。斜面の一角が、完全にミツマタに覆われています。
上徳間黄金街道のミツマタ群生地

なにこれ、しゅごい・・・。驚きのあまりに、語彙力が5歳児レベルにまで後退してしまった。
上徳間黄金街道のミツマタ群生地

私は先週も焼森山でミツマタ見物をしており、その時にこれまで見て来た中でも最大のミツマタ群生地だと思ったのですが、翌週にあっさりそれを覆されることになりました。
上徳間黄金街道のミツマタ群生地
こんな場所が、ほとんどその存在を知られることもなしにひっそりと隠れていたことが、ただただ驚きです。そりゃあ、いくらなんでも交通アクセスが悪すぎるからでっしゃろ。

6.おまけの寄り道で森山に登る

良いものを見せてもらいました。東海自然歩道は、この先の上徳間の集落を経て徳間へと続いているのですが、これ以上進むと駅からはどんどん遠ざかっていってしまうため、本日はここで引き返します。
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林道に登って来た地点まで戻って来ました。もと来た登山道には引き返さず、このまま林道沿いに真っすぐ進んで、ついでに途中にある森山に登って行きます。
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先ほどの群生地のような規模はありませんが、黄金街道はこの後ももう少しだけ続きます。
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分岐地点までやって来ました。下山するのなら道なりに左ですが、この分岐を右へ入って行きます。
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2万5千分の1スケールの国土地理院地図には道が描かれていない尾根ですが、実際は森山の直下にまで林道が伸びていました。と言っても、路面はだいぶ荒れていましたが。
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ここでこの日一番となる富士山展望スポットがありました。森山の山頂に展望は一切無いので、この場所が森山登山におけるハイライトであると言えそうです。
森山の富士山展望スポット

山頂の少し手前で林道が途切れていました。最後にほんの少しだけ道なき道を登ります。
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あっけなく山頂が見えて来ました。
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13時55分 森山に登頂しました。まったく無名であるし、特に何があると言う訳でもない山頂です。そんな山でも、しっかりと手作りの山頂標識が掲げられていました。
森山の山頂

山頂に展望は全くありません。まさにピークハントするためだけに来たようなものです。
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別にここへ立ち寄る必要は全くなかったのだけれど、一応は登山ブログを標榜している以上、登山要素を絡める必要があるかなと思った次第です。

言ってみれば、ここへはノルマ(?)を達成しに来たというだけの事です。

7.下道を歩いて井出駅へと戻る

分岐地点まで引き返します。ここでも何気に、道の脇にミツマタがこれでもかと咲いていました。ひょっとしてミツマタというのは、それそこ雑草のように放っておいても勝手に大繁殖する花なのだろうか。
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サクサクと下って分岐地点まで戻って来ました。このまま林道沿いに下山します。
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往路に登った東海自然歩道のルートが途中からは谷筋なのに対して、こちらの林道は尾根沿いに続いています。
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視界が開けて、篠井山が良く見えました。こうして見ると、山頂部がギザギザしていて結構険し山容の山なのが良くわかります。
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15時5分 登山口まで戻って来ました。ここから先は、もと来た道を引き返すだけです。
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帰路では六地蔵公園は経由せずに、まっすっぐ道なりに下ります。
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帰路でまた丘陵越えをしても良いのですが、私はもう登るのはお腹いっぱいの気分だったので、このまま道なりに遠回りして帰ります。
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福士川沿の道を歩いて下ります。こうして川沿いに歩けば、丘陵地を迂回して富士川との合流地点まで行けます。
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中部横断自動車道の下を通ります。この道は、篠井山に登った際に自転車で通ったことがあるのでよく覚えています。
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この謎の鳥人間の石像にも見覚えがあります。えーと、これはメドゥーサに戦いを挑んだが破れて石にされてしまったイカロスですかね?
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国道52号線上にある、南部町役場まで歩いて来ました。井出駅があるのはちょうどこの辺りの対岸なのですが、前述の通りこの付近には橋がありません。
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と言う事で国道52号線をトボトボと歩いて、往路と同様に富栄橋まで迂回します。
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16時50分 最後の方はだいぶ端折りましたが、井出駅に戻ってきました。今日もたくさん歩いて大満足です。
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往路と同様に甲府駅経由の鈍行列車に揺られて、長い長い帰宅の途に着きました。
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関東近郊のミツマタ群生地と言うと、真っ先に思い浮かぶのは丹沢の不動尻やミツバ岳、あるいは先週歩いた焼森山辺りになろうかっと思います。ですが実のところ、上徳間黄金街道のような大群生地が、各地に人知れずひっそりと隠れているものなのかもしれません。
黄金街道の規模感は、私が過去に訪れたことのあるミツマタ群生の中では間違いなく最大級のものでした。これほどの大群生地が、ほとんどその存在自体を知られることもなしに埋没しているのは、不思議ですらあります。繰り返しになりますが、いくらなんでも交通アクセスが悪すぎるからでっしゃろ。
当地は公共交通の不毛地帯にあり、そうそう容易に訪れることの出来る場所ではありませんが、有名スポットの人混みに辟易した人は、遠路はるばるこのほぼ無名な群生地へ訪れてみては如何でしょうか。辿り着くまでの苦労に見合うだけの景色に出会えることは保証いたします。

<コースタイム>
井出駅(8:35)-六地蔵公園(10:50~11:05)-上徳間黄金街道(12:10)-森山(13:55~14:10)-井出駅(16:50)

六地蔵公園での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. デイビッド より:

    「いくらなんでも交通アクセスが悪すぎるからでっしゃろ」 逆に、非常に良いことのように思えます。 美しいミツマタ!

    • オオツキ オオツキ より:

      デイビッドさま
      コメントをありがとうございます。

      確かに見方によっては、景色を独り占めに出来る可能性が大きいかもしれません。手間はかかりますが、訪れる価値がある場所だと思います。