三つ峠 桜が満開の新倉山浅間公園と河口湖畔を巡る

新倉山浅間公園から見た富士山と桜
山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町にまたがる三つ峠(みつとうげ)に登りました。
その名の通り三つの頂を持つ山で、最高峰の名前を開運山(1,785m)といいます。富士山の展望に優れ、普段から登山者に人気の高い山です。この三つ峠の前衛に位置する新倉山浅間公園は桜の名所として名高く、開花シーズンには多くの観光客が押し寄せます。
人混みに揉まれつつ、桜が満開の河口湖町を巡って来ました。

2023年4月9日に旅す。

2年越しの宿題を片づけよう。と言う事で、山梨県は下吉田の新倉山浅間公園(あらくらやませんげんこうせん)に再訪してきました。桜の名所として大変有名な場所であり、桜と富士山と五重塔の組み合わせが見られる人気の場所です。
新倉山浅間神社の鳥居
新倉山浅間公園には2年目にも一度訪れてれているのですが、その時は終日に渡りどんよりとした曇天で、富士山が完全に雲隠れを決め込む残念な状況でした。今回はそのリターンマッチです。

今回は満を持し完璧なる快晴が約束された日を狙って訪問した訳なのですが、現地では想像を絶する大混雑に巻き込まれる事となりました。意気揚々と始発電車で乗り込んだのに、既に1時間待ちの行列が出来ていようとは・・・
新倉山浅間公園 展望台待ち行列の最後尾
ここ数日の間ぐずついた天気が続いていたため、晴れの予報が出た週末に人が殺到したようです。

目的を果たした後は、そのまま三つ峠山へと足を延ばします。過去に何度も登っている山であり、何が何んでも登らなければならない理由はないのですが、何となく惰性で登りました。そう、そこにそれ(三つ峠)があるから。
三つ峠 開運山の山頂

下山後は河口湖北岸にある桜並木をぶらりと散策しました。春の河口湖町を巡って来た、桜三昧な一日の記録です。
河口湖北岸の桜

コース
下吉田発三つ峠のコースマップ
富士急行線の下吉田駅からスタートして新倉山浅間公園へ。桜を見物をした後、三つ峠に登頂します。下山は河口浅間神社へと下り、河口湖の北岸まで直接歩きます。

しっかりと山にも登りつつ河口湖周辺の桜の名所を巡る、欲張りな行程です。

1.三つ峠登山 アプローチ編 始発電車で行く下吉出への旅路

4時55分 JR三鷹駅
私の自宅最寄駅は京王線なのですが、京王線からでは大月駅を6時32分発つ富士急行線始発電車への乗り継ぎに間に合わないため、朝っぱらから自転車をこいで第2の最寄り駅三鷹へとやって来ました。
早朝の三鷹駅
最近は三鷹駅からスタートする機会の方が多くなっているような気がします。もういっそうのこと、ここを最寄り駅と言う事にしてしまった方が良いのではなかろうか。

大月駅で富士急行線に乗り換えます。まだ早朝だと言うのに結構な人出です。当然この乗客のすべてが新倉山浅間公園を目指しているわけではないとしても、現地の混雑ぶりが容易に想像できる展開です。
大月駅の富士急行線改札

7時15分 下吉田駅に到着しました。案の定、大勢の乗客が一斉にホームへと降り立ちました。新倉山浅間公園の人気ぶりが良くわかります。
下吉田駅のホーム

目的地はこの通り駅前からすでに見えています。東京都内の桜が散ってから既に2週間が経過しており、訪問のタイミングとして少し遅かったのではないかと危惧していましたが、どうやらそれは杞憂でした。
下吉田駅のホームから見た新倉山浅間公園

最大望遠で覗いてみると、既に大行列が出来ているのが見えました。まだ朝の7時ですよ。恐るべし、春の新倉山浅間公園・・・
新倉山浅間公園の行列

2.桜が満開の新倉山浅間公園で、既視感溢れる光景を眺める

前途に軽い絶望を覚えつつも、ともかく参りましょう。新倉山浅間神社の入り口は、下吉田駅から徒歩で5分少々の距離です。桜シーズン中であれば必ず人波が出来ているので、それについて行けば大丈夫です。
230409三つ峠-011

神社の入口の桜はすでに散っている状態でした。2年目の訪問時にはここも満開状態だったので、やはり訪問のタイミングとしては少し遅めであったようです。
新倉山浅間神社の入口

忠霊塔がある展望台は標高およそ850メートル地点にあり、入り口からは100メートル近く登ります。最短距離で一直線に登る階段と、緩やかなスロープ状になっている歩道があります。
新倉山浅間公園の階段
普段は好きな方を選べばよいのですが、桜シーズン中は展望台に入場規制がかかるため、歩道側から登って列に並ぶ必要があります。

入り口の桜が散っているのを見た時には若干の不安を覚えていましたが、公園内の桜は満開御礼の状態でした。素晴らしい。
新倉山浅間公園の桜

早くも最後列と書かれた札を持った誘導員がいたので、行列に並びます。この時点で既におよそ1時間待ちであるとの事でした。恐るべし、春の新倉山浅間公園。
新倉山浅間公園 展望台待ち行列の最後尾

ジグザクとながーい行列が出来ていました。ため息がこぼれそうになる光景ですが、2年越しの宿題を片付けるためとあっては致し方ありません。
新倉山浅間公園の行列
ここに並んでいる人のすべてがSNSをやっているとは限らないでしょうが、それにしても凄まじいまでの映えへの執着心ですね。などと言いつつ、自分もしっかりと並んでいる訳なのですが。

幸いにも眺めはとても良いので、景色を楽しみながら気長に待ちましょう。空は雲一つない快晴で、2年目の雪辱は間違いなく晴らせそうです。
新倉山浅間公園から見た桜と富士山

桜のフレームに収まった富士山を撮影するなどして時間を潰します。というか、待っている間は写真を撮るくらいしかすることはありません。おかげで同じような写真を無駄に大量生産してしまいました。
新倉山浅間公園から見た桜と富士山

ようやく五重塔が見える位置まで進んできました。どうやら階段を登って来て行列に横入りを試みる輩が後を絶たないらしく、メガホンを持った誘導係のおっちゃんの口調が、かなりヒートアップしていました。
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1時間待ちの予想よりは少しだけ早く、45分ほどの待ち時間で展望台への入場となりました。普段は自由に出入りできる場所ですが、桜シーズン中は5分入れ替わり制の入場規制が敷かれています。また、三脚の使用は禁止されています。
新倉山浅間公園の展望デッキ

展望台からはこの通り、富士山と桜と五重塔といういかにも外国人観光客が喜びそうな組み合わせの、これぞ日本と言う光景が見られます。
新倉山浅間公園から見た富士山
この五重塔は正式には忠霊塔と言う名前で、戦没者の慰霊を目的として昭和37年に作られたものです。以前から知る人ぞ知る場所でしたが、近年になって主にSNSなどで口コミが広がり人気が爆破しました。

わざわざ1時間近く並んでおいてなんですが、パンフレットなどで何度も目にしていたためか、どこか既視感があふれる光景です。なんと言うか、典型的な誰が撮っても同じ写真にしかならないスポットですね。
新倉山浅間公園から見た富士山と桜
先ほどからひねくれたコメントばかりしていますが、一見の価値がある絶景であることは確かです。行列に並ぶ労を厭わないと言う人は、一度訪れてみては如何でしょうか。・・・一度で十分だとは思いますが。

何も考えずに普通に撮影すると、前に居る人の後頭部が沢山写ってしまいます。先ほどの記事の冒頭を飾った一枚は、バリアングルモニタを使ってカメラを頭上高くに掲げて撮影しました。
新倉山浅間公園の忠霊塔
この日一日で、後頭部の写真コレクションがかなり充実したことは言うまでもありません。

3.新倉山を越えて三つ峠山を目指す

8時25分 2年越しの宿題は無事に達成されました。これより登山の部へと移ります。三つ峠への登山口は、展望台入口の裏手にあります。
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展望台からの光景が見たかっただけなら、別にその後三つ峠に登らなければいけない理由などはないのですが、一応は登山ブログを標榜している以上、ここまで来ておいて山に登らない訳にもいかないのです。

忠霊塔の展望台から少し登った場所にも展望スペースがあり、こちらは並ばなくてもすぐに入れます。ここからだと五重塔は見えませんが、富士山は良く見えます。
新倉山浅間公園から見た富士山

まずは公園の名前の由来にもなっている新倉山を目指します。2年前の残念な訪問時にも一度レポートしているルートなので、今回は軽くさらっと流します。
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あらゆる花の開花が前倒しに進行している令和5年の春ですが、ミツバツツジが早くも満開を迎えつつありました。いくらなんでも早すぎませんかね。まだ4月の上旬ですよ。
三つ峠のミツバツツジ

サクサクと新倉山まで登って来ました。全く遠望の無い地味な山頂ですが、この先へ5分少々進んだ場所にある御殿と呼ばれる場所が好展望スポットとなっているので、休憩を取るならそこでまで進んでからとりましょう。
新倉山の山頂

と言う事で、立ち止まらずに御殿まで進みます。これまた満開状態のマメザクラが出迎えてくれました。
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9時20分 御殿まで登って来ました。新倉山浅間公園で桜見物をしつつ軽めのハイキングを交えたいと言う人は、ここまでで引き返すのが良いのではないでしょうか。三つ峠まで足を延ばすとなると、決して軽くはありませんので。
御殿の山頂

南側の一部が開けていて、一応は富士山が見えます。前回訪問時にはなかったウッドデッキが整備されていました。
御殿から見た富士山
富士山がもっと良く見える場所は近隣にいくらでもあるので、正直ここから眺める意味はあまりないかな。

東側も開けていて、道志山塊の山並みが良く見えます。正面にあるのは倉見山(1,256m)かな。クマガイソウの開花時期に登ろうと目を付けている、まだ未踏の山です。
御殿から見た倉見山

三つ峠から河口湖に向かて伸びる府戸尾根へと取り付きます。まずは鞍部に向かって一度下ります。結構な急勾配なので慎重に参りましょう。
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鞍部一帯はアップダウンが多めで、一部痩せている場所もあります。ここが新倉山ルートにおける核心部と言ったところです。
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普段はあまり歩く人が多くなさそうなマイナールートですが、やはり新倉山浅間公園と合わせて歩く人が多いらしく、結構な数の登山者がいました。

下った後は当然登り返しです。登りの方もかなりの急勾配で、特に急な場所にはお助けロープが垂らされていました。有難く使わせてもらいつつ登ります。
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登る分には良いですが、逆向きに下りたくはない道ですね、これは。

府戸尾根に取り付きました。ここまで来ればこの先にはもう急坂は無く、山頂まで緩やかな尾根道が続きます。
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尾根の取り付き地点も視界が開けており、背後に富士山がドーンと見えました。ここは特に有名でも何でもない場所ですが、裾野まで全部が見える点において、なかなかポイントの高い場所だと思います。
府戸尾根の途中から見た富士山

尾根沿いに先へ進むと、今度は送電鉄塔が現れました。山歩きにおいては、鉄塔のある所に好展望ありです。さて、どんな感じでしょうか。
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目指す三つ峠の山頂が見えます。厳密には今見えているのは毛無山と呼ばれるピークで、最高地点の開運山はここからでは見えません。
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正面に御坂山地最高峰の黒岳(1,793m)が見えます。名前は地味ですが、河口湖と富士山の絶景を一望できる良い山ですよ。
三つ峠から見た黒岳

眼下には河口湖が見えます。奥に西湖もチラッと見えていますね。本日は三つ峠に登頂後、グルっと周回して河口湖へ下山する予定です。
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府戸尾根は全般的に傾斜が緩く歩きやすい尾根ですが、その分だけ横方向への移動距離が長めです。この先はしばしの間、同じような光景がダラダラと続くので、サクッと割愛します。
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という事で、場面は飛んで毛無山まで登って来ました。名前の通り、大きな樹木が無い笹原が広がっている山頂です。
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正確な最高地点がどこなのかはよくわかりませんが、登山道の分岐地点脇にポツンと山頂標識が立っていました。
毛無山の山頂

4.三つ峠登山 登頂編 快晴の三つ峠山頂から望む大絶景

ここまで来てようやく、最高地点の開運山を視界に捉えました。山頂直下に屏風岩と呼ばれる岩壁があり、ロッククライミングのゲレンデとして非常に有名です。
三つ峠 開運山の山頂部

三つ峠には三つ峠山荘と四季楽園と言う、有人の山小屋が2軒あります。容易に日帰り出来てしまう山なので一度も宿泊したことはありませんが、ここから眺めるご来光はさぞや絶景なんでしょうね。
三つ峠山荘

テレビ地上波のアンテナが印象的な、開運山への最後の登りです。この登りは何気に結構キツく、ここ登っている人は大抵みな息絶え絶えになっています。私も例に漏れず、肩で息をしながらノタノタと登ります。
三つ峠アンテナ塔

11時55分 三つ峠に登頂しました。2年前の不完全燃焼感をすべて消し飛ばしてくれるかのような、完璧なる快晴の空が出迎えてくれました。
三つ峠 開運山の山頂

三つ峠は山梨百名山にも選ばれており、いつもの見慣れた標柱が立っていました。過去に何度も登っている山なため、今回登頂数のカウントは増えません。
三つ峠の山梨百名山標柱
三つ峠はもともと人気の高い山ですが、新倉山浅間公園の桜の効果もあってか、山頂は登山者で溢れかえっていました。

山頂からの展望はこの通り、絶景の一言です。右に見えているピークは、先ほど通って来た毛無山です。ここから見る分には、言うほどハゲてはいないかな。
三つ峠から見た富士山

南西方向には御坂山地の山並みが連なり、その背後には南アルプスの山々が居並びます。
三つ峠から見た御坂山地と南アルプス

空気が霞がちな4月とは思えない程いクッキリと澄んだ空気で、甲斐駒、鳳凰、白根三山と続く山並みが視認できます。その分、やたらと寒いんですけれどね。
三つ峠から見た南アルプス

こちらは南アルプス南部の山々です。特に目立っている真っ白な3座は、右から荒川岳(3,141m)、赤石岳(3,120m)および聖岳(3,013m)です。
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何れも前々から登ってみたいと思いつつも、未だに未踏の山々です。南アルプス南部は、いかんせん交通アクセスが悪すぎるんですよ。

こちらはみんな大好き八ヶ岳です。八ヶ岳は見る角度によってシルエットが大きく変わりますが、三つ峠からの姿はわかりやすく編笠山(2,524m)から硫黄岳(2,760m)までが並んで見えています。
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南アルプスと八ヶ岳の間に、薄っすらと北アルプスまでもが見えていました。三つ峠から北アルプスが見ると言う事実を、初めて知りました。
三つ峠から見た北アルプス

眼下には甲府分地が広がります。これだけよく見えると言うことは、逆に甲府分地からも三つ峠が見えていると言う事ですよね。あまり気にしたことがありませんでしたが、こんど甲府に行ったときによく見てみましょう。
三つ峠から見た甲府盆地

北西には奥秩秩父山塊の山並みです。地味な通好みの重厚なる山々が連なる一帯です。
三つ峠から見た奥秩父主脈

反対の東側には道志山塊と丹沢山地の山々が連なります。山座同定を始めるときりが無いので割愛しますが、この辺りは私にとって、勝手知ったる馴染みの山々です。
三つ峠から見た道志山塊の山々

5.三つ峠登山 下山編 母の白滝方面へ下る

12時40分 あまりの絶景を前に少々長居が過ぎました。ボチボチ下山に移りましょう。下山は母の白滝を経由して、河口湖へと下ります。
230409三つ峠-056

みんな大好き白根三山が真正面に見えます。過去に一度縦走したことがあるのですが、その時は天気がイマイチで若干の不完全燃焼感が残っているので、再訪したいんですよね。出来れば農鳥岳から笹山(2,733m)まで縦走したいところです。
三つ峠から見た白根三山

白根三山を縦走した際の記事はこちらです。
白根三山縦走 南アルプスに威風堂々とそびえ立つ、日本第2の高峰北岳【day1】
南アルプスの白根三山を縦走して来ました。白根三山とは赤石山脈(南アルプス)に連なる北岳(きただけ)、間ノ岳(あいのだけ)および農鳥岳(のうとりだけ)の総称です。この標高3,000メートルを超える稜線が連なる天空の回廊のごとき山並みは、多くの登山者を引き付け魅了します。今回はそんな魅惑の白根三山を、余裕のある2泊3日の行程で巡って来ました。まずは縦走1日、北岳の訪問記です。2019年9月1日に旅す。

白根三山縦走 標高3000メートルの天空の稜線歩きと、伝説の農鳥小屋【day2】【day3】
南アルプスの白根三山を縦走して来ました。白根三山とは赤石山脈(南アルプス)に連なる北岳(きただけ)、間ノ岳(あいのだけ)および農鳥岳(のうとりだけ)の総称です。今回は縦横二日目から三日目にかけて歩いた、間ノ岳と農鳥岳の記録です。北岳から間ノ岳へと続く稜線は、日本で最も長い標高3,000メートル越えの尾根となっており、その全長は3kmにも及びます。天空を歩くがごとき、3,000メートルの稜線を縦断して来ました。2019年9月2~3日に旅す。

毛無山まで戻って来ました。ここから元来た道には戻らず、母の白滝方面へと進みます。ここから先は、自身にとって初めて歩く道です。
三つ峠 毛無山

道自体は比較的緩やかで一見歩きやすそうのですが、夜の間に凍結していた地面がとけたばかりらしく、ドロドロの状態でした。うーむ、これは下山ルートの選択を誤ったかもしれない。
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幸いにもドロドロ状態なのは山頂付近だけでしたが、今度はパサパサに乾燥しきった砂地の地面にかわり、どのみち滑りやすいことに違いありません。ゆっくりと慎重に下りなさいと言う事ですね。
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途中に富士山と河口湖とを一望できるスポットがありました。登山道からは少し外れており、山と高原地図上にも特に記載がありません。知る人ぞ知る隠しスポットか何かでしょうか。
三つ峠 母の白滝ルートから見た富士山と河口湖
場所で言うと、登山道が一度林道と合流する地点の少し手前です。この説明でわかるかな。

漠然と河口湖は富士五湖の中で一番大きそうなイメージがありますが、面積で言うと実は山中湖の方が大きいです。入り組んだ形をしているので大きく感じるのかな。
母の白滝ルートから河口湖

ここで一度林道と合流します。ちょっとわかり難いですが、母の白滝方面へ下るにはゲートで塞がれているダートの道の方へ下るのが正解です。
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左上の林道沿いに進んでしまうと、カチカチ山ロープウェイのある天上山方面へ行ってしましますのでご注意ください。
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ここ最近に伐採を行ったらしく、大きく展望が開けていました。またすぐに新しく植樹を行うでしょうから、期間限定の光景です。
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このまま林道沿いに下るのかと思いましたが、すぐにまた登山道の入り口が現れました。道標に従い進みます。
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この後も何度か林道と合流を繰り返しつつ下って行きます。大きく蛇行する林道に対して、登山道はその真ん中を突っ切っているイメージです。
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やがて階段や手すりが整備された道となり、前方から沢の流れる水音が聞こえて来ました。そろそろ目指す滝が近そうな雰囲気です。
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この母の白滝と言うのは、わざわざ滝を見るためだけにやってくる人もいると言う隠れた名所であるらしいです。さて、どんな滝なのか。期待して行ってみましょう。

沢沿いに出てからも、滝まではまだもうひと道あります。なかなか勿体付けてくれますな。
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一際大きな段差が現れたところで、それらしき滝が現れました。あれ?なんだが全然たいしたことなくない?
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鳥居と小さなお社ががあるし、どうやらこれが母の白滝であるようですね。
230409三つ峠-071

落差はせいぜい5~6メートルと言ったところでしょうか。期待値が大きかっただけに、少々肩透かしを食らった感があります。
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若干の落胆を覚えつつも進むと、先ほどよりもさらに大きな落差があらわれました。おや、この地形はもしかすると滝があるのではないだろうか。
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今度は文句なしに立派な滝が現れました。こちらが母の白滝でありましたか。ガッカリしたのは早とちりであったようです。
母の白滝

14時50分 母の白滝に到着しました。落差は15メートルほどある滝です。なるほどこれは確かに見事な滝です。冬には完全凍結して氷瀑になるとのことです。
母の白滝

滝壺付近にちょうど木漏れ日が差し込んで、虹が見えていました。写真だとちょっとわかり難いですが、現物はもっと綺麗でした。
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周囲には登山者の他に、外国人観光客の姿がチラホラとありました。彼らは一体どこでこんなマイナーなスポットの情報を仕入れてくるのだろうか。
母の白滝

まるで左右からプレスされて縮んだかのような、妙な縦横比の鳥居が立っていました。もともとこの幅しかなかった道を後から拡幅したのだろうか。
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6.浅間神社を経て河口湖の北岸へと下る

滝を過ぎると、キャンプ場らしき場所が現れました。地図によると「くうねるたす」という名の施設であるようです。漢字で書くと食う寝る足す・・・なのだろうか?
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天空の鳥居という通称で有名なインスタ映えスポットである、浅間神社の遥拝所がありました。実はどこにあるのかよく知らなかったのですが、こんなところにあったのですか。
浅間神社の遥拝所
新倉山浅間公園と同様にSNSで爆発的に人気が高まり、あまりにも人が大勢押し寄せてマナー違反行為が横行したため、その後写真撮影が有料化されるに至った経緯のある、いわくつきの場所です。

口コミで人気が沸騰していきなり人が殺到するようになるのは、ネット時代ならではの現象ですな。ブームは一時的なものでしょうから、いずれはまた静かな場所に戻るでしょう。

本日は貸し切りで、結婚式が行われていました。なるほど、これがこの場所の本来の使われ方なのか。
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今度こそ、一般車も通る車道まで下って来ました。下山完了です。
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15時25分 浅間神社まで下って来ました。先ほどの天空の鳥居こと遥拝所は、この神社の奥の院的な位置づけの場所です。
浅間神社

境内には樹齢1200年とも言われる、見上げる高さの杉の巨木が立ち並びます。杉を見るたびに「斬れ―ッ」と叫ぶ重篤な花粉症患者である私ですが、これほど立派な巨木ともなると、流石に文句はつけようがありません。
230409三つ峠-084

河口浅間神社は、西暦で言うと9世紀になる貞観6年に発生した富士山の噴火を鎮める目的で創建されました。現在は青木ヶ原樹海となっている溶岩台地は、その時の噴火によって流出したマグマが冷え固まって形成されたものです。
河口浅間神社

相変わらず周囲には、日本人よりも外国人観光客の姿が目立ちます。外国人向けのパンフレットに、樹齢1200年の巨木が並ぶ古刹として紹介されていたりするのでしょうかね。
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下山したとはいっても、現在地はバス通りから外れた場所です。ここから河口湖の北岸まで歩きます。河口湖の湖畔沿いに桜並木があるというので、帰りがけのついでに少し見物して行こうと言う計画です。
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特に正規の道順と呼べるものはありません。地図を見て適当に大通り沿いを進みます。

神社から30分少々歩いたところで、河口湖へとやって来ました。周囲は大勢の観光客でごった返しており、登山の恰好をしている私は完全に浮いていました。
230409三つ峠-088

湖畔沿いに桜並みが続いています。満開のピークはもう既に過ぎて散り始めていましたが、それでもまだまだ見頃だと言えるタイミングでした。
河口湖の桜並木

相変わらず周囲から聞こえてくるのは異国の言葉ばかりです。あとは「ヤバイ、ヤバイ」と連呼しているキラキラしたお嬢さんがたまにいるくらいです。ヤバいのはお前の語彙力だ。
河口湖の桜

端から端まで歩いたら30~40分くらいはかかりそうかな。ちょっと見に立ち寄っただけなので、ほどほどのところで切り上げます。
河口湖の桜並木

対岸の南側にも桜が密集して咲いている場所が見えます。あそこからだと富士山は見えないだろうから、やはり北岸からの光景には及ばないでしょう。
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16時20分 河口湖美術館バス停に到着しました。通称レッドラインと呼ばれている、河口湖周遊バスのバス停です。
河口湖美術館バス停

大勢の花見客を捌くために時刻表無視で臨時便が増発されているらしく、さしたる待ち時間もなしにバスはすぐにやって来ました。
河口湖周遊バス

渋滞しているのではないかと懸念していましたが、幸いにも道はそれほど混んではおらず、スムーズに河口湖駅へと辿り着きました。駅の周囲も外国人観光客で溢れかえっていました。だいぶコロナ渦依然の光景が戻って来た感があります。
夕方の河口湖駅

7.おまけのおかわり編 新倉山浅間公園のライトアップを鑑賞する

河口湖駅から帰宅の途についたかのように見えた私は、何故か再び下吉田駅へと降り立っていました。忠霊塔のライトアップが行われると言うので、ついでに見て行こうという算段です。
夕方の下吉田駅
実のところ以前にも一度忠霊塔のライトアップを見物しているのですが、その時は訪問した時間が遅すぎて、肝心の富士山が真っ暗でまったく見えないと言うしょうもないオチでした。

この時間なら流石にもう空いているだろうと言う淡い期待は、同じ電車から降り立った大勢の人を見て見事に打ち砕かれました。帰りがけに見て行こうと考えるのは、皆同じと言う事か。
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再び最大望遠で覗いてみると、流石に朝の時点よりは少なくなっているとはいえ、まだまだ大勢の人の姿が見えます。まあ、ともかく行ってみましょう。
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17時を過ぎると特に入場規制は行われていないようなので、今度は最短ルートの階段を突き進みます。
230409三つ峠-099

時刻は間もなく18時になろうと言うところで、今まさに陽が沈まんとしているタイミングです。さあて、展望台の混雑状況はどんな感じでしょうか。
日没時の新倉山浅間公園

何の規制もされていないため、日中よりもさらなる混雑の極みにありました。何とかスぺースを確保して陣取ります。
230409三つ峠-101

マジックアワーの富士山です。この日はなまじ天気が良すぎたせいか、あまり赤くは焼けてくれずただ暗くなっただけという感じです。
新倉山浅間公園から見た富士山と五重塔

完全に陽が沈んだ所で、町の灯がポツポツと灯り始めました。もう少し暗くなるまで待ってみましょう。
新倉山浅間公園から見た富士山と五重塔

完全に暗くなったところで、ようやく前回は見られなかった忠霊塔ライトアップと富士山の光景を見ることが叶いました。宿題は完全に片付きました。これでもう、なにも思い残す事はありません。
新倉山浅間公園から見た富士山と五重塔
これ以上粘っても、あとは富士山が完全に見えなくなるだけです。ボチボチ撤収にうつりましょう。

ライトアップされた忠霊塔を写真に収めたところで、今度こそ本日のミッションは終了です。今日もたくさん歩いて大満足です。
230409三つ峠-105

さあ帰りましょう。なお一応は階段に街灯があるにはありますが、真っ暗になっている箇所もあるので、帰りはライトがあった方が安心です。
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この時間になっても始めから満員御礼状態の電車にため息をつきつつ、帰宅の途につきました。
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2年越しの宿題はこうして無事に回収されました。見たかった光景はすべて回収されたので、もう再訪することは無いかな。
新倉山浅間公園は確かに富士山と桜と五重塔と言う唯一無二の光景に出会える場所ではありますが、いかんせん人の多さに辟易させられました。この人気がいつまで継続するのかは未知数ですが、いずれブームが去る日は来るのだろうか。
三つ峠については、いまさら新たに語ることは無いと言うくらいに何度も訪れている山ですが、文句なしに素晴らしい山です。桜の時期にこだわる必要はまったくありません。季節を問わずにオススメです。

<コースタイム>
下吉田駅(7:15)-新倉山浅間公園(7:20~8:25)-新倉山(御殿)(9:20~9:35)-三つ峠(開運山)(11:55~12:40)-母の白滝(14:50)-浅間神社(15:25)-河口湖美術館前バス停(16:20)

230409三つ峠-108

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. しょうへい より:

    宿題回収おめでとうございます。お天気最高でした。快晴での桜と富士山は見ごたえありますね。ライトアップされた景色もひときわ美しいものがありました。この時期で、天気いい日の土日だと、当然人気あるのでしょうね。朝の七時からの行列はびびりましたw

    • オオツキ オオツキ より:

      しょうへいさま
      コメントをありがとうございます。

      始発電車で行ってもあの有様だったので、車で行く人の方が多数派なんでしょうね。正午頃には最大で3時間待ちになることもあるのだとか。なんと恐ろしい・・・