新潟県妙高市にある妙高山(みょうこうさん)に登りました。
北信五岳と呼ばれる火山群の最高峰にして、越後富士の異名を持つ上越地方の象徴的な山です。別名で妙高連邦とも呼ばれる頸城(くびき)山塊に属しています。山の麓には火山の恩恵とでも言うべき温泉が豊富に湧出し、温泉地としても名高い存在です。
黄葉で黄金に輝くと言う温泉を求め、はるばる上越地方へと繰り出してきました
2021年10月10日に旅す。
妙高山は長野県と新潟県の境界付近につらなる、頸城山塊に属している山です。今なお盛んに噴気をあげ続けている火山でもあります。
山体自体が大きく特徴的な外観をしていることから、古くから名峰として親しまれてきた地域の象徴的な存在です。麓の自治体の名前にもなっています。
妙高山には4年前にも一度訪問しています。同じく頸城山塊に属している火打山と合わせて訪問しました。
辛かったと言うネガティブ印象しか残っていなかったこの山には、いつか再訪しなければならないと考えておりました。今回、ようやくその機会が訪れたと言う訳です。
途中までは気持ちの良い秋晴れだったものの、山頂に到達した時点では雲が湧いてきてしまい、前回の雪辱を完全に晴らすとまでは参りませんでした。
しかしそれでも、一面が真っ白で何も見えなかった前回訪問時よりは、格段に素晴らしい光景を拝むことが出来ました。
下山後は秘湯と名高い燕温泉の露天風呂、黄金の湯へと立ち寄ります。
紅葉の盛りにはまだ少し早く、周囲が黄金に染まるとまではゆきませんでしたが、それでも爽快なる秋の一日でありました。
コース
妙高高原スカイケーブル山頂駅よりスタートし、妙高山へ登頂します。下山は天狗堂分岐から秘湯と名高い燕温泉へと下ります。標準コースタイム7時間45分の行程です。
妙高山への日帰り登山としては、極めて一般的な行程です。
1.妙高山登山 アプローチ編 新幹線で行く上越地方への旅路
6時4分 JR東京駅
上越地方の山への日帰り登山を可能としてくれる、魔法の乗り物新幹線で長野駅へと向かいます。
妙高山は東京発の公共交通機関利用であっても、ギリギリ日帰りが可能な山です。行きも帰りも新幹線になるため、交通費はそれなりに嵩みますが。
7時39分 長野駅に到着しました。自由席のある「はくたか号」にはちょうど良い時間の便が無かったため、珍しく奮発して全席指定の「かがやき号」に乗って来ました。別に輝いていなくても良かったのだけれどな。
この速達タイプのかがやき号は高崎駅すらすっ飛ばすため、大宮の次はもう長野です。流石は魔法の乗り物、素晴らしい早さです。
お次はしなの鉄道に乗り換えて、妙高高原駅へ向かいます。昔懐かしのかぼちゃ電車こと115系は、完熟してしまったのか塗装が黄色くなっていました。
長野駅を出発して程なく、西側の車窓に北信五岳と呼ばれる山並みが見えて来ます。・・・見えてくるのですが、今回私は眠りこけてしまっていたため、車窓風景の写真はありません。悪しからず。
8時30分 気持ちよく熟睡している間に、完熟したかぼちゃ電車はつつがなく妙高高原駅へと滑り込みました。
お目当ての妙高山は、駅の跨線橋から良く見えます。妙高山は北信五岳に名を連ねている山ですが、長野県ではなく新潟県内にあります。北信じゃないじゃないか。
2.妙高高原スカイケーブルでラクラク標高1,300メートル地点へ
8時46分発の赤倉行きの妙高市市営バスに乗車します。バスと言うよりは乗合タクシーのような小型の車両での運行です。
このバスはあくまで地域住民の足代わりの路線であるため、バス停通過時の音声アナウンスや停車ボタンなどの設備がありません。乗車する時に運転手に行き先を告げてください。
妙高高原スカイケーブル山麓駅の最寄りバス停は新赤倉三叉路です。
バスは途中で色々と寄り道し、結構な遠回りをしつつ妙高山へと近づいて行きます。車窓からはずっと妙高山の姿が見えています。
外輪山の中心に溶岩ドームの山頂部が突き出した、たいへん特徴的な姿をした山です。この押し出しの強い個性的な外観もまた、この山が古くから名峰として親しまてきた大きな理由の一つなのでしょうね。
9時 新赤倉三叉路に到着しました。妙高高原駅からの運賃は350円でした。交通系ICには対応していないので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう。
スカイケーブル山麓駅は目と鼻の先にあります。だったら始めから妙高高原スカイケーブルバス停と言う名前にすれば良さそうなものですが、繰り返しになりますがこのバスはあくまでも地域住民のためのものです。
前回の訪問時には、山頂部が完全に雲に覆われて全く見えなかった、山麓駅からみた妙高山の姿です。
本日は今のところ雲一つない快晴ですが、予報によれば正午過ぎになると少し雲が出て来るようです。
今回はこのゴンドラリフトと言う文明の利器の力を使って、標高1,300メートル地点まで一気にワープします。下山は燕温泉に下りるつもりなので片道券を購入します。山頂駅までの料金は1,400円なり。
絶好の秋晴れとあってか、乗り場はそこそこ混雑してしていました。利用者は主にラフな格好をした観光客がメインで、山登りの格好をしている人はどちらかと言うと少数派です。
山頂駅までは僅か11分程の空中散歩です。紅葉が麓にまで下りてくるのはまだまだ先のことで、足元の森は緑々としていました。最盛期になるともっと混雑するのでしょうかね。
私は山に登るのは好きだけれど下山が嫌いと言う変わり種の人間なので、普段はリフトやケーブルカーがある山はなるべく下山時にそれらを利用出来るように計画を立てることが多いです。
今回は下山地点を燕温泉にすると決めている都合上、登りでのリフト利用となりました。
お隣の黒姫山(2,053m)が良く見えます。北信五岳に名を連ねている火山であり、北信を名乗りながら新潟県内にある妙高山とは違って、あちらはしっかりと長野県内にあります。
9時25分 スカイケーブル山頂駅に到着しました。なお、下りの営業終了時刻は16時30分です。ここから山頂をピストンする場合は、結構頑張ってコースタイムを巻いて行かないと間に合いません。
ちなみに、下山予定地の燕温泉を発つ最終バスの時刻は18時です。こちらもコースタイムを多少なりとも巻いて行かないと、温泉に立ちよるだけの時間を捻出できません。頑張ってまいりましょうか。
このゲレンデの急斜面が赤倉コースの登山口です。身支度を整えて9時30分に登山を開始します。
3.紅葉のピークにままだ少し早かった広葉樹の森
スキー場のゲレンデを直登することになるため、登り始めからいきなり踵が痛くなるような急登です。登り始めて早々に暑くなり、上着を脱いで半袖一枚になりました。
直射日光がギラギラ照りつけるゲレンデで、良い感じに汗だくになって来たところで、左端に登山口が現れました。
妙高市のマスコットキャラクターである妙高さんと、久しぶりにご対面です。
登山道に入ると、周囲は広葉樹の森に変わりました。まだ紅葉前線はこの標高まで降りて来ていないらしく、薄っすらと色付き始めと言ったところです。
小さな沢を渡ります。この辺りは山から染み出した水で足元は常時ドロドロ状態なため、通行に際して注意を要します。前回訪問時にも、通り抜ける時に肝を冷やしたのでよく覚えています。
さほどきつくはない傾斜ですが、しばしの間単調な登りがダラダラと続きます。眺望はありませんが、森の雰囲気はとても良い感じです。
妙高山の山頂付近は、あまり紅葉はしない灌木と熊笹に覆われています。そのため、最も紅葉が見栄えする時期は、この中腹付近に広がる広葉樹林が色づく頃合いであろうかと思います。
まだ最盛期には少し早いものの、こうして確実に秋は深まりつつありました。
眩い木漏れ日が射しこむ、明るくて気持ちの良い道です。曇空の日に歩いても、きっと退屈な道になってしまう事でしょう。やはり山は晴れていてナンボですよ。
頭上高くに山頂部の姿がお目見えしました。ここまで比較的緩やかだった分は、最後のほうで一気に取り戻しに来ます。覚悟しておいてください。
周囲の木々がだいぶ華やかになって来ました。そろそろ紅葉が最盛期を迎えている標高帯に入りそうな予感です。
ここからはしばしの間、舗装道路歩きです。この先にある南地獄谷と呼ばれる場所には、赤倉温泉の源泉があります。この道は源泉を管理するのための作業道です。
10時50分 大谷ヒュッテに到着しました。妙高市が管理する無人の避難小屋です。
小屋の目の前に、大谷と言う名称の由来である南地獄谷があります。冷え固まった溶岩ドームから成る山頂部と、その周りを囲っている外輪山との間にある谷です。
良く見ると噴煙が上がっているのが見えます。妙高山が最後に噴火したのは、現在からおよそ3000年ほど前の事だと考えられていますが、噴気活動は今なお盛んに続いています
この大谷ヒュッテから少し下った場所に水場があります。前回訪問時に、この水がとても美味しかったのが印象に残っているので、せっかくなので一口の飲んで行こうかと思います。
うーん。何というか至って普通の水ですね。なにしろ喉の渇きに苦しんでいた時の記憶なので、若干の思い出補正というかバイアスがかかっていたのかもしれない。
4.妙高山登山 登頂編 急登を乗り越えて、上越地方を見晴らす頂へ
11時10分 一時の小休止したところで、行動を再開します。何しろあまりのんびりとしていると温泉に浸かる時間が無くなってしまいますからね。
燕温泉に下る場合、標準コースタイム通りのペースで歩いても最終バスの時間には若干の余裕があります。問題なのはバスではなく温泉の営業時間です。
下山後は野湯として名高い黄金の湯に立ち寄りたいと考えているのですが、その黄金の湯の営業時間は「日没まで」です。つまり、温泉に入りたければ、何が何でも日没までには下山しなくてはならないという事です。
これまで緩やかだった分を一気に取り戻すかの如く、急登が始まりました。それではいっちょう、気合を入れて行きましょうか。
11時30分 天狗堂まで登って来ました。赤倉コースと燕温泉コースとの合流地点であり、コースタイム的に登りのほぼ中間地点でもあります。
この小さな祠がポツンとあります。何故か天狗ではなく、小さなお地蔵様がいました。
天狗堂からは、またもや急登でグイグイと標高を上げていきます。標高的にはこの辺りがピークであろう紅葉に期待していたのですが、周囲は常緑の笹が多めでイマイチです。
急坂を登り終えると、まるで一時の安息であるかのような平坦な空間が現れました。
光善寺池と呼ばれる小さな池塘です。周囲は小規模ながらも湿地となっており、草紅葉になっていました。
光善寺池を過ぎると、この先はもう山頂まで一息つけるような空間はありません。山頂を横目にしながら、緩むことの無い急登が続きます。
展望が開けて、彼方に薄っすら霞んだ日本海が見えました。眼下に広がる市街地は上越市の街並みです。
8合目まで登って来ました。風穴(かざあな)と呼ばれる小さな穴がいくつかいており、中からは夏でも涼しい空気が流れ出てきます。いわゆる天然クーラーと呼ばれているものです。
何時しか周囲は冬枯れの光景に。やはり妙高山で紅葉を楽しみたかったら、麓の広葉樹林まで下りてくるタイミングがベストな訪問時期であると思います。
やがて前方に、まるで絶壁のようにして立ちはだかる岩の壁が見えて来ました。そして、その岩壁に張り付くようにして登っている人の姿も見えます。有名なクサリ場のある場所です。
クサリ場の手前で森林限界を超えて、背後の展望が開けました。いつの間にか、ずいぶんと高いところまで登ってきたものです。
眼下にナウマンゾウの化石が出土したことで名高い野尻湖があります。諏訪湖よりは面積が小さい湖ですが、なんでも水深が深いため貯水量では諏訪湖を上回っているのだとか。
クサリ場の手前までやって来ました。こうして改めて見上げると、完全に絶壁ですな。前回訪問時はここを下っただけなので、登るのは今回が初めてです。
岩の表面に階段状のステップが刻まれており、見た目の恐ろしさとは裏腹に実は大して難しくはありません。
何となくの記憶では、クサリ場を過ぎたらもうすぐに山頂だと思い込んでいたのですが、実際はクサリ場を過ぎて以降も、もうしばらく急登が続きます。
少しでもコースタイムを巻こうとしてここまでかっ飛ばしてきた反動もあり、疲労で徐々に足が前に出なくなってきました。妙高山は何気に結構キツイ山ですぞ。
撮影にかこつけてしばしの小休止を取ります。だってしんどいんだもの。
先ほど脇を通って来た大谷ヒュッテが足元に見えます。こうして上から見ると、やはり紅葉はまだまだでしたね。
火山らしく山頂部はゴツゴツとした岩場です。なにしろここは、冷え固まったかつての溶岩ドームそのものな訳ですからね。
ようやく山頂が見えました。いやはや、思ってた以上にきつい登りでありましたよ。
13時15分 妙高山に登頂しました。登山開始から3時間45分での登頂です。頑張って登った甲斐もあって、十分に温泉へ立ち寄るだけの時間は確保できそうです。
山頂の様子
かなり広々とした空間に、大岩がゴロゴロと散乱しています。
朝は雲一つない快晴の空でしたが、正午を過ぎると予報の通りに雲が湧いてきていました。雲が湧く前のもっと早い時間に登頂したければ、麓の温泉にでも前泊するしかありませんな。
同じ頚城山塊に属しているお隣の火打山は、頭の部分だけが雲に覆われてしました。実は出発の直前まで、行き先を妙高にしようか火打にしようか悩んでいたのですが、結果として妙高にしておいて正解でした。
北アルプスも雲の中。ちょこっとだけ頭が見えているのは、たぶん後立山連峰のどこかです。
お隣の黒姫山が良く見えます。外輪山の中心に溶岩ドーム跡から成る山があり、まるで妙高山をそのまま小さくしたかのような姿をしています。難解な地質学用語で言うところの複式コニーデ型火山です。
妙高山には南北二つの頂きがあります。現在地は南峰で、正面に見えているのが北峰です。標高は現在地の南峰の方が上ですが、山頂標識は何故か北峰の方にあります。往復するとだいたい10分前後を要します。
過去にも一同登頂しているので、北峰への訪問はスパッと省略しました。あちらの方が標高が高いと言うのならば、ピークハンターとしての本能で間違いなく往復するのでしょうけれど、現在地の方が高いとあっては、特に用はありません。
5.妙高山登山 下山編 燕温泉へと続く北地獄谷を行く
13時40分 山頂を辞去し、下山を開始します。まだ山頂に居るうちからなんですが、既に私の頭の中は温泉の事でいっぱいになっております。さあ、サクサクと参りますよ。
いつの間にか、山頂付近は雲にすっぽりと覆われつつありました。私が山頂に立ったのは、完全にガスってしまう結構ギリギリなタイミングであったようです。
上から見下ろしたクサリ場は、なかなかの高度感です。ここから直接下れとは言われないのいで安心ください。ここは右側から回り込むようにして下ります。
クサリがあり足場もしっかりしているので、特に難しい要素はありません。とは言っても、落ちたら当然タダでは済まない高さなので慎重に参りましょう。
天狗堂まではピストンであるので、「こんなに急だったっけ?」などとぼやきつつ、脇目も触れずに黙々と下山と言う作業をこなしていきます。
ここから燕温泉方面へと下山します。この先は自身にとって未踏の領域となります。
外輪山との間にある谷底に向かって降下が始まります。午前中の快晴が嘘の様に、いつしか頭上はすっかり雲に覆われ、寒々しい限りの光景です。
谷底までは胸突き八丁と呼ばれる急坂が続きます。足元には表面がしっとりと湿った岩が散乱しており、極めて凶悪なスリップ効果を発揮していました。悪路と呼んでしまっても差し支えが無い道だと思います
こちら側から登るのはさぞや辛そうと言いたいところですが、この石の表面が異様に滑るコンデションを鑑みるに、下るよりも登るほうがまだいくらか容易なのではなかろうか。
谷底まで下って来て、ようやく人心地つきました。まったく酷い道だった・・・
この谷底を流れている沢の水には、火山性物質が多量に溶け込んでいるらしく、まるで石鹸を流したかのように真っ白です。
前方に見えているのは、妙高山を取り囲んでいる外輪山の一部である神奈山です。春先になると「はね馬」と呼ばれる雪形が現れることで知られています。
今歩いているこの燕温泉ルートは、妙高山登山におけるメジャーなルートだと思うのですが、その割には結構危なっかしいトラバースを歩かされます。
足元がドロドロな上に、谷側に向かって思いっきり道がナナメになっています。通行に際して結構肝を冷やしました。クサリ場なんかよりも、ここの方がよほど怖い。
コンクリートで舗装された道のある場所まで下ってきました。この舗装路は車道ではなくあくまで徒歩道で、温泉の源泉井戸を管理するための道であるようです。
ここでふと振り返ると、二段に分かれた見事な滝が流れていました。称明滝と光明滝です。
温泉成分が付着することにより、岩の表面が乳白色に変色しています。なかなか壮観で、一見の価値がある滝だと思います。
滝から少し下ったところに、赤倉温泉の源泉井戸の小屋がありました。この小屋は関係者以外は立ち入り禁止で、トイレなどの設備はありません。
谷沿いに舗装された高巻きの道がしばしの間続きます。この谷は北地獄谷と呼ばれています。
崖の向かいには、切り立った大岸壁が連なっていました。この標高付近が紅葉している時期に訪れたら、さぞや壮観な光景でありましょう。今回の訪問は、やはりベストシーズには少し早かったようですな。
北地獄谷越しに見上げた山頂部です。紅葉がピークを迎えている時に眺めてみたくなる光景です。
徒歩道ではない舗装道路と合流しました。ここまで下って来れば、燕温泉まではもうあと僅かです。
温泉街が見えて来ました。何とか日没時間前に辿り着くことが出来たようです。さあ、お待ちかねの温泉タイムです。
6.まだ黄金には染まっていなかった黄金の湯を堪能する
16時50分 黄金の湯の入り口に辿り着きました。ほんの少しだけではありますが、この看板がある地点から登り返しがあります。
この黄金の湯というのは、カランも何もない山中にある、野性味あふれる野湯であると聞いております。さあ果たして、どんな感じなのでしょうか。
一応は申し訳程度の脱衣スペースがありますが、男湯は外から完全に丸見えの場所です。なるほどこいつは確かにワイルドですな。
なお入浴料は無料です。入り口には協力金箱が設置されています。
中は本当に湯舟があるだけの空間です。周囲の木々が黄葉する時期に訪れると、まるで黄金のように輝いて見えるという事から黄金の湯と呼ばれています。残念ながら、黄金に染まるにはまだ少し早かったようです。
そして、大事な事なのでもう一度言いますが男湯は外から丸見えです。・・・・たぶん、あなたが考えているよりも遥かに丸見えです。まあ、実際に入ってみればわかります。
お目当ての温泉にゆったりと浸かり・・・と言いたいところだけれど、かけ流しの湯温はかなり高めで、長風呂には適していません。
ひと風呂浴びてサッパリしたところで、燕温泉へとやってきました。秘湯と呼ぶのにふさわしい、かなりこじんまりとした温泉街です。
この下山地点にある土産物店で、妙高山の山バッジが買えます。バッジコレクターの方は忘れずに立ち寄って行きましょう。
外から丸見えの野外風呂は嫌だと言う方には、ちゃんと日帰り入浴が出来る温泉宿が存在します。
17時20分 燕温泉バス停に到着しました。ここで18時1分発の、関山駅行の最終バスを待ちます。
ちなみにこの関山駅と言うのは、えちごトキめき鉄道の駅です。妙高高原駅へ直通してくれるバスはありません。
時間になってやって来たのは、バスではないバンタイプの車両でした。この車両は床が絨毯張りなので、靴の泥をよく落としてから乗車してくださいとのことです。関山駅までの運賃は500円です。
関山駅へ到着した時には、周囲はもう真っ暗でした。駅前では妙高山のシルエットのライトアップを行っていました。
妙高高原駅までの一駅区間だけですが、えちごトキめき鉄道に乗車します。もともとはJR信越本線の一部だった路線で、北陸新幹線開業に伴い第三クター化されました。言ってみればしなの鉄道の片割れのようなものです。
妙高高原駅でしなの鉄道に乗り換えて、長野駅へと戻ります。今更気づいたのですが、この駅名表示に描かれた模様はちゃんと妙高山のシルエットになっているんですね。
芸が細かいというか、あらためて妙高山と言うのは、地元の人々にとっては郷土の誇り的存在なんだなあとしみじみ思う次第です。
長野駅からは、輝いてはいない「はくたか号」に乗り込み、帰宅の途につきました。
紅葉の盛りにはまだ少々早かったものの、妙高山への再訪は満足のうちに幕を下ろしました。妙高山における紅葉の主役は、山頂付近ではなくではなく中腹に広がる広葉樹林にあるので、紅葉前線が標高1,500メートル付近まで下ってくる10月中旬から下旬頃にかけてがベストな訪問時期であろうかと思います。
ご覧いただいた通り、妙高山は都内発の公共交通機関利用でもギリギリ日帰り登山が可能です。可能ではありますが、コースタイムにあまり余裕が無くタイトな行程管理を求められるため、燕温泉辺りに前泊して登る方が幸せになれる山だと思います。ゆったりと温泉に浸かりながら、この上越地方きっての名峰を巡ってみては如何でしょうか。
<コースタイム>
妙高高原スカイケーブル山頂駅(9:30)-大谷ヒュッテ(10:50~11:10)-天狗堂(11:30)-妙高山(13:15~13:40)-天狗堂(14:50)-黄金の湯(16:50~17:15)-燕温泉バス停(17:20)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
オオツキ様
コロナワクチンを早めに接種出来たこともあり、9月下旬に高谷池ヒュッテに泊まり火打山と妙高山に登ってきました。
慣れない高速バスを使ったこともあり高谷池までの登りは調子が上がらず苦労しましたが、予想外に早まっていた天狗池の紅葉は最高でした。
翌日は燕温泉まで下りるルートで鎖場やロープは大したこと無かったのですが、黒沢池ヒュッテから妙高山までの登山道が狭くて、かつ、斜めになっていたので大変怖かったです。
次に火打山に登るときはワタスゲが咲いている季節に、黒沢池ヒュッテから笹ヶ峰に降りようと考えています。(前回オオツキさんが間違えた道ですね!)
笹ヶ峰行きのバス停の場所は参考になりました。
もうもう様
コメントをありがとうございます。
怖かったっと仰っているのは、大倉乗越からのトラバースの事でしょうかね。確かに結構な悪路だったと記憶しています。
ワタスゲシーズンの火打山は最高ですよ。登ったのはすでに4年前の事ですが、天狗の庭の光景は今でも鮮明に印象に残っています。とてもオススメです。
こんにちは
この行程を日帰りで行い、事細かに写真とレポート
凄いですね^^w
妙高が日帰りで行けるんですね
たむさま
コメントをありがとうございます。
ギリギリ日帰り可能ではありますが、火打山と合わせて1泊して登った方が幸せになれる山だと思います。今回私は日程の都合もあって、慌ただしい弾丸登山をしてしまいましたが。