八紘嶺 安倍川の源流部、安倍奥に静かに佇む県境の山

安倍川沿いから見た八紘嶺
静岡県静岡市と山梨県早川町、身延町にまたがる八紘嶺(はっこうれい)に登りました。
通称安倍奥と呼ばれる、安部川源流域に立つ深山です。フォッサマグナ(大地溝帯)の西の端に位置しており、日本有数の急流河川である安部川が刻んだ深い谷から屹立する、急峻な山容の山です。山の麓には秘湯として知られる梅ヶ島温泉があり、温泉のある静岡県側からのアプローチが一般的です。
遠路はるばる、静岡市の秘境オクシズの山域を巡って来ました。

2021年10月23日に旅す。

八紘嶺は山梨県と静岡県の県境上に立つ山です。山梨百名山に名を連ねている一座ですが、山梨県側から入山する安倍峠越えのルートは長らく通行止め状態が続いており、現在は南の静岡県側からしかアプローチできません。
安部川の源流域
駿河湾に面する静岡県静岡市は、南アルプスの山地が海際のすぐ近く位まで迫ってきている立地上にあります。そのため市街地があるのは海際のごく一部の平野部に限られ、その面積の大部分は人跡疎らな山間部となっています。

この静岡市の山岳地帯「奥静岡エリア」は、通称オクシズと呼ばれています。オクシズは非常に広大な面積を持つ領域であり、内部はいくつかのエリアに区切られています。

その中でも、八紘嶺を含む安部川源流一帯の事を安倍奥と呼びます。

安倍川餅で名高い安倍川は、鮎が住まう清流として知られており、静岡市の重要な水源にもなっている川です。しかしそれは、この川が持つ一つの側面に過ぎません。
安倍川
今なお隆起が続くフォッサマグナを源流部とする安倍川は、日本国内でも有数の急流河川です。全長が僅かに51kmにすぎない短い河川ながらも、源流部から1,000メートル近くに及ぶ標高差を流れ下っています。

そのため、ひとたびまとまった量の雨が降ると、途端に大量の土砂と水が殺到する危険な暴れ川となっています。

急流安部川の傍らに立つ八紘嶺の麓には、とても2,000メートル級の山のものとは思えないような、深く急峻な谷が連なっています。秘境安倍奥を見下ろす圧巻の光景です。
八紘嶺から見た安部川

八紘嶺の南の麓には、武田信玄の隠し湯の一つとされる秘湯、梅ヶ島温泉があります。この梅ヶ島温泉を起点にして、秘境の山を巡ります。
梅ヶ島温泉

コース
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梅ヶ島温泉駐車場から八紘嶺を往復します。標準コースタイム5時間25分のほどの行程です。

本当は安倍奥最高峰である山伏(やんぶし)と合わせて周回したかったのですが、日が短いこの季節では時間的に少々厳しいものがあったため、八紘嶺だけに的を絞りました。

1.八紘嶺登山 アプローチ編 秘境オクシズへの遠き道のり

中年二人を乗せた車が、東名高速道を快調に進みます。
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それほど真剣に取り組んでいるわけでもありませんが、私は以前より山梨百名山を完登したいと言う漠然とした思いを抱いています。折を見てはちょちょこと山梨県へと訪問し、未踏の山梨百名山に登り続けています。

八紘嶺を含む甲斐西南部にある山梨百名山は、どこも公共交通機関によるアクセスが極端に悪く、これまで自然と後回しになっていました。

今回は友人が車を出してくれる機会に恵まれたため、これ幸いとばかりにこのアクセス難のエリアを行き先に選んだ次第です。

静岡県側から見た富士山は、普段見慣れている山梨県側からの姿とは全く異なっており、違和感が凄い。南側から見た富士山は、山腹に宝永噴火口がポッカリと口を開けているのが最大の特長です。
御殿場付近から見た富士山

新東名高速に入って程なく、前方にオクシズの山並みが見えて来ました。なんだか頭上をどんよりとした雲に覆われてしまっているのが気になる所です。
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新清水インターチェンジで高速を降りて、あとはひたすら安部川を遡って行きます。安倍川は昔から暴れ川として名高い河川です。さほど水流が多くはない割には、異様に川幅が広いことからもその暴れっぷりが察せられます。
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やがて深い谷の先に、目指す八紘嶺の姿が見えてきました。日本列島を東西に分つ大断層フォッサマグナ上に立つ八紘嶺は、かなり急峻な山容をしていました。なかなか骨のありそうな山ですな。
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8時20分 梅ヶ島温泉の駐車場に到着しました。温泉街の中に、そこそこのキャパシティがある無料の駐車場が存在します。本日は、ここを起点にして八紘嶺を往復する計画です。
梅ヶ島温泉の無料駐車場
混んでいてあぶれたらイヤだなあなどと思っておりましたが、紅葉シーズにはまだ少し早い時期であったためか、駐車場は至って空いていました。

目指す八紘嶺の姿は、目の前まで近づくともう角度的に見えません。安部川の谷が非常に深いため、八紘嶺そのもの姿を眺めることの出来る場所は極めて限られています。
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2.林道の通行止めによる、登山口へ至る道程

身支度を整えて、8時30分に行動を開始します。
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登山口までは暫しの間の車道歩きです。いかにも秋らしい、冷たい空気が心地よい。
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まだ紅葉のピークには少しばかり早い時期でしたが、場所によっては沿道の木々が薄っすらと色付き始めていました。
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梅ヶ島温泉はまさに秘湯と呼ぶにふさわしい、こじんまりとした温泉街です。日帰り入浴を受け付けている宿も何件か存在します。
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フォッサマグナの断層帯周辺には、こうした素朴な山の出湯が多く見られます。これらの温泉は火山性のものではなく、地中深くの地熱によって暖められた温水が、断層に生じる破砕帯の隙間から地表に湧出して来ているものです。

梅ヶ島温泉へは、静岡駅から出ているバスで訪れることも出来ます。バスは一日に5往復だけではあるものの、一応は公共交通機関による日帰り登山も可能ではあります。
梅ヶ島温泉バス停

このまま道なりに進んでも登山口へ辿り着けますが、途中にショートカットできる徒歩道があります。
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振り返って見た梅ヶ島温泉の全容です。とてつもない山奥のようにも見えますが、前述の通り安倍川はあまり距離が長くはない河川で、ここは静岡市の中心からさほど遠く離れてはいない場所です。
梅ヶ島温泉郷

八紘嶺登山口に到着しました。ここから山中へと分け入って行きます。
八紘嶺登山口

本来であれば、林道のもっと標高の高い地点まで車で入ることが出来ます。しかし現在、この安倍峠を経て山梨県へと至る林道豊岡梅ヶ島線は、路肩の崩落により通行止めとなっております。
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この通行止めにより、八紘嶺は山梨百名山であるにもかかわらず、山梨県側からはアクセスするとが出来ない状態が続いています。

もともとかなりの悪路であるらしいので、仮に通行止めでなかったとしても、静岡県側からアクセスした方が無難ではあるようですが。

登り始めて早々から、まるで奥多摩のような圧倒的杉林が出迎えてくれました。まあ、わざわざ林道が整備されているわけですから、当然ながら植林があるに決まっていますな。
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なお、流石にもう時期的にシーズンオフではあると思われますが、安倍奥一帯にある山々はどこも基本的に、ヒル山として悪名高い場所です。訪問する時期によっては、厳重なヤマビル対策が必須となります。

のっけからけっこうな急登です。林道が通行止めでなければ、本来は登る必要のなかったはずの区間であるだけに、だいぶ徒労感のある行程です。
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谷向に見えているこのピークが八紘嶺なのだと思っておりましたが、これは山頂の手前にある名もなき1,881メートルの小ピークです。八紘嶺の山頂は、もっと目の前まで近づかないと見えません。
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先の見え無い急坂を登り続けることおよそ1時間と少々で、頭上に空が見えて来ました。
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再び林道と合流しました。通行止めとなって久しい路上には、すっかりと枯れ葉が堆積していました。
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9時40分 八紘嶺登山口に到着しました。路肩に小規模ながら駐車スペースが存在し、本来であればここから登山を開始できるはずでした。つまりは、ようやくスタート地点に立ったという事です。
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反対側もしっかりと封鎖の処置が施されています。崩落地点を直接確認したわけではありませんが、徒歩での通り抜けも不可であるとのことです。
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3.富士山を横目にしながら歩む尾根道

八紘嶺登山口より先は、基本的にずっと尾根沿いの道となります。先ほどまでの薄暗い杉林から一転して、辺りは陽射しがあって気持ちの良い広葉樹林に変わりました。
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紅葉の最盛期に訪れたらさぞや壮観なのでしょうけれど、ピークにはまだ早く僅かに色づき始めている状態です。
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時より真っ赤な葉を見かけますが、これはどう見てもツツジ科の葉です。八紘嶺はヤシオツツジの名所でもあり、恐らくシロヤシオであると思われます。
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ツツジのシーズンに訪れてみたい気もしますが、そうなると必然的にヤツらの活動時期と重なってしまうのが悩みどころです。

行く先を見上げると、山頂付近がガスに覆われつつありました。これはいただけない兆候ですね。もっとも、ガスッていようがいまいが、もともと八紘嶺の山頂には展望がありませんがね。
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途中に安倍峠方面への分岐地点があります。ここは当然、山頂方面へと進みます。
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安倍峠は山梨県と静岡県の境界にある峠で、身延山への参詣路として古くから街道が存在していました。

現在においても、富士展望と紅葉の名所としてそれなりに知名度のある場所でしたが、前述の通り現在は通行止めにより車では入れません。徒歩での訪問は可能です。

頭上の開けた明るいブナ林は、どこか丹沢の稜線を思わせる雰囲気です。同じくヤマビルが出没するところや、シロヤシオが咲くと言う点においても共通しており、植生的に丹沢に近い環境なのかもしれません。
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ここまでの安心安全だった登山道から一転し、痩せた尾根が続く一帯へと入りました。
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ここが富士見台と呼ばれいる地点であるようです。名前から想像するような展望台的スペースなどは無く、崩落の進むヤセ尾根の上にあります。
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なるほど確かに、奴の姿がチラ見えしています。ですが、落ち着いて眺められるようなスペースのある場所ではないので、速やかに通り抜けましょう。じっくりと富士山を眺めることの出来る場所は、この先にしっかりと存在します。
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片側が切れ落ちた、気の抜けない道がしばしの間続きます。遠目に見えていた通りの、険しい山容になってまいりましたよ。
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登り応えのある急登が続きます。八紘嶺は横への移動距離こそ短めですが、標高差は1,000メートル以上あり、短めな行動時間のわりにはなかなか歯ごたえのある山であると言えます。
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展望岩と呼ばれる地点まで登って来ました。さあ、ようやくお待ちかねの展望タイムです。
八紘嶺 展望岩

目の前に富士山がドーンとお目見えです。幸いにも、こちら側は綺麗に晴れていてくれました。
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南側から見た富士山は、大沢崩れの浸食谷がパックリと口を開けているのが特徴です。山梨県の河口湖方面から見た時の姿とは、だいぶ趣が異なっています。
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4.八紘嶺登山 登頂編 安倍奥に鎮座する地味極まりない頂

山頂まではもうあと一踏んばりです。頑張っていきましょう。
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危惧していた通り、山頂付近はすっぽりとガスに覆われてしまっていました。日光が無くなるなり、いきなり寒くなってきましたよ。先週までは半袖Tシャツ1枚で山登りしていたと言うのに、季節が移ろうのはあっという間です。
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この様子だと、眺望はちょっと期待できそうにありませんね。まあ仕方がありません。こう言う日だってあります。
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ここが山頂かと思いきや、手前からずっと見えていた名もなき1,881メートルピークでした。山頂はさらに奥へ少し進んだ先にあります。
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やがて前方に、山頂部らしき場所が見えて来ました。ここまで近づかないと視界に入らないあたり、八紘嶺の奥深さ加減がお分かりいただけるかと。
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八紘嶺の山頂には全く展望がありませんが、そのかわり山頂手前の斜面に視界の開けた笹原状の場所があります。さて、はたして遠くは見渡せるでしょうか。
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うーん、残念。やはり頭上がすっかりと雲に覆われてしまいました。眼下の安部川の急峻な谷だけが、なんとか見えています。秘境オクシズを見下ろす光景です。
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彼方に静岡市の市街地と駿河湾が見えました。山間部が海際のすぐ近くにまで迫っている、静岡市の地形が良くわかる光景です。
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視界の開けた笹原を抜けると、道は再び鬱蒼とした針葉樹林へと入りました。ここまで来たら、山頂はもう目の前です。
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山頂が見えました。これはまた、とびっきり地味な場所ですねえ。
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11時35分 八紘嶺に登頂しました。また一つ山梨百名山の頂を踏むことが叶いました。南アルプスエコパーク仕様の、四角いタイプの山頂標識です。
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私がこの山へ興味を持った最初のきっかけは、なんと言うことは無い。名前がカッコ良いと思ったからです。ハッコウレイですよハッコウレイ。

この厳つい響きの山名の由来となっているのは、八紘一宇(はっこういちう)と言う言葉でありましょうな。

多くの人にとって耳慣れない言葉だと思いますが、「全世界を一つの家にする」と言う意味の語句で、ざっくり言えば「人類みな兄弟」くらいの意味合いの言葉です。・・・たぶん。

かつて日本が自らを大日本帝国と称していた時代、この八紘一宇と言う言葉は大東亜共栄圏構想を推し進めるためのスローガンとして盛んに喧伝されました。

そうした経緯もあって、敗戦後はGHQによってこの言葉の使用自体が禁止されています。そのため、現在この八紘一宇と言う言葉を知っているのは、主に戦前の生まれの人に限られています。

何故か山頂標識が全部3つありました。静岡県と山梨県がそれぞれ一つづつ設置したのだとしても、この3つ目の標識は一体誰が掲げたのでしょうか。
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5.八紘嶺登山 下山編 温泉を目指し、急坂を一気に駆け下る

12時5分 何とかガスが取れないものかと山頂で少し粘りましたが、状況が変わる気配はありません。いい加減諦めて、下山を開始します。
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八紘嶺の山頂から繋がっているこの稜線の先に、安倍奥最高峰の山伏(やんぶし)があるはずなのですが、よく見えません。山伏もまた山梨百名山であるため、何れまたこの安倍奥エリアへは再訪せねばなりません
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再訪するとしたシロヤシオシーズンかな。その際には当然、万全のヤマビル対策を施した上で挑まねばなりませんが。

ちなみに、この記事の冒頭を飾ったカットは、この谷間に見えているカーブ地点から撮影したのです。こうして上から見下ろした際に目を付けており、下山後にわざわざ車を止めてもらって撮影しました。
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八紘嶺の山頂は、このまるでオデキのようにぴょこんと飛び出している部分です。これほど見えにくい場所に隠れている深山と言うのも、なかなか珍しいのではないでしょうか。
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ガスに覆われていたのは本当に山頂の周囲だけなようで、少し下ったところですぐに雲の下に出ました。
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富士山も変わらずに見えています。今日は一日、朝に東名高速道上から眺めた時から、雲の状況は全く変わらなかったようですね。
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これは愛鷹山です。普段見慣れている箱根や丹沢側から見たのとは反対側からの姿です。
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登りではあれほど息絶え絶えだった急登も、下るとなればあっという間です。頭の中はもう完全に温泉モードに切り替わっており、足早にサクサクと下って行きます。
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ちょこっとだけ視界が開けて、沼津方面が良く見えました。千本浜のアーチはいつ見ても美しい。
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枯れ葉に埋もれた足元には、不意に置石トラップがあったりするので油断がなりません。気を抜かずに慎重に参りましょう。温泉に浸かるまでが八紘嶺です。
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富士川を挟んだ向かいに見えているこの立派な山は、ひょっとしてわが親愛なるケナッチーなのでしょうか。静岡県側から見た姿にはなじみが薄いので、イマイチ山座同定に自信が持てません。
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サクサクと下って、林道まで戻って来ました。
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13時35分 八紘嶺登山口まで戻って来ました。これで残す所はもうワンスパンのみ。
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杉の植林に入ったら、もうあとは完全に消化試合です。黙々と、この下山と言う憂鬱な作業に取り組みます。
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休まずに下り続けて、割とあっけなく梅ヶ島温泉へと戻って来ました。。
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14時40分 梅ヶ島温泉駐車場に到着しました。朝に見上げた時よりも少しだけ雲が多くなっているものの、依然として青空が広がっていました。
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まるで狙いすましたかのように、八紘嶺山頂の上空だけが曇っていたようですね。何たる嫌がらせでしょうか。ぐぎぎぎぎ。

6.八紘嶺登山 帰宅編 恒例の高速道路渋滞に巻き込まれた家路

さあ、後はもう温泉に浸かって帰るだけです。駐車場から少し下った所に、日帰り入浴泉温施設である黄金の里があります。
梅ヶ島温泉黄金の湯
温泉の裏手には、キャンプ場も併設されていました。なるほど山伏を含めた周回コースを歩きたい時は、ここに前泊して早朝早くにスタートすると言うのも一つの手であるわけですな。

入浴料は700円なり。泉質はPH高めのアルカリ泉で、いわゆる美肌の湯です。トロトロとしたいいお湯でしたよ。
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温泉の土産物コーナーで安倍川餅を探すも、置いてありませんでした。よもや安倍川沿いにある温泉施設で安倍川餅が買えないなどとは、予想だにしていなかった事態です。

再び安倍川沿いの、しばしのドライブです。この異常なまでに深い谷と、上流部であるにも関わらずやけに広い川幅を見るに、安部川の暴れっぷりが容易に想像できます。
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1日に5便しかない、静岡駅行きのバスに遭遇しました。このバスを使えば、公共交通機関を利用して八紘嶺や山伏に登ることは一応可能です。どうしても到着の時間は遅くなってしまうため、コースタイム的に結構シビアにはなりますが。
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高速に乗る頃にはもうすっかりと日が傾き、富士山が紅色に染まっていました。
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なお、安倍川餅は新清水SAの売店でしっかりと売っていました。なぜ温泉の売店には置いていなかったのか謎ですが。
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その後は、行き先がどこであろうと恒例の高速道路渋滞にしっかりと掴まりつつ、長い長い帰宅の途に着きました。
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名前の響きがカッコ良いからと言うだけの実にしょうもない理由で訪れた八紘嶺でしたが、安倍奥に鎮座する山々の重厚さに圧倒された山行きでした。この付近一帯の山には派手さこそありませんが、海のすぐに近くにまで山が迫る南アルプス南部ならでは地形により独特の景観が作り出されていました。
この山梨県南西部の県境地帯の山々は、山梨百名山の完登を目指す人にとっては一つの鬼門と言える場所で、アクセス自体が困難な僻地の山が多く存在しています。まだ未踏の山がたくさん残っているので、いずれまたこの秘境めいたオクシズに訪れることなるでしょう。

<コースタイム>
梅ヶ島温泉駐車場(8:30)-八紘嶺登山口(9:40)-富士見台(10:15)-八紘嶺(11:35~12:05)-八紘嶺登山口(13:35)-梅ヶ島温泉駐車場(14:40)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. もうもう より:

    オオツキ様

    丹沢をメインに八ヶ岳や北アルプス、南アルプスを登っていますが八紘嶺というのは初めて聞きました。

    八紘一宇や大東亜共栄圏構想というのは今まで聞いたことが無く、オオツキさんはとても知識人ですね!
    静岡県からの登山も少し興味が湧きました。

    • オオツキ オオツキ より:

      もうもうさま
      コメントをありがとうございます。

      畑薙第一ダムをはじめ、南アルプス南部エリアの山への登山口の多くが静岡市にあります。静岡と言うと東海道筋の海のイメージが強いですが、実は日本有数の山岳県でもあります。