真鶴半島 太平洋を望む岩の岬の名勝地

190223真鶴半島_001神奈川県真鶴町にある真鶴半島(まなづるはんとう)を歩いて来ました。
相模湾の南端に位置する全長3kmほどの小さな半島です。上空からから見た姿が空を舞う鶴のようなシルエットに見えることから、この名前が付けられたと言われています。半島全体が溶岩石によって形成され独自の景観を作り出しており、先端部は県立自然公園として保護されています。
岩の海岸と巨木が立ち並ぶ広葉樹の森を散歩してきました。

2019年2月23日に旅す。

神奈川県は丹沢山地へよく足を運ぶ人であるならば、相模湾越しに伊豆半島を望む南東方向に、盲腸のように突き出した小さな半島の姿をよく目にしているのではないでしょうか。
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この小さな突起こそが今回の主役、真鶴半島です。

この半島は箱根の側火山の一つであり、今からおよそ約15万年前の火山活動によって生じた溶岩により形成されています。半島の先端に位置する三ツ石は、神奈川県の名勝地として知られています。
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半島の中央部には、江戸時代に小田原藩が植樹を行ったことが契機となった、広大な広葉樹林が広がります。その後、長きわたって特別保護区として伐採もされずに守られてきた結果、見上げる高さの巨木が立ち並ぶ深い森が広がっています。
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海と深い森とが共存する、真鶴半島ならではの独特の景観を見物してきました。

13時50分 JR真鶴駅
さて、普段はアプローチ編でダラダラと記事の尺稼ぎをすることが多い当ブログですが、今回は現地からのスタートとなります。
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なんと言うことは無い、幕山から下山した直後だと言うだけの事です。

当初の予定では真鶴半島を散策する計画などなかったのですが、目の前にケープ真鶴行きのバスが停まっているのを見て、何となく気が向いてそのまま乗り込んでしまった次第です。
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相も変わらずな、計画性皆無の行き当たりばったりな行動です。まだなんとなく歩き足りない気分だったので。

14時25分 およそ15分ほどの乗車時間で、終点のケープ真鶴に到着しました。真鶴半島の先端部位に位置する観光施設です。ここまでの運賃は260円で、スイカ・パスモに対応しています。
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江戸時代の台場(砲台)跡だというこの場所からは、正面に太平洋を一望することが出来ます。とりあえず「海だぁー!」と意味もなくテンションを上げて行きましょう。
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これは私見ですが、基本的に真鶴半島と言う場所は、海を見てテンションを上げるために来る場所です。他にやるべきことはあまりありません。

半島の先端に、神奈川県の特別名勝にも指定されている三ツ石が見えます。早速、近くまで行ってみることにしましょう。
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という事で、まずは台場の上から海岸へと下ります。
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一本だけ植わった川津桜が、満開を迎えつつありました。こんなところでも育つという事は、塩害に強い品種なのでしょう。
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今日は至って穏やかですが、ここは海が荒れているときに来るべき場所ではありません。
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三ツ石と言うのは通称で、正式には笠島と言います。今見ている岩礁は満潮になると水没し、完全な離れ小島となります。
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この道標によると、右には注意集落があり、左に進むと落石集落が。。
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そんな訳ないですね。何故こんな道標風のデザインにしてしまったのでしょうか。

海岸へと降り立ちました。周囲には濃厚な磯の香りが立ち込めます。とりあえずは、三ツ石方面へと、進めるだけ進んでみることにしましょう。
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・・・そもそも今の時間帯が、満潮に向かっているのか干潮に向かっているのか確かめもせずに、ズカズカと前へ進んでいってしまうと言う、山ナメならぬ海ナメをやらかしていたことに思い至ったのは、もうかなり先へと進んでしまってからの出来事でありました。

満潮時には水没しているのであろう一帯は、海藻が生えていて表面ヌルヌルです。非常に歩きにくいので転倒に注意です。暖かい季節であれば、素足で歩くのが最も安定するかもしれません。
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行けるところまで行こうと軽い気持ちで歩き始めたものの、意外とあっけなく海水に前進を阻まれました。
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完全防水のゴアテックス製の登山靴を履いているので、突っ込もうと思えばもう少し行けたのかもしれませんが、ここに来てようやく自分が途方もない海ナメをやらかしていることに思い至った次第です。

満潮で笠島に取り残されて帰れなくなっても困るので、おとなしく退散します。
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だいぶ霞んでしまっていますが、相模湾を挟んで向かいに大山と丹沢主脈の山並みが微かに見えました。
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岩の上には釣り人の姿がチラホラとありました。2月下旬と言う季節が釣りと言うレジャーに適しているとは到底思えませんが、よくよく考えてみると、年中山の中をほっつき歩いている自分が言えた義理ではありませんな。
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釣り人のおこぼれにあずかろうとするカモメの大群が、海面を飛び回っていました。どこにでもありそうな波止場の光景です。
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何の計画もなしに訪れましたが、このまま真鶴駅まで歩いて戻ることにします。
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すこし引いた位置から眺めた三ツ石が、絵になる光景を作り出していました。
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海岸歩道と呼ばれる歩道を道なり進みます。周囲に居るのは釣り人ばかりで、少なくとも山登りの格好をしている人間は私一人だけです。
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砂浜は一切無いので、暖かい季節であっても海水浴には不向きな場所です。よってここへは釣りをしに来るか、もしくは「海だぁー」とテンションを上げに来るのが良いでしょう。
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ずっと海際の歩道が続いてくれるのかと思いきや、意外とあっさりお終いです。海岸を離れ、半島の内陸部へと足を踏み入れます。
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まだ歩き足りない気分などと軽々しく口にしていた割には、何気にちょっとした階段の登りがしんどかったりする。まあ低山とは言えども、山の登りしてきた後ですからねえ。
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登りきると駐車場がありました。広々としている割には、止まっている車の数は閑散としています。まあ普通に考えて、2月と言う季節は海を見に来るのはまったく向いていないでしょうから。
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これが飛んでいる鶴の姿のに見えると言う、真鶴半島先端部の全容です。三ツ石をくちばしの先端に見立てているわけですな。
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どことなく南国を思わせる植生の森です。冬の季節だと言うのに緑が濃い。
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見上げるような高さの巨木が立ち並びます。
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もともとは岩しかなかった真鶴半島に、初めて植林が行われたのは江戸時代にまで遡ります。しばし大火事に見舞われた江戸の、建築用木材をプールする目的で植樹されたと言われています。

以来今日至るまで、この森は一切の伐採を禁じられ手厚く保護されてきました。

この圧倒的な幹の太さよ。
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森の中に野鳥観察小屋なる建物がポツンとありました。姿が見えないものの、周囲からはけたたましい鳥の鳴き声がします。
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小さな水辺があり、こんな風に覗けるようになっています。鳥撮りの愛好家は、ここからバズーカ砲みたいなレンズを構えて待ち伏せをするのでしょう。
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尾根に向かって登ります。まあ、標高は100メートルもありませんが。
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という事で、実にあっさりと尾根に乗りました。
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真鶴半島最高峰(?)の灯明山がすぐそこにあるので、サクッと往復します。
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ここかが灯明山の山頂です。標高は96メートルで、展望は一切ありません。登っても何も良いことない場所ですね。
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ピークハントも済ませたところで下山(?)します。
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下り始めてすぐに車道に飛び出しました。遊歩道として整備されているのは半島の先端部分だけで、真鶴半島トレッキングにおける行程の半分以上は車道を歩くことになります。
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駐車場から望む丹沢の山並み。先ほどよりかは少し霞が取れて来たかな。
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さあ、駅へ戻りましょう。周囲には人や車の姿が全く見えず、閑散としていました。観光地としての真鶴半島は、あまり大きな成功をおさめてはいないようですな。
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美術館がやたらと沢山あるのが特徴です。なんと言うか、失敗観光地にありがちな光景ですね。
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真鶴駅へ戻る道には、海際を行く道と真ん中の尾根上を行く道の二つがあります。今歩いているのは尾根上の方のルートです。
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高いところを通るおかげで、こうして時より眺望が開けます。眼下に見えているのは琴ヶ浜と呼ばれている場所です。
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上からだと良くわかりませんが、安山岩の採石場がありました。真鶴半島では古くから盛んに採石が行われており、有名所で言うと江戸城の石垣も真鶴半島産です。
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石の産地であることをアッピールしようとした結果なのか何なのか、モアイ像が打ち捨てられて藪に没しつつありました。
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こう言う思い付きで作った(としか思えない)モニュメントが打ち捨てられているのもまた、全国の失敗観光地に多く見られる光景です。

真鶴半島が観光地としてイマイチ上手くいっていない理由は、真鶴半島自体の問題と言うよりは外的な要因だと思います。

すぐ近くに、伊豆半島と言うモロにキャラクターが被った観光地が存在し、しかも明らかにあちらの方が格上ですからね。

相模湾にではなく、もっと別の場所に生えていればまだチャンスがあったのかもしれませんが。

無人販売場があったのでミカンを購入しました。七個入りで200円と言う破格です。
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すっかり霞んでしまった海の先には、湯河原と熱海が薄っすらと見えました。
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上から見下ろした真鶴港は、こじんまりとした可愛らしい漁港でした。
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付け根に近づいて来たところで、道は標高を落とし始めます。
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日没時刻が近づき気温が下がってきたからでしょうか。相模湾の対岸に、日中は霞んで全く見えていなかった三浦半島の姿を視認できました。
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土手の上を走る東海道線の姿が見えたら、ゴールはもう間もなくです。背後にそびえているのは、午前中に登った幕山です。
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16時30分 真鶴駅に到着。
ケープ真鶴に到着してから、およそ2時間ほどのお散歩でありました。
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今度こそ寄り道はお終いです。東海道線に乗り込み、鈍行列車での長い長い帰宅の途につきました。
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真鶴半島の先端から付け根までを歩き通すお散歩は、これにて終了です。全くの思い付きによる訪問でありましたが、そもそも2月下旬と言う季節は、海へ出かけるのにはあまり適してはいない季節でありました。水遊びのできる暖かい季節に訪問した方が、きっともっと真鶴半島を楽しめるのではないかと思いました。
本文中で何度も失敗観光地とこき下ろしましたが、真鶴半島はつまらない場所なのかと言えば、とんでもありません。三ツ石の眺めや、見上げる高さの巨樹の森など、真鶴半島ならではの多くの魅力的な見どころがあります。
もう少し暖かい季節になったら、海を眺めにフラッとこの可愛らしい小さな半島へ訪れてみてはいかがでしょうか。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. Taym より:

    こんにちは。
    真鶴半島めちゃくちゃ良さそうなところですね。
    今度行ってみます。
    いつもいきたいところの参考にさせてもらっています。

  2. オオツキ より:

    Taym様
    コメントをありがとうございます。
    小粒な観光地ですが、湘南新宿ライン一本で行ける手軽さがとても良い感じです。海を見たくなった時にフラッと訪れるのに良い場所だと思います。