塔ノ岳-丹沢山 丹沢主脈スノートレッキング

積雪時の丹沢主脈
神奈川県の丹沢山地にある塔ノ岳(とうのだけ)と丹沢山(たんざわさん)に登りました。
首都圏からのアクセスが抜群に良く、おまけに展望雄大とあって、登山者に非常に高い人気を誇る山です。
太平洋側に位置する丹沢山地は、冬季は空気の乾燥した晴れの日が多く、雪が深く積もることはあまりありません。
大雪により白く染まった丹沢主脈で、スノートレッキングを楽しんできました。

2018年2月12日に旅す。

実に4年ぶりとなる都心部の大雪をもたらした寒波が襲来してから、早くも3週間が経過しました。日陰の道路脇などに固まってしばらくの間残っていた雪の塊も、いつの間にかすっかり見かけなくなりました。

しかしながら、都内からでも遠く彼方に見えている丹沢の山並みは、いまだ白く染まったままです。
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この様子ならば、まだまだ丹沢でスノーハイクが楽しめるのではないだろうか。
そう思ったら居ても立ってもいられなくなり、いそいそと仕度をして丹沢へと繰り出します。

一体何度目だよと思うくらい、塔ノ岳へはこれまで幾度となく足を運んでいます。あらためて数えてみたら、昨年1年間だけで4度も登っていました。
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今年に入ってからは初めての訪問となった今回も、塔ノ岳はいつもと変わらない最高の風景を見せてくれました。

何度登っても最高に良い思が出来る、まさに近くて良い山の代表格とでも言うべき山です。

コース
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当初は表尾根に行こうかと思っておりましたが、路面凍結によりヤビツ峠行きのバスが蓑毛止まりになっていたので、おとなしく大倉からのピストンにしました。

丹沢山まで足を伸ばす場合、標準コースタイムは7時間45分とそこそこの長丁場となります。念のために、ヘッドランプは必ず携行しましょう。

7時13分 小田急線 渋沢駅
もはやすっかりお馴染みの、表丹沢への玄関口へとやって来ました。
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ここから大倉行きのバスに乗り込みます。大倉行きは運行本数が多いので、事前に時刻表のチェックすらしていません。今回も、10分と待たずに出発となりました。
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8時 大倉バス停に到着です。
冬の寒い最中であるにも関わらず、多くの登山者が下車しました。東丹沢エリアの人気の程が窺えます。
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上を見上げると、物凄い速さで雲が流れていく様子が見て取れます。本日は強風の予報が出ております。早くも予報の正しさを見せつけられた格好です。
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10分程でトイレと身支度を整えて、8時10分に歩行開始です。まずは舗装道路を道なりに登ってゆきます。
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丹沢クリステルさんへのご挨拶を済ませて、登山開始です。
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クリステルばかりが有名で、無視されがちな丹沢キャサリン。いつの間にか、キャサリンの方は名札がなくなっていますな。
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要約すると「丹沢をナメるな」
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さあ、舗装道路は終わって登山道の入り口です。これからバカ尾根を往復するのかと思うと、登る前からテンションが下がってきます。例え蓑毛からでもあっても、表尾根にしておいた方がよかったか。
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稜線に出れば天国。しかしそこへ至る道筋は苦行。白く染まった主脈歩きに思い馳せて、いざ尋常に苦行を開始です。
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標高の低いところには、雪は全く残っていませんでした。いつものバカ尾根の単調な光景がしばし続きます。
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駒止茶屋を過ぎた辺りから、チラホラと雪が出現し始めました。
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谷向かいに見える表尾根には、まだまだ雪がたくさん残っているの様子が見て取れました。やはりあっちに行くべきだったか。
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危険箇所の皆無な大倉尾根とは違い、表尾根の方は凍結時に注意を要するであろう危険箇所がいくつか存在します。

そういう意味では、大倉尾根のほうが無難といえば無難な選択です。

9時35分 堀山の家に到着です。ここに来て風が出て来ました。体感温度が一気に下がり、寒さが身に沁みてきます。
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堀山の家を過ぎると、斜度が一気に増してきます。ここからが正念場です。バカ尾根に攻略法などというものは存在しません。要は気合です。
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堀山の家から少し登ったところに、お気に入りの「松と富士」の撮影スポットがあります。本日の富士山は、雲に包まれていてイマイチでした。
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標高が上がるにつれて、だいぶ雪が増えてきました。それでもまだ登山道上には積もっておらず、今のところアイゼンも不要です。
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樹林帯を抜けると、いよいよ丹沢最凶の階段地獄の始まりです。風を遮るものがなくなって、猛烈な寒さです。帰ろうかと思ったくらいに。
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寒さを語る上で、風の強さと言うのは外気温以上に重要な要素なのだということを、あらためて思い知らされました。

花立山荘の本日のオススメはおしるこです。それは実にケシカランですな。帰りに立ち寄ることにしましょう。
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右手には三ノ塔と大山の姿が一望で来ます。雪を被っているだけで、普段とは雰囲気がガラッと変わるものですね。
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ここらいよいよ、登山道にも雪が残った状態となりました。ここでアイゼンを装着する人が多かったようですが、まだこの先にも木道があるので、もう少しノーアイゼンで行きます。
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花立(はなだて)の山頂が見えてきました。標高1,370mの大倉尾根上にあるピークです。個人的にはこの花立こそが、大倉尾根における最大のハイライトだと思っています。
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登りきったところで、不意に前方に姿を現す塔ノ岳。大倉尾根を初めて登った人は、この光景を見た瞬間にドーパミンがあふれ出すのではないでしょうか。
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長い苦行のような登りの果てに、ついにゴール地点を視界に収めた瞬間です。

丹沢最高峰の蛭ヶ岳へと続く、丹沢主脈の稜線もここに来てようやく視界に入ります。期待していた通り、主脈の上には雪がたっぷりと残っていそうです。
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花立を越えたところでアイゼンを装着しました。ここから金冷シまでは痩せ尾根の道になります。凍結時には注意を要する場所です。
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金冷シを過ぎると、一気に積雪量が増えて完全な雪山の様相となりました。
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山頂直下最後の登り。苦難の道のりが終わる瞬間です。
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11時5分 塔ノ岳に登頂です。少し雲が出てはいますが、それでもここからの展望は相変わらず最高です。
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山頂の様子
容赦なく吹き付ける強風により、震えるような寒さであるにも関わらず、多くの登山者で賑わっていました。
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白く染まった丹沢主脈の山並み。左奥から順に蛭ヶ岳(1,673m)、棚沢ノ頭(1,590m)、不動ノ峰(1,614m)です。
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今日はお隣の丹沢山(1,567m)まで足を伸ばします。塔ノ岳から丹沢山に至る稜線ハイクこそが、本日のメインイベントです。
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丹沢山に向かって、まずは一旦下りです。塔ノ岳を過ぎると一気に登山者の数は少なくなり、静かな山行きとなります。
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塔ノ岳の北側斜面は、雨が降った翌日に雨氷が見られるスポットとして有名です。

都内では前日に少量の雨が降ったので少し期待していたのですが、この日は全く駄目でした。まあこればっかりは、狙って見れるものでもないので仕方がないですね。

<参考画像>
運がよければ、こんな光景に出会うことが出来ます。
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痩せ尾根の岩場を通過します。ここはむしろ、雪が付いている方が歩きやすいですね。
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吹き溜まりになっている場所は、トレースを外れた途端に膝の上まで埋まるような積雪量です。
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あははは、たーのしぃー。ただ雪があると言うだけで、何でこんなにも楽しいのでしょうか。
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檜洞丸や大室山などの西丹沢の山々も、すっかり冠雪しています。この季節の檜洞丸から犬越路に至る稜線なんて、歩いたらきっと最高でしょうな。
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堂々たる貫禄を放つ不動ノ峰。こんなにカッコイイ山でしたっけか。ただ冠雪していると言うだけで、イケメン度が5割増し位ですね。
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私も今後女性を口説く時には、頭に雪を被った状態で甘い言葉を囁いてみる事にします。

ユーシン渓谷も雪で真っ白です。
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12時15分 竜ヶ馬場を通過。写真撮影が捗りすぎて、実に遅々としたペースです。
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大山は竜ヶ馬場から眺めた姿が最も美しいと思うのですが、如何でありましょうや。
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ここまで来れば、丹沢山まではもう一息といったところ。
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日の当たる場所は雪が無くなっています。剥き出しになった木道は、アイゼンの刃に踏みしだかれてすっかりゲジゲジです。
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山頂直下最後の登り。急な登りではなく、終始緩やかな道です。
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12時35分 丹沢山に登頂です。ここまで期待していた通りの、最高の雪山ハイクを楽しめました。
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山頂の様子。山頂の周囲は樹林に覆われており、塔ノ岳に比べると眺望はイマイチな場所です。
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山頂の気温はマイナス4度ほど。この季節としては特段低いとは言えない気温です。にも関わらずこれほどにも寒いのは、やはり強風によるところが大きいのでしょう。
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何はともあれ、丹沢山に着いたらまず始めに成すべきことは一つしかありません。それは、みやま山荘のカレーを食べることです。ということで、到着早々に小屋の中へ逃げ込みます。
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建物内に入るなり、眼鏡が曇ってホワイトアウトしました。はぁ~、暖か~い。
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さて、この丹沢山という言うのは、丹沢山地の中にあってはいささか中途半端な存在です。

塔ノ岳ほどアクセスが良いわけではなく、蛭ヶ岳ほどの好展望があるわけでもありません。標高も両者の中間ほどで、まあすべてにおいて中途半端な山です。

そんな中途半端な山を目指して、何故わざわざここまで歩いて来るのか。その理由は、そこにカレーがあるからです。
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この凝った容器に盛り付けられた姿を見ただけで、みやま山荘のカレーに対するこだわりの強さを感じずにはいられません。

ラッキョウや福神漬けまで付いてきて、お値段たったの800円です。地上の値段と変わません。
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さらに注目すべきポイントは、水が一杯付いてくるということです。たかが水と思われるかもしれませんが、ここは荷揚げを歩荷に頼っている稜線の山小屋。水は貴重品です。

カルキ臭漂う水なので、おそらくは天水(雨水)を殺菌消毒したものであるとは思いますが、それにしたって貴重な水をさも当然のように付けてくれる辺りに、みやま山荘の心意気を感じずに入られません。

長くなったので一行にまとめます。

丹沢山に登ったら、みやま山荘でカレーを食べるべし。

カレーを食べてすっかり体が温まったところで、表へ出ます。先ほどまでよりも雲が取れて、富士山の姿が良く見えました。
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蛭ヶ岳へと続く丹沢主脈の稜線。こちらもきっと歩いたら最高なんでしょうね。しかしながら、日帰りの予定で蛭ヶ岳まで行くのは、時間的に少々厳しいものがあるのです。
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13時30分 下山を開始します。さらば丹沢山。そのうちまたカレーを食べたくなったら来ます。
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塔ノ岳を目指して、もと来た道を戻ります。
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この時間になっても、こちらに向かって歩いてくる人たちが結構たくさん居ました。山小屋に宿泊するのでしょうかね。
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あまり傾斜のきつくない、緩やかな稜線歩きが続きます。主脈縦走路は、本当に何度歩いても気持ちの良い道です。
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いつの間にか風も弱まり、気持ちの良い陽気です。
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この最高の稜線歩きには、最後の最後に来て憂鬱なイベントが待ち構えています。塔ノ岳への登り返しです。
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ここまでの穏やかな道から一転、山頂直下は結構な急坂であったりします。

では、気合をいれて一丁登りますか。
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この登りは、大抵いつもは泥で酷くぬかるんでいる場所なのですが、雪のおかげで普段よりは登り易い状態でした。
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14時30分 塔ノ岳まで戻って来ました。
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行きに通ったときよりも雲が晴れていて、良好な展望が得られました。本日の天気は上がり調子だったようですね。
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三ノ塔へと続く表尾根と、その背後にそびえる大山。塔ノ岳山頂からの展望は本当に素晴らしい。何度見ても飽きない光景です。
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秦野の市街地と、その先に広がる相模湾。これまでに何度掲載したかわからない定番の構図です。
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・・・サブタイトルを「おっさんがひたすら塔ノ岳に登りまくるブログ」に変更しようかな。

白く染まった塔ノ岳の山頂。
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15時 山頂からの眺望を満足がいくまで網膜に焼き付けたところで、下山を開始します。
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鍋割へ周回するにはもう時間が遅すぎるので、真っ直ぐ大倉を目指します。
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花立から振りかえって見る塔ノ岳山頂。これで見納めです。まあどうせ、そのうちまた来るでしょう。
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花立山荘でケシカランお汁粉を食べようと思っていたのに、15時までで営業が終了していました。全くもってけしからんな。
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やっていないものはしょうがないので、さっさと降りることにしましょう。
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16時に堀山の家を通過。日没が近づきつつあるので、少しペースを上げます
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少し汗ばむ位の陽気でしたが、温度計を見ると気温はマイナス1度でした。
風に吹かれすぎて、温度の感覚が少しおかしくなっていたようで。
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この後も、何も考えず無心で黙々と下っていきます。薄暗くなってきていたので、観音茶屋の牛乳プリンもスルーしました。
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およそ7時間前に、登る前からテンションダウンしていたスタート地点まで戻って来ました。大倉尾根の往復は、肉体よりも精神を鍛えるのに向いているかもしれません。
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クリステルさんに下山のご挨拶をして本日の山登りは終了です。
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行きには全く気付いていませんでしたが、大倉ではロウバイが見頃を迎えていました。
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17時10分 大倉バス停に到着。バスがちょうど発車しようとしているところでした。駆け込めば間に合ったかもしれませんが、靴が泥まみれだったので一本見送りました。
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靴の泥を丹念に洗い落として、30分後に現れたバスで帰宅の途に着きました。
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なかなか冠雪はしてくれない丹沢山地ですが、積雪時の稜線歩きは最高です。雪があるだけで、普段とは雰囲気がガラッと変わります。
危険箇所が全くといっていいほど存在しない大倉尾根であれば、雪山慣れしていない人であっても、比較的安全に歩くことが可能です。麓から見上げた丹沢山地が白く染まっている姿を確認できた時には、迷わずに向えばえばきっと最高に良い思いが出来ることでしょう。
そうそう機会があるものではありませんが、積雪時の丹沢主脈は本当にオススメです。

<コースタイム>
大倉BS(8:10)-堀山の家(9:35)-花立山荘(10:30)-塔ノ岳(11:05~11:30)-竜ヶ馬場(12:15)-丹沢山(12:35~13:30)-塔ノ岳(14:30~15:00)-花立山荘(15:20)-堀山の家(16:00)-大倉BS(17:10)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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