山梨県身延町にある七面山(しちめんさん)に登りました。
日蓮の高弟であった日朗が開山したと伝わる、身延山の久遠寺と並ぶ日蓮宗の聖地です。山中には身延山を守護する鎮守神とされる、七面大明神をまつった敬慎院があり、多くの参拝者が訪れます。山頂付近からは富士展望に優れ、霊山であると同時に一般の登山者もにも多く登られている山でもあります。
紅葉が最盛期を迎えた霊山で、大展望に想いを馳せながら参道を歩いて来ました。
2020年10月31日に旅す。
七面山は古くから続く日蓮宗の信仰の山です。山頂近くの標高1,700メートル地点には、敬慎院と言う名の宿坊が存在し、多くの信徒がここを訪れます。
七面山は山梨県早川町にある山ですが、山頂一帯は身延山久遠寺の敷地となっており、身延町の飛び地扱いとなっています。
参道上には参拝者のための休息所が数多く設けられており、安全に歩くことが出来ます。とは言っても、七面山は決して易しい山ではありません。登山口からの標高差は大きく、登りのコースタイムは4時間を越えます。
それなに登り応えのある参道を登り詰めた先には、富士山と天子山地を一望する大パノラマが広がります。素晴らしき秋晴れにも恵まれた、爽快な一日でした。
コース
羽衣登山口から表参道を登り、敬慎院をへて山頂へ。下山は奥の院を経由して北参道を下ります。標準コースタイム8時15分の、歩き応えがある行程です。
1.七面山登山 アプローチ編 甲府で前泊し、羽衣登山口を目指す
10月30日 21時10分 JR高尾駅
七面山は、富士川の支流である早川流域の奥地にある山です。都内発だと、公共交通機関を利用した日帰り登山は時間的に不可能であるため、本日は甲府に前乗りします。
敬慎院の宿坊に泊まって一泊二日で登ると言うのも心惹かれるプランではあるのですが、私のような純然たるレジャー登山者には少々ハードルが高いと言うか、場違いな感じがしたので見送りました。
22時51分 甲府駅に到着しました。私は山梨県に一切の地縁が無いはずなのに、最早すっかり馴染みの場所と化している感があります。
本日の宿は、駅北口を出た目の前にあるこちらです。確か以前にも一度泊ったような。少々古い建物ですが、駅チカな上に安いので前泊にはうってつけです。
明けて翌日10月31日 5時9分
人影も疎らな早朝の甲府駅よりおはようございます。身延線に乗車して、下部温泉駅へと向かいます。
なお、身延線は未だに交通系ICカードには対応していません。ICカードをタッチして改札を通ってしまうと、清算時にとても面倒なことになるので要注意です。
東海道新幹線でしこたま儲けているくせに、JR東海は変なところでケチ臭いですよね。
車内はガラガラで貸し切り状態です。結局、発車までに2~3人ほどが乗車しただけでした。
6時24分 下部温泉駅に到着しました。降り立つなり身震いするような寒さです。
ここから奈良田温泉行きのバスに乗車するわけですが、始発便の発車時刻は1時間後の7時26分です。それはつまるところ、この寒い中を、待合室でただじっと待つしかないということです。
何とも非効率な乗り継ぎですが、公共交通機関の利用を前提とした場合、他に選択肢はありません。
下部温泉の温泉街は、この下部川を上流に少し遡っていった先にあります。なるほど、甲府にではなく温泉宿に前泊した方が、無駄な待ち時間が無くて済むのかもしれません。
ただ、今回の様に仕事を終えてから前日の夜に出発するとなると、そもそも宿のチェックイン時間までに下部温泉までたどり着くこと自体が難しいかもしれませんが。
1時間待ったのちにやって来た、早川町の町営バスに乗車します。交通系ICカードには対応していないので小銭を用意しておきましょう。七面山登山口までの運賃は400円です。
7時55分 七面山登山口に到着しました。バス停から登山口のある羽衣までは、徒歩で約1時間の舗装道路歩きとなります。
バスの到着を待ち構えていたかのようにタクシーが待機しており、運転手さんがにこやかに「どちらから登るのですか」と話しかけてきました。
まさに渡りに船だったので乗車します。これにより、もともとかなりタイトなスケジュールだった本日の登山計画に、多少の時間的余裕が生まれました。
8時5分 羽衣登山口に到着しました。うろ覚えですが、確か料金は1500円くらいだったかな。
2.表参道に沿って登る信仰の道
登山口から春木川を挟んだ対岸に、滝行場と知られる白糸の滝があります。出発前に立ち寄ってゆきましょう。
落差はおよそ35メートルほどあります。岩肌を縫って落ちる水流が、たしかに白糸のようにも見えます。
一般の人でも申し込めば水行体験が出来るそうですが、事前予約必須とのことです。
滝の前に立つこちらの銅像は、徳川家康の側室であったお萬の方です。白糸の滝で7日間水行を行い、女人禁制であった七面山に始めて登った女性となったのだそうです。
橋の上から山の斜面を見上げると、良い感じに紅葉が色づいている様子が伺えます。これは大いに期待できそうです。
8時15分 身支度を整えて登山を開始します。信仰の山であるから、登山ではなく登拝と呼ぶべきなのかな。
信仰の山らしく、道すがらに俳句調の標語が掲げられていました。
登り始めてすぐに、最初の休憩所である神力坊が現れました。この表参道コースには、このような休憩所がぜんぶで4箇所にあります。登山者ではない一般の参拝者も登ることを考えての配慮でしょう。
春木川の上流方面が一望できました。日本でも有数の暴れ川である早川の支流という事だけあって、大掛かりな砂防工事が施されています。
見上げる高さの杉の巨木が立ち並ぶ参道を進みます。よく整備された登りやすい道ではありますが、前述の通り標高差がかなり大きいため、決して容易な山ではありません。。
道に沿って送水パイプが延々と続いています。そのおかげで、途中にあるすべての休憩所で給水が可能です。水の携行量についてはあまり神経質になる必要はありません。
割と小刻みに丁目表示が設置されており、どのくらい登ったの目安を把握することが出来ます。敬慎院があるのは50丁目です。
まるでバス亭か何かの様な屋根付きのベンチも、数多く設置されていました。これらはすべて、寄贈品であるとのことです。
2番目の休憩場が見えて来ました。歩きやすい道のおかげで、結構なハイペースで進んでいます。
8時55分 肝心坊に到着しました。ちょうど白装束を着た参拝者が、念仏を唱えながら登っている最中でした。
ちなみに、私は宗教にまったくもって疎い人間で、仏教の各宗派による違いもほとんどわかっていません。日蓮宗が唱えるのは、南無阿弥陀仏ではなく南無妙法蓮華経だという事も、この日はじめて知りました。
木々が良い感じに色づき始めました。そろそろ紅葉ゾーン内へと突入するようです。
南無~妙~法~蓮~華~経と唱えながら歩くと、自然と歩行に一定のリズムが生まれるという事に気が付きました。
これはランニングする時にファイオーと掛け声をするのと一緒で、念仏を唱えながら山に登るのは、スポーツ工学的見地から見ても合理性があるのかもしれません。
なお、七面山ですれ違いざまにかわす挨拶は「こんにちは」ではなく「ごくろうさま」です。
私の様な自ら好き好んで山に登っているレジャー登山者にとっては、ご苦労もなにもあったものではありませんが、郷に入れば郷に従えという事で、私もこの日は一日「ごくろうさまです」で通しました。
前述の通り、表参道のすべての坊で給水が可能です。冷たくておいしい。
無料で振る舞われるお茶コーナーまでありました。まさに至れり尽くせりです。
行動を続行しましましょう。道沿いにずっと電柱と電線があるのが景観的にいただけませんが、整備された歩きやすい参道が続きます。
富士川上流方面の展望が開けました。中央の奥に見えている窪地は甲府盆地です。
早川を挟んで向かいに見えるこの山は、地図によれば富士見山(1,639m)という山のようです。
まったくノーマークな山でしたが、名前からしてきっと素晴らしい富士展望を望める山なのでしょう。これは覚えておく必要がありそうですね。
これはわが親愛なるケナッチーこと、天使山地の毛無山(1,964m)ですね。もう少し右に富士山があるはずですが、ここからでは角度的に見えません。
さあどんどん参りましょう。特に急登と言うことは無いのですが、最初からずっと登り一辺倒が続くため、なかなかしんどい登りです。だいぶ疲労してきました。
10時20分 晴雲坊に到着しました。ここが表参道で最後の休憩所となります。
ここから敬慎院までは、残すところあと標準コースタイム1時間の行程です。最後のひと踏ん張りです。頑張って行きましょう。
この標高付近がちょうど紅葉のピークド真ん中らしく、色鮮やかに輝いていました。ここまでの参道沿いは杉の木の割合が多めでしたが、標高が上の方になると広葉樹が多くなってきます。
逆光に照らされた紅葉が、まるでステンドグラスか何かのようです。やはり紅葉見物は晴れていてナンボだと、あらためて強く思った次第です。
参道の左手を、荷揚げ用の索道が上って行きました。この索道に人は乗れませんが、500円で手荷物を運んでもらう事も可能です。水も途中の休憩場で補充できること考えると、殆ど手ブラ状態で登ることもできそうです。
富士川下流方面の展望が少し開けて、遠くに駿河湾が見えました。海を挟んだ向かいの山並みは伊豆半島です。
徐々に頭上が開けて来ました。ゴールに近づきつつある予感がします。
11時 敬慎院の山門まで登って来ました。この先は神域となり、一切の殺生が禁止されています。肉類を食べるのもご法度です。
3.静かなる祈りの場、敬慎院
参道の最後の坂を登ります。この山門から先の領域は、どれほど位の高い僧であっても、籠を下りて自分の足で歩くのが習わしなのだとか。
鐘がありました。自由に鳴らしても良いけれど、ただし連打はしないにようにとの注意書きがあったので、一回だけ鳴らしました。
山院に響く鐘の音色を聞くと、私のような信心が全くと言って良いほどない人間であっても、なにやら厳かな気分になるから不思議なものです。
11時5分 敬慎院に到着しました。周囲をカラマツ林に囲まれた静寂な空間に、どこからともなく聞こえるお経を唱える声が小さく響いていました。
この寺院は宿坊を兼ねており、信徒でなくとも宿泊は可能です。ただし、宿坊であるため一般の宿泊施設や山小屋とはだいぶ勝手が異なり、お勤めの時間があります。
宿坊の宿泊体験にはかなり興味があるのですが、しかし私のような純然たるレジャー登山者としては、真剣に祈りをささげに来ている人々に対して、どこか気後れを感じてしまい踏み出せずにいます。
日蓮の高弟であった日朗によって七面山が開かれたのは、13世紀の末の事です。それ以来数百年連綿と、この祈りの場は守られてきました。
繰り返し述べている通り、私自身はおおよそ信仰心と言うものを持ち合わせていない人間です。しかし、こうして長きに渡って信仰を守りぬいて来たその歴史の重みに対して、最大限の敬意を感じます。
寺院の辺に一ノ池があります。一年を通じて決して涸れることが無いと言う、神秘的な場所です。
まるでお茶漬け海苔を入れたかのような、緑色の水を湛えていました。
この敬慎院で最も有名でかつ、見ごたえのあるのがこの山門です。どう見ごたえがあるのかと言うと・・・階段を登ればすぐにわかります。
はい、見えて来ましたね。世界遺産のアイツが、山門の真正面にあります。
この光景が見たかったがために、七面山に登ったと言っても過言ではありません。
七面山はちょうど富士山の真西に位置しており、春分の日と秋分の日の年に2回、富士山の向こうから太陽が昇るダイヤモンド富士を見ることが出来ます。良いですね、是非ともその瞬間をこの目で見てみたいものです。
という事で、山門の先が富士山の展望所となっています。雲一つないパーフェクトな快晴です。素晴らしい。
西側から見る富士山は、大沢崩れの浸食谷が正面に見えるのが最大の特徴です。富士山手前の山並みは天子山地です。
お隣の身延山が良く見えました。この身延山にある久遠寺が、日蓮宗の総本山です。七面山は、この身延山を守護する存在と言う位置付けです。
4.七面山登山 登頂編 大崩れの断崖と、カラマツに囲われた静かなる山頂
11時30分 何やら既に達成感でいっぱいな気分になっておりますが、まだ登頂を果たしてはいません。ボチボチ山頂へと向かう事にしましょう。
真っ赤に色づいた楓が、一本だけポツンと佇んでいました。良い色に紅葉してますねえ。
荷揚げ用索道の頂上小屋がありました。手荷物の運搬を依頼している場合は、ここで受け取ることになります。
小屋のすぐ脇を、シカの群れが闊歩していました。山院の敷地内では鹿は神の使いであるとされ、大切に保護されています。そのためか、人を恐れるようなそぶりが全くありません。
登山者にカメラを向けらる事などには、もはやすっかり慣れっこなのでしょう。こちらに対して、少しの興味も示しません。
一面のカラマツ林の中を進みます。明るくて気持ちのよい道です。
カラマツの木から垂れ下がっているこのとろろ昆布の良な物体は、サルオガセです。霧などの空気中の水分を糧にして生きている藻の一種です。
これはナナカマドなのかと思ったのですけれど、よく見ると違いますね。いったい何でしょう。カラマツ林の中にあって、とても目立っていました。
七面山の山頂直下には、ナナイタガレと呼ばれている大規模な崩落地があります。崩落は現在進行形で進んでおり、日々刻々とその姿を変えています。
登山道は、崩落地のすぐ脇に沿うようにして続いています。やがていずれはこの道も崩落に呑み込まれて、付け替えを余儀なくされることでしょう。
崩落地の上まで登ってきたところで、視界が開けました。七面山は山頂には展望が一切ありませんが、こうして道中の崩落地の上からは周囲を広く見渡せます。
ちなみにこの崩落面は、日本列島を南北を縦断している糸魚川静岡構造線のフチにあたる場所です。この断層面は、甲府盆地から諏訪を経て後立山連邦までつながっています。
登りの傾斜が緩んできたところで、周囲は鬱蒼としたコメツガ林に変わりました。奥秩父の森とよく似た雰囲気です。
展望の全くない森の中を突き抜けると、不意に開けた場所に飛び出しました。
12時15分 七面山に登頂しました。これはまたまた、とびっきり地味な山頂ですな。
この先へさらに25分程進むと、喜望峰と言う眺めの良いピークがあります。そこまで足を延ばしてみたい所ではありますが、帰りのバス時間を考えると現状で既あまりにバッファは無い状態であるため、割愛しました。
5.七面山のもう一つの祈りの場、奥の院へ
12時30分 何もない山頂をそそくさと辞去し、敬慎院へ引き返します。登っている時はあまり気にもしていませんでしたが、結構際どい場所を歩いていたんですね。
索道小屋の周辺が縄張りなのか、シカの群れが先ほどとまったく同じ場所にそのまま居ました。
13時5分 テンポよく下って、敬慎院まで戻って来ました。ここからもと来た表参道には引き返さずに、奥の院方面へと進みます。
敬慎院から奥の院に至る道は、車両も通行可能なほぼ平坦な道です。実際に何台かの車両を見かけましたが、どうやってここまで持ち込んだのでしょう。ひょっとして、先ほどの荷揚げ用の索道で吊り上げたのかな。
道中に二ノ池がありました。この池もまた一ノ池と同様に、年間を通じて決して涸れることが無いのだそうです。
こちらの池は、特にお茶漬け海苔の様な色にはなっていませんでした。池の底から、絶え間なく水が湧き出ている様が良く見えます。
13時25分 奥の院に到着しました。こちらの寺院も宿坊を兼ねており、宿泊することが可能です。
寺院の裏手で伐採作業を行っている最中らしく、静寂な空間だった敬慎院とは打って変わって、周囲にチェーンソーの音がけたたましく響き渡っていました。雰囲気ブチ壊しも良い所です。
この大岩は影嚮石(ようごうせき)と呼ばれるもので、願い事をしながら周囲を回るとご利益があるのだそうです。
この奥の院もまた、敬慎院に負けず劣らずの秀逸な富士山のビュースポットとなっています。眺めの良いテラス状の場所に、テーブルとベンチまで用意されて至れり尽くせりです。
休憩所内には、軽快なメロディーに合わせてひたすら「ありがとう」と言い続ける、謎の音楽がずっと流れていました。
常に感謝の心を持つことは尊い事であるし、それは言葉にすることはとても素敵なことだと思います。
それにしても限度があると言うか、延々と聞かされ続けていると、洗脳されているかのような気分になってしまうのは、私の心がそれだけ薄汚れてしまっているからなのでしょうか。
6.七面山登山 下山編 人の気配がほとんどない、寂れた北参道を下る
感謝の念の大切さを十分に学べたことであるし、そろそろ下山に移りましょう。奥の院から、北参道と呼ばれるコースを辿って七面山登山口へと戻ります。
表参道と比べると、あまり手が加えられておらず自然な登山道らしい道です。純粋に登山そのものを楽しみたいという人は、表参道よりもこちらの北参道ルートの方が良いかもしれません。
14時5分 明浄坊まで下ってきました。北参道の方にも、途中にこうして休憩所があります。しかし、今はシーズンオフなのか、休憩場の戸は閉ざされており、水場の給水も停止していました。
紅葉に関しても、北参道の方が良い感じです。杉の並木が延々と続いた表参道とは異なり、広葉樹の自然林が広がっていました。
左手には南アルプスの山並みが見えます。中央の尖った山は笊ヶ岳(2,629m)でしょうか。話に聞く限りでは、通好みのかなりストイックな山であるらしいですが。
14時45分 テンポよくサクサクと下って、安住坊まで下りて来ました。ここもやはり閉鎖中でした。。
安住坊には、七面山を開いた日朗が植えたと言う、樹齢およそ700年のトチの巨木があります。
お隣の富士見岳がいつの間にかすっかり見上げる高さになりました。
下山を続けましょう。この北参道同コースは、登山口から山頂までの標高差が1,600メートルほどあり、何気に結構ハードな道程です。
これまた立派な杉並木です。果たしてこれで、樹齢はいったい何年くらいなのでしょうか。
15時30分 七丁目休憩所に到着しました。このルート最後の休憩所です。ここまで来れば、長く苦しかった下山ももう間もなくゴールです。
眼下に早川が見えて来ました。あの高さまで下ればゴールです、もうあとわずか、最後のひと踏ん張りです。
登る場合はここからスタートとなります。表参道と比べると、ここから登るのは結構しんどい健脚者向けのコースであろうかと思います。
16時 七面山登山口に戻って来ました。バス最終便がやってくる38分前の到着でした。やはり喜望峰の往復を見送ったのは、正しい判断であったようです。たくさん歩いて疲れました。
最後に、何とか七面山の全体像を写真に収められないものかと、少し引いた場所から眺めてみました。しかし残念ながら、手前にある尾根上のコブが視界を遮り、山頂部は見えませんでした。
どうやら七面山そのもの姿を眺めたければ、お隣の身延山の上から眺めるのが一番良いようです。
帰りのバスも安定の貸し切り運行でした。私一人のためにすまんのう。
間が悪く鈍行列車がいない時間帯であったため、珍しく奮発して特急富士川に乗り込み、帰宅の途に付きました。
最高の秋晴れにも恵まれて、七面山の訪問は大満足の内に幕を閉じました。修行の山らしくなかなか骨のある山ですが、たどり付いた先に広がる眺望は、その苦労を忘れさせてくれるだけの素晴らしいものでした。
純粋に登山の対象としてみても十分に魅力的な山ではあるとは思いますが、七面山の体験を完全なものとするには、やはり敬慎院に参篭すべきであるのかもしれません。秋分の日と春分の日の年に2回、展望所からダイヤモンド富士を拝むことも出来ると言うことであるため、折を見て是非とも泊まりで再訪したい一座です。
<コースタイム>
羽衣登山口(8:15)-肝心坊(8:55)-中適坊(9:25)-晴雲坊(10:20)-敬慎院(11:05~11:30)-七面山(12:15~12:30)-敬慎院(13:05)-奥の院(13:25~13:40)-明浄坊(14:05)-安住坊(14:45)-七丁目休憩所(15:30)-七面山登山口(16:00)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
あちこち失礼します。あちらにご返信ありがとうございます。
大昔(40年前?)に登ったときは七面山頂上は大展望だった記憶ですが、今はややがっかりですね。私もオオツキさんの4年前に登りました。
登る山はいっぱいでしょうから「次」はないかもしれませんが、希望峰を経て八紘嶺への縦走をお薦めします。
問題の敬慎院ですが、夜の勤行(小1時間)さえ気にならなければ大丈夫かと。私たちが泊まったときは、信者と山ノボラーが半々くらいでした。
ところで甲府駅北口のニューステーション、オオツキさんの1週間後に泊まりました。
ねも様
コメントを頂きましてありがとうございます。
さほど真剣に取り組んでいるわけでもありませんが、山梨百名山を完登したいと言う何となくの目標を立てて登っています。そのため、八紘嶺はいつか登らなければならない必達の山の一つです。公共交通機関頼みの私にとって、安部奥の一帯は到達することそのものに困難を伴う場所ですが、七面山から縦走して行くのは一つの有用な選択肢ですね。コロナ鍋が収まった頃合いを見計らって、宿坊に泊まってみたいものです。