古賀志山 アカヤシオの咲く険しい岩稜が連なる、宇都宮の里山

赤川ダムから見た古賀志山
栃木県宇都宮市にある古賀志山(こがしやま)に登りました。
宇都宮市の郊外にポツンと独立峰のように佇む、標高500メートル少々の低山です。北関東にある山の例に漏れず、春になるとアカヤシオツツジが咲く花として広く知られた存在です。ロッククライミングのゲレンデにもなっている険しい山容を持つ岩山であり、ルートによってはクサリ場が連続する険路となっています。
里山で軽くお花見登山を洒落込もうと、軽い気持ちで訪れた山で待っていたのは、思いのほか本格的な岩場歩きのコースでした。

2021年4月10日に旅す。

古賀志山は宇都宮市郊外の、日光よりは少し手前の平野部に位置する里山です。足尾山地に属している山ですが、傍からは半ば独立峰のようにも見えて非常に目に付く存在です。
東武日光線の車窓から見た古賀志山
人里に近い山だけに、古くから地域に住まう人々に親しまれてきた存在です。山中には幾重にもハイキングコースが張り巡らされており、非公式なものまで含めればその数は100以上にものぼります。

春の古賀志山へ訪れる際に忘れてはならないのがアカヤシオです。淡いピンク色の花弁を持つツツジ科の花で、ツツジの中でも最初に咲き始めます。北関東の山に多く咲き、栃木県の県の花に選ばれています。
古賀志山のアカヤシオ

単にお花見がしたいだけであらば、簡単に登ることの出来るコースも存在します。しかしここはせっかく古賀志山まで来たのだから、一番登り応えがあると言う中尾根コースを歩いて来ました。
古賀志山の軍艦岩
花咲く里山でゆるふわ登山するはずが一転、岩に張り付きクサリにぶら下がって来た一日の記録です。

コース
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森林公園入口バス停よりスタートし、約一時間の下道歩きを経て赤川ダムへ。赤川ダムからは破線ルートの中尾根コースを通って古賀志山に登頂します。

その後は尾根沿いに赤岩山まで縦走し、下山後は東武日光線の下小代(しもごしろ)駅まで歩きます。公共交通機関利用の強みを生かした、古賀志山を横断する行程です。

古賀志山を守ろう会のサイトから、コースマップのPDFファイルをダウンロードできます。コースの詳細につきましては、こちらを参照してください。
地図等はご自由に印刷しご利用下さい

1.古賀志山登山 アプローチ編 鈍行列車で行く宇都宮への旅路

この日私は、例の如くある一つの命題を前にして、深く悩み苦悶していました。その命題とはすなわち、宇都宮と言うのは新幹線で行くべき距離であるか否かという事です。

新幹線であれば、大宮からたった一駅先にあるだけの比較的近い場所だと言えます。しかしまあ、在来線であっても決して届かない距離ではないんですよね。嗚呼ッ悩ましい!

6時57分 JR赤羽駅
どうでもいいことに散々苦悶した挙句、結局私が下した決断は鈍行列車での旅路でした。遠いとは言っても関東地方内ですからね。
JR赤羽駅に入線する上の東京ライン

8時20分 およそ1時間半の乗車時間をかけて、宇都宮駅に到着しました。なお、新幹線であれば大宮から30分未満の距離であると言う事実をお伝えしておきましょう。
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「東北新幹線の駅」である印象が強い宇都宮ですが、ここは栃木県の県庁所在地であり、東北地方ではなく関東地方に属しています。
JR宇都宮駅

8時30分発の長坂経由・新鹿沼行きのバスに乗車します。この路線の運行本数はさほど多くなく、登山に使えそうな時間帯の便は限られています。ご利用の際は、事前に時刻表よく確認して下さい。
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9時 森林公園入口バス停に到着しました。ここから登山口がある赤川ダムまでは、徒歩によるアプローチとなります。
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2.地味に遠い、宇都宮森林公園への道程

身支度を整えて9時5分に行動を開始します。なお、森林公園「入口」と言うバス停の名称からもなんとなく察せられる通り、公園までは徒歩でおおよそ1時間を要します。
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沿道の光景はまさしく春爛漫です。しだれ桜はもう終わりかけです。
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八重桜はちょうど良い感じに見頃でした。ひとこと桜と言っても、微妙に花期がずれている物なんですね。
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足元にはオオアラセイトウが群をなし、足元を紫色に覆いつくしていました。色がまったく異なりますが、菜の花の仲間です。
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シャクナゲが咲き始めていました。シャクナゲは梅雨入り直前の頃に咲く花だと言うイメージがありますが、それは山中にある場合で、平地にある株はもっと早くに咲きだすのですね。
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何もない森の中を突っ切っているような道ですが、しかし意外と交通量が多めです。みな例外なく飛ばしているので、交通事故に合わないよう注意を要します。
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既に葉桜になりかけているものの、ソメイヨシノらしき桜も僅かに残っていてくれました。関東南部とでは開花時期に1週間以上の時差があります。
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前方に目指す古賀志山が姿を見せました。中央左付近に見えているのが最高地点になりますが、広義には特定のピークではなくこの山塊全体の事を指して古賀志山と呼びます。
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古賀志山の周囲を取り囲んでいる林道は、ジャパンカップと言う自転車レースのコースとなっています。そのためか、練習に勤しむ自転車乗りの姿を多く目にしました。
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3.盛りは既に過ぎてしまっていた、桜の名所赤川ダム

9時50分 古賀志山の登山口である宇都宮森林公園へとやって来ました。赤川ダムのダム湖を中心にして、周囲にキャンプ場やサイクリングコースなどが併設されている公園です。
宇都宮森林公園の駐車場
公園には大規模な無料の駐車場が整備されており、車でお越しの人はここまで入ってこれます。むしろ車の利用の方が一般的であり、バス停から歩いてくる人間は圧倒的に少数派です。

地元産の野菜の販売コーナーがありました。今朝取れたてだと言うタケノコに心を惹かれたもの、この後一日中タケノコを担いで山を歩かなくてはならない事態を思うに、購入を断念しました。
森林公園の野菜販売コーナー
こういう時に車で来ていれば、少しも躊躇うことなく買えるのでしょうけれどね。

森林公園のほぼ中央に赤川ダムがあります。その名の通り赤川をせき止めているダムで、用途は農業用のため池であるようです。
赤川ダム

この赤川ダムから見た逆さ古賀志山は、古賀志山へ訪問したからには押さえておいて然るべき光景です。
赤川ダムから見た古賀志山
少し風がでてしまっているため、湖面が波立ってしまい、残念ながら逆さ古賀志山は拝めませんでした。

この後に歩く予定である、中尾根コースの様子が見えました。切り立った岸壁が連なっている様子がここからでも何となく伺えます。
赤川ダムから見た古賀志山

赤川ダムは桜の名所として名高い場所です。しかし今回の訪問は、桜シーズンには少しばかり遅かったようです。散りかけの枝垂れ桜だけが僅かに残った状態でした。
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まあ今回の本命はもともと、桜ではなくアカヤシオです。山中に咲いていてくれることを期待して、先に進みましょう。

湖の端の方に、僅かに散らずに残っている桜がりました。最盛期には、さぞや華やかな光景だったことでしょう。
赤川ダムの湖畔

登山口に向かいましょう。赤川ダムの上流方向へと道なりに進みます。
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道の脇を流れる赤川は、その名の通りに赤々としていました。鉄分を多く含んでいる土壌なのかな。
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10時30分 中尾根コースへの分岐地点へとやって来ました。ここを直進すれば一般登山道の北登山道コースで、道標の裏手に進むと中尾根コースに入ります。
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なお前述の通り、中尾根コースは破線扱いのコースとなります。安心安全にアカヤシオ見物がしたいと言う方は、このまま北登山道へ進んで下さい。
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私はもともと岩場があまり得意ではありませんが「中尾根コースを歩かなければ、古賀志山の真の魅力に触れたとは言えない」と言う趣旨の意見をよく目にするので、ここは中尾根コース一択です。

さあて、いっちょう気を引き締めてまいりましょうか。

4.クサリ場が連続する難ルート、中尾根コースを行く

登山道に入るなり、登り始めからいきなりの急登です。地形図を見た限りでは、登山道は崖記号の合間を縫うようにして続いています。
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果たして前方に、地形図に書かれている通りの光景が広がりました。岩壁の脇の急斜面を、這うようにして登って行きます。
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程なく前方に空が見えて来ました。意外とあっけなく尾根に乗ったようです。
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尾根に乗って早々に、早速最初のクサリ場・・・ではなくロープ場が現れれました。写真ではイマイチ伝わりにくいですが、見上げる圧倒的絶壁感です。
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帰宅後に見返してみて、比較対象として自分の姿を入れた状態の写真を取っておくべきだった後悔するも、今となっては後の祭りです。

足を乗せることの出来るスタンスは割と豊富にあるので、特に難しくはないハズ。逆にこの最初の岩場を見た時点で腰が引けてしまった人は、素直に引き返した方が無難だと思います。
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ロープ場を越えて以降も、岩場の登りがしばしの間続きます。今のところはまだ、岩場が苦手な私でも楽しいと感じられる程度のレベルです。
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断崖絶壁の先に山頂が見えました。意外と近そうにも見えますが、ここらは、まだまだ結構な時間を要します。
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再び岩の壁が現れました。今度はロープではなくクサリが垂らされていましたが、クサリなのは下の方だけで、途中からはまたもトラロープでした。
古賀志山のクサリ場
標準よりもはるかに体重が重い方に属している私としては、ロープだと強度的に少々不安感があるんですよね。。

この岩場の登りには苦戦を強いられました。技術的に難しいと言う訳ではなく、単にこの岩の隙間が私の体の横幅に対して狭すぎたためです。・・・まったく、挟まって動けなくなるかと思いましたよ。
古賀志山の岩場

二つの岩場を登りきると、比較的フラットな岩の痩せ尾根地帯に入りました。高度感はありますが、気持ちよく歩ける道です。
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振り返ると、眼下にスタート地点の赤川ダムが見えました。後方の彼方には、微かに筑波山(877m)の姿が見えています。
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11時10分 軍艦岩と呼ばれている岩まで登って来ました。なるほど、この先端部分を艦首に見立てている訳ですな。
古賀志山 軍艦岩
お友達と一緒にお越しならば、岩の先端に立ったところを写真を撮ってもらえば、とても画になることでしょう。

お一人様の私は、セルフタイマーをセットしてからのダッシュで何とかできないものかと2度も試してみましたが、時間切れで上手くいきませんでした。

岩の先端からは、タマが縮み上がりそうになる高度感抜群な光景を眺めることが出来ます。
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北方に非常に目を引く大柄な山の姿が見えます。高原山と呼ばれている山塊で、最高峰の名を釈迦ヶ岳(1,795m)と言います。ツツジの名所として知られている山です。
古賀志山から見た高原山
今まで全くノーマークな山でしたが、姿を見てにわかに興味が湧きました。車が無いヤツはお断りな山であるようですが、さあてどう攻略してやろうか。

平野の彼方には筑波山。周囲に高い山がないためとても目立ちます。
古賀志山から見た筑波山

前方に再びモリモリと盛り上がった岩壁が見えて来ました。もう一難ありそうな光景です。
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今度はクサリの無い岩場です。クライミング用語で言うところのガバも豊富にあるので特に難しくはありません。
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ガバとは「ガバっと」深く指をかけて掴むことの出来る突起の事

背後に宇都宮の市街地が見えました。本当に町のすぐ傍らにある山なのだという事が、良くわかる光景なのではないでしょうか。
古賀志山から見た宇都宮の市街地

枯れ木や倒木が目立つ岩稜帯が続きます。こんな岩だらけな過酷な環境にあっても、決して根を張る事止めない樹木の強靭さに、ただただ圧倒されます。
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ここでようやく本日のアカヤシオ第一号を発見しましたが、すでに散り始めです。もう少し標高の高い一帯に期待しましょう。
古賀志山のアカヤシオ

岩稜帯を抜けると、杉林に覆われた分岐点が現れました。古賀志山には、公式/非公式のものを含め実に数多くのコースが存在し、一見さんには少々わかりにくいです。
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5.古賀志山登山 登頂編 富士山は見えない富士見峠と、静かな里山の山頂

分岐からは一時の安息のような平坦な道になりました。この後に、もう一か所だけクサリ場が残っています。
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標高が上がってきたところで、期待していた通りにアカヤシオが満開の一帯に入りました。実に素晴らしい、今年はアカヤシオの当たり年だと言うことです。
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再び木の根が絡みついた岩稜帯へと入ります。倒木の姿がやたらと目につくには、岩山でそれだけ土が痩せているからなのでしょう。
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山頂がかなり近くなってきました。アカヤシオを見物しながら歩いているからだと言うのもあるでしょうけれど、思いのほか時間を要しています。
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道がかなり痩せて来ました。中尾根コースは最後の最後まで油断がなりませんぞ。
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満開のアカヤシオロードが続きます。よそ見すると非常に危険なので、鑑賞する時は立ち止まってから眺めましょう。
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クサリ場ならぬロープ場が現れました。大した高さではありませんが、足を乗せられるスタンスが乏しく、これまでよりも難易度が高めです。
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ロープに体重をかけるのは個人的に少々不安なので、なるべく岩の方を掴みながらよじ登ります。
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ここまで登って来て、初めて北側の展望が開けました。
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視界の先には日光連山の山並みが居並びます。古賀志山は宇都宮の市街地側から見ると、ちょうど日光の手前にまるで門番であるかの様にして陣取っています。
古賀志山から見た日光連山

山頂はもうすぐそこです。ラストスパートをかけて行きましょう。
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古賀志山に登頂した後に歩く予定でいる、赤岩山へと続く稜線が見えました。これはまた見事にギコギコと、激しくアップダウンしておりますな。
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先に言ってしまいますが、この古賀志山から赤岩山へと至る尾根道は、ここまで歩てきた中尾根コースよりもずっと険しいです。あまり安易な気持ちでは足を踏み入れない方が無難だと思います。

山頂手前の鞍部まで下って来ました。ここで、一般登山道である北登山道コースと合流します。
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富士見峠を名乗ってはいますが、しかしこの樹木の繁茂具合から察せられる通り、富士山の姿はまったく見えません。昔は見えたのでしょうかね。
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山頂直下最後の登りです。かなり急勾配な登りですが、しっかりと整備が行き届いた一般登山道であることに間違いはありません。
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人の話し声が聞こえて来ました。ようやく山頂のようです。
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12時55分 古賀志山に登頂しました。前評判に違わず、中尾根コースは低山らしからぬ骨太な行程でありました。
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山頂の様子
樹木が伐採された広々とした空間です。テーブルとベンチも多数用意されています。
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山頂からの展望は、南側に少しだけ開けています。この先へさらに少し進んだ所にある御嶽山と言うピークからは、ここからよりもっと展望が開けるので、そこまで足を延ばすことを強く推奨します。
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山頂の脇には、電話会社のループアンテナが設置されています。遊園地にある、回転式の遊具かなにかのような見た目ですね。
古賀志山山頂のループアンテナ

6.古賀志山のすぐ隣に立つ山岳信仰と好展望の頂、御嶽山

13時25分 だいぶ時間も押してきたことであるし、ボチボチ行動を再開しましょう。このまま尾根沿いを歩き、赤岩山まで縦走します。
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古賀志山のアカヤシオロードは、この稜線上に出てからがむしろ本番でした。
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アカヤシオと名乗ってはいますが、実態はまるでいちごミルクのような淡いピンク色の花弁です。なんと言うか、食べたおいしそうな色合いですよね。
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道中に神社の鳥居だけがありました。ここにはかつて、木曽御嶽山から勧請した御嶽神社があったそうですが、建物は失われています。
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再びトラロープが垂らされた岩場です。ここには巻き道もありましたが、せっかくなので直登します。
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続いて今度はガタガタと揺れる鉄のハシゴです。山では割とよく目にする形状のハシゴですが、これは市販されている汎用品なのですかね。
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不意に視界の開けた場所に飛び出しました。
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13時35分 御嶽山に登頂しました。先ほど述べた通り、この山名の由来は木曽御嶽山から来ています。江戸時代の西暦1846年に、この地へ勧請したのとのこと。
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北側の展望が開けている御嶽山は、日光連山を眺めるための特等席です。ふむ、だいぶ雲が出て来てしまいましたな。
古賀志山 御嶽山から見た日光連山

男体山の背後に、雪を被った白い姿のままの日光白根山(2,578m)が頭を覗かせていました。関東地方で最も標高の高いこの山は、かなり遅い時期にまで残雪があります。
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このぴょこりと尖った山は、方角的に皇海山(2,144m)だと思われます。左手前は袈裟丸山(1,961m)かな。どちらも登ってみたいのですけれど、交通アクセスが悪すぎてなかなか訪問できずにいる山です。
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これから歩く赤岩山方面の稜線です。なお、一般登山道なのはこの御嶽山までで、この先は破線扱いのルートとなります。
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引き返すのであれば今のうちですよ。本当に行っちゃいますか?覚悟が決まったら前進を再開しましょう。

7.中尾根コースよりも険しき、赤岩山へと続く縦走路

相変わらずアカヤシオが見頃の、岩の尾根を進みます。この辺りはまだ、来る嵐の前の静けさと言った所です。
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いきなりドーンと岩の壁が立ちはだかりました。巻き道はありません、直登です。ここはすでに一般登山道ではないのだという事を、端的に見せつけてくれた格好ですな。
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スタンスは豊富にあるので特に難しくはないのですが、例のごとく岩の隙間が狭くて、体の横幅が大きい私はここでも大いに苦戦を強いられました。
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まったく岩場歩きなんて行為は、本来であれば私のようなBMIが25を越えている人間のやることでないのでしょうけれど。

登り切ったたころで背後の視界が開けました。見えているのは、つい先ほどまで居た御嶽山です。
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側面を樹木に守られているおかげで、いくらか高度感が和らげられていますが、屏風のような細く切り立った岩尾根の上に道が続いています。
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崖のような岩の斜面の至る所に、アカヤシオが花を咲かせていました。繰り返しになりますが、よそ見をするのは非常に危険なので、鑑賞する時はしっかりと立ち止まりましょう。
古賀志山のアカヤシオ

ハイキングマップにも記載がある、中岩までやって来ました。ここも視界が広く開けた好展望地です。
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純然たる低山であるが故に、麓の街並みがすぐ近くに見えます。こんな町のすぐ近くの山で必死になってクサリにしがみついていると言うのも、何やら妙な気分です。
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こんな風に完全なナイフリッジ状態になっている場所もあります。個人的にはクサリ場よりも、こういう鎖の無い岩場の方がよほど恐ろしく感じます。
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逆説的なことを言うようですが、クサリ場と言うのは実はあまり危険ではないことが多いのですよね。クサリ場のクサリと言うのは、言うまでもなく安全のために設置されているものです。

それは逆に言うと、クサリをしっかりと掴んでさえいれば安全であると言えるわけです。

前方に大きく高度を落としている鞍部が見えて来ました。ここまでのクサリ場はすべて登りでしたが、いよいよ下りのクサリ場が登場しそうな予感です。下りの方が断然難しいし神経を使うんですよね。
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予想通り現れました。このクサリ場はほぼ垂直な上に結構長く、この日一番の苦戦を強いられました。
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まあ、苦戦を強いられた大きな理由の一つが、横着して首から一眼レフをぶら下げたままだったからなんですけれどね。

・・・横着はしないで、カメラはザックに収納してから取りついたほうが良いと思います。レンズフードが引っかき傷だらけになっちゃいましたよ。

下から見上げるとこんな見た目です。写真だと絶壁感がイマイチ伝わりませんな。
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下った後はすぐに登り返しです。これまた壁のような斜面を、木の根を頼りによじ登ります。
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登っては下りと、かなり激しくアップダウンを繰り返します。この付近が赤岩山コースの核心部でしょうな。
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再びナイフリッジ。・・・いやほんとに、クサリ場なんかよりもよっぽど怖いんですけれど。
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金精様じゃぁぁぁっ!と叫びたくなるような見た目の岩ですが、特にそのような名称では呼ばれていません。二尊岩と言う名称の岩です。
古賀志山 二尊岩

ヒカゲツツジが咲いていました。その名の通り、岩場の日陰に咲いていることが多いツツジ科の花です。花弁は若干緑味ががったクリーム色をしています。
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赤岩山への最後の登り返しです。頼りないトラロープが一本垂らされているだけだったので、ここは岩だけを掴んで登りました。
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登りきると、人工的に造成されたと思われる平坦地がありました。これはパラグライダーの発着場です。
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発着場の前方には、どこまでも広く平坦な関東平野の光景が広がっていました。ここから飛び立ったら、さぞや気持ちが良いことでしょう。
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パラグライダー発着場から少し進んだ所で、なんでもないただの尾根上のような場所に、山頂標識がポツンと立っていました。
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14時55分 赤岩山に登頂しました。確かにこれは、一般向けであるとは言い難い道でありました。中尾根コースよりも、この赤岩山へ至る縦走路の方が難易度は高かったと思います。
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眺望は北側にちょこっとだけあります。古賀志山から見た時よりも幾分か近くなったような気のする高原山が、大きく裾野を広げていました。
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8.古賀志山登山 下山編 縦走最後の山、北ノ峯をへて林道へ下る

赤岩山から直接下山することもできますが、せっかくここまで来たのだから、この尾根上にある最後のピークの北ノ峯まで踏んで行きましょう。
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ハイキングマップによれば、ルート上にクサリ場はあと三つあるはずです。

猿岩と言う名の恐ろしく鋭角な岩が現れました。これに登れとは言われませんのでご安心ください。登山道は右側に回り込むようにしてこの岩を迂回します。
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再びクサリ場ですが、ここには巻き道があります。流石に手の握力がだいぶ弱ってきているのを感じたので、ここは巻き道に進みました。
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確かに鎖にぶら下がる必要こそなかったものの、この巻き道もおおよそ安全とは言い難い道でした。と言うかむしろ、クサリが無い分だけこちらの方が危険度は高かったかもしれません。
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危なっかしい巻き道を無事に突破しました。これで残るクサリ場を二つ迂回したことになります。
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15時25分 北ノ峯に登頂しました。これで縦走ルート上にある、全てのピークを踏んだことになります。
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古賀志山から見た時よりもずっと近くになった、日光連山が居並んでいました。
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北の方にちょこっとだけ、那須岳の姿が見えました。中心付近に見えている最高地点が茶臼岳(1,915m)です。あちらには、まだまだ雪が残っているようですね。
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パラグライダーが飛んでいるのが見えました。先ほど通った赤岩山の発着場から飛び立ったのでしょうか。
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さあ下山しましょう。北ノ峯の時点で既に標高はかなり落ちており、麓の町はもうすぐそこです。
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本日最後となるクサリ場を、特に難もなくクリアーします。
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樹林帯に入ったら、もう後は消化試合です。これはハイキングマップにも記載があった作業小屋かな。
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16時5分 林道まで下って来ました。これにて下山は完了です。
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何とか無事に山から下りてくることは出来ました。しかし現在地は、駅からもバス停からも遠く離れてしまっている地点です。帰宅への道のりはまだまだ遠い。

9.下道を延々と歩いて、東武日光線の下小代駅を目指す

何はともあれ、まずは文明世界へと復帰しましょう。送電鉄塔に沿った林道を下ります。
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この林道歩きはさほど長くは続きません。割とすぐに県道と合流しました。この道は宇都宮と日光とを結んでいる、栃木県道70号線です。
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ここからが長い。東武日光線の駅を目指して県道を道なりに延々と歩きます。歩けないことは無い距離ではありますが、駅から直接徒歩てのアプローチと言うのは、あまり一般的なものとは言えません。
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宇都宮市内からだと、日光連山はこんな風に見えるのですね。男体山の手間に見えているのは鳴虫山(1,104m)でしょうか。初めて目にするアングルなのでとても新鮮です。

踏切が現れましたが、これは東武ではなくJR日光線の線路です。ここは素通りして、さらに先の東武日光線を目指します。何故ならば東武の方が運賃が安いから!
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時刻は既に17時を回っており、すっかり日が傾いて来ました。よもやここまで丸一日を費やした山行きになろうとは。ゆるふわ里山登山とは一体何だったのであろうか。
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ようやく東武日光線のガードが見えてきたところで、東武特急のスペーシアが目の前を走り抜けて行きました。
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17時30分 下小代駅に到着しました。思いのほか距離がありました。山中を歩いていた距離よりも、下道歩きの方が長かったのではなかろうか。
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さしたる待ち時間もなくやって来た普通電車に乗り込み、長い長い帰宅の途に付きました。
下小代駅に入線する東武日光線

ちょっとしたクサリ場がある山である。その程度の認識で訪れた古賀志山でしたが、ちょっとしたどころでは無く、思っていた以上に本格的な岩場の山でありました。特に赤岩山まで縦走するとなると、決してお手軽な里山とはいえない険しい道程となります。岩場歩きが好きな人にはオススメの行程です。
アカヤシオ見物だけが目当てであれば、何も危険な中尾根コースや赤岩山へ至る稜線を歩く必要は全くありません。ハイキング気分で気軽に歩くことの出来るルートもしっかりと存在します。目的に応じた多様の選択肢が用意されている、小粒ながらもとても良い山であると思います。

<コースタイム>
森林公園入口バス停(9:05)-赤川ダム(10:00)-富士見峠(12:40)-古賀志山(12:55~13:25)-御嶽山(13:35)-赤岩山(14:55)-北ノ峯(15:25)-下小代駅(17:30)

210410古賀志山-120

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