新潟県新潟市にある角田山(かくだやま)に登りました。
新潟県中部に広がる越後平野の海際に立つ、弥彦山塊に属している山です。標高500メートルにも満たない低山ですが、海際に屹立しているため眺めの良い山です。春になるとユキワリソウやカタクリが一背に花を咲かせる花の名峰として知られています。
折りたたみ自転車を引っ提げて、日本海を望む山へと遠征してきました。
2024年4月2日に旅す。
角田山は新潟県中部の、ちょうど佐渡島と向かいう辺りの海際に立つ山です。全国区の知名度こそありませんが、作家田中澄江が選んだ花の百名山にも選ばれてる、知る人ぞ知る花の名峰です。
雪どけと共に、カタクリやユキワリソウなどの春の花々が一斉に花を咲かせます。特にカタクリの群生は圧巻の規模で、まるで地面全体が紫色のじゅたんに覆われたかのような光景が出現します。
角田山の登山口となる角田浜へは公共交通機関によるアクセスも可能です。しかしながらこのにしかん観光周遊ぐる~んバスは季節運航で、肝心のカタクリやユキワリソウが咲くシーズン中にまだは運行していません。
そのため春のお花シーズン中に限って言うと、車の無い奴はお断りの山であると言えます。
車を持たないハイカーだってユキワリソウが見たいのに!これは我ら車も買えない貧乏人環境意識高い系ハイカーに対する明白な挑戦である。
よかろう、その挑戦に受けて立ってやる。と言う事で今回は最寄り駅に折り畳み自転車を持ち込み、自転車によるアプローチを試みました。輪行登山と言う暗黒面を極めた私に、もはや不可能などは存在しないのです。
登りに行くだけでも一苦労でしたが、お花あり絶景ありの文句なしな名峰でした。遠路はるばる、自転車を抱えて日本海の海際まで出かけて来た一日の記録です。
コース
角田浜海水浴場からスタートし、ユキワリソウの群生地がある桜尾根コースを登り角田山に登頂します。登頂後は越後平野を一望する好展望地の観音堂まで足を伸ばします。
下山は海に向かって下って行く大展望が楽しめる灯台コースを下り角田浜に戻ります。花シーズンの角田山登山としては最も一般的な周回ルートです。
1.角田山登山 アプローチ編 自転車を抱えて行く中越地方への旅路
6時50分 JR東京駅
新潟県の山への日帰り登山を可能としてくれる、魔法の乗り物新幹線で現地へと向かいます。朝一番の時間はそこまで混雑していないとは言え、かさばる自転車をかかえて東京行きの電車に乗るのは、毎回居心地の悪さを感じます。
早々と列に並んでおいたおかげで、座席の背後に荷物を置くスペースのある最後尾の席を確保できました。これであとは寝ている間につつがなく新潟県まで運んでもらえます。
目的地に近づくと、車窓に目指す角田山が所属する弥彦山塊の山並みが見えて来ました。弥彦山塊は海際にある小規模な山群で、あの山の向こう側は日本海です。
弥彦山塊最高峰の弥彦山は、深田久弥が日本百名山のあとがきで「名山には違いないが絶対的な標高が足りなかった。」と、わざわざ言及していた山です。半ば観光地化しており、山頂の直下までロープウェイで登れます
角田山に登った後に時間が残っていたら、弥彦山にも立ち寄って行くつもりでいます。
8時45分 燕三条駅に到着しました。燕三条と言う地名は存在せず、燕市と三条市の中間にあるためこのような名称となっています。水沢江刺駅みたいなものです。・・・よけいわかり難い例えでしたかね。
続いて弥彦線に乗り換えます。弥彦線のホームは新幹線ホームからは少し離れた場所にあり、自転車を抱えて歩いている身には何気にしんどい。
弥彦線は、その名の通り弥彦山の麓にある弥彦駅までを結んでいるローカル線です。単線で運行本数は概ね1時間1本程度です。時刻表は事前によく確認しておいてください。
吉田駅で今度は越後線に乗り換えます。越後線は日本海沿いに新潟駅と柏崎駅を結んでいる路線です。
越後平野の田園地帯が広がる車窓に、目指す角田山の姿が見えて来ました。どこでもありそうな里山の姿をしています。
9時30分 巻駅に登頂しました。ここが角田山の最寄り駅となります。季節運航の周遊バスも、この巻駅から発着しています。
2.自転車で角田浜海水浴場を目指す
駅前で折り畳み自転車を手早く組み立てます。目指す角田浜までの距離はおよそ10kmほどで、高低差はほぼないはずです。
道の真ん中に消雪パイプが並ぶ、いかにも新潟県らしい光景です。路面が赤茶けているのは、融雪剤によるサビか何かなのだろうか。
道路標識の案内に従い、角田浜と書かれた方角へ進みます。角田山周辺の地図はしっかりと用意してきていますが、現地までのナビゲーション手段は一切用意していないと言う山ナメならぬサイクリングナメ状態です。
今回に限らず、自転車を出している時はいつもこんな感じにいい加減なものです。よほどのマイナースポットでもない限り、現地の青看板の案内に従って走ればだいたい目的地には辿り着けます。
正面に角田山の姿が見えています。登山口のある角田浜海水浴場は山の反対側にあるため、右側から大きく回り込んでいきます。
左手には弥彦山の姿がありました。どちらも同じ弥彦山塊に属しており尾根は繋がっているので、かなりのロングトレイルにはなりますが縦走することも可能です。
真っ平な田園地帯を快調に進む・・・と言いたいところですが、先ほどから結構な強さの向かい風が吹いており、意外にしんどい展開です。吹き付けてくる風からは、心なしか塩の香りがします。
この白い鳥はもしや、佐渡から飛来したニッポニアニッポンなのでは。※ただのシラサギです。
10時25分 角田浜海水浴場の駐車場までやって来ました。結構大きなキャパシティのある駐車場ですが、満車状態でした。花シーズンの角田山の人気が伺えます。
さてここで、わざわざ新潟まで折り畳み自転車を落ち込むつもりなどはさらさらないであろう大多数の公共交通機関勢のために、角田浜海水浴場へアプローチするためのサステナブルでワイズスペンディングなソリューションをひとつ紹介しておきましょう。
巻駅からタクシーでおおよそ3,600円くらいだそうです。巻駅にはタクシーが常駐しているので、事前予約などは必要ありません。
砂浜の先に日本海の大海原が広がります。とりあえずはここでいつものお約束のセリフである「ヒャッハー、うみだー」を叫んでおく。
海の先には佐渡島があり、白く雪を被った山が見えています。恐らくは佐渡島最高峰の金北山(1,172m)です。
海上へ大きく突き出した岩の岬の上に灯台が立っています。この後の下山時には、あの灯台に向かって下ってくる予定です。
自転車には駐車場脇のガードレールの裏側で留守番を命じます。やたらと長いアプローチでしたが、ようやく行動開始です。
3.ユキワリソウとカタクリが満開の桜尾根を登る
10時40分 身支度を整えて登山を開始します。これから歩くつもりでいる桜尾根尾の登山口が道沿いのどこかにあるハズなのですが、正確な場所を知らないので探しつつ進みます。
脇道がありましたが、これはカフェ店への入り口です。登山口はもうすこし先にあります。
カフェ店からさらに少しすすむと、いかにもな未舗装の脇道がありました。
道標も何も立っていませんでしたが、ここから山中へと入って行きます。ちなみにこの桜尾根コースは私有地の中を通る非公式のルートであり、登山できるのは地権者の好意によるものです。くれぐれもお行儀良く歩きましょう。
私有地であると言う事で、入り口にゴムキャップの付いていないストックの使用禁止段等のルールが掲げられてます。書かれているのは、何れも至って常識的な内容だと思います。
登り始めて早々から、道の両側に大量のユキワリソウが花を咲かせていました。素晴らしい。
ユキワリソウ(雪割草)はその名の通り、雪融けの直後に雪を割って出てくかのように咲き始める花です。主に日本海側の山に広く分布しており、正式な名称はオオミスミソウ(大三角草)と言います。
斜面全体を覆いつくすように咲いています。ちょうど見頃のど真ん中の時期を射止めることが出来たようです。
まだスタートしたばかりだと言うのに、撮影が捗り過ぎてなかなか歩みが進みません。
花にばかり目が移りますが、桜尾根コースは登り始めから結構な急登が続きます。花を踏んでしまう事が無いように、足元には細心の注意を払って歩きましょう。
ある程度登って来るとユキワリソウは見かなくなり、それと入れ替わるようにしてカタクリの姿が目につき始めます。
道の両側を埋め尽くすかのようにカタクリが咲いており、もはやカタクリ畑状態です。ちょっとお目にかかったことがない規模の大群生ですです。いったい何万株あるんだこれは。
登山口から続いていた急登が、ようやく一息つきました。この後に山頂の直下に、もう一度急登の区間があります。
背後を振り返ると、眼下に海が見えました。海の眺めに関しては、桜尾根よりも帰路の灯台コースの方が楽しめます。大いに期待しておきましょう。
一時的にユキワリソウやカタクリは見かけなくなり、かわりに熊笹に覆われた一帯に入りました。豪雪地帯にある山では良く見られる光景で、刈払いが行わらなければ歩行すること自体が困難な藪山と化します。
緩やかな下りに転じたところで、前方に角田山の本体が見て来ました。
鞍部から登りに転じたところで、再び周囲はカタクリ畑状態となりました。
珍しい白いカタクリが咲いていました。通常のカタクリが突然変異を起こしたもので、およそ1万分1くらい確率でしか発生しません。
再び急登区間が始まりました。角田山は標高500メートルに満たない低山ですが、登山口が海抜ゼロメートル地点であるため、少なくとも標高分ピッタリは登る必要があります。
カタクリは関東の山ではそれなりレアな花なのですが、それがこれだけ雑然と咲いているのは、なんだか奇妙な気分です。新潟県の人は、カタクリを見かけてもあまりありがたみは感じないものなのだろうか。
この一見すると菊っぽい見た目の花はキクザキイチゲです。カタクリの中に混ざって咲いているので、白カタクリかと見間違えてしまう紛らわしいやつです。
両側が切れ落ちた痩せ尾根になりました。通行可能な道幅はしっかりとありますが、落ちたらタダでは済まない高さなので、特にすれ違い時には注意を要します。
正規の登山ルートと合流しました。ここまで登ってくれば、山頂まではほぼ水平移動です。
正規ルート上には木道が整備されていました。こうした土壌流出対策が必要になるほどには多くの人に登られている、人気の山なのでしょう。
12時15分 角田山に登頂しました。急登個所もありましたが、たくさん写真を撮りながらゆっくりと歩いても1時間半程度の、お手軽な道程でした。
4.越後平野を見渡す好展望地の観音堂
角田山の山頂に立つ避難小屋の健養亭です。薪ストーブを備えている辺りは、いかにも豪雪地帯にある山らしい仕様です。
山頂は平坦でかなり広々としています。休憩場所には事欠きませんが、展望は一切ありません。
山頂から少し下った先にある観音堂まで行くと、どうやら展望があるらしいので、休憩はそこで取ることにします。
12時25分 観音堂まで下って来ました。こちらでも、大勢の登山者が所せましと休息をとっていました。大部分は地元の人だろうとは思いますが、それにしても凄い人気です。
前方に越後平野がドーンと見渡せます。晴れて空気が澄んでいる日には飯豊連峰や越後三山などの山々が見えるはずですが、残念ながら本日は春霞の影響でモヤーッとしており遠くの山は一切見えません。
中央に見えている高層ビルが林立している辺りが、新潟駅がある新潟市中心部です。米所の新潟らしく、市街地の周囲は見渡す限りの水田に覆われています。
平野を挟んだ向かいに辛うじて薄っすらと見えているこの白い山は、位置的に粟ヶ岳(1,292m)あたりかな。背後に飯豊連峰があるはずですが全く見えません。
花よりも景色を楽しみたければ、春ではなく秋から冬にかけての季節に訪れた方が良さそうです。
5.海に向かって下って行く灯台ルート
山頂は素通りして、桜尾根ルートとの分岐地点まで戻って来ました。下山は分岐をまっすぐに直進して、灯台コースから下ります。
木道が整備された緩やかな尾根道が暫しの間続きます。この辺りに花は咲いておらず、いたって地味なものです。
道中に三望小屋と書かれた小屋が立っていました。こんな近距離に避難小屋が2棟もあるとは至れり尽くせりです。
分岐地点まで歩いて来ました。道標の導きに従い、右折して灯台コースに進みます。
海に向かって下っていきます。上部の方は樹林に覆われいますが、先へ進むと展望が開けて来ます。
再び始まるカタクリ畑ロード。灯台コースにも、桜尾根コースにまったく引けを取らない規模のカタクリ大群生地が広がっていました。
白カタクリが2輪並んで咲いていました。1万分の1の確率でしか発生しないものが2つ並ぶとは、一体どれくらいの確率なのだろう。天文学的な数字になるのではなかろうか。
ちなみに灯台コースに咲いているのは基本的にカタクリだけで、ユキワリソウは一切咲いていません。ユキワリソウが目当てで来た人は、行き帰りのどちらかで必ず桜尾根コースを歩いてください。
視界が開けて海が広く見えました。ここから先が灯台コースの真骨頂です。海を見ながら歩けるので、灯台コースは登りではなく下山時に歩くことを推奨します。
かなり急勾配の階段を下って行きます。ここは道幅が狭いので、すれ違い時には譲り合って進みます。
階段地帯を過ぎると、今度は岩場の下りになりました。実に爽快な眺めですが、よそ見をしていると危ないので、鑑賞したい時はしっかりと立ち止まってから眺めましょう。
最後にちょこっとだけ登り返しがあります。大した登りではありませんが、足元は岩場の痩せ尾根なので慎重に。
海際を行く国道402号線の脇に、小さな海食洞があるのが見えます。海岸線付近はかなり険しい地形であることが見て取れます。
登り返した地点には展望も何もなく、ただの通り道と言った地味なピークです。
海上に大きくせり出した岬の上を歩いてるため、海の上を歩いている感が凄い道です。人気があるのもうなずけます。
先端の灯台が見えて来ました。佐渡と新潟を結ぶ航路の目印となっている、たいへん重要な灯台です。おそらく角田山と聞いた時に多くの人が真っ先に思い浮かべるであろう、この山の象徴的な光景です。
カタクリ群生地もなかなかのものでしたが、最後の下りの区間こそが灯台コースにおけるハイライトだと思います。この海に向かって下っている感は、他の山ではなかなか体験できない感覚です。
灯台まで下って来ました。ここからは左右のどちらにも下りられますが、左側へ降りるとさらなる絶景に出会えるのでオススメです。
海沿いの際どい場所に道があるのが見えます。本日は波が穏やかだからまだ良いですが、海が荒れている時には近づかない方が良さそうな道です。
それでこの道は一体何なのかという話になりますが、恐らくは現在の国道402号線が出来る以前の、旧道か何かなのだろうなと思います
現在の国道はトンネルや橋梁を使って高い所を巻いていますが、そんなものは容易に作れなかった時代の道は、もっと海際ギリギリを通っていたはずです。
下まで下ると、小さな入り江になっていました。そして、灯台のほぼ真下に小さな海食洞があるのが見えます。
この天然の横穴のすぐ隣には人工のトンネルがあり、そこを通れば角田浜に戻れます。
その前にもうちょっとだけ先へ進んででみましょう。現在では釣り人くらいしか利用者がいなさそうな道ですが、しっかりとコンクリート製の橋までもが整備されていました。
なんと言うか凄まじい光景です。今日は海が穏やかだからまだ良いようなもので、荒天時にはそれこそ往来するのも命がけだったのではなかろうか。
より道はこれ位にして、トンネルを通って今度こそ角田浜に戻りましょう。
素掘りのトンネルです。内部に照明はありませんが、大した距離ではないため明かりは十分に入ります。
先ほどの海食洞には、奥州への逃避行を続ける義経一行が船を隠していたという伝説が残っており、判官船かくしと呼ばれています。
14時40分 トンネルを抜けると、スタート地点の角田浜に戻ってきました。下山完了です。
6.おまけの寄り道編 ロープウェイで弥彦山へ登る
自転車にまたがり、再びサイクリングを再開します。次なる目的地は弥彦山です。
巻駅には戻らずに、弥彦山の麓にある弥彦神社を目指します。またもやおよそ10kmほどの移動になりますが、今度は追い風であるし、ほぼ水平の移動であるため大した時間はかからないだろうと踏んでいます。
弥彦山を横目にしつつ進みます。かくも平野に近くて目立つ山を古人達が放っておくはずはなく、弥彦山は古くから信仰を集めて来た霊山でもあります。
登山口から登山口へのほぼ水平移動だろうと思ていたのに、弥彦神社の前で思いっきり登り坂になりました。いったい誰だ。ほぼ水平移動だろうから大したことないだろうとか、適当なことを言っていた奴は。
15時50分 弥彦神社の入口にやって来ました。弥彦山の登山口はこの神社の奥にあります。
これから登山を開始するには遅すぎる時間ですが、ご心配には及びません。弥彦山にはロープウェイがあり、山頂のすぐ近くまで行けます。
境内のマップを見た限り駐輪場は見当たらなかったので、ここでも自転車には駐車場の脇で待機を命じます。
境内はかなり広々としています。これは現地に来てから初めて知ったことなのですが、弥彦神社は越後国の一宮であり、新潟県内では最も多くの信仰を集めている神社です。
この時点ですでに薄々感じていましたが、弥彦山と弥彦神社はこんな帰りがけのついでにパッと見てまわれるような規模の場所ではなく、まる一日をかけて巡るべきボリュームを持っています。
なにはともあれ、ひとまずは山頂を目指しましょう。登りのロープウェイは17時が最終便であるとのことですが、下りの最終は何時なのだろうか。いずれにせよ、もうあまり時間は残っていません。
神社からロープウェイ乗り場までは結構距離があります。無料のシャトルバスがあるのですが、ちょうど出発しまった直後だったので早足気味に後を追いかけます。
16時10分 弥彦山ロープウェイの乗り場まで歩いて来ました。料金は往復1500円で、帰りの最終便は17時20分発であるとの事でした。
16時15分発の便が発車する直前のタイミングであったので、足早に乗り込みます。意外なことに、この時間にもまだ登りの利用者が結構沢山いました。
山頂駅までの標高差は500メートルほどで、僅か5分程の空中散歩です。
山頂駅はどこか昭和の観光地を思わせるノスタルジーな佇まいをしていました。だいぶ年季が入っておりますな。
ここはまだ山頂ではありませんが、歩く気などは全くない人のための記念撮影用と思われるモニュメントが立っていました。
裏手に駐車場があることからも察せられる通り、弥彦山には車でも登ることが出来ます。弥彦山スカイラインと呼ばれる道が山頂のすぐ下にまで伸びています。
土産物店に弥彦山の山バッジあるかなと思い覗こうとしたのですが、間もなく16時半で営業終了ですと素っ気なく追い出されてしまいました。
土産物店の背後に立っているこの謎の塔は、弥彦山パノラマタワーです。ゆっくりと回転しながら登って行く可動式の展望台となっています。こちらも間もなく営業終了時間だと言う事で、乗ることはできませんでした。
もうあまり時間もありませんが、ここまで来たからにはピークハントだけはしておきましょう。山頂までまおよそ10分程度の距離です。
角田山の群生地には到底及びませんが、弥彦山にもカタクリがポツポツと咲いていました。今の時期の新潟県の低山では、どこへ行っても大抵はカタクリは咲いているのかもしれません。
山頂には奥の院らしき建物がありました。社務所のシャッターは既に閉まっていますが、日中は御朱印が貰えたりするのかな。
16時45分 弥彦山に登頂しました。やはりロープウェイを使ってしまうと、全然登ったという感じはしませんな。また後日に下から真面目に登る必要がありそうです。
角田山からは全く見えなかった、南側の展望が開けています。方角的に頚城山塊や後立山連峰の山などが見えるはずですが、この時間でもまだ空気は霞んでいて、遠くは全く見えません。
このグネグネと蛇行している川は信濃川かな。はるばる甲武信ヶ岳からここまで流れて来ているのかと思うと感慨深い。
太陽はまだ高々としています。ここから日本海に沈む夕日を眺めたかったら、帰りはロープウェイを使わずにヘッドライト装着で歩いて下るしかなさそうです。
最後に北側の展望です。新潟市方面の景色ですが、こちらも変わらず霞の影響がつよく、遠くまでは見えませんでした。
下り最終便は17時20分発なのですが、最終便には売店のスタッフも乗るので混雑すると言われたので、ひとつ前の17時10分の便で下ります。
山麓駅へ下ると、シャトルバスが待機していました。別に歩けない距離でもないのですが、せっかく待ってくれていたのを無碍にするのも何なので乗車します。
ちなみに弥彦山の標高は634メートルで、東京スカイツリーと全く同じ高さです。だから何だと言う話ではありますが。
最後に、麓から見上げた弥彦山の姿を写真に収めて、本日のミッションは完了です。さあ帰ろう。
17時40分 弥彦駅に到着しました。弥彦神社から弥彦駅までは、徒歩でもせいぜい10分程度の距離です。別に折り畳み自転車などを持ち込まずとも、公共交通機関を使って普通に登りに来れます。
このまま弥彦線で撤収しようと思ったのですが、時刻表を見ると次の電車は40分後の18時21分までありません。おまけにその電車も吉田駅止まりで、燕三条駅まで直通はしてくれないようです。
そういう事ならここで待つ意味もないので、吉田駅まで自走して行くことにします。距離的に30分はかからないくらいでしょう。
吉田駅へ向かう道すがらに、弥彦神社の大鳥居がありました。昭和57年に上越新幹線開通を記念して作られたもので、高さは30メートルあります。
完成当時は日本一の高さの鳥居でしたが、後発に抜かれて現在は3位に転落しています。田中角栄先生のパワーをもってしても、1位タイトルの永久保持はできませんでしたか。
例のごとく何のナビゲーション手段もありませんが、青看板の導きに従って走ります。ほぼ一直線なので迷う要素はありません。
18時 吉田駅に到着しました。こんどこそ自転車を畳んで撤収します。しかし今にして思うと、別に吉田駅までと言わずに燕三条駅まで自走すればよかったのかもしれない。
遠路はるばる決行された角田山への遠征は、こうして大満足のうちに終了しました。ユキワリソウとカタクリはちょうど見頃のど真ん中と言ったところで、ベストな時期に訪問することが出来たと思います。
東京から出向くとなると時間もお金も相応に要する角田山ですが、歩いてみた感想としては訪問のコストに十分見合うだけの見所が詰まった山だと思います。カタクリ群生地の規模は圧巻で、海に向かって下って行く灯台コースも見所があります。なかなか気軽には登りに行けない山ですが、それでも大いにオススメします。
弥彦山に寄り道したのは完全なる蛇足でしたが、弥彦山は弥彦山で短時間では到底回りきることのできない見所とボリュームを持った山です。こんなオマケ扱いではなく、一日をかけて巡る必要を感じました。紅葉が見事だと言う話なので、季節を変えていつかまた再訪したいと思います。
<コースタイム>
角田浜駐車場(10:40)-角田山(12:15)-観音堂(12:25~12:40)-角田浜駐車場(14:40)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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