越後駒ヶ岳 圧巻の紅葉と雲滝を見下ろす魚沼の名峰

道行山から見た晩秋の越後駒ヶ岳
新潟県南魚沼市と魚沼市にまたがる越後駒ヶ岳(えちごこまがたけ)に登りました。
越後三山と呼ばれる、中越地方に連なる山群に属している山です。米所として名高い魚沼盆地の傍らにあり、豪雪地帯の山であるが故の低い森林限界高度により、大変眺望に優れている山です。秋になると、あたかも山全体が光り輝いているかのような圧巻の紅葉に覆われます。
紅葉に期待して遠路はるばる訪れた晩秋の越後駒ヶ岳で待っていたのは、山頂部がすでに白く雪化粧した姿でした。

2021年10月30日に旅す。

越後駒ヶ岳は、新潟県の中越地方に属する魚沼地方にある山です。別名で魚沼駒ケ岳とも呼ばれています。隣接する八海山および中ノ岳とあわせて、越後三山と呼ばれる山群を形成しています。
関越道小出インター付近から見た越後駒ヶ岳
作家深田久弥が選んだ日本百名山にも選ばれている一座です。日本百名山の中では魚沼駒ケ岳の名称で紹介されています。

百名山に選ばれている山の中では、人気知名度共にあまり高くはなく、どちらかと言えば地味な山と見なされがちな一座です。しかし実際に登ってみれば良くわかりますが、この山は少しも地味などではありません。

これは是が非でも、この山へは紅葉シーズンに訪れなくてはならない。そう心中に期しておりました。今回、2年越しにその機会が訪れました。

かくして期待していた通り、越後駒ヶ岳の紅葉はそれはもう凄まじいものでありました。山全体が鮮やかなる暖色に覆われおり、そして山頂付近は白く輝いていました。・・・って、もう既に雪が積もり始めているではありませんか。
冠雪した晩秋の越後駒ヶ岳

越後駒ヶ岳を訪問する際に、忘れてはならないもう一つの要素が雲滝です。越後駒ヶ岳の主要な登山口の一つである枝折峠(しおりとうげ)は、地形的に雲滝が発生しやすいスポットとなっています。
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いくつかの条件と幸運が重ならなければお目にはかかれない現象ですが、幸いにもしっかりとその光景を目の当たりにすることが出来ました。

山頂付近はすでにすっかりと冬の装いでした。これでもかと言わんばかりの、怒涛の絶景の洪水に翻弄された、晩秋の越後駒ケ岳訪問記をお届けします。
越後駒ヶ岳 駒の小屋

コース
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枝折峠より越後駒ヶ岳を往復します。越後駒ヶ岳登山としては最も一般的であろう行程です。

なおこのルート、山と高原地図の標準コースタイムでは、往復11時間にも及ぶロングコースとなっています。

しかしながら実はこのコースタイムは、この山が藪漕ぎを必要とする山だった時代から全く更新されていません。下草が刈られて階段や木道が整備されている現在では、おおよそ8時間ほどで往復可能です。

1.越後駒ヶ岳登山 アプローチ編 枝折峠に前入りして前泊

10月29日 関越自動車道
中年二人を乗せてた車が、夜の関越道を快調に進みます。先週の八紘嶺に続き、今回も友人とおっさん二人の旅です。
夜の関越自動車道
越後駒ヶ岳への登山口である枝折峠は、早朝に雲滝を見ることの出来るスポットそして有名な場所です。

紅葉シーズンの週末土日ともなると、当日の朝に到着したのでは駐車場からあぶれてしまうと言う事前情報を得ていたため、前日の夜の内に前乗りしようと言う算段です。

10月末の時点では、流石にまだ関越トンネルに妖怪出口ユキは出没していないようです。新潟の山間部にはすでに雪が降り始めていると言うニュースを目にしていましたが、平野にまで雪が降り積もり始めるのはまだもう少し先のことです。
関越トンネルの入り口

小出インターで関越道を降ります。前回ここへやって来たのは、今からほぼ1年前の平ヶ岳に訪問した時でした。もうあれから1年経ちましたか。本当に時の流れはあっという間です。
関越道 小出インターの料金所

高速を降りた後は、いわゆる酷道として名高い国道352号をひた走ります。幸か不幸か辺りが暗くてよく見えませんが、道の右側は断崖絶壁です。
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22時30分 枝折峠駐車場に到着しました。本日はここで車中泊します。
枝折峠の駐車場
流石にまだ駐車スペースには余裕がありましたが、それでも既に結構な台数の車が停まっていました。例え地味な山扱いされていようとも、日本百名山のブランドがある山ですからね。

2.枝折峠から眺める雲滝

空けて10月30日の5時20分。周囲の喧騒で自然と目が覚めました。昨夜の時点では余裕があった駐車場には、いつの間にかこぼれんばかりの数の車で溢れていました。
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まあ、大半は登山者ではなく雲滝見物が目当ての観光客なのでしょうけれど、それにしても凄い台数の車です。

続々と車が登って来ます。路肩はすでに路駐した車で埋まっており、枝折峠は混乱の極みの中にありました。
車で溢れかえる紅葉シーズンの枝折峠
よもや枝折峠がこれほどの人気スポットであるとは、思ってもいませんでした。前日の内に前乗りしておいて大正解であったようです。

5時45分 ヘッドライトがいらないくらいの明るさになってきたところで、登山を開始します。夜明け前の吹き曝しの峠は、身震いするような寒さです。
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歩き始めの時点から、すでに周囲は良い感じに紅葉していました。枝折峠の時点で、標高は1,065メートルほどあります。
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そんなことよりも、正面に見えている山の頂が白いのが気になります。前日のニュースで聞いた通り、やはり山間部はすでに雪があるようで。

登山道が一部崩落していまいした。雲滝撮影の場所取りのために、まだ暗いうちから三脚を担いでここを通り抜けようと言うカメラマン氏は、くれぐれも足元にご注意ください。
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登山道のあちこちで、こうして雲滝待ちのカメラマンたちがスタンバイしていました。さあて、本日は見られそうなのかな。
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眼下に目を向けると、今まさに雲が溢れ出して流れ落ち始めているところでした。おおッ!これは確かに凄い。特に狙っていたわけでもありませんが、まさに絶好のタイミングに通りかかることが出来たようです。
枝折峠から見た雲滝
眼下に見えているこの厚ぼったい雲の下に、奥只見湖があります。湖の上空にたまった湿った空気が雲となり、こうして稜線を乗り越えて溢れ出してくることにより雲滝が発生します。

当然ながら、常に見られるわけではありません。雲滝が発生するには、いくつかの条件が重なる必要があります。
枝折峠から見た雲滝
その条件とは、まず晴れの日の早朝で、前日との気温差が大きくて、かつ風が強めである必要があります。あとは運です。

初訪問でいきなりこの光景を引き当てた私は、相当な強運であったようですな。

少し進んだ所で、振り返って見た枝折峠の様子です。この尾根上がちょうど、雲滝を鑑賞する上でのベストポジションとなっています。
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ここで前方に、これから目指す越後駒ヶ岳がその姿を見せました。案の定と言うか、白いぞ越後駒ヶ岳。
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まあ、すでに雪があると言う事前情報は得ていたのですが、しかしここまでしっかりと積もっているとは思っていませんでした。流石は豪雪地帯の山です。10月末はすでに冬の装いなんですね

山頂付近ではもう日の出の時刻を迎えているらしく、朝日に照らされて茜色に輝いていました。
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こちらは越後駒ヶ岳のお隣さんである中ノ岳(2,085m)です。越後三山の最高峰は、実は駒ケ岳ではなくこの中ノ岳の方です。
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深田久弥は、越後三山の中からどの山を百名山に選ぶかについては、相当悩んだのだとか。

最終的に選ばれたのが、最高峰の中ノ岳でも修験の山として名高い八海山でもなく、一見すると三山の中では一番特徴に乏しそうな越後駒ヶ岳だったと言うのだから面白い。選定に至った決め手は一体何だったのでしょうかね。

そうこうしている内に、谷向の山が神々しく光り輝き始めました、登山道上にも朝日が射し始める時間となったようです。
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あーたーらしーいー、あーさがきたー♪
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雲滝とご来光の夢の競演と相成りました。ちょっと場所がイマイチでしたね。もう少し見晴らしの良い地点で、日の出まで待機すべきであったか。

寒々しかった世界が、暖かい陽の光に満たされて行きます。毎度のことながら、太陽はすげえ。
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道すがらに小さな神社が立っていました。枝折大明神と呼ばれる神社で、日本神話に登場する木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)を祭っているとのこと。
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6時30分 枝折大明神から少し登ったところで、明神峠に到着しました。何故か峠と名乗っていますが、ここは鞍部ではなくピークです。
越後駒ヶ岳 明神峠

3.緩やかなアップダウンを繰り返しつつ進む、紅葉の尾根道

明神峠からは、緩やかに少し下ります。それはつまるところ、帰りには漏れなく登り返しが付いて来ると言う事です。
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小刻みなアップダウンを繰り返しつつ尾根上を進みます。高低差は小さくほとんど水平移動のようなもので、気持ちよく歩ける道です。
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もうだいぶ陽が昇って来ていますが、それでも雲滝はまだ流れ続けていました。本日は雲滝の大当たりな日だったようですね。
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雲滝はよく言ったもので、雲がまるで液体であるかのように滾々と沸き上がっていました。
越後駒ヶ岳の雲滝
流石に明神峠の上にまで登ってくるカメラマンはいないと見えて、しばし間、この絶景を独占しました。登山者だけが目にする事の出来る光景です。

枝折峠からのスタートだと、越後駒ヶ岳山頂までの標高差は1,000メートルあるかないか程度でしかありませんが、横への移動距離はかなり長めです。先ほどからずっと遠くに見えていて、なかなか近づいて来ません。
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この先にも、ジグザクと高低差のあまりない尾根がずっと続いている様子が見えて取れます。それにしても、この隠しきれない溢れ出す名峰の貫禄よ。実にカッコ良い山ではありませんか。
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今のところ天気は雲一つない快晴ですが、午後からは薄曇りになると言う予報となっております。晴れ間が広がっている内にスパッと往復したいところです。

まあ実際のところ、スパッと行けるほど楽な道程ではないのですけれどね。

尾根上には、こうしていくつかの小さな池塘が点在しています。雪解けの季節には、花にも期待できそうな山です。
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小さく登っては降りてを繰り返します。階段や木道が整備されていますが、濡れていると恐ろしく滑るので慎重に参りましょう。
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沿道は今まさに紅葉の真っ盛りです。白く染まった山頂を見た時には、いささか訪問の時期が遅すぎたのではなかろうかと危惧しておりましたが、それは完全なる杞憂でありました。
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振り返って見ると、明神峠からはずっと同じような高さの尾根が延々と続いていました。
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なかなか標高を上げ始めず平坦な道が続くため、結果としてそれだけ長い間、紅葉ゾーンの中を歩けることになります。いや、実に素晴らしい。越後駒ヶ岳は今まさに最高の季節を迎えていました。
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尾根上にある小ピークである、道行山との分岐地点までやって来ました。大した距離ではないので、ここは寄り道して行きましょう。
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7時25分 道行山に登頂しました。横方向への移動距離で言うと、この辺りがほぼ中間地点となります。ただし、登りがきつくなるのこの先なので、コースタイム配分で言うとまだ登り行程の3分の1ほどでしかありません。
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目指す駒ヶ岳が真正面にあります。途中まではずっと緩やか道が続きますが、山頂直下は割と急峻である様子がここから見て取れます。
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振り返ると、雲滝タイムはまだ続いているようでした。早朝にしか見られない現象であると聞いていましたが、結構長時間続くものなんですね。本日はよほどの好条件だったのでしょうか。
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まだまだ先は長いので、とにかく進みましょう。相変わらずあまりアップダウンの無い尾根が延々続いています。
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先ほどからずっと紅葉のバーゲンセール状態で、段々と感覚がマヒしてきました。訪問時期としてはちょっと遅かったなとも思っていましたが、そんなことは無くド真ん中でした。
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越後駒ヶ岳がだいぶ大きくなってきました。山頂一帯は思った以上にしっかりと白くなってますねえ。軽アイゼンはしっかり用意してきたので、問題はありませんが。
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前方にぴょっこりと突き出したこのピークは、小倉山と言う名前です。登山道は小倉山の山頂を通らずに脇を巻いています。
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駒の湯登山口からこの小倉山へと登ってくるロングルートが存在しますが、現在は橋が崩落しているという事で、駒の湯ルートは通行止めとなっていました。
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小倉山からはまたも下ります。決してキツくはない道なのですが、しかしなかなか本体に取り付けません。
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道の脇にチラホラと雪が目につき始めました。いよいよ、あの白い一帯に近づいて来たようです。
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8時50分 百草(もぐさ)の池まで歩いて来ました。尾根にある小さな湿原池です。池は完全に凍結していました。
越後駒ヶ岳 百草の池

4.越後駒ヶ岳登山 登頂編 岩場の急登の果てに待つ、中越地方の大絶景

百草の池を過ぎると、ここまでずっと平坦だった分を一気に取り戻すかのような急登が始まりました。ここから先は山頂まで、緩むことの無い急勾配の道が続きます。気合を入れていきましょう。
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背後の展望が開けて来ました。新潟県と福島県の境界付近に広がる秘境の地、奥只見を睥睨する圧巻の光景です。見渡す限り一面の山また山です。
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この谷向にある尖った山が、先ほどから気になって仕方がありません。越後の穂高という異名を持つ、荒沢岳(1,969m)です。見た目通りに、なかなかアスレチックな山だそうですよ。
越後駒ヶ岳から見た荒沢岳
ふむ。これは「登りたい山リスト」に加えねばならない山ですな。

アイゼンの付け時を見いだせず、ツボ足のままどんどん登ります。足元の雪がだいぶ深くなってきましたよ。
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平坦になっている肩のようなスペースまで登ってきました。この先はもう、駒の小屋までザックを落として休憩できそうなスペースはないので、ここで軽アイゼンを履きました。
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中ノ岳へと続く稜線です。ここだけを見ると、もう完全に冬の光景ですね。
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この中ノ岳にも是非とも登ってみたいのだけれど、コースタイム的に日帰りはちょっと現実的ではありません。登るのであれば駒の小屋に一泊して登るのが妥当です。

なんとも間の悪いことに、アイゼンを履いた直後に雪の無い岩場を歩かされると言う。これは後知恵の結果論ですが、アイゼン装着は駒の小屋に着いてからで良かったのかもしれません。
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肩の小屋の直下は、ちょっとした岩場となっています。クサリなどの補助は無いので、慎重に足場を探って登りましょう。
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雪解け水が、岩の表面を流れ落ちていました。これだけ見ると、まるで残雪期の様な光景ですね。
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急登をえっちらおっちらと登るうちに、前方に小屋が見えて来ました。
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9時55分 駒の小屋の到着しました。越後駒ヶ岳の山頂直下に立つ有人小屋です。
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今シーズンは既に小屋締めしており、2階の避難小屋スペースだけが解放された状態でした。越後駒ヶ岳の山バッジが欲しかったのですが、残念ながら買えずじまいです。

まあ、体の良い再訪の口実が出来たのだと、無理やりポジティブに受け止めておきましょう。次回の目標は中ノ岳の登頂です。

駒の小屋まで来れば、山頂はもう目の前です。ラストスパートをかけて行きましょう。
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山麓は緑で中段は紅葉し、山頂付近は冠雪して白いと言う状態の事を、三段紅葉などと呼んだりします。本日の越後駒ヶ岳は、麓まで隙間く紅葉していてもう緑の部分は無いので、二段紅葉と言ったところでしょうか。
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遠くに燧ヶ岳(2,356m)と日光白根山(2,578m)の姿が見えます。東北地方最高峰と、関東地方最高峰のツーショットです。どちらも既に山頂付近は白くなっていました。
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山頂直下には、思いのほか結構しっかりとした量の雪が積もっていました。10月末の時点で既にこの状態とは、流石は世界有数の豪雪地帯の山です。
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越後駒ヶ岳の山頂部は、細長い回廊状となっています。前方に見えているのが最高地点です。
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もうだいぶとけてしまってはいますが、稜線上の灌木には霧氷が付着していました。もう少し早くに辿り着ていれば、キラキラと光り輝く光景を目の当たりに出来たのでしょうけれど。
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ここまで一切見えていなかった、魚沼側の展望が開けました。目の前には八海山(1,778m)が横たわっています。
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こちらは日本の中央分水嶺を形成する、上越国境地帯の山並みです。右手前の大柄な山は巻機山(1,967m)でしょうか。
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いつまでも勿体ぶっていないで、いいかげん山頂に向かいましょう。今は雪に埋まっていますが、この山頂手前の稜線は木道となっているらしく、トレースと外れるとかなり盛大に踏み抜きました。
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10時15分 越後駒ヶ岳に登頂しました。枝折峠を出発してから、実に4時間30分をかけての登頂です。いやはや遠かった。
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山頂標識には頭に越後とも魚沼とも付けずに、ただ駒ヶ岳とだけ書かれていました。これは「甲斐や木曽がナンボのモンじゃい。越後こそが元祖駒ヶ岳なのだ」という新潟人の気概(?)を示しているのでしょうか(←たぶん違います)

山頂の様子
そこそこ広い山頂ですが、人気の百名山らしく大勢の登山者が所狭しと休憩していました。
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山頂からは360度全方位に展望が開けています。眺望に関しては大いに期待して良いですよ。

5.越後駒ヶ岳山頂からの展望

山頂からの景色の中でも一番目を引くのは、やはりこのお隣の山、八海山です。古くから修験の山として名高い岩峰です。
越後駒ヶ岳から見た八海山

この鋸の歯のようにギザギザしている稜線を見れば、この山が如何にヤバい山であるのかは一目瞭然でしょう。正直私は、この山に関しては一度歩けばもうそれだけでお腹いっぱいです
越後駒ヶ岳から見た八海山

八海山の背後には、頚城山塊と北アルプス後立山連峰の山並み。つまり、あの辺りは長野県だという事ですね。
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反対側には、秘境奥只見の山々が広がります。秘境と言うよりは、魔境とでも読んだ方がシックリと来るかもしれない。
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荒沢岳の背後には、その名の通りに平たい平ヶ岳(2,141m)の姿が見えます。あの山は越後駒ヶ岳どころではなく遠かったですが。
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眼下には米所として名高き魚沼市の街並みです。だいぶ霞んでいますが、彼方には日本海も見えます。
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北には下越地方の山並み。正面に見えているのは守門岳(1,537m)かな。ほとんど足を踏み入れたことの無い一帯なので、山座同定にイマイチ自信がありません。
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昨夜通った国道352号が眼下に見えます。これはまた、いかにも酷道と言う呼び名にふさわしそうな道ですね。よくまあ、こんなところに道を通したものです。
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そして上越国境地帯、谷川連峰の山並みです。分水嶺の山々が、文字通り壁のように立ちはだかっている様が良くわかるかと思います。
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この燧ヶ岳は、どこから見てもかなり目立ちます。遠目には二つの頂を持つ双耳峰のように見えますが、実際には二つどころではなく五つのピークを持つ複雑な地形の火山です。
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眼下に銀山平森林公園のキャンプ場が見えます。越後駒ヶ岳へ公共交通機関を利用して登りたければ、この銀山平に前泊して翌日の早朝にスタートするのが最も無難だと思います。
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6.越後駒ヶ岳登山 下山編 枝折峠までの長ーい道のり~ピストンとはそう言うものです

10時40分 山頂を辞去し、下山を開始します。この先の長い長い道程をよく知っているだけに、イマイチ意気は上がりませんな。
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10時50分 駒の小屋へと戻ってきました。小屋の裏手のベンチでシャリを腹に収めて、下山に向けた気合を入れ直します。
越後駒ヶ岳 駒の小屋

駒の小屋からしばらくの間は、油断のならない道が続きます。こういう岩と雪が微妙にミックスした下りと言うのは、アイゼンがあってもなくても危険で、履いたままにするか外すかで判断に迷うポイントです。
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それにしても、越後駒ヶ岳は百名山の中では比較的地味な山であると言う風潮は、どこで生まれてしまったものなのだろうか。この圧巻な光景の一体どこが地味だと言うのでしょうか。
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豪雪地帯の山らしい、谷が深く切れ込んでいます。なかなか険しい山容をした山です。
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これから歩いて行かなければならない、グネグネとした尾根道の全容が良く見えます。毎回下山の度に思う事なのですが、こんなに歩いたっけか。
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天気予報の通り、正午を過ぎると山頂の上空に薄く雲がかかり始めました。何とか眺望を台無しにされる前に逃げ切れたようで。
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再び紅葉が盛りの標高まで下って来ました。関東地方の山のとでは、紅葉の規模がまるで違っておりますな。
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ひたすら小刻みに登ったり下りたり。繰り返しになりますが、まったくキツくはありません。ただひたすら長いと言うだけです。
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13時10分 道行山の分岐地点まで戻って来ました。帰りは寄り道せずに素通りします。
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眼下に奥只見湖が見えて来ましたが、枝折峠まだはまだもうひと道あります。頑張って歩きましょう。
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朝方に雲滝を眺めた場所も、帰路ではこの通りすっかりと晴れていました。奥只見湖を覆い隠していたあの雲は、すべて流れ出してしまったのでしょうか。
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13時55分 明神峠まで戻って来ました。だいぶ疲れてきましたが、もうあとひと踏ん張りなので、このまま休まずに下山を続けます。
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日が傾いて来ました。秋の日はつるべ落としとは本当によく言ったもので、すっかりと陽が短くなりましたな。
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ようやくゴールの枝折峠を視界に捉えました。朝方には三脚がズラリと並んでいた尾根上も、今は静かなものです。
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ここを通過したのはまだ薄暗い朝方だったので良く見えていませんでしたが、凄まじいばかりの紅葉っぷりです。上から下まで隙間なく紅葉しております。
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奥只見湖上を行く観光汽船の姿が見えます。船上からの眺めは、さぞや素晴らしいものとなっていることでしょう。
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14時25分 枝折峠に戻って来ました。朝は駐車場からこぼれ出しそうなほどに溢れかえっていた車も、すっかりと少なくなっていました。
枝折峠駐車場

7.越後駒ヶ岳登山 帰宅編 銀山平温泉と、恒例の関越道大渋滞

さあ、あとはもう温泉に浸かって帰宅するだけです。ひとまずは枝折峠から銀山平へと下ります。
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沿道は今まさに紅葉の真っ盛りです。そのためか、秘境を行く酷道とは思えないほどに頻繁にすれ違いが発生して神経を使います。もっとも、私は助手席でふんぞり返って写真を撮っているだけですが。
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銀山平森林公園の中にある白銀(はくぎん)の湯へと立ち寄って行きます。露天風呂から越後駒ケ岳を一望できる好立地にある温泉です。入浴料は650円なり。
白銀の湯

この銀山平森林公園は、山頂からよく見終えていたという事は当然逆もまたしかりな訳で、この通り越後駒ヶ岳の姿が良く見えました。
白銀の湯から見た越後駒ケ岳

受付に田中陽希のサインが飾ってありました。何しろ周りは登るべき名山だらけな場所ですからね。当然立ち寄って行ったことでしょう。
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帰りは危なっかしい酷道を通らず、安心安全(?)な奥只見シルバーラインを下ります。よもや2年連続でこの道を通ることになろうとは。行きも帰りもイヤな顔一つせずに運転してくれた友人には、ただただ感謝です。
奥只見シルバーラインのトンネル
来年もまた来ていたりしてね。次回は荒沢岳かな。

1年前の平ヶ岳訪問時は、高速に乗る時点から辺りはすっかり真っ暗な状態でしたが、今回はまだ周囲が明るいうちに撤収となりました。
関越道小出インター

関越自動車道の車窓から越後駒ヶ岳に別れを告げます。さらば越後駒。地味なんてとんでもない、素晴らしき山でした。
関越道から見た越後駒ヶ岳

その後は結局いつも通りの大渋滞に巻き込まれつつ、長い長い帰宅の途につきました。
関越道の大渋滞

かくして晩秋の越後駒ヶ岳への訪問は、大満足の内に幕を下ろしました。
本文中でも繰り返し述べた通り、いったい何故この山が地味であるかのような扱いされているのか、まったくもって理解が出来ません。絶景に次ぐ絶景の飽和攻撃を前にして、圧倒され続けた一日でありました。紅葉も大変素晴らしかったですが、豪雪地帯の山らしく初夏には稜線上が花で溢れかえるらしいので、その頃にも訪問してみたいものです。
交通アクセスが容易であるとは言い難い奥地にある山ですが、訪問の手間に見合うだけの価値がある山であることは保証します。枝折峠からであれば、8時間少々あれば往復できます。長めのコースタイムを見て躊躇していた方も、是非訪れてみてください。

<コースタイム>
枝折峠(5:45)-明神峠(6:30)-道行山(7:25)-駒の小屋(9:55)-越後駒ヶ岳(10:15~10:40)-駒の小屋(10:50)-道行山(13:10)-明神峠(13:55)-枝折峠(14:25)

越後駒ヶ岳山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. もうもう より:

    オオツキ様

    相当前のことですが奥只見にスキーをしに行きましたが、遠いこともあり情報も仕入れていなかったので越後駒ヶ岳への登山は考えたことも有りませんでした。

    いつの日か偶然に滝雲を見ることが出来たら良いと思っていましたが、紅葉と滝雲を見られるなんて最高でしたね。

    新潟県の山に登ったことが少ないので、苗場山、巻機山、雨飾山を行った後に是非登って見たいと思いました。

    • オオツキ オオツキ より:

      もうもうさま
      コメントをありがとうございます。

      何故か人気が無いんですよね、越後駒ヶ岳は。良い山であることは間違いないのですが、やはり遠すぎるからでしょうか。