日向山 八ヶ岳を正面に望む天上の砂浜

日向山 雁ヶ原の砂浜
山梨県北杜市にある日向山(ひなたやま)に登りました。
甲斐駒ヶ岳の前方に立ち、赤石山脈(南アルプス)の前衛とでも言える位置に存在する山です。山頂部に雁ヶ原と呼ばれる花崗岩が露出した場所があり、あたかも山の上に砂浜があるかのような独特の景観が広がります。
八ヶ岳連峰の大パノラマを目の前に一望する、天空のビーチへと繰り出してきました。

2019年10月06日に旅す。


今回は天空のビーチなる通称を持つ南アの前衛峰、日向山へと登って来ました。山頂部に真砂が堆積した砂浜のような一画があることで知られる山です。
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日向山は隣接する甲斐駒ヶ岳と同様に花崗岩でできた山です。傍らにはその甲斐駒ヶ岳を水源とする尾白川が流れ、渓谷を形成しています。
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尾白川は名水百選にも選ばれている、国内屈指の清流です。花崗岩に磨かれたが清流が作り出す尾白川渓谷は、景勝地として広く知られる存在です。

白州にはこの名水を利用したサントリーの白州蒸留所が存在します。またミネラルウォータの大定番商品である南アルプス天然水も、白州工場で製造されています。まさしく水の山です。

日向山は公共交通機関によるアクセスはお世辞にも良好とは言えない場所に存在し、訪問にはマイカーの利用が推奨されています。少々下道歩きが長くはなるものの、一応は路線バスによるアプローチも可能です。
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本当は尾白川渓谷沿いを歩いて山頂へ向かうコースを歩きたかったのですが、渓谷経由のルートは土砂崩落により無念の通行止めでありました。
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通行止めにより若干のガッカリ感が伴う山行きではありましたが、名高い天空のビーチからの眺望を存分に楽しんできました。

コース
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道の駅はくしゅうより、下道を歩いて登山口のある白州観光尾白キャンプ場へ行き、そこから山頂を往復します。尾白川渓谷沿の林道が崩落しているため、現状はこのルート以外の選択肢はありません。

1.日向山登山 アプローチ編 電車と路線バスで行く、清流の里白州への旅路

6時12分 JR高尾駅
山梨方面へお出かけ時の大定番である、6時14分発の松本行き電車に乗り込み韮崎へと向かいます。
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特急あずさ?あんな自由席すらないようなブルジョワな乗り物はお呼びではありません。

8時2分 韮崎駅に到着しました。地元の人に聞いた話では、韮崎の発音は「ら」をあげずにフラットに読むのが正しいそうです。
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今日も韮崎市を見守る平和観音像。高さは16.6メートルあり、関東三観音なるものの一つに数えられています。桜の名所なので、訪問するなら春がオススメです。
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ちなみに、残りの二つは群馬県の高崎観音と鎌倉の大船観音です。大船のは確か、上半身しかなかったような。

駅の北には、ニセ八ヶ岳の異名を持つ茅ヶ岳(1,704m)が佇んでいます。なんとなく八ヶ岳に似ていると言うだけの理由でニセ物呼ばわりされる、不遇の山です。
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韮崎から8時45分発の下教来石(しもきょうらいし)線のバスに乗車し、道の駅はくしゅうへと向かいます。まだ発車まで時間があるためか、バス停は閑散としていました。
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このお値段以上な感じの響きがする名前の建物は、韮崎市民交流センターなる複合施設です。地域物産コーナーなどがありますが、コンビニはありません。
191006日向山_012ニトリは無いけれどニコリならあると言うのが、韮崎市民の定番のジョークらしいですよ。

きっかり時刻表通りにバスが現れました。結局、私の他に乗客は現れず、貸し切り運行でした。
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この路線は韮崎市と北杜市が共同で運営する市民バスです。山梨交通に業務委託しているらしく、通常の路線用バスで運行されており、交通系ICカードにも対応しています。

バスの車窓からは、七里岩と呼ばれる崖が延々と連なっている様を眺めることが出来ます。
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この断崖線は、かつて八ヶ岳の山体崩壊によって発生した大量の土砂が、甲府盆地へと流れ込んだ跡です。上空から見るとまるでニラの葉の様な形状をしており、それが韮崎と言う地名の由来となっています。

平和観音像がある場所が、この七里岩の先端の部分にあたります。

9時16分 道の駅はくしゅうに到着しました。ここまでの運賃は850円です。意外と高いですが、需要の少なさを考えると致し方ありません。
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晴れていれば、道の駅からは真正面に甲斐駒ヶ岳の雄姿を拝むことができます。晴れていればね。
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ちなみに、これから目指す日向山はこれです。幸いなことに、日向山はギリギリのところでガスに埋没するの免れていました。
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名水の里として知られる白州だけあって、道の駅には水汲み場がありました。遠方からわざわざポリタンクで汲みに来る人もいるのだとか。
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道の駅の建物の前には小川が造成されており、小鳥が水浴びにやってくる様子を眺めたりも出来ます。写真に撮ろうとした矢先に逃げられてしまいましたが。
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2.下道を歩き、尾白川渓谷の入り口へ

道の駅で身支度を整えて、9時30分に行動を開始します。登山口のある尾白川渓谷キャンプ場までは、およそ1時間ほどの道のりです。
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目的地は真正面に見えているので、まず道に迷う事は無いでしょう。

路肩に咲くコスモスはもう終わりかけです。標高の高い高原地帯にあるだけあって、都内に比べて季節の移ろいは早めです。
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唐突ですが、山梨県の名物はなにか?と問われた時に、真っ先に思い浮かぶものは何でしょう。
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私は1番にほうとう2番に桔梗信玄餅と来て、3番目はこのハッピードリンクショップです。これがかなり偏った意見であると言うことは認めます。

左手後方にはニセ八ヶ岳、いやもとい茅ヶ岳が見えます。八ヶ岳と間違われるだけのことはあって、かなり目立つ存在です。
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一方、右手後方にある本物の八ヶ岳はと言うと、こちらも甲斐駒と同様に雲隠れを決め込んでいる最中でした。
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田園地帯の真ん中に、どこまでも一直線に続く道。良いですねえ。スタンドバイミーな感じがします。
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「べるが」とはいったい何のことでしょう。人の名前?
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晴れていれば、この辺りに甲斐駒ヶ岳の頭が見えているはずです。八ヶ岳と言い、今日は標高の高い山が軒並み雲隠れ中です。
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八ヶ岳(本物)の雲が少し取れて来ました。権現岳は相変わらず隠れたままですけれど、編笠岳の頂上が見えました。
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このべるが通りは中々長いです。平坦な舗装道路歩きだと、普段は大抵は標準コースタイムの7割くらいで歩けるのですが、ここはほぼコースタイム通りの時間を要しました。
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枕木を販売中だゾウ。良くわかりませんが、枕木というのは一般に販売されている物なのでしょうか。使い道がまったく思い浮かびませんが。
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この付近は別荘地なのか、瀟洒な建物が多く建っていました。
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日向山に近づくと、視界の開けた田園の光景は終わり道は森の中へと分け入っていきます。ひんやりとした空気が気持ち良い。
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道の駅はくしゅうから45分ほど歩いたところで、尾白川渓谷入口の駐車場に到着しました。
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駐車場の脇に食堂があります。この日は割と閑散としていましたが、夏には水遊びに来る人で大変混みあうのだとか。
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ここが尾白渓谷歩道の入り口となります。登山届の投函ポストがあるので提出して行きましょう。
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3.尾白川渓谷を少しだけ散策する

入口から少し入った場所に白州観光尾白キャンプ場があり、そこまでは未舗装の車道が続いています。
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やがて森の中に、キャンプ場が姿を現しました。
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キャンプ場の入り口に売店があります。ここに日向山の山バッジが売られているので、バッジコレクターの方は忘れずに立ち寄りましょう。
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売店の目の前に日向山方面への登山口があります。尾白川渓谷経由のルートは通行止めであるため、現状はここから登るしか選択肢はありません。
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ですがせっかくなので、少しだけ尾白渓谷を見物して行くことにしましょう。入り口からそう遠くない場所にある、千ヶ淵と呼ばれる滝にまで行ってみようかと思います。

尾白渓谷方面の先へ進むと、駒ヶ岳神社があります。
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甲斐駒ヶ岳そのものをご神体として祭っている神社です。奥の院は山頂にあり、ここは里宮にあたります。
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吊り橋を渡って尾白渓谷へと足を踏み入れます。なお、立て看板にある白州町は平成の大合併により消滅し、現在は北杜市の一部です。
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だいぶ年季の入った吊り橋です。横幅が狭く、橋の上でのすれ違いは出来ませ。定員は5名とのこと。
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橋の下に流れるのは尾白川です。いかにも花崗岩の川らしい、透き通った清流が流れていました。
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千ヶ淵へ向かうには、橋を渡った先で河原へと下ります。
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なおこの分岐を直進すると、甲斐駒ヶ岳へと続く黒戸尾根コースとなります。黒戸尾根は山頂までの標高差が実に2,200メートルもあると言う、非常にストイックな道です。いつか歩いてみたいな。

大きな岩の散乱した道なき道を行きます。観光地な割には割とワイルドな道ですね。
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美しき清流の光景にしばし癒されます。
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10時30分 千ヶ淵まで歩いて来ました。思わず飛び込みたくなるような光景ですが、遊泳は禁止されています。
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わざわざ遊泳禁止の立て看板が目立つ場所に立てられていたので、実際に飛び込む人間がそれだけ多くいたのでしょう。人間、考えることは一緒ですね。

千ヶ淵は、岩の表面を舐めるようにして流れる滝です。奥まった場所にあるため目の前までは行けませんが、かなり独特の景観を作り出しています。
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尾白川渓谷を巡る道はこの先も続いており、グルっと周回することも出来ます。ただし、林道の崩落により日向山方面への通り抜けは出来ません。
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「崩落と言っても少し高巻けば通れるんじゃない?」と言う邪な考えが一瞬脳裏をよぎりましたが、地形図を見返して考えを改めました。

実際に崩落の現場を見たわけではありませんが、尾白川渓谷は極めて急峻な谷であり、道なき道を迂回するのには大きな危険が伴いそうです。沢屋さんであらば、どうと言うことは無いのかもしれませんが。

という事で、大人しく元来た道を引き返します。
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10時55分 日向山の登山口まで戻って来ました。ここから山頂を往復します。
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4.日向山登山 登頂編 緩やかな森の道を登り、天空のビーチがある頂へ

登り始めて早々から、緩やかな自然林の道が続いています、大変歩きやすい道ではありますが、単調であるともいえます。
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道の脇に石室がありました。炭焼き窯の跡か何かでしょうかね。
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晴れてきたらしく、眩い木漏れ日が登山道に降り注ぎます。まだ芽吹いても間もない葉のことを新緑と言いますが、紅葉する直前の葉のことは、晩緑とでも呼べば良いのでしょうかね?
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11時40分 矢立石登山口まで登って来ました。延々と山道を登ってきた先にあったのが登山口だと言うのも、なんだモヤモヤした気分になります。
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見ての通り、車でお越しの人はここまで上がってこれます。ただし駐車スペースのキャパは小さめです。いっぱいだったときは、尾白川渓谷入口の駐車場に止めて、歩いて登って来るしかありません。
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矢立石登山口付近には赤松林が広がっています。マツタケ泥棒が後を絶たないと見えて、半ば恫喝的な文言のキノコ採り禁止の看板が掲げられていました。
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今の所、道中の光景にはあまり変化が無く、広葉樹の森が広がっています。ドングリなどの餌が豊富であるためか、日向山は熊の目撃情報の多い山です。
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花崗岩が露出した地面がチラホラと姿を見せます。山頂にある天空のビーチを形成しているのは、風化して砂状になった花崗岩である真砂です。
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標高が上がるにつれて、周囲は次第に針葉樹林へと変わって来ました。
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コース上にはこのように、10号刻みの道標が設置されています。しかし間隔が全然均等ではなく、山頂に近づくほど一号当たりの間隔が短くなって行きます。
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体感的には、この五合目の標識のある地点が大体7合目くらいです。

急坂はなく、どこまでも緩やかなる道が続きます。日向山が、初心者向きの山と言われる所以です。
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八合目を過ぎるたところで登りはほぼ終わり、平坦な道になりました。
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日向山の山頂部は非常に広々としています。ビーチがある雁ヶ原と呼ばれる一帯は、山頂部の西端にあります。
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途中に三角点へと続く分岐があります。私は別段三角点マニアであると言う訳でもないので、ここは素通りしました。
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やがて前方に、絶景の予感がする光景が見えて来ました。
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森を抜けるなり、突然姿を現す砂浜の光景です。
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12時55分 日向山に登頂しました。矢立石登山口を出てから、1時間と15分での登頂です。なるほどたしかに、お手軽で初心者向けな道程でありました。
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山頂の様子
ビーチと称される、真砂の堆積した空間が広がっています。かなり広大な空間です。
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5.天空のビーチから望む眺望

樹木のない雁ヶ原からは、北側の展望が開けています。目の前には八ヶ岳連峰が、その巨大なる山塊を惜しみなく晒しています。
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眼下に広がる田園地帯は小淵沢の集落です。山頂からは、この通り駅の建物もよく見えます。
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山頂から駅が見えるという事は、当然ながら逆もまたしかりです。小淵沢駅の屋上にある展望所からは、日向山の山頂にある砂浜が良く見えます。
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北八ツの蓼科山は雲隠れ中です。横から見た時には、まっすぐと南北に並んでいるかのように見える八ヶ岳ですが、北八ヶ岳の一帯は大きく西側に湾曲しています。
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こうして同時に並べてみると、ニセ物と本物の貫禄の違いは明らかです。
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眼下の森の中に見えるこの平たい屋根の建物の群れは、サントリーの白州蒸留場です。シングルモルトウイスキー白州は、ここで貯蔵されています。
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なお雁ヶ原の全容は、山頂標識のある地点から西側に少し下った所からの方が良く見渡せます。
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日向山を写した写真としては、最も定番なアングルの光景です。白亜に輝くその姿は、まさしく天空のビーチと言ったところです。
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なお砂浜のすぐ下は、急峻なザレ場となっています。あまり際には近づき過ぎない方が無難です。
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お隣の立つのは雨乞岳(2,037m)です。左下の方にあるザレ場は水晶ナギと呼ばれています。日向山と同様に山梨百名山にも選ばれている山ですが、人気の方はいま一つのようです。
日向山から見た雨乞岳

甲斐駒ヶ岳は依然として雲隠れ中でした。今日は、姿を見せるつもりは一切ないようで。
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6.日向山登山 下山編 緩やかなる初心者向けの山は、下山もあっという間

14時 素晴らしすぎる光景を前にして、少々長居し過ぎてしまいました。ボチボチ下山を開始しましょう。
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朽ちた切り株を苗床に、新たに宿る森の命。高山植物が生育するほどの標高はないため、日向山は全般的に花には乏しい山です。
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カラマツから垂れ下がったこのとろろ昆布のような物体は、サルオガセと言う名のコケの一種です。空気中の霧などから水分を経て生きています。
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登山道に西日が差し込み始めました。まだ15時前だと言うのに、すっかり日が短くなりましたな。
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緩やかな道であるが故に、下りはあっという間です。下山開始から15分そこらで、もう五合目まで下って来ました。
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本当に、どこまでも歩きやす山です。例え困難な道であろうと、本当は渓谷沿いの道の方を歩きたかったのですがね。
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下山開始から50分で矢立石登山口まで下って来ました。車でお越しの人からすれば、驚くほどあっけない山でありましょうな。
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もっとも私は、これからまた道の駅はくしゅうまで歩いて戻らないとならない訳ですがね。
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本日のベストオブきのこ。凄い大きさですが、これは食べられるのでしょうか。
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15時30分 その後もサクサクと下り続け、登山口まで戻ってきました。売店が早くも閉まっておりますね。行きにバッジを買っておいて正解でした。
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駐車場の車もすっかりと少なくなっておりました。公共交通機関利用だと、時間が遅くなってしまうのは如何ともしがたいです。
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沿道にはススキの穂が育ちつつありました。もうすっかり秋ですねえ。
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再びべるが通りをトボトボと歩いて戻ります。正面の右側に見えているのは、たぶん金峰山(2,599m)です。
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朝から変わらぬ姿の茅ヶ岳。終日ピリッとしない天気ではありましたが、最後まで崩れずに持ちこたえてくれました。
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本物の八ヶ岳は再び雲隠れ。このアングルから見ると、一つの大きな山のようにも見えます。
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食われる!鳥の巣箱が食われてしまう。
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16時35分 無事にスタート地点の道の駅はくしゅうまで戻って来ました。帰りのバスが来るまではまだ1時間以上あるので、道の駅で買い物をして時間を潰しました。
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韮崎行きの最終バスの時刻は17時39分です。それを過ぎてしまったら、小淵沢駅からタクシーを呼ぶしかありません。だいたい3,000円くらいで行けるようです。

時刻表よりやや遅れて現れたバスに乗り込み、帰宅の途につきました。
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以前より日向山の名は、大変に素晴らしい山であるとたびたび耳にしておりました。今回はようやく訪問することが叶いました。比較的手軽に登れる山でありながら、山頂にはここにしかないオンリーワンな光景があり、人気があるのにも納得の山でありました。
ご覧いただいた通り、公共交通機関利用でも日帰りで日向山へ登ることは可能です。可能ではありますが、尾白川渓谷巡りと日向山の両方を一度に巡ろうと思うと、時間的には厳しいものがあります。渓谷から日向山へと抜ける林道が復旧してくれればその限りではありませんが、放置期間の長さからして、北杜市はすでに復旧を断念してしまっているのかもしれません。
砂浜の光景ばかりが強調されがちですが、この山の魅力を語る上で、尾白川渓谷の存在を外すことは絶対に出来ません。いつかまた、渓谷沿いを歩くことの出来る日が訪れることを願ってやみません。

<コースタイム>
道の駅はくしゅう(9:30)-尾白川渓谷入口(10:15)-千ヶ淵(10:30)-日向山登山口(10:55)-矢立石登山口(11:40)-日向山(12:55~14:00)-矢立石登山口(14:50)-日向山登山口(15:30)-道の駅はくしゅう(16:35)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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