武奈ヶ岳 琵琶湖の西岸に連なる比良山地の最高峰

御殿山付近から見た武奈ヶ岳の山頂
滋賀県大津市にある武奈ヶ岳(ぶながたけ)に登りました。
琵琶湖西岸に連なる比良山地の最高峰です。標高1,200メートル少々の低山ですが、日本海側気候の影響を受ける立地にあるため、冬には豪雪地帯となる山域です。豪雪の影響により森林限界高度が低く、山頂付近は360度全方位の展望が開けています。日本二百名山にも選ばれており、登山者に人気の高い一座です。
慌ただしき日帰り弾丸で、遠路はるばる滋賀県の名峰を巡って来ました。

2022年5月22日に旅す。

どこかに晴れている山は無いのかッー

時は関東甲信の全域がピリッとしない曇天に覆われていた5月下旬の週末。晴天を求めて、遠路はるばる滋賀県の武奈ヶ岳へと遠征してきました。
武奈ヶ岳の山頂
琵琶湖の西岸に連なる比良山地は京都や大阪からのアクセスが良く、京阪神に住む登山者にとっては近くて良い山の代表格と言える山域です。

さしずめ関東で言うところの、奥多摩や丹沢ポジションの山域と言ったところでしょうか。

雪解け水が豊富な豪雪地帯の山らしく、山中には八雲ヶ原と呼ばれる湿原地帯まで備えています。眺望あり湿原ありと、見どころが盛りだくさんな山です。
武奈ヶ岳 八雲ヶ原湿原
この武奈ヶ岳には以前より興味があったものの、東京からだとおいそれと気軽に訪問できる距離でもないため、これまでずっと訪問が後回しになっていました。

今回ようやく覚悟を決めて、新幹線を利用した日帰りの弾丸で訪問してきました。

かくして訪れた比良山地の最高峰。予報通りの快晴に恵まれた会心の山行きでありました。
武奈ヶ岳の稜線

コース
220522武奈ヶ岳-map
坊村(ぼうむら)バス停からスタートし、御殿山を経て武奈ヶ岳に登頂します。その後は八雲ヶ原を経由して、シロヤシオの名所である釈迦岳へ。

釈迦岳からは、湖西線の比良駅まで直接歩いて下山します。比良山地を西から東へと横断する行程です。

1.武奈ヶ岳登山 アプローチ編 新幹線で行く滋賀県への旅路

5時52分 JR品川駅
滋賀県の山への日帰り登山を可能としてくれる魔法の乗り物新幹線で、京都へと向かいます。わざわざ東京から日帰りで武奈ヶ岳に登りに行く登山者と言うのは、はたしてどれくらい存在するものなのだろうか。
品川駅の新幹線ホーム

朝からピリッとしない空模様の関東地方を脱出し、晴天の予報が出ている西日本へとひた走ります。名古屋を過ぎた辺りから、予報の通りの青空が広がり始めました。
東海道新幹線の車窓風景

8時3分 京都駅に到着しました。本日の山行き計画はコースタイム的に結構な長丁場で、下山後に京都を観光するだけの時間は捻出できそうにもありません。今回はただの通り道です。
京都駅の新幹線ホーム

京都駅で琵琶湖の西岸を走る湖西線に乗り換えます。西日本の鉄道事情には疎いのですが、とりあえず新快速と言うのに乗っておけば早くて快適です。
京都駅の在来線ホーム

やがて車窓に琵琶湖が見えて始めました。ぱっと見では、海である様にしか見えませんな。
湖西線の車窓から見た琵琶湖

8時35分 堅田(かたた)駅に到着しました。堅田は琵琶湖西岸の水運の拠点として古くから栄えてきた街です。現在も京阪神地区のベッドタウンとして大きく発展しています。
堅田駅のホーム

8時50分発の細川行きバスに乗車します。乗り場があるのは山側の西口です。登山者が大勢並んでいるので、行けばすぐにわかります。
堅田駅西口のバス乗り場
この細川行きバスは減便に次ぐ減便により、現在は土休日の朝一往復しか運行されていません。実質、武奈ヶ岳に登る登山者専用のような路線です。

また、冬期には運休となりますのでご注意ください。

9時35分 坊村バス停に到着しました。もっと山奥の何もないような場所を思い浮かべていたのですが、以外にも集落がありました。葛川に沿った風光明媚な場所です。
坊村バス停
前述の通り、このバス亭を通過するバスは朝の一便のみです。ここへ下山してきても、帰りの便はありませんのでご注意ください。

2.新緑が眩い比良の森の行く

バス停の目の前に公衆トイレがあり、ここで出発の準備を整えられます。軽く周囲を伺った限りでは、コンビニなどはなさそうでした。
坊村バス停の公衆トイレ
ここ坊村を始めとする葛川の流域には相当古い時代から集落が存在し、いかにも歴史のありそうな古風な建物が多く残っています。

身支度を整えて9時45分に登山を開始します。この地主神社の鳥居は潜らずに、手前の道を左へと入って行きます。
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三宝橋と銘打たれた瀟洒な太鼓橋を渡り、明王院の境内へ進みます。紅葉の名所として名高い場所ですが、今の季節は圧倒的な緑に覆われた空間です。
葛側明王院の三宝橋

奥まで進んだ所で、登山口がありました。武奈ヶ岳とは書いてありませんが、この御殿山コースを登ります。
御殿山コースの登山口

スズメバチの巣があると言う注意喚起があり、かなり警戒しながら歩いていたのですが、遭遇することはありませんでした。
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蜂にこそ出会わなかったものの、武奈ヶ岳には蛇がやたらと沢山いました。

登り始めて早々から急登が続きます。麓の近くは、まるで奥多摩のような圧倒的杉林となっていました。
武奈ヶ岳の杉林

立ち上がりの急登が少し緩んできたところで、背後の展望が少しだけ開けました。見えているのは比良山地の一部なのでしょうけれど、まったく土地勘の無い場所なので何と言う山なのかはわかりません。
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尾根に乗ったところで、周囲は何時しか杉林から広葉樹の自然林へと変わりました。新緑が綺麗ですねえ。
御殿山コースの新緑
武奈ヶ岳は非常に人気の高い山であると聞いていたのですが、周囲にはあまり人影もなく静かなものです。坊村からの縦走ルートを歩く人は、どうやら少数派であるようです。

何を現しているのか不明な、赤字でMと書かれた標識がかかっていました。・・・近くに緑字で書かれたLもあるのではないかと、思わず探してしまいました。マンマミーヤ。
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途中で冬期ルートと無雪期ルートの分岐があります。今は雪は無いのでなので、当然無雪期ルートへと進みます。
武奈ヶ岳 御殿山コースの無雪期ルート分岐

無雪期ルートはトラバースになっていました。なるほど確かに、雪が付いている時だと左へ滑り落ちそうな道です。どうやら冬期ルートの方は、尾根を忠実に辿るようです。
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トラバースが終わると、今度は涸沢に沿って緩やかに登ります。武奈ヶ岳と言う名前の通りに、この標高付近には見事なブナ林が広がっていました。
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豪雪地帯の山らしく、雪の重みに負けて曲がってしまった木の幹が目立ち始めました。現在地はまだ標高1,000メート未満であるにも関わらず、早くも森林限界に近付きつつあるようです。
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冬期ルートと合流しました。ここまでくれば、御殿山まではもうあと一息です。
御殿山コース 期ルートとの合流地点

本当に素晴らしいブナ林です。御殿山ルートは新緑も良い感じですけれど、紅葉シーズンに歩いてもきっと素敵な光景に出会えることでしょう。
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前方の視界が開けました。御殿山に辿り着いたようです。
御殿山の山頂

11時40分 御殿山に登頂しました。ルート名の由来ともなっている、武奈ヶ岳の手前に位置しているピークです。
御殿山の山頂

ここまで来てようやく、武奈ヶ岳の姿を視界に捉えました。さあここからは、森林限界越えの魅惑の稜線歩きが始まりますよ。
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3.武奈ヶ岳登山 登頂編 好展望の稜線を歩き、琵琶湖を一望する比良山地最高峰頂へ

御殿山からは、鞍部のワサビ峠に向かって一度ゆるやかに標高を落とします。幸いなことに、ここでは大した登り返しではありません。
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「ここでは」とことさらに強調したのは、この先の八雲ヶ原ではかなりガッツリ標高を落とすからです。

鞍部まで下って来ました。しかしワサビ峠と言うのも奇妙な名前ですね。かつてワサビ田でもあったのでしょうか。
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ワサビ峠から登り返したところで、遂に森林限界を越えました。周囲の展望が開けますが、同時にここから先は直射日光に晒され続けることになります。くれぐれも日焼け対策だけは怠らぬように。
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振り返ってみた御殿山方面の光景です。圧倒的なまでの緑いろな空間です。こんな純然たる低山の光景なのに、視界が開けているのも何やら奇妙な感覚です。
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前述の通り、武奈ヶ岳の展望が良いのは、冬の豪雪の影響によるものです。

比良山地のある琵琶湖の西岸一帯は、日本海気候の影響をモロに受ける立地にあるため、西高東低の冬型の気圧配置化においては、とてつもない量の雪が降り積ります。

遠くにスキー場のリフトらしきもののある山が見えます。打見山(1,104m)と蓬莱山(1,173m)です。麓の蓬莱からびわ湖バレイロープウェイにより結ばれており、グリーンシーズン中も観光リフトとして運行しています。
武奈ヶ岳から見た打見山と蓬莱山
比良山地から琵琶湖を眺めたいだけであれば、登山を一切せずともあちらの山から良く見えます。

それにしても、これれは良い稜線ですねえ。とても標高が1,200メートル少々しかない山のものとは思えないような光景です。
武奈ヶ岳の稜線

尾根上では、レンゲツツジがポツポツと花を咲かせつつありました。見頃になるのはもう1週間後くらいでしょうか。関東甲信の山に比べると、開花の時期はかなり早いようです。
武奈ヶ岳のレンゲツツジ

左手に広がっているのは、京都府北部の山域でしょうかね。特徴に乏しい低山が団子になっている山域です。
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一見すると、この前方に見えているピークが山頂のように見えますが、これは偽ピークです。本当の山頂は裏に隠れています。
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撮影が捗りすぎてなかなか歩みが進みません。武奈ヶ岳には数多くの登山ルートが存在しますが、その中では断然この御殿山ルートをお勧めします。理由はこの稜線を歩けるからです。
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ちょっとしたミニ岩場がありましたが、とりたてて難しい要素はありません。危険な個所は存在しないルートであると考えて差支えありません。
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足元に干からびかけたコイワカガミが咲いていました。そのなの通りに岩場に咲く花です。
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偽ピークを越えたところで、本当の山頂が姿を見せました。見るからに展望が良さそうで、期待が高まります。
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琵琶湖が見えました。正面に見えているのは沖島かな。
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多方面からルートが合流するため、山頂は多くの人で溢れかえっていました。流石は人気の山です。
武奈ヶ岳の山頂

12時25分 武奈ヶ岳に登頂しました。坊村を出発してから2時間40分と、そこそこ登り応えのある行程でした。
武奈ヶ岳の山頂

山頂からは視界を遮るものが何もない、文字通り360度の展望が広がります。これは、この後に歩く予定の釈迦岳方面の展望です。
武奈ヶ岳からの展望

琵琶湖も見えていますが、気温が高めであるためかボンヤリと霞んでいました。やはりどう見ても、海にしか見えないですよね。
武奈ヶ岳から見た琵琶湖
空気が澄んでいる日だと、白山や御嶽山なども見えるらしいのですが、本日は無理そうです。

背後の蓬莱山方面の展望です。南北に長い比良山地の山並みが連なっています。
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そして京都の北部方面です。かつて丹波国と呼ばれたこの一帯は、見渡す限りの山また山な場所です。
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山頂には石像が大量に並んでいました。古くから人とのかかわりが強い山であったことが伺えます。
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4.八雲ヶ原湿原を散策する

12時55分 素晴らしき大展望を前に、少々長居が過ぎました。ボチボチ下山に移りましょう。坊村に戻ってもバスは無いので、下山は琵琶湖方面へ抜けます。
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その過程で、武奈ヶ岳と釈迦岳の間の谷間にある、八雲ヶ原湿原を通って行きます。

コヤマノ岳との間にある鞍部に向かって、洗堀されてまるで川底のようになっている道を下ります。
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コヤマノ岳分岐と呼ばれている地点へ下って来ました。このまま八雲ヶ原へ下ることも出来ますが、コヤマノ岳方面へ少し登り返した地点から、パノラマコースなるルートに入ることが出来るらしいので、そちらへと向かいます。
コヤマノ岳分岐

コヤマノ岳の山頂までは登り返さず、その少し手前にパノラマルートへの分岐がありました。
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分岐から先へ進むと、前方に琵琶湖が見えて来ました。パノラマと言っているのはこの光景の事なのでしょうか。
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と思ったら、すぐにさらに視界に開け場所に飛び出しました。ここはかつて、比良スキー場のゲレンデであった場所です。
比良スキー場のゲレンデ跡
比良スキー場は奥まった場所にあったためゲレンデまでのアプローチが非常に悪く、バブル崩壊後のスキー客の減少もあって、2004年の3月末に廃業しています。

パノラマコースと言う名称は、単にこのゲレンデの名前であったたようですな。確かにパノラマが広がりますが、足元はすっかりと洗堀され荒れていました。
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13時45分 八雲ヶ原まで下って来ました。標高900メートル地点にある、西日本の山では珍しい高層湿原です。
武奈ヶ岳 八雲ヶ原湿原

かつてはもっと広大な湿原帯であったそうですが、スキー場の開発により大半が埋めたてられて、今ではこうして僅かにしか残っていません。
八雲ヶ原湿原

水中には、何やら沢山の水生生物が泳いでいました。これはヤモリなのかな。
八雲ヶ原のヤモリ

湿原に向かってガッツリと下ってしまったので、ここからは登り返しです。この斜面もかつてのゲレンデ跡で、八雲ゲレンデと言う初心者向けのコースであったようです。
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八雲ゲレンデから振り返ってみた八雲ヶ原です。足元の地面からは、僅かに水が染み出ていました。この水が湿原へと注ぎ込まれているわけですな。
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かつてはリフトがあったのであろう平坦地へと登り返して来ました。この先は右へ進んで、北比良峠からイン谷口へと下るのが最も一般的な武奈ヶ岳登山の行程です。
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しかし私はあえて反対の左へ進み、釈迦岳へと足を延ばします。と言うのも、釈迦岳にはシロヤシオ群生地が存在すると言う情報を得ていたためです。
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時期的にはちょうど今くらいが見頃であるはずです。そうとあっては、無視するわけには参りません。

5.シロヤシオが見頃を迎えた釈迦岳に寄り道する

と言う事で、ゴールの琵琶湖は足元に見えている訳なのですが、ここからはしばしの寄り道行となります。
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まずは釈迦岳の手前に位置しているカラ岳に向かって、緩やかに登り返します。この狭い道で、蛇に威嚇されてしばしの足止めを食らいました。
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一向に道から退いてくれる気配もなく、シャラシャラと音を立てる威嚇を止めないので、止むおえず藪の中を強引に迂回しました。しかし、やたらと蛇の多い山ですね。目撃したのはこの日5度目です。

この釈迦岳方面のルートは、あまり歩かれてはいないらしく、登山道は全般的に荒れ気味です。周囲からは完全に人影が無くなりました。
220522武奈ヶ岳-068

ここでも道が大きく洗堀されていました。豪雪の山だけに、大量の雪解け水で一気に削られてしまうのでしょう。
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ドウダンツツジがチラホラと咲いていますが、今のところ肝心なシロヤシオの姿は見当たりません。
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山頂らしき場所まで登って来ましたが、山頂はアンテナ施設に占拠されていました。
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14時35分 カラ岳に登頂しました。アンテナ施設の脇に追いやられるようにして、足元にポツンと標識だけが置いてありました。
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カラ岳の山頂付近にシャクナゲらしき木が茂っていましたが、まだ開花時期には速いらしく、花をつけている個体は存在しませんでした。
220522武奈ヶ岳-073

前方に釈迦岳の山頂が姿を現しました。本日最後の登り返しです。気合を入れてラストスパートをかけて行きましょう。
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山頂に近づいてきているにも関わらず、一向にシロヤシオが姿を見せません。ひょっとしてガセ情報をつかまされたのかと疑心暗鬼になってまいりましたぞ。
220522武奈ヶ岳-075

そんな矢先に、ようやくシロヤシオ様が姿を見せて下さいました。ありがたやー。
釈迦岳のシロヤシオ

山頂付近のごく狭い範囲にしか咲いていませんが、かなりの密度の群生地です。
釈迦岳のシロヤシオ width=

山頂が見えてきました。これはまた、どびっきり地味な空間ですなあ。
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14時55分 釈迦岳に登頂しました。ただの蛇足にしては、なかなか骨の折れる寄り道でありました。
220522武奈ヶ岳-079

山頂に展望はありませんが、北へ少し下ると展望の開けている場所がありました。
220522武奈ヶ岳-080

シロヤシオは今がまさに見頃のド真ん中と言ったところで、山頂付近の至る所に咲いていました。
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これで本日の目的は、無事に全て回収されました。後は下山するだけです。
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6.武奈ヶ岳登山 下山編 最終バスを乗り逃し。徒歩でトボトボと比良駅へ下る

さあ帰りましょう。下山はバス停のあるイン谷口方面に向かって下ります。
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下り始めて早々に、分岐がありました。大津ワンゲル道なるルートは難路であると言うことなので、大人しく比良リフトと書かれた方へ下ります。
220522武奈ヶ岳-084
この比良リフトと言うのは、かつての比良スキー場のものであり、現在は存在しません。道標を直す気はないんですね。

シャクナゲと岩場の登山道です。どこか奥秩父を思わせるような雰囲気で、坊村側の登山道とはだいぶ雰囲気が異なります。湖側かそうでないかによって、気候がまるで異なっているのであろうことが伺えます。
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琵琶湖の湖畔に、別の小さな湖があるのが見えます。これは内湖と呼ばれているもので、琵琶湖の周囲にはこうした小さな湖沼が全部で23箇所に存在します。
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以前はもっとたくさん存在したらしいのですが、その多くは干拓されて農地へと転換されています。

この下山途中に見た光景が、この日一番の琵琶湖レイクビューでありました。月並み感想ですが、でっかい湖ですね。
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湖上に架かっている琵琶湖大橋も良く見えました。ここだけを見ると、本当に海にしか見えませんよね。
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満開のヤマツツジがポツンと1本だけあり、やたらと目立っていました。ここだけ陽当たりが良いのでしょうかね。
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沢沿いまで下って来たら、ゴールはもう間もなくです。
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車道の終端まで下って来ました。車でお越しお人は、ここまで入ってこれます。
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いつの間にか琵琶湖との比高も、もう殆どなくなっていました。
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17時 イン谷口バス停に到着しました。ここから湖西線の比良駅行きのバスが出ているのですが、最終便の時間は16時40分です。・・・ふむ、20分前の出来事ですね。
イン谷口バス停
本来であれば、帰りはここから比良駅行きのバスに乗り、途中にある比良とぴあと言う日帰り温泉施設で途中下車してひと風呂浴びて、温泉の送迎バスに乗って駅に戻ると言うのが、最もスマートな武奈ヶ岳登山の計画でありましょう。

釈迦岳に寄り道していなければ十分に間にあったのでしょうけれど、シロヤシオ様にはかえられません。今となっては後の祭りです。

スマートに計画をこなせなかった以上は、無様に駅まで歩いて戻るしかありません。
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舗装道路を道なりに歩いても駅へは行けますが、この桜ノコバと呼ばれている歩道を下ると、多少なりともショートカットが出来ます。
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再び舗装道にぶつかりました。前方を横切っている高架は国道161号の志賀バイパスです。バイパスの下をくぐって、このまま真っすぐ下ります。
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駅への道程について特に道標等はありませんでしたが、湖に向かって下って行けば良いだけなので、特に迷う要素は無いかと思います。
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水田にはダイサギの姿が目立ちます。かなり大柄な鳥なので、不意に目の前で飛び立たれるとちょっと驚きます。
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比良駅が見えて来ました。この湖西線と言うのは、全線が高架になっておりかなり高規格な造りとなっています。水害対策の一環なんでしょうかね。
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振り返ると、水田に見事な逆さ蓬莱山が映っていました。武奈ヶ岳は奥まった場所にあるため、比良駅付近からは見えません。
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17時35分 比良駅に到着しました。イン谷口からは歩いても30分少々の距離であるため、最終バスを乗り逃したからと言って、そこまで嘆く必要はありませんでした。
比良駅の駅舎

ちなみにこの比良駅は新快速が停車しない駅なので、電車の本数は少な目です。駅に到着したタイミングによっては、結構待たされることになります。
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特急サンダーバードが猛スピードで通り抜けて行きました。大阪と北陸を結んでいる特急列車です。私は乗鉄なので、サンダーバードには一度乗ってみたいんだよな。
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特急の後にやって来た鈍行列車で撤収します。
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帰路も往路と同様に、京都駅から新幹線に乗車します。往復新幹線で途方もない旅費を費やした慌ただしき弾丸登山は、こうして無事に終了しました。
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期待していた通りの晴天に恵まれて、西日本への遠征登山は成功裏の内に幕を閉じました。武奈ヶ岳が名峰であると言うことについては、疑念を挟む余地は一切ありません。しかし、果たしてわざわざ東京から日帰りで登りに行くだけの価値があるのか問われると、なんとも言えません。
今回の日帰り登山では、合計すると旅費だけでおよそ2万8千円ほどのコストがかかっています。これだけの大枚をはたいて日帰りしてしまうのはあまりにも勿体ないので、京都観光などと合わせて計画するのが妥当であろうかと思います。
西日本に住まいの方であらば、文句なしにオススメな一座です。

<コースタイム>
坊村バス停(9:45)-御殿山(11:40)-武奈ヶ岳(12:25~12:55)-八雲ヶ原(13:45)-カラ岳(14:35)-釈迦岳(14:55~15:15)-イン谷口(17:00)-比良駅(17:35)

武奈ヶ岳山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. MM より:

    オオツキさん、こんにちは。
    武奈ヶ岳…馴染みのない山名だと思ったら滋賀県とは!
    GW以降、すっきりと晴れる日がなくて関東脱出したくなる気持ちわかります。
    そうかと思うと、梅雨入りしたのに今日からしばらく高温晴天が続くようで変な気候ですね> <

    武奈ヶ岳山頂から見える琵琶湖は丹沢から見える相模湖みたいで、どこの地域にも近くて良い低山があるんだなーと思いました!

    • オオツキ オオツキ より:

      MMさま
      コメントをありがとうございます。
      鈴鹿
      西日本に住いの人にとっての手軽な近場の山代表だと、比良の他にも六甲山や御在所山、もしくは鈴鹿山地辺りが定番であるようです。

      鈴鹿は歩いてみたい気もするので、そのうちまた唐突に関西へ遠征するかもしれません。

  2. ブナ林大好きな時代劇ファン より:

    おおつき様

    武奈ケ岳は歩いてみたいと思っておりました。 詳細なレポートありがとうございます。
    東北や信州や新潟のブナの森へはちょくちょく出かけるのですが、西への遠征は何故かためらいがありました。が、行くべき山ですね。 それにしても日帰りとは・・。
    おおつきさんの行動力にはホント感服いたします。私に感服されても嬉しくもないでしょうけど。。 

    • オオツキ オオツキ より:

      ブナ林大好きな時代劇ファンさま
      コメントをありがとうございます。

      関東から武奈ヶ岳に日帰りする人は、普通は余りいないだろうとは思います。交通費が勿体ないですからね。良い山であることは保証いたします。