白馬岳 白馬大雪渓と後立山連峰からの大絶景【day1】

杓子岳付近から見た白馬岳
長野県白馬村と富山県黒部市にまたがる白馬岳(しろうまだけ)に登りました。
北アルプス北部の後立山連峰に属する山です。夏の遅い時期まで多くの雪渓が残るこの山は、その神々しいまでに白く美しい姿により古くから名山として親しまれて来ました。
最高の晴天に恵まれた7月の三連休に、ベストシーズン真っ盛りを迎えた白馬岳の魅力に触れて来ました。

2018年7月15日に旅す。

今回の行き先は、北アルプスは後立山連峰の白馬岳です。

飛騨山脈の中でも北よりにあるこの山は、夏山シーズンに入ってからも、かなりの遅くまで多くの雪渓が残ります。中でも、日本最大の雪渓である白馬大雪渓は特に有名です。
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また、この山は高山植物の宝庫でもあります。雪が解けたその矢先から、短い夏の間に高山植物たちが一斉に花をつけ、天上の楽園さながらの光景が繰り広げられます。
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雪渓歩きあり。お花畑あり。おまけに眺望もよし。まさにこの山は、非の打ち所の無さ過ぎる優等生そのものです。
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優等生過ぎて大勢のハイカーでごった返すのが唯一の難点とも言えますが、そんな山へあえて3連休のど真ん中に登ってきました。

コース
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初日は猿倉登山口より大雪渓を登って白馬山荘に宿泊します。二日目は白馬岳から白馬大池を経由して栂池高原へ下山します。

白馬岳の見所を余す所なく巡る、充実のルートです。

1.白馬岳登山 アプローチ編 夜行バスと路線バスを乗り継ぎ猿倉登山口へ

7月14日 22時45分 バスタ新宿
北アルプス訪問時における毎度恒例な、さわやか信州号の夜行便に乗車すべくやって参りました。
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三連休の初日とあって、当然のごとく夜行バスの予約は満員御礼でしたが、空席照会画面で5分に1度のペースでF5キーを押し続けると言う行為により、無事にキャンセルで空いた座席を確保することできました。なんて迷惑な客だ。

白馬・栂池高原行きのバスに乗車し、白馬八方バスターミナルへと向かいます。
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4列シートではありますが、足元がややゆったりとした通常よりも大型のバスでの運行です。寝心地はまあ、良いとは言いませんが普段よりは足元にゆとりがありました。

明けて7月15日の5時30分
予定通りの時間に白馬八方バスターミナルに到着しました。時間調整なのかやたらと途中休憩が多くて、通路側の席だったため何度も起こされあまりよく寝れませんでした。
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こんな所にモンベルが。目指す白馬岳は、今の所ガスに覆われています。

6時発の猿倉行きの路線バスに乗り換えです。猿倉までの運賃は930円です。切符は事前にターミナル兼モンベルショップ内にある券売機で購入できます。
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6時30分 登山口に建つ猿倉山荘に到着しました。
売店や水場があり、ここで最低限の準備は整えられます。雪渓歩きのためのサングラスなども販売されていました。
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なお、長野県の条例により、白馬岳に入山する登山者には登山届けの提出が義務付けられています。ここで提出可能なので、投函してから出発しましょう。

トイレと身支度を済ませて、6時45分に行動を開始します。始めは砂利舗装の林道歩きです。
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秘湯として人気の鑓温泉への周回ルートは、7月15日現在、通行止めとなっていました。雪崩の危険があるためだとか。
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八方バスターミナルから見たときにはガスを纏っていた白馬岳ですが、徐々に晴れ渡って来ました。白馬という名から連想される通りの、雪を纏った姿に期待が深まります。
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白馬岳と言う名前の由来は、馬の姿をした雪渓が現れるからだと言われています。日本全国に沢山ある駒ケ岳と同じ由来を持つ山だと言う事です。

砂防ダムから流れ落ちる水が、凄まじい轟音を周囲に轟かせていました。恐らくは大雪渓から溶け出したのであろう雪解け水は、かなりの水量です。
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程なく林道が終わり、山道に入ります。
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歩く早さに自信ありなUL系ハイカーの皆さんも、残念ながら白馬岳においてコースタイムを大幅に巻く事は難しいでしょう。何故ならば、渋滞しているから。
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先は長いので気楽に行きましょう。

大雪渓の玄関口である白馬尻小屋まで登って来ました。
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2.日本最大の雪渓である白馬大雪渓を登る

7時40分 白馬尻小屋に到着しました。
収容人数200名ほどの山小屋です。大雪渓の玄関口という立地もあってか、売店で軽アイゼンが販売されていました。
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この小屋は雪崩の巣である大雪渓の下部に位置するため、毎年冬になる前に一度解体して、夏山シーズンになるとまた組み立てているのだそうです。

そう言われてみれば、確かにプレハブ造りですね。

目の前に大雪渓がその姿を現します。冷たい風が吹き降ろしてきて、涼しいを通り越して肌寒いくらいでした。
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凄い水量です。毎秒何トンという規模でしょうか。
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白馬尻小屋からすぐに雪渓に入るものだと勝手に思い込んでしましたが、取り付き地点まですこし登る必要があります。この辺りは時期によって違うのでしょう。
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白馬尻小屋から10分ほど登ったところで、大雪渓の取り付きに到着しました。
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「はーるばる来たぜ大雪渓♪」と、何故か脳内で青函連絡船から降り立った直後の人のようなメロディーが自動再生されました。

念のため、一応軽アイゼンを装着します。前爪のない6本爪です。少々重いですが、頼りない4本爪よりは安心感があります。
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では張り切って、大雪渓行って見よう。
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猿倉山荘で雪渓歩きにはサングラスが必須だと脅されましたが、携行はしておりません。もともと眼鏡族なうえに、度入りのサングラスは持っていないのよ。

結論から言うと、私はサングラス無しでも平気でした。と言うのも、ご覧の通り雪の表面が結構薄汚れていて、真っ白と言うほどでもないのですよ。そんな訳で、下を見て歩くと案外眩しくない状態でした。

急斜面の雪面をひたすら真っ直ぐに登ってゆきます。涼しくて実に気持ちが良い。
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ちなみにこの大雪渓、標高差は800メートルほどあり、抜けるのに2時間近くかかります。始めの内こそワクワクしておりましたが、そのうち段々と単調で飽きてきます。

大雪渓は落石の巣でもあります。しかも、雪が音を吸収してしまうため、音も無く落ちてくるのだとか。恐ろしや。
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落石注意と言われましても、こんなでかいのが直撃コースで落ちてきたら、避けようはありません。立ち止まらずに素早く通り抜けろと言う事です。

両脇には、いくつもの小雪渓が枝分かれしていて壮観です。
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少し傾斜の緩む所で休憩している人が大勢居ました。ハードシェルパンツを履いて来ていない私は、そもそも雪の上では休憩のしようもありません。休まずに登り続けます。
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上部まで来ると、大きなクラックが目立つようになって来ました。そして、見ている矢先から小さな落石がパラパラと落ちて行きます。
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登り続けることおよそ1時間40分で、ようやく大雪渓の終わりが見えました。
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登りきった所で、アイゼンを外しつつ小休止します。後から続々と人が登ってくる姿が見えました。流石は三連休です。凄い数の人だ。。
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この人々の多くは、今夜私と同様に白馬山荘に宿泊するのでしょう。白馬山荘は収容人数800名を誇る北アルプスでも最大級の超巨大山小屋ではありますが、それでも今宵の尋常ではない混雑っぷりが容易に想像できる光景であります。

行動を再開しましょう。雪渓を抜けると草付きの急斜面のが始まります。
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雪の無くなった沿道は花満開です。黄色いのはシナノキンバイの群落。
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これはクルマユリです。割と単品で咲いているイメージがあったのですが、ここでは大規模な群落を作っていました。
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結構な急斜面でバテバテです。猿倉登山口から白馬岳山頂までの標高差は、実に1,700メートルほどあります。大人気のコースですが、何気に結構ハードな行程であったりします。
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大雪渓に続いて、今度は小雪渓とばれる雪渓を通過します。ここは登らずにトラバースします。
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所々に退避豪のような窪みが作られているので、ここですれ違いましょう。
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滑落したら最後、下の大雪渓までノンストップで転げ落ちると思います。ここは慎重に進みます。
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小雪渓を過ぎると、ほど無く避難小屋が見えてきます。本当の避難のための小さな小屋で、宿泊は出来ません。
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3.白馬岳登山 登頂編 一面のお花畑と大絶景が広がる稜線

稜線に向かって最後のひと踏ん張りです。ここから先はずっと、道の両脇にこれでもかと言わんばかりに多くの花々の咲き誇る、桃源郷さながらの光景が続きます。
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一面を紫色に染め上げるハクサンフウロの群落。
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これはイブキジャコウソウかな。
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色々咲きすぎていて、何がなんだかようわからん状態の花々。
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雪が溶けたその境目から、待っていましたとばかりに一斉に花が芽吹いてるのが良くわかります。
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ここ後立山連峰には、夏と呼ばれる季節はほんの僅かな期間にしか存在しません。この花たちには、のんびりと咲いていられるような時間は無いのです。

「ブラザーあと500メートルだ」と言うことで、ラストスパートをかけて行きます。
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振り返ると背後には杓子岳(2,812m)(左)と白馬鑓ヶ岳(2,903m)(中央)の姿が見えました。この2座と白馬岳とを合わせて、白馬三山と呼ばれています。
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三山縦走も大変魅力的なプランではあるのですが、今回の計画では反対側の白馬大池方面に向かうことにしているため、この2座に登る計画はありません。

ようやく小屋が見えてきました。
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11時50分 白馬頂上宿舎に到着しました。
白馬村が運営する、収容人数は350名ほど宿泊施設です。裏手にはキャンプ指定地もあります。
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私が泊まろうとしているのは、ここではなく、もっと上にある白馬山荘です。すぐ隣なのか思いきや、まだまだ結構な標高差があるのですね。。
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ここまで来れば絶景の広がる稜線まであと一息です。
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絶景の予感がひしひしと伝わってきます。これは絶対に、登った瞬間に目の前にドーンと大展望が広がるヤツだ。
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HAHAHAHAー!思った通り最高だぜい。
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・・・どうも雪渓登りの疲れで、少々おかしなテンションになっていたようです。

こちらは杓子岳と白馬鑓ヶ岳へと続く稜線。白馬岳のオマケのような扱いに甘んじている2座ですが、いやはや格好良すぎるでしょう。
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こちらは白馬岳のお隣さんである旭岳(2,867m)です。地図を見た限りでは、登山道が存在しない山ですね。残雪期であれば登れるのかな。
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さあ、山荘に向かいましょう。すぐそこにある様に見えるかもしれませんが、ここから15分くらいかかります。山荘が大きすぎて、縮尺が判り難くなっているだけです。
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本当に見えてるのに中々着きません。この山荘はどれだけデカイでしょう。
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12時10分 本日のお宿、白馬山荘に無事到着です。
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山荘の前から眺望はこの通り、非常に素晴らしいものがあります。
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正面には、雪と岩の殿堂こと剱岳(2,999m)の姿が見えます。見た目といい名前といい、カッコ良過ぎるでしょうこの山は。
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左隣が別山(2,880m)で、そのさらに隣が立山(3,015m)かな。

そして杓子岳と白馬鑓ヶ岳。眺めていたらなんだかムズムズしてきました。行きたいなぁー。
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ここから往復した場合、杓子までで2時間。鑓ヶ岳まで行くと往復4時間ですね。コースタイム的には、杓子岳までなら塔ノ岳から丹沢山まで足を伸ばすようなものですかね。行こうかな、行っちゃおうかな。

白馬鑓ヶ岳の脇には小さく槍ヶ岳(3,180m)の姿も見えました。思った以上に遠くに見えます。今更ながら、飛騨山脈のスケール大きさに驚かされます。
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何はともあれ、まずは宿泊の受付を済ませましょう。1泊2食付1万円を支払い、部屋を割り当てられます。
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なんだか枕の間隔がおかしくはありませんか?
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まあ、わざわざ晴天の三連休中日に小屋泊を選んだわけですから、激混みなのは覚悟の上ではありますが。

山荘にはスカイラウンジなんてものまであって、生ビールからケーキセットまで売られています。
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「北アルプス登山における最も重要な装備品は何か」と問われたら、割と真面目に財布だと思います。

荷物を山荘に置いて、貴重品だけ持ってサクッと山頂を往復します。山頂までは大体15分ほどの行程です。
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山頂直下の信州側斜面は、鋭くきれ落ちた断崖絶壁になっていました。
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13時5分 白馬岳に登頂しました。
その優美なる印象とは裏腹に、結構激しく登らされる行程でした。
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山頂の様子
尖った岩場状の山頂部であるため、あまり広くはありません。安全のためのロープが張られてはいますが、信州側の斜面は切れ落ちた崖になっているので、あまり近づかないほうがよいでしょう。
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時刻も正午過ぎともなると、やはり大分雲が登って来てしまいますね。まあ、お楽しみの山頂から山座同定に関しては、明日の朝に持ち越すことにしましょう。
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こちらは、明日歩く予定の白馬大池方面へと続く稜線です。うむ、これは良い稜線だ。
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富山湾側は完全にガッスガスで何も見えません。
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ピークハントを終えて、ひとまずは山荘へと戻ります。
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時刻はまだ13時15分。よし、決めた!杓子岳まで行こう。あの場所から白馬岳の姿を眺めて見たいじゃないですか。
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山荘への到着が早かったためか、夕食は第一段の16時40分からグループに割り当てられています。杓子岳までの往復の標準コースタイムはおよそ2時間30分ほどなので、夕食までには十分戻ってこれる計算です。

雪渓歩きでわりとお疲れ気味の体で、そもそも標準コースタイム通りのペースで歩けるのかと言う疑問はありますが、15時の時点で到着できなかったら引き返すと決めて出発します。

4.白馬岳から杓子岳までの、爽快なる稜線歩き

と言うことで杓子岳に向かって稜線沿いに歩いて行きます。
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こちらが白馬頂上宿舎のテント場です。非常に人気の高い野営場で、到着が遅いと満杯で張れなくなってしまう事もしばしあるのだとか。
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重たい思いをしてテントを担いできたのに、張れずに結局は小屋泊と言うのは悲惨ですよね。

少し引いた位置から見た白馬岳の山頂部です。白馬頂上宿舎と白馬山荘の位置関係が良くわかるかと思います。
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本当に気持ちの良い稜線です。やはりアルプス高山帯と言うのは、その他の山々とは別天地なんだなと思わされる光景です。
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斜面を一面黄色く染めるシナノキンバイの群落。
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驚くほど多くの雪が残っています。この白と緑の織り成す光景こそが、後立山連峰の山々の大きな魅力です。
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白馬岳と杓子岳の間の最低鞍部まで下って来ました。ちょうど大雪渓の頂上に相当する場所になります。
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ここから登り返しです。ずっと見えていたので分かってはいましたが、結構な標高差があります。
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杓子岳の頭上を暗雲が覆いつつあります。おいおい勘弁してくれよ。
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白馬鑓ヶ岳の方は、何時の間にやらすっかりガスに食われた後でした。
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振り返ってみる白馬岳。うーん、杓子の頂上まで行けなくとも、この光景を見れただけでもう満足かな。
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杓子岳の山頂直下は、ガラ石がうず高く積み上がった姿をしていました。何をどうしたらこんな姿になってしまうのでしょう。
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展望が期待できないような空模様になりつつありますが、それでも折角ここまで来たのでピークは踏んで行きます。

高山植物の女王の異名をもつコマクサが咲いていました。「パンが無いならケーキを食べればいいのに」と言う台詞が素で出てきそうなくらい気品溢れるお姿をしております。
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14時45分 杓子岳に登頂しました。
最後の登りですっかりバテました。近そうに見えて意外と遠いいと言うのが、歩いてみた感想です。
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眼下に白馬村を一望できます。右側に突き出している尾根は、長野五輪の会場となったことで名高い八方尾根です。
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期待していた山頂からの白馬岳の姿はこの通り、とても残念な感じです。
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粘れば晴れそうな雲行きではありますが、残念ながら今の私にあまりのんびりとしている時間はありません。16時40分までに山荘に帰りつけなければ、夕食を食べ損なってしまうのでね。

15時 諦めて下山を開始します。
杓子岳の下りは何気に結構怖いという事実をお伝えしておきます。
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巨大な山小屋なだけあって、ここからでも山荘の姿が良く見えています。あそこまで登らないことには、晩飯にありつけないわけです。
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しばらく戻った所で振り向いたら、なんとも憎ったらしいことに綺麗に晴れていました。まさに私が山頂にいるタイミングにだけガスっていたようで。・・・これは何かの嫌がらせでしょうか。
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もう少し粘ればよかったのか。しかしそれでは晩飯が、ぐぬぬぬ。

先ほどよりもさらに数が増えたテント場を横目に、山荘へと引き返します。
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16時15分 無事に白馬山荘へ戻ってこれました。
まあこれは結果論なんですけれども、もう少し杓子岳山頂で粘っても、時間的には若干の猶予がありました。
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5.白馬山荘から望む夕焼けと星空の天体ショー

と言うことで晩御飯です。多くの宿泊者を収容する巨大山小屋なだけあって、夕食は最大で7回に分けて行われます。
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壁に田中陽希のサインが飾ってありました。同じ髪型をしている者として、彼のことは常にリスペクトしています。
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こちらが白馬山荘の晩御飯になります。運動で疲れた体には、しょっぱい物が多めのメニューがとても嬉しい。
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食事が済んだら、もう特にすることはありません。小屋の前でぼんやりと、夕焼けと言う天体ショーの始まりを待ちます。
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小屋のすぐ下に佇む雷鳥。残念なことに、長いレンズを一切持て来ていなかったので、これが限界です。
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徐々に茜色に染まり始めました。
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それにしても、杓子岳が憎たらしいほど良く晴れておりますね。今にして思えば、食事を食べ終わってから、ヘッドランプを持って往復してくれば良かったのかもしれません。

真横からさす夕日の光が、幻想的な光の筋を作り出していました。
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そしていよいよ日が沈む。
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夕焼けにそまる山々。この時間帯の光景と言うのは、刻一刻とその姿が変わって行くので、見ていて飽きません。
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トワイライトタイムの富山湾。
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細いお月様が出ていました。それはつまり、満点の星空が期待できるということですよ。これは暗くなったら、是非見に行かないといけませんねえ。
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と言うことで20時半過ぎに外へ出てみると、期待していた通りの光景が広がっていました。左下の明かりは、たぶん信濃大町付近です。
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真夏であってもこれだけの星空が拝めるとは、流石は空気の綺麗さに定評のある長野県です。

こちらは富山の市街地方面です。飛騨山脈という壁に阻まれて隔絶していますが、こうして見ると富山県というのは意外と近いものでなのすね。
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かくして、大いなる満足のもとに一日目は終了です。この後、明日にそなえて早々と就寝しました。
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白馬岳登山は一日目は、最高の晴天のもと大満足のうちに終了しました。(杓子岳の山頂で受けた仕打ちのことは、ひとまず思い出さないこととする)
人気の山には人気たる所以があるのだということが、大変よく理解できました。稜線上にどこまでも広がるこの白と緑の世界は、初夏のほんの一時にしか目にすることの出来ない光景です。まさに白馬岳のベストシーズンに訪問することが出来たと思います。
最後に一言。大雪渓コースは白馬岳の登路中でも一番人気のコースではありますが、急登一辺倒な割とハードな行程です。普段から運動らしい運動を一切していない人が、気軽に登れるコースでは決して無いということだけは認識しておいて下さい。

<コースタイム>
猿倉山荘(6:45)-白馬尻小屋(7:40~7:50)-大雪渓(8:00)-小雪渓(10:40)-白馬頂上宿舎(11:50)-白馬山荘(12:10~12:50)-白馬岳(13:05~13:15)-白馬山荘(13:25)-杓子岳(14:45~15:00)-白馬山荘(16:15)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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