長野県茅野市および立科町にまたがる蓼科山(たてしなやま)に登りました。
八ヶ岳連峰の北端に位置する古い火山です。諏訪方面から眺めると均整の取れた円錐形に見えるため、諏訪富士の異名を持ちます。山の中腹付近をヴィーナスラインと呼ばれる観光道路が横切っており、冬期であっても登山口へのアクセスが容易であることから、雪山登山の対象として定番の存在です。
雲一つない完璧なる晴天の下、白一色に染まった北八ヶ岳からの大展望を楽しんで来ました。
2022年1月8日に旅す。
蓼科山は南北に長い八ヶ岳連峰の北端にある山です。八ヶ岳連峰に属していますが、主稜線からは少し外れた位置にあるため、独立峰であると見なす向きもあります。
作家深田久弥が選んだ日本百名山にも、八ヶ岳とは別枠で選ばれています。
独立峰的な立地と森林限界を越える標高により、西高東低の冬型の気圧配置化においては強風に見舞われることが多い山です。それでも、アクセスの容易さと八ヶ岳エリアの晴天率の高さにより、冬期にも比較的多く登られています。
冬の蓼科山登山としては最も一般的な女乃神茶屋ルートは、胸を突くような急登一辺倒ではあるものの、特段の危険個所が無いことから、雪山初心者向きと言えるコースです。
前爪があるアイゼンの着用が望ましい急勾配の道が続きますが、ピッケルを出すような場面はなく、ストックだけ登る事が出来ます。
山頂からは、周囲を遮るものが何もない文字通り360度のパノラマが広がります。最高の天気に恵まれた、冬の蓼科山訪問記です。
コース
ヴィーナスライン上にある女乃神茶屋より蓼科山を往復します。冬期の蓼科山登山としては最も一般的な行程です。
下山後は、冬期にもバスのある石臼台別荘地入口バス停まで下道を歩きました。
1.蓼科山登山 アプローチ編 中央本線の信号機故障による波乱の幕開け
4時30分 JR三鷹駅
まだ辺りが真っ暗な中を、朝っぱらから自転車をこいでやってまいりました。足首の稼働域が著しい制限を受ける冬靴を履いた状態で自転車のペダルを漕ぐのが、この日一番の核心部であったかもしれない。
過去にも触れましましたが、三鷹駅から高尾、大月、甲府と始発電車を乗り継いで行くと、最速で7時48分に茅野駅に降り立つことが可能です。
それにより、茅野駅を7時55分に発つ北八ヶ岳ロープウェイ行きの始発バスに繋がります。
このバスは蓼科山の登山口までは行ってくれませんが、その手前の石臼台別荘地入口まで行くことが出来ます。本日はそこから蓼科山を往復しようと言う計画です。
高尾駅で最初の乗り換えを行い、大月駅へ来るところまでは順調でした。しかしこの後に予期せぬトラブルに巻き込まれます。
大月駅を出発した甲府行き電車が、走り出して早々に停車してしまったのです。原因は信号機の故障でした。
その後電車は10分後くらいに動き始めましたが、隣の初狩駅までは徐行運転となり、遅延の回復は絶望的な状態となりました。
えぇー、わざわざ苦労して三鷹駅まで自転車をこいできたのが、これですべて無駄になってしまったではありませんか。
結局予定よりも20分程遅れて、7時3分に甲府駅に到着しました。精緻に組み上げていた乗り継ぎ計画が全てご破算です。トホホ。
本来は6時41分に甲府駅に到着し、6時46分発の松本行き乗車するはずでした。まあ、乗れなかったものは仕方がありません。次の松本行きを待ちます。
無理やり日帰りしようとしないで、甲府辺りで前泊するのが理想なんでしょうれどね。今となっては後の祭りです。
8時26分 茅野駅に到着しました。乗車予定だったバスは、30分程前に出発してしまっております。さあて、この先をどうしてくれようか。
どうするもこうするも、選択肢は二つしかありません。次のバスを待つか、タクシーで行くかです。今期は9時25分発の実証バスなるものが運行されており、時間的には何とか最終バスまでに行って帰ってこれなくはありません。
それでもコースタイム的にはギリギリで、時間にタイトな行程となるのは避けられません。
ここまで来てケチっても仕方があるまい。と言う事で、ドケチ倹約家の私にしては珍しくタクシーを奮発することにしました。
コロナ渦で苦境にあるであろう、地方のタクシー会社を応援しましょうと言う気持ちが、少なからずあった上での決断です。
9時10分 女乃神茶屋に到着しました。ここまでの料金は9,000円でした。意外と行きましたなあ。
女乃茶屋までと頼んだ時に、運転手さんが妙にうれしそうでしたが、これだけ稼げるならそりゃあ喜びもすることでしょう。
払った犠牲(9,000円!)は大きかったですが、これにより本来は舗装道路上を延々と歩くはずだった、石臼台別荘地入口バス停から女乃神茶屋までの行程を省略できました。
途中で、おそらく7時55分発のバスに乗って来たのであろう登山者を何人か追い抜いたので、結果として当初の予定よりも早い時間に登山口に降り立てたことになります。
・・・払った犠牲は大きかったですが。大事なことなので2度言いました。
道の向かいに立っているこの建物が女乃神茶です。冬期は営業していないらしく、シャッターが閉まっていました。この少し先に無料のすずらん峠園地駐車場があり、車でお越しの人はそこまで入ってこれます。
登山口の目の前にバス停がありますが、これは蓼科高原ラウンドバスと言う路線のもので、運行期間は夏期のみのとなります。冬期は石臼台別荘地入口から歩いて来るしかありません。
途中の幸徳平までならチェーンスパイクでも十分に歩ける道ですが、いちいち履き替えるのも面倒なので、始めから12本爪アイゼン装着で行きます。
毎冬のことのようにアイゼン付け方を忘れるのですが、今年は珍しく憶えていて一度で装着できました。
2.静寂なる冬の北八ヶ岳の森を行く
アイゼンを履いたりなんだりで身支度に結構な時間を費やし、9時25分に登山を開始します。人気の山らしく雪はしっかりと踏み固められており、踏み抜きは一切なく無く快適に歩ける状態です。
冬山登山における最も重要な要素であるところのお天気ですが、今のところは雲一つないパーフェクトな快晴です。
冬期であっても比較的晴天率が高めである八ヶ岳エリアですが、それでもここまでの晴天は1シーズン中にそうそう何度もあるものではありません。最高の一日を引き当てた予感がします。
登り始めはしばしの平坦な道です。正面に見えている山は目指す蓼科山ではなく、そのお隣の北横岳(2,480m)です。
女乃神茶屋ルートのコース概要をさっくりと言うと、平坦、急登、平坦、急登、平坦、急登です。と言う事で、最初の急登が現れました。それではいっちょう、気合を入れて参りましょう。
最初の急登を割とあっさりクリアーすると、周囲はカラマツ林になりました。明るくて気持ちの良い森です。
サルオカゼはすっかりと干からびでカピカピな状態です。大気中の霧などから水分を得て生きているコケの一種ですが、冬の間をどうやって生き延びているのでしょう。
急登その2が始まりました。この辺りはまだまだ、軽アイゼンやチェーンスパイクでも十分に歩けるレベルです。
まるで宙に浮いているかのようにも見えるこの山並みは、中央アルプスこと木曽山脈です。あまり突出して目立つ顕著なピークが無いためか、遠目だと山座同定の難しい山域です。
再び平坦地が現れました。メリハリが効いていて、とても歩きやすルートだと思います。
スノーモンスターになれそうで、なれていない木が立ち並んでいます。もう少し後のシーズンに訪れれば、モンスター化していたりするのかな。
蓼科山の山頂部がようやくお目見えしました。山頂までは、かなりの急勾配が続いている様子が見て取れます。
蓼科山は今からおおよそ30万年前頃に活動していた古い火山であり、この山頂部分は溶岩ドームの跡です。言われてみれば確かに、火山らしいカタチをしています。
この辺りにはいかにも北八ヶ岳らしい苔生すの森が広がっているのですが、冬は完全に雪の下に埋もれています。ただひたすら、春の訪れを待ち続けているのでしょう。
モンスター的な何かがいました。せっかくだから、目玉でもつけておけばよかったかな。
11時 幸徳平に到着しました。歩行距離で言うとだいたい全体の3分の2ほどを登ったことになりますが、登りがキツくなるのはここからです。覚悟を決めてまいりましょう。
現在地から山頂までは、まだ400メートル少々の標高差が残っています。概ね高尾山1つ分です。と言う事は、だいたいあと1時間くらいでしょうかね。
3.蓼科山登山 登頂編 急登の果てに待つ大絶景の頂
この先は山頂までずっと、ノンストップで急登が続きます。ここまで軽アイゼンで登ってきた人も、前爪のあるアイゼンに履き替えた方が無難です。
縞枯れ現象と呼ばれる、針葉樹林が帯状に立ち枯れする現象が見られます。北八ヶ岳や奥秩父の山域に多く見られる現象で、これにより森が新陳代謝をするのだとか。
山頂が近づくにつれて、傾斜がどんどん増してゆきます。アイゼンの前爪を蹴り込みながら登れるぶん、この辺りはむしろ冬の方が登りやすいかもしれません。
森林限界高度に達したらしく、森が切れて頭上が開けました。この先は展望が開けますが、そのかわりにモロに強風に晒されることになります。
南八ヶ岳が視界に飛び込んできました。流石に風は強いですが、それでも冬の蓼科山にしては比較的穏やかな状態です。
振り返るとこの急勾配です。登っている人々は皆一様に、辛そうな表情を浮かべておりました。。
蓼科山でピッケルを出す場面があるとすれば、この山頂直下の最後の登りの部分だけです。一応持ってきてはいましたが、特に必要性を感じなかったので私はストックのままです。
振り返ればこの大絶景。もう少しで山頂だと言うのに、撮影が捗りすぎてなかなか歩みが進まなくなりました。良い天気だあ。
今見えているこの諏訪地方辺りが、日本列島が最も太い部分になります。左右のどちらを向いても、見渡す限り山また山の光景です。
最後に少しだけトラバースがあります。雪の状態次第では怖い場面かもしれませんが、本日は良く締まっていてアイゼンの刃が小気味よく刺さり、まったく不安は感じませんでした。
南へと登る八ヶ岳連峰の主稜線です。蓼科山はこの主稜線からは少し外れた位置にあるため、全体象をよく俯瞰することができます。
蓼科山の山頂に立つ蓼科山頂ヒュッテです。夏道はこの小屋の前を経由する形でグルっと回り込みますが、冬は直登できます。
と言う事で、小屋はスルーして真っすぐ山頂へと向かいましょう。
12時5分 蓼科山に登頂しました。夏道のコースタイムよりも少し早い到着でした。最後の急登をキックステップで登れる分、むしろ冬の方が登りやすいくらいでした。
溶岩ドームの山頂には、平坦なだだっ広い空間が広がっています。何ならフットボールが出来そうなくらいの広さがあります。
周囲を遮るものが一切ないため、冬には暴風が吹き荒ぶことも多い場所ですが、本日は比較的穏やかな状態です。あくまで冬の蓼科山にしてはと言う前置きが付いた上での話であって、風は強いと言えば強い状態ではあります。
山頂のほぼ中心にポツンと立つ蓼科山神社です。この山頂は、無雪期だとガラ石が散乱していて極めて歩きにくい場所なのですが、雪に埋もれた冬には簡単に歩き回れます。
4.蓼科山山頂からの展望
それではそろそろ、お楽しみの展望タイムと参りましょう。蓼科山の山頂からは、周囲を遮るものが一切ない文字通り360度のパノラマが広がります。
美ヶ原(2,034m)の先には、北アルプスこと飛騨山脈の山並みが、まるで壁か何かのように立ち並びます。
みんな大好きな、槍・穂高の一帯です。3,000メートルを超える重量級の岩峰がひしめく、日本有数の高山地帯です。
どこからでも一目でそれとわかる槍ヶ岳。この山ほど名前が見た目を体現している山も、そうそう無いのではないでしょうか。
鹿島槍ヶ岳(2,889m)から白馬岳(2,932m)へと続く、後立山連峰の山並みです。豪雪地帯の山らしく、どこも雪の量が桁違いです。
遠目にも一際目立つこの山は、木曽御嶽山(3,067m)です。広大な裾野を広げる独立峰の火山であり、中部山岳地帯の山を歩いていると、富士山なみに良く目立つ存在です。
これまたよく目立つ独立峰の火山である、乗鞍岳(3,026m)です。恐らくは冬期にあっても最も登りやすいであろう3,000メートル峰です。足元には霧ヶ峰(1,925m)の姿があります。
続いて北側の展望です。なんとんなくぼんやり霞んでいますが、北信五岳と呼ばれる山並みが連なっているのが見えます。
右から順に妙高山(2,454m)、火打山(2,462m)、新潟焼山(2,400m)および高妻山(2,353m)です。妙高山の手前に二つ重なっているのが黒姫山(2,053m)と飯縄山(1,917m)です。
高妻山は登りたいリストの上位にいるので、できれば今年中に登りに行きたいところです。ベストシーズンは紅葉の頃かな。
続いて浅間山(2,568m)から四阿山(2,354m)、根子岳(2,207m)と続く、上信国境地帯の山並みです。
まるプリンのようなシルエットでお馴染み(?)の浅間山。普段見慣れている関東地方側からの姿とは違って、長野側から見るとあまりプリンっぽくはありません
浅間山の右奥には、遠く群馬県や福島県の山まで見えました。右から順に上州武尊山(2,158 m)、燧ヶ岳(2,356m)、至仏山(2,228m)です。
続いて西上州方面です。一目見ただけでそれとわかる、両神山(1,723m)のインパクトが凄い。中央に薄っすらと先端だけが見ているのは、恐らく武甲山(1,304m)だと思われます。
そして南八ヶ岳方面。こちらについては、つらつらと語るまでもないでしょう。
なお、富士山はちょうどこの南八ヶ岳の背後に隠れてしまう位置関係にあるため、蓼科山からは見えません。蓼科山からの展望の中で、唯一のケチの付けどころです。
お隣の北横岳の山頂です。北八ヶ岳ロープウェイを使えば冬でも簡単に登れてしまう山なので、雪山初心者向きの一座として絶大な人気のある山です。きっと本日も今頃は、多くの登山者で賑わっていることでしょう。
足元にはその北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅が見えます。北八ヶ岳エリアが雪山初心者向けであると言われているのは、この通年営業のロープウェイの存在によるところが大きいです。
正午を回っても相変わらず空には雲一つなく、パーフェクトな快晴状態です。「八ヶ岳ブルー」なる言葉が最近広く使われるようになったのは、恐らくはこの山域の晴天率の高さが理由なのでしょう。
5.蓼科山登山 下山編 雪山の下山はあっという間
12時40分 山頂から絶景を十分過ぎるほどに満喫しました。名残惜しくはありますが、流石にじっとしていると寒くなってきたので、ボチボチ下山に移ります。
スノーモンスターのなりそこないような木がチラホラとあります。万が一ここで滑落しても、谷底まで滑り落ちいってしまうほどの傾斜度はなく、恐らく途中で埋まります。
山頂直下のこの下りが、冬の蓼科山ではほぼ唯一と言って良い、危険であると言えなくもない場所になります。
私は特にピッケルを出すまでもないと判断して、ストックだけで下りました。暴風が吹き荒れている状態だと、危険度が増すためその限りではありません。状況に応じて判断してください。
霧ヶ峰が真正面にあります。確かに霧ヶ峰側からも、蓼科山の姿が良く見えていたと記憶しています。
霧ヶ峰には冬でもバスで行けるので、そのうち歩いてみたいんだよな。スノーシューがあった方が快適なんでしょうけれど、ワカンでも行けるのだろうか。
南八ヶ岳の姿はこれで見納めです。再び樹林帯の中へと帰って行きます。
登りではあれほど難儀した急登も、下るとなると実に楽なものです。アイゼンの刃が良く効くコンディションであるため、大股でテンポよく下って行けます。
眼下に、道の途中にある平坦部その1とその2が良く見えます。段々とテラスのような地形になっています。
森の中に入ったら、もう後は消化試合です。黙々と下山と言う名の作業に取り組みます。
最後の急登です。登っている時にはさほど意識していませんでしたが、こんなにエグイ登りだったっけか。
14時 あっけなく女乃神茶屋まで下って来ました。下山に要した時間は、僅か1時間20分でした。雪山の下山はと言うのは楽なものです。
マイカー登山をする人たちにとっては、達成感で満たされる瞬間であることでしょう。しかし我らが公共交通機関勢にとっては、まだ終わりではありません。最後の仕上げが残っております。
6.ヴィーナスラインを歩いて石臼台別荘地入口バス停へ
前述の通り、冬季には蓼科山登山口バス停までバスは入って来ません。ここから石臼台別荘地入口バス停まで、ヴィーナスラインを歩いて戻ります。
本当は往路でも歩くはずだった道程ですが、幸か不幸かタクシーで省略したため片道だけになりました。
登山口まで下って来た時点でも、まだ標高は1,700メートルもあります。この高さまで車で入ってこれるのが、蓼科山が冬でも比較的簡単に登れる大きな理由の一つです。
バス停まではだいたい1時間くらいの距離です。大した距離ではないのですが、ソールが堅い冬靴で舗装道路を歩くと地味に足の裏にダメージを与えて来ます。
途中に竜源橋登山口があります。蓼科山と北横岳の間にある谷沿いに登るルートです。冬に歩いたと言う記録をあまり見かけないルートですが、トレースはしっかりとあったので入山者は居るには居るようです。
この道すがらに女の神氷水と呼ばれる水場があります。わざわざ遠方から汲みにやってくる人もいると言う名水です。
蓼科山には諏訪富士と言う異名の他に、女神山と言う通称もあります。かつて女神が住んでいたと言う伝承に由来しており、この湧水の他にも、女神の名を冠した地名がいくつか残っています。
少し離れたたところで、本当は往路に眺めるはずだった、蓼科山の山頂部がようやくお目見えしました。
14時50分 石臼台別荘地入口バス停に到着しました。バス停はヴィーナスラインと北八ヶ岳ロープウェイ方面との分岐地点にあります。
次のバスの通過予定時刻の1分前と言う、実に際どいタイミングでの到着でした。
到着して早々にバスがやって来ました。ロープウェイから降りてくる乗客を満載しており、最初から満員御礼状態でした。
このバスを乗り逃すと、次はもう17時6分の最終便までありません。もし間に合わなかったら、その時はプール平まで歩いて温泉に入ろうと思っていましたが、間に合ってしまったので結果として温泉は無しになりました。
タクシーに乗ると言う予定外の贅沢をしてしまったため、帰りも鈍行で帰ろうかと思案するも、結構な待ち時間があったため結局はあずさを奮発しました。今日はやたらと出費がかさむ一日でありましたな。
しかし、山頂で目にした絶景は、払った金額に十分すぎるほどに値するものであったと思います。
車窓から八ヶ岳に別れを告げます。結局本日は、最後の最後まで雲一つない快晴でありました。行き先がどこであれ、今日山に登った人は、みな大勝利であったことでしょう
やり切った感を漂わせてしまっておりましたが、まだ最後に三鷹駅から自転車をこいで帰ると言うミッションが残っておりました。やれやれな気分でため息をつきつつ、帰宅の途につきました
電車が止まってしまった時にはどうなるかと思いましたが、結果的には当初の予定よりも早い時間から、最高の晴天の下での雪山登山を楽しむことが出来た一日でした。払った犠牲(9,000円!!)は大きかったですが、しかし諦めなくてよかったと心の底から言える会心の山行きでありました。
冬の蓼科山には特にこれと言った危険個所は無く、体力勝負な側面はありますが、雪山初心者向きな山であると思います。強風の通り道であるので、お出かけの際は天気だけでなく、風速の予報もしっかりと確認しておいた方が良いと思います。
青と白の2色に染まった中部山岳地帯の絶景を眺めに、北八ヶ岳の外へ訪れてみては如何でしょうか。
<コースタイム>
女乃神茶屋(9:25)-幸徳平(11:00)-蓼科山(12:05~12:40)-幸徳平(13:15)-女乃神茶屋(14:00)-石臼台別荘地入口BS(14:50)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
大勝利の晴天ですね!!
雪を被った壁のような北アルプス!ずっと眺めていたくなります。写真拡大してしばし見入りました。
公共交通機関を利用された投稿では1ヶ所でも遅延があるとアウトなのかなー?といつもドキドキしながら拝読しておりましたが、ついにそんな日がやってきてしまいました…
そしてそんな時はタクシーという大人な選択をすると学びました。
MMさま
コメントをありがとございます。
福沢諭吉先生は犠牲になられたのです(合掌)。微妙な天気であったらそのまま帰っていたかもしれませんが、あまりにも良い天気だったものですから。
もし可能であるのなら、お友達とお誘いあわせの上で出かけた方が、このような事態に陥った際の傷口が小さくて済みます。