宮城県と山形県の境界にまたがる蔵王連峰(ざおうれんぽう)の熊野岳(くまのだけ)と刈田岳(かっただけ)に登りました。
東北地方の背骨、奥羽山脈(おううさんみゃく)に属する複合火山群です。いかにも東北地方の山らしい広大でなだらかな山容を持ち、山頂のすぐ脇まで車で乗り入れることが可能です。麓には火山の恩恵とでもいうべき湯量豊富な温泉が湧き、観光地としての色合いが強い山です。
紅葉を求め遠路はるばる訪れた山で待っていたのは、人混みに揉まれ時間に追われる慌ただしき一日でした。
2020年10月18日に旅す。
蔵王連峰は複数の火山から成る山群の総称です。蔵王山と言う名称のピークは存在せず、最高峰の名は熊野岳と言います。
なだらかな山容を持つ大柄な山であり、山頂部にはいかにも火山らしい荒涼たる溶岩台地が広がります。
さて、蔵王と言えば真っ先に思い浮かぶのはこちら。五色岳の火口にある火山湖、通称御釜です。
山頂のすぐ脇にまで蔵王エコーラインと呼ばれる車道が通じており、御釜見物がしたいだけであれば、駐車場からものの数分歩くだけでたどり着けます。
登山の対象と言うよりは、どちらかと言えば観光地と考えた方が妥当な場所と言えます。
御釜ばかりが注目されがちですが、蔵王は紅葉の名所でもあります。紅葉シーズンになると、その広大な中腹に広がる森は色鮮やかな錦模様に彩どられます。
この見事なる紅葉は、スキー場のロープウェイに乗れば上から眺めることが可能です。紅葉シーズンになると、実に多くの観光客で賑わいます。
・・・そう、この蔵王と言う山は徹頭徹尾、観光地なのです。山登りの格好をした人間は、この山ではむしろ浮いた存在です。
この喧騒を避けつつ紅葉登山を楽しむためにも、当初は蔵王温泉から直接登って、下山時にだけロープウェイを使う計画を立てていました。しかしその計画は、ある事情により滑り出しから瓦解してしまいました。
予期せぬトラブルと紅葉シーズンの大混雑により、時間に追われた慌ただしき一日の記録です。
コース
蔵王中央ロープウェイの鳥兜山山頂駅よりスタートし、最高峰の熊野岳を目指します。その後は、御釜を望む稜線を進み刈田岳へ。下山は地蔵山まで戻り、蔵王ロープウェイ山頂線で下山します。
1.蔵王登山 アプローチ編 電車の遅延による波乱の幕開け
6時 JR東京駅
蔵王は都内発であっても、公共交通機関を利用した日帰り登山がギリギリ可能な圏内にある山です。まずは山形新幹線つばさ号で山形駅を目指します。
さてこのつばさ号。お盆や正月の帰省シーズンには、指定席の切符がなかなか取れないくらいに混みあうらしいのですが、この日は至って空いておりガラガラ状態でした。
時は紅葉シーズンたけなわだと言うのに、新幹線で蔵王へ訪れようという人は少数派なのでしょうか。
快適な新幹線の座席でウトウトしていたら、駅でもない場所で突然止まってしまいました。いったい何事でしょう。シカでも撥ねたのかな。
しかし、車内アナウンスされたのは想像とは全く異なるものでした。「停電のため緊急停車します」と。えぇ?停電ですか。山形駅での乗り換え時間には、あまりバッファが無いのですがね。
結局、電車が動き出したのはおおよそ20分後の事でした。
9時26分 山形駅に到着しました。ちなみに、乗車予定だった蔵王温泉行きのバスの発車時刻は9時20分です。ふむ、6分前の出来事ですな。
・・・と、あたかも従容と事態を受け入れたかの如く書いておりいますが、実際のところ脳内では悪態をつきまくっておりましたとも。
人気の観光地だけに、蔵王温泉行きのバスは概ね1時間に1本の頻度で運転されています。という事で、次のバスは1時間後の10時20分発です。
まあ、観光がしたいだけなら、この時間でも何も問題はないことでしょう。しかし、もともと綱渡り気味だった私の登山計画は、これで完全に破綻してしまいました。これは当初計画の大幅な練り直しが必要ですな。
きっかり時刻表の通りに、次のバスは現れました。並ばないと乗り損なうほどではありませんが、乗客の数はそこそこ多めです。おそらくは温泉に宿泊するのであろう、キャスター付きのトランクを引く人の姿が目立ちます。
11時 蔵王温泉バスターミナルに到着しました。山形駅からの運賃は1,000円ちょうどです。
2.紅葉シーズンの人混みで大混雑する蔵王中央ロ―プウェイ
温泉地らしく、バスを降りるなり周囲はほんのり香る硫黄臭に包まれていました。当然ながら、下山後は温泉に立ち寄って行きますよ。
さてここで、蔵王温泉から乗ることの出来るロープウェイについて解説しておきましょう。蔵王温泉を起点とするロープウェイは、全部で3ラインあります。
一番北寄りにあるのが蔵王スカイケーブルです。神秘的な景勝地のトッコ沼がある、蔵王高原へと続いています。ちなみに今回の訪問時には、蔵王スカイケーブルは運休していました。
続いて中央にあるのが蔵王中央ロープウェイです。標高1,387メートル地点の鳥兜山の山頂まで続いています。山腹に広がる紅葉を上から眺めたいのであれば、このロ―プウェイがオススメです。
そして最後に一番南にある蔵王ロープウェイ山麓線と山頂線です。こちらのラインは2段に分かれており、途中の樹氷高原駅で乗り継ぎする必要があります。
蔵王連峰最高峰の熊野岳と御釜を目指すのであれば、この山頂線に乗るのが最寄りです。最寄りとは言ってもそこそこの距離はあり、御釜を見に行きたいのであれば、登山の装備があった方が良いです。
当初はロープウェイを使わずに蔵王温泉から直接登って、下山時に蔵王ロープウェイ山頂線と山麓線を使って下山する計画を温めていました。
しかし、もともと若干巻き気味に歩かないと帰りのバスに間に合わない計画だったところを、すでに1時間も出遅れてしまっているので計画を変更します。蔵王中央ロープウェイで鳥兜山まで登り、そこから熊野岳を目指します。
という事で、蔵王中央ロープウェイへとやって来ました。やって来るなり、想像していた以上の人の多さに狼狽しました。恐るべし、紅葉シーズンの蔵王。
そして係員から告げられた無情な一言。「現在、おおよそ1時間待ちです」しかしだからと言っても、歩いて登るのには標準コースタイムで2時間はかかります。出鼻の遅れを取り戻すためにも、ここは並ぶほかありません。
ロープウェイはすでに時刻表無視で連続運転を実施しているようですが。それでも遅々として行列は捌けません。新型コロナウィルス感染症対策という事で、定員を通常の半分に絞っているらしく、それが混雑に拍車をかけていました。
搭乗前に検温があります。既にチケットは購入した後なのですが、これでもし検温に引っかかったら、払い戻しはしてもらえるのでしょうかね。
1時間待ちと言うのは少々盛っていたらしく、実際は35分程の待ち時間での案内となりました。
ロープウェイから見下ろした山腹の紅葉は、まさに見頃のど真ん中でした。しかしまことに残念ながら、眺めの良い窓際の争奪競争に敗れてしまいました。
下りるなり目の前には、蔵王スキー場の中央ゲレンデが広がります。紅葉のピークはすでに中腹へと移っているらしく、山頂付近ではすでに茶色くなりつつありました。
さて一応は、鳥兜山のピークハントをして行きましょうかね。ロープウェイ山頂駅からは、5分とかからずに登頂出来ます。
11時50分 という事で鳥兜山に登頂しました。周囲を広く見晴らすことの出来る展望所となっています。
スタート地点の蔵王温泉が眼下に歩がります。それにしても中腹の紅葉が見事ですね。
当初の計画通りであれば、この紅葉の只中を歩くはずだったのですけれどね。見事に一番おいしいところをロープウェイですっ飛ばしてしまった格好ですな。
こういう視界一面が赤黄オレンジの暖色で覆いつくされるのは、東北地方の山ならではの光景です。関東甲信の山では、どうしたって緑色が紛れ込んでなかなかこうはなりません。
北側の瀧山(りゅうざん)方面の光景です。こちらの紅葉も見事ですね。
そして、これから向かう南の地蔵山方面です。最高峰の熊野岳は、地蔵山の裏に隠れてしまうためここからでは見えません。
3.ザンゲ坂の急登を越えて地蔵山を目指す
最初から時間も押していることであるし、行動を開始しましょう。鳥兜山からはしばしの間、舗装道路沿いに進みます。
歩きだしてすぐに、トッコ沼方面への分岐があります。蔵王スカイケーブルが運休中であるため、見に行くには蔵王温泉からから直接歩いて登るか、もしくは鳥兜山側からここを下りて行くしかありません。
大変神秘的な場所であるらしいので、とても興味はあるのですが、時間が押しまくっているので立ち寄れそうにはありません。
終わりが近いようではありますが、それでも沿道には見事な紅葉が広がっていました。
このまま舗装道路沿いに進んでも目的地にはたどり着けますが、散策路が整備されていたので当然そちらへと進みます。
それにしても、このパラダイス方面という案内がとても気になります。この先には、どんな楽園がまっているのでしょうか。
散策路の頭上は、眩いばかりの黄金色に覆われていました。とりあえずはこれで、今回の訪問の主目的である、紅葉の只中を歩くことは無事に達成できました。
全般的に、赤よりも黄色が目立ちます。曇りがちな空模様ですが、時より差し込む木漏れ日が実に美しい。やはり紅葉シーズンの東北の山はとてもイイですねえ。
陽当たりが良好なところは赤く紅葉していました。ある程度昼夜の温度差が大きくないと、このように赤くは紅葉しません。
そしてなんのことは無い。パラダイスと言うのはゲレンデの名称でありました。いったいどの辺りが楽園なのでしょうか。
これから登る地蔵山が目の前に立ちはだかります。結構な急斜面ですね。流石にここを直登はできないと見えて、登山道は右側に大きく回りこみます。
登山道と言っても、道があるわけではなくゲレンデを直接登ります。踵が痛くなりそうなくらいの、かなりの急勾配です。
ある程度登ったところで振り返ると、紅葉に染まった高原台地が広がっていました。中央に見えているのが、先ほど通って来た鳥兜山です。
遠くに霞んで見えるこの蔵王の懐に広がる平野は、山形盆地です。別名で村山盆地とも呼ばれます。県庁所在地である山形市はこの盆地内にあります。
盆地の中央を、五月雨を集めると早いらしい最上川が流れていますが、霞んでいてよく見えません。
前方を横切るようにロープウェイが現れました。こちらが下山時に利用する予定の、蔵王ロープウェイ山頂線です。
谷川岳ロープウェイと同種の、2本のアームで支えるタイプのゴンドラです。横風に強いのが特長で、この形式を採用しているという事は、ここはそれだけ強風の通り道であるという事です。
ここから地蔵山に向かって、ザンゲ坂と呼ばれる急登が始まります。
何か懺悔しなければならないような事柄は特段身に覚えもありませんが、ともかくこの急坂をヒイヒイ言いながら登ります。なぜ口惜しがる、ザンゲもないのに~♪
背後を振り返ると、平坦な高原台地状の空間が広がっていました。ここは樹氷高原と呼ばれている場所で、冬になるとスノーモンスターの大群が現れる場所として知られています。
ザンゲもないのにザンゲ坂を登り切った所で、木道の整備された平坦な空間へ飛び出しました。
12時55分 地蔵山山頂駅に到着しました。帰りはここまで戻ってくればゴールです。ここからサクッと熊野岳と刈田岳を往復します。
巨大なお地蔵さんが鎮座していました。これが山名の由来となっている地蔵なのでしょうか。
ここで突然年配の男性にカメラを手渡されました。撮影を頼まれるのかと思いきや、まさかの「電源の入れ方が分からない」という質問でした。・・・持って出かける前に、家で試したみたりはしないものなのでしょうか。
ちなみに私は、人から写真撮影を頼まれた際には基本的に快く引き受けます。ですが、過去に一度だけお断りをしたことがあります。それはほかならぬここ蔵王での出来事でした。
外気温マイナス16度で強風が吹きつけている山頂で、スマートフォンを手渡されたからです。・・・グローブを外せと?くれぐれも人に撮影をお願いする際は、まず手袋を外せる状況にあるかを十分考えてからにしましょう。
熊野岳へ向かう前に、地蔵山をピークハントしていきます。一応巻き道もありますが、大した高さではないのであまり迂回する意味もありません。
13時5分 地蔵山に登頂しました。ロープウェイで登ってくれば、10分も歩けば登頂できます。登山の格好をしていない観光客の姿も多くありました。
ここまで来て、ようやく最高峰の熊野岳がその姿を現しました。のっぺりとしたシルエットで、八ヶ岳連峰の硫黄岳を思いだすような姿です。
左手には薄っすらと霞んだ太平洋が見えました。その手前に広がる平野部は、東北地方最大の都市圏である仙台の市街地です。
こうして見ると、宮城県と言うのは山形県と比べて横の厚みがあまりないのですね。
4.蔵王登山 登頂編 馬の背の稜線から望む蔵王のシンボル御釜
熊野岳へ向かいましょう。地蔵山からは一度下りますが、大した高低差ではありません。
鞍部に、不気味な笑みを浮かべたお地蔵様がいました。体とは明らかに素材が違うので、後から足したのでしょうけれど、なんだってこんな表情にしたのでしょうか。
実に火山らしい荒涼とした光景が広がります。ここまで来ると森林限界を超えているため、もう紅葉は一切ありません。紅葉が目当ての人は、地蔵山までで引き返すのが良いのかもしれません。
道なりに進むと避難小屋を経由するルートを通ることになりますが、途中に山頂へ直行できるショートカットルートがあります。
ようやく登山らしい登山道となりました。なお、登山用の靴を履いてきていないと言う人は、ショートカットせずに素直に道なりに進んだ方が無難です。
振り返って見た地蔵山は、先ほどまでの紅葉が嘘の様な緑色をしていました。森林限界を超えたことにより、常緑のハイマツに覆われているためです。
13時40分 熊野岳に登頂しました。前述の通り、ここが蔵王連峰の最高地点となります。
遠目に見えていた通り、山頂は平坦で広々としています。何なら野球が出来そうなくらいの広さです。
前方には刈田岳方面へと続く稜線が連なります。山頂まで来ればすぐに御釜が見えるものだと思っておりましたが、平坦な山容のためか視界に俯角が全く効かず、ここから御釜は見えません。
御釜を見たい人は熊野岳山頂から一度、馬の背と呼ばれる稜線まで下る必要があります。
という事で、ようやく蔵王の象徴とご対面となりました。
御釜の見物が主目的であるならば、蔵王温泉からではなく蔵王エコーラインの駐車場からスタートした方が手っ取り早く辿り着けます。もっともその場合は、マイカー利用が前提となりバスでは来れませんけれどね。
しかし御釜とはまた良くつけた名称で、本当に釜の様な姿をしています。釜を取り囲む外輪山は五色岳と言う名です。なお、登山道がないため登ることは出来ません。
馬の背の稜線を進みます。見ての通り吹きっ晒しの空間で、特に冬季は強風の通り道となります。
前方の丘の様なピークが刈田岳です。既に過去に登頂したことがあるので、正直ピークハントはもうどうでも良かったのですが、何となく惰性で頂上を踏みに行きます。
御釜の見え方が変わって行くのを眺めつつ、馬の背を進みます。
周囲は蔵王エコーライン側から来たのであろう観光客であふれており、ここでも山登りの格好をした人間は浮いてしまいます。やはり蔵王は観光地なのか。
刈田岳への最後の登りです。砂利と石段で舗装された参道は、もはや完全に登山道では無く観光地のそれです。
山頂には立つのは刈田嶺神社の奥宮です。冬に来た時には、冷凍されたエビフライ状態になっていたような。
14時5分 刈田岳に登頂しました。当初の思いとはだいぶ違う行程を踏んだものの、なんとか予定していたゴール地点を踏むことが出来ました。
この先には南蔵王と呼ばれる山域が続いています。気持ちの良さそうな稜線ですね。高山植物の宝庫であるらしいので、是非とも初夏の季節に歩いてみたいです。
刈田岳からみた熊野岳です。いかにも火山ですと言った風情の、荒涼たる溶岩台地が広がっていました。
5.蔵王登山 下山編 下りも混みあう蔵王ロープウェイ山麓線
14時20分 到着して早々ではありますが、あまり時間もないので撤収に移ります。
帰りに乗車する予定バスは17時20分発なので、まだまだ余裕はありそうなものですが、恐らくは下りのロープウェイも混雑しているであろうことを見越しての判断です。温泉にも立ち寄ってゆきたいですしね。
馬の背を引き返します。帰りは熊野岳へ登り返さずに、避難小屋を経由して行きます。
冬期の強風と豪雪に耐えるため、鉄筋コンクリート製の堅固な造りの避難小屋です。中はのぞいてみませんでしたが、あまり広くはなさそうです。
これは先代の避難小屋の跡でしょうか。何かの遺跡のような状態です。
振り返ると刈田岳がガスに覆われつつありました。私が登頂したのは、眺望を台無しにされるギリギリのタイミングであったようです。あぶないあぶない。
地蔵山へと引き返します。こちらは南側とは打って変わって、天候が回復に向かいつつありました。
地蔵山への登り返しです。大した違いはありませんが一応巻き道があるので、帰りは巻き道を使います。
若干の今更感がありますが、ずっと薄曇りだった空から陽が差し込み始めました。中腹の紅葉が鮮やかですねえ。
隣に見えているこの山は、蔵王連峰に属している雁戸山(がんどさん)です。山頂部に至るまで、紅葉が凄まじいことになっておりますな。これは「登りたい山リスト」に加えるべき一座かもしれない。
巻き道は地蔵山の山頂を通らず、東側を回り込んでいきます。オール木道化されていたので、スニーカー履きの観光客のために整備したルートなのかな。
晴れている日には良いですが、ひとたび木道の表面が濡れてしまうと、恐怖のスリップ地帯と化しそうではあります。
15時20分 地蔵山山頂駅へと戻って来ました。この時間ともなると、流石に周囲の人の数も疎らです。
混んでいるのではないかと危惧していたロープウェイは、行列も何もなく至って空いておりました。なんだ、急ぐ必要なんて全然なかったじゃないですか。
と思ったのは早計でしたがね。混雑はここではなく、この先の樹氷高原駅で発生していました。
ロープウェイ下山最高ぅー!下山で楽が出来る山は大好きですよ。
ヒイヒイ言いながら登ったザンゲ坂も、ロープウェイと言うこの偉大なる文明の利器をもってすれば一瞬です。
これは行きに利用した蔵王中央ロープウェイの鳥兜山駅です。やはりこの標高付近の紅葉が一番の見頃でしたな。
樹氷高原駅まで下って来ました。お次は山麓線に乗り換えるのですが、ここで待ち行列が発生していました。
ここで係員から再び告げるられる無情な一言「現在、おおよそ1時間待ちです」。また1時間待ちかーい。
行きの時と同様に、1時間待ちと言うのは多少誇張されていましたが、それでもしっかりと30分以上は待たされました。結果として、早々と撤収に移ったのは正しい判断でありました。
いつの間にかすっかりと青空に。下山する段になってから晴れ始めるとは、何たる間の悪さなのでしょうか。お天道様と言うのはまことに気まぐれかつ意地悪です。
16時25分 山麓駅まで下りて来ました。何とかひと風呂浴びて行く時間を確保出来たようで一安心です。
蔵王ロープウェイ山麓駅は、バスターミナルからは少々離れた位置にあるので、だいたい10分くらいは歩きます
日帰り入浴が可能な温泉施設は、蔵王中央ロープウェイ山麓駅の隣にあります。入浴料は600円で、入浴券は隣接する土産物店で販売されています。
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉で、全身が玉子臭くなります。個人的に硫黄泉は大好きなので大いに満足しました。
すっかりと暗くなってしまったバスターミナルへと戻って来ました。陽が沈むなり急速に気温が下がり、寒くなってきました。
帰りのバスもそこそこの乗車率です。ギリギリ補助席を出さずに乗れるくらいの人数でした。
さてこの蔵王温泉からのバスなのですが、帰路の便は山形新幹線との接続が非常に悪いです。悪いというか、わざとやっているのではないかと勘ぐりたくなるくらい、数分の差で乗り継ぎが間に合わないタイミングに到着します。
次の東京行きはおよそ1時間30分後です。これは「まあまあそう慌てずに、もう少し山形にお金を落として行きなさいよ」という山交バスからのメッセージなのでしょうか。
まるでこの世に、山形新幹線など言うものは存在しないんだとでも言わんばかりの時刻表設定は、正直理解に苦しみます。。
という事で、山形駅でたっぷりと1時間以上の足止めを食った後に、帰宅の途に付きました
こうして慌ただしき山形県への日帰り弾丸登山は幕を下ろしました。紅葉のタイミング的には見頃のど真ん中でありましたが、いかんせん乗り継ぎがことごとく上手くゆかない、ままならぬ一日でありました。蔵王は首都圏からでも日帰りが可能な圏内ではあるものの、温泉に一泊して巡った方が幸せになれる山ではなかろうかと思います。
蔵王連峰は初夏のお花畑に秋の紅葉、そして冬のスノーモンスターと、ほぼ1年を通じてなにかしらの見所がある山です。いつがベストな訪問時期であるのか判断するのが難しい、稀有な存在であると言えます。これまで秋と冬に巡って来たたので、次回はグリーンシーズンに訪れてみたいと思います。
<コースタイム>
鳥兜駅(11:45)-地蔵山(13:05)-熊野岳(13:40)-刈田岳(14:05~14:20)-熊野岳避難小屋(14:50)-地蔵山山頂駅(15:20)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
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