達磨山 伊豆半島を縦断する天空の稜線歩き

古稀山から見た達磨山静岡県沼津市と伊豆市にまたがる達磨山(だるまやま)に登りました。
西伊豆の南北に連なる山脈上に位置する古い火山です。山頂部は熊笹に覆われ展望が良く、格好の富士展望台ともなっています。山頂のすぐ脇を西伊豆スカイラインが通っていることから、比較的簡単に頂上に立つことのできる山でもあります。
縁起のよさそうな名前の山で、新年の初登山をしてきました

2019年1月4日に旅す。


新しい年が明けました。今回は新年初登山という事で、ひとつ縁起の良さそうな山にでも登ってゲン担ぎしたい所であります。

どこぞに、開運山に比肩しうるぐらい縁起のよさげな山はないものかと、登山地図を引っ張り出してアレコレ物色していたところ、伊豆にある達磨山が目にとまりました。
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ダルマは縁起物であるわけですから、ダルマの名を冠した山はもまた縁起物と言って差し支えないことでしょう。という事で行き先決定です。

西伊豆につらなる脊梁山脈上に位置する達磨山は、大変好展望である事で知れた山です。縁起担ぎ云々が無かろうとも、前々から訪問したいと思っていた山でありました。
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最高の晴天にも恵まれて、伊豆の天空を歩くがごとき稜線歩きを楽しんで来ました。

コース
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大曲茶屋より伽藍山、古希山を経て達磨山に登頂。下山は辺田峠から達磨山レストハウスへと下る。標準コースタイム4時間15分ほどのお手軽登山です。

ちなみにこの西伊豆の縦走路は天城峠に端を発しており、全長は30km近くあります。流石に日の短いこの季節に全部を一日で歩くのは無理があるので、今回は程よい位置で切りました。

 

1.達磨山登山 アプローチ編 電車とバスを乗り継ぎ、大曲茶屋へ

6時5分 JR新宿駅
さて、時は1月4日金曜日。暦の上では平日です。私の冬休みはまだ続いておりますが、今日から仕事始めだと言う人も多いのではないでしょうか。
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平日朝の新宿駅で山登りの格好などしていると、周囲から白い目で見られるのではないかと言う被害妄想に苛まれながら、電車の到着を待ちます。

東京駅で東海道新幹線に乗り換え、三島駅へ向かいます。静岡県などこの世に存在しないかのように振る舞う「のぞみ」ではなく、鈍行の「こだま」です。
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車窓から富士山が良く見えました。頭上にどよーんとした雲が垂れ込めているのがやや気にはなりますが、今の所お天気は上々であるようです。
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7時28分 三島駅に到着しました。
快適な新幹線の座席でウトウトとしている内に、あっという間の到着です。
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JR東海はいい加減このスイカがまともに使えないクソ仕様を是正してくれませんかねえ。まあ、JR東と東海の仲の悪さは昔から有名な話なので、今後も改善の望みは薄そうですけれど。
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伊豆箱根鉄道に乗り換えます。なおこの路線はスイカ、トイカを問わず、始めから交通系ICカードに対応していません。終点の修善寺までの運賃は510円です。
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8時12分 修善寺駅に到着しました。
終点から終点まで乗っても所要時間40分ほどの短い路線です。
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伊豆の地図というのは、オーストラリアの地図のように南が上向きなのですね。
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8時35分発の松崎行きのバスに乗り込みます。このバスもまた、交通系ICカードには対応していません。大曲茶までの運賃は810円です。結構高いですね。
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車窓から徐々に近づいてくる稜線をぼんやり眺めます。この稜線の上を、西伊豆スカイラインと呼ばれる道が通ています。
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9時5分 大曲茶屋バス停に到着しました。この場所で既に標高は400メートルほどあります。
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2.峠越えの旧道を歩き船原峠へ

身支度を整えて、9時10分に行動を開始します。まずは道なりに沿って登って行きます。
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気温3度というのは、この季節としては暖かい方でしょうか。この気温では地面がぬかるんでしまっているかもしれません。むしろ凍っていくれていた方が歩きやすいのですけれどね。
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この場所は大曲と呼ばれており、その名が示す通り道が大きく蛇行しています。
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ヘアピンカーブを過ぎると、間もなく分岐が現れます。直進すると船原峠をブチ抜くトンネルへと到達し、右へ入ると峠越えの旧道となります。ここは当然右です。
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旧道をえっちらおっちらと歩くうちに、頭上の雲が取れて青空が広がり始めました。これはこれは、年明け早々によき塩梅です。
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程なく、峠とその上を行く西伊豆スカイラインの姿が視界に飛び込んできました。
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魚眼レンズで撮影したわけではなく、橋そのものが曲がっています。
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9時50分 船原峠に到着しました。
これで西伊豆脊梁山脈の稜線に乗りました。ここからは爽快なる天空の稜線歩きが始まります。
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スカイラインの脇から登山開始です。
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この西伊豆スカイラインは、建設当初は有料の自動車専用道路でしたが、現在は無料化され一般県道の扱いとなっています。箱根スカイラインのように、歩行者は立ち入るななどしみったれたことは言われず、自由に歩くことが出来ます。
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先ほど見上げた曲がった橋の上からは、伊豆の名峰天城山(1,406m)の姿が一望できました。
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3.達磨山登山 登頂編 富士山に向かってあるく天空の稜線歩き

縦走路は西伊豆スカイラインと付かず離れずの位置に続いています。
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稜線上の最も平坦で美味しい部分をスカイラインにとられてしまっているため、こんな風に崖際のか細い径を歩かされたりもします。
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すぐにまた車道と合流しました。この先もずっとこんな感じで、車道と合流しては離れるを繰り返すことになります。
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海だぁー
視界がぱーと開ける瞬間って、妙にハイテンションになりませんか。
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さざんかさざんか咲いた道~♪
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いまだに私はサザンカとツバキの識別ができません。あまり自信はありませんが、これはたぶんサザンカだと思います。
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ショートカットできそうな部分になると、このように車道から外れたハイキングコースが現れます。
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アップダウンは割と大きめです。とても一月とは思えないような陽気で、すでに汗だくです。
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木がやたらとグネグネ曲がっているのが伊豆半島の植生の特徴です。天城縦走路もずっとこんな光景でしたな。
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普段の山行きでは何となく残念な気分になる車道歩きも、視界が開けているコースであれば何ら苦痛を感じません。実に爽快な気分です。
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進行方向の先に空しか見えない光景というのは、まさしくスカイラインの名を体で表しているのではないでしょうか。
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撮影が捗りすぎてなかなか歩みが進みません。逆説的なことを言うようですが、スカイラインと呼ばれるハイウェイの魅力というのは、徒歩でないと十分には味わうことが出来ないのではないでしょうか。
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圧倒的に海のイメージが強い伊豆半島ではありますが、こうして見ると伊豆というのは山国でもあるんだなあと思う次第です。
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緩やかな坂を上りきると、駐車スペースのある広場へと辿り着きました。
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10時50分 土肥駐車場に到着しました。
「土肥」と書いて「どい」と読みます。周囲に特に何かがあると言う訳でもない、眺望を楽しむためだけに設けられた駐車スペースです。
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眼下に広がる駿河湾の大海原を一望できます。
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眼下に見えるこの小集落は土井温泉です。江戸時代から続く湯治場として知られ、夏には格好の海水浴スポットになります。
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頭だけですが富士山も見えました。ここから先はずっと、富士山に向かって歩いて行くことになります。
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土肥駐車場を過ぎると、縦走路の標高は900メートル超えて、周囲には熊笹の姿が目立つようになります。
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ハイウェイと合流したところで、再び視界が開けました。
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伽藍山の山頂です。伽藍(がらん)とは仏教寺院の建物の事を示す言葉です。達磨山と言い、西伊豆の山は仏教色が強い山名が多いですね。
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山頂の様子
あまり山頂っぽくはなく、ただの道の途中にある平場と言った趣の場所です。
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必死の形相のロードバイカーが、ゆっくりとした速度で脇を追い抜いていきました。下りだけなら楽しそうですね。
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前方に沼津港が見えて来ました。雲がかかってしまっているものの、奥には冠雪して真っ白な南アルプスの山並みも見えます。
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またもや背丈を超える高さの笹薮の中へ突入します。これは推測ですが、もともとはハイキングコースの方が先に存在し、後からできたスカイラインによって細切れに分断されたのではないかと思います。
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箱根の外輪山とよく似た雰囲気の道が続きます。
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ここでようやく、本日の目的地である達磨山が姿を現しました。これはまたとても良い稜線です。
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月並みな感想ですが、伊豆って素敵な所ですよね。山あり海の幸あり温泉ありと三拍子そろっているうえに、黒潮の暖流のおかげで気候が温暖だというおまけつきです。旅行先として非の打ちどころがなさすぎると思います。
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11時20分 古稀山に到着しました。
70歳になってもまだ登山を続けていたら、その時はここへ記念登山に訪れることにしましょう。・・・覚えてるかな。
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山頂の様子
伽藍山と同様に、あまり山頂っぽく無い場所です。尾根の途中にあるただの平場と言ったところです。
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古稀山はまるで、隣の達磨山を眺めるために存在していると言っても過言では無さそうな場所です。一面が笹に覆われた見るからに展望の良さそうな姿に、期待が高まります。
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古稀山と達磨山の鞍部にある辺田駐車場へと下ります。
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ちなみに、この辺田駐車場からスタートした場合、達磨山のコースタイムは15分ほどです。登山というより散歩ですね。
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ゆるやかな笹の稜線を上って行きます。周囲にはハイカーの姿はほとんどなく、ラフな格好をした観光客の姿が目立ちます。
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山頂が見えました。
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11時55分 達磨山に登用しました。
最寄りのバス停からではなく、わざわざ少し離れた大曲茶から歩いて来ましたが、そのおかげでここまで最高の稜線ハイクを楽しむことが出来ました。
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山頂の様子
溶岩石が散乱するこじんまりとした山頂です。周囲は360度全方位の展望が開けています。
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4.達磨山山頂からの展望

それでは早速、待望の眺望タイムを楽しむこととしましょう。正面には毎度お馴染み世界遺産のアイツこと富士山が横たわります。中腹に雲がかってはいるものの、ほぼ完ぺきな姿を見せてくれました。
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伊豆方面から見た富士山の特徴はまず何とっても、山腹にぽっかり口を開けた宝永噴火口です。普段見慣れた山梨県側からの姿とは全く異質な姿です。
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そしてよく見ると、富士山の斜面は左右均等では無く、静岡県側の方が急勾配であることがわかります。実は完全にシンメトリックな姿をした富士山を見ることのできる場所というのは、意外と限られていたりします。

駿河湾を挟んだ向かいには、箱根の天険が横たわります。電車や車で移動していると意識しませんが、こうして遠巻きに眺めると確かに箱根一帯は天然の要害ですね。
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南側の眺望。達磨山は浸食が進んだ相当は古い時代の火山で、眼下に見ろしているこの谷はかつては、カルデラの底だった部分だそうです。現在の山頂部は、カルデラの外輪の一部にすぎないという事です。
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谷底にあるこちらの集落は辺田(へだ)です。
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辺田は私にとって非常に思い入れのある場所です。幼少期に一度、家族旅行でこの地を訪問しました。

港から見た海は恐ろしいまでに真透明で、黒潮に乗ってやってきたであろうイシダイなどの色鮮やかな南国の魚が多数泳いでいたのを、今でも鮮明に覚えています。

今なお私にとって、伊豆という単語を聞いて真っ先に想起するのは辺田漁港の光景です。

対岸に見えているのは恐らく静岡市辺りだと思います。背後には、海まで迫らんとする赤石山脈の主脈が連なります。
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背後には、ここまで歩いてきた西伊豆山地の稜線が続いています。見渡す限りの山また山です。
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そして天城山。伊豆について語る際には絶対外すことのできない、この地の象徴的な山です。
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5.達磨山登山 下山編 金冠山を経由し達磨山レストハウスへ下る

12時20分 前評判通り素晴らしい眺望を、心行くまで楽しみました。ボチボチ下山を開始します。
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頭上をラジコンの飛行機が飛び回っていました。周囲には何もなく、確かに格好の遊び場のように思えます。
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道路わきに操縦者を発見。楽しそうですな。
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何処からともなく現れたトンビが、ラジコンを威嚇するかのように飛行していました。「真の大空の覇者が誰かを教えてやる」とでも言ってそうな雰囲気です。
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ここでまたもやスカイラインから外れ、笹薮の中へと戻ります。
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振り返って見た達磨山は、まるでなだらかな丘のような姿をしていました。
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下山を開始したはずなのに、先ほどから激しく登り返させられている気がするのは気のせいでしょうか。
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ほどなく子達磨山なるピークに到着しました。
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山頂の様子
本家達磨山と違い、まったく眺望も何もありません。ただの通り道ですね。
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眼下にトンネルの姿が見えて来ました。あの場所が辺田峠です。あそこまで路線バスが乗り入れています。
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ぽかぽか陽気ですっかり霜柱が融けてしまった道は、案の定ひどい泥濘状態でした。そしてこういう時に限ってストックは不携帯です。
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13時5分 辺田峠に到着しました。
ここでバスを待っても良いですが、次の便は14時台なのでまだ1時間以上も時間があります。せっかくなので、もう少し先まで行ってみましょう。
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富士展望スポットして知られる金冠山へ足を延ばします。辺田峠から15分ほどで行けます。
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山頂にある電波塔の巡視路を兼ねているのか、道は舗装されていました。
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そんなわけで、じつにあっけなく到着です。
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13時20分 金冠山に登頂しました。
天城峠から続く西伊豆縦走路の終点に当たる場所です。
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山頂の様子
そこそこ広い空間です。展望は北側だけが開けています。
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金冠山は伊豆でも有数の富士山展望スポットです。いつの間にやらだいぶ雲が湧いてきてしまっており、少々残念な姿になっておりました。
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眼下には沼津市の街並みが広がります。金冠山は夜景スポットとしてもそこそこ有名です。辺田峠を通るバスは18時台まであるため、この季節であれば完全な日没後まで粘ることも可能でしょう。
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そして箱根です。近づいた分だけ、達磨山から見た見た時よりもずっと大きく見えました。
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この駿河湾内にポツンと浮かぶ島は淡島です。バブリーな頃にはリゾート地として開発され、珍しい海上ロープウェイが通っていました。今ではロープウェイ撤去され、船でしか往来できません。
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14時 山頂を辞去し、今度こそ下山します。辺田峠より少し下ったところにある。達磨山レストハウスへ向かいます。
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ここまで歩いてきた子達磨山(左)と達磨山(右)が見えました。これでもう見納めです。
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峠からレストハウスへの道は、広く刈り払われた防火帯となっていました。最後の最後まで好展望を見せてくれる良コースでありました。
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14時25分 達磨山レストハウスへ下山しました。
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金冠山の山頂まで足を運ばずとも、このレストハウスの展望台からでも十分すぎるぐらいに素晴らしい眺望が得られます。
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本日はもう雲が上がってきてしまっておりますが、早朝時間帯や夕暮れ時などに訪れれば幻想的な光景を目にすることが出来るでしょう。
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自販機で富士山コーラなる飲み物を購入し祝杯を上げます。うすうすわかってはいた事ですが、容器が違うだけで中身は普通のコカ・コーラです。
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時刻表より少し遅れて現れたバスに乗り込み、長い長い帰宅の途につきました。
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かくして2019年の発登山は、最高の天気に恵まれた会心の山行きとなりました。伊豆の山と言うと天城山ばかりが注目されがちですが、この西伊豆の縦走路はもっと注目を浴びてよい存在だと思います。むしろ天城山はかなり微妙な山だしね・・・
ひたすら長いコースですが、途中でエスケープ可能なポイントは何ヵ所も存在し、程よい行程に刻むことが可能です。富士山に向かって歩く好展望の稜線歩きへと繰り出してみてはいかがでしょうか。
月並みな感想ですけれど、伊豆って素敵な所ですよね。

<コースタイム>
大曲茶屋(9:10)-船原峠(9:50)-土肥駐車場(10:50)-伽藍山(11:00)-古稀山(11:20)-達磨山(11:55~12:20)-子達磨山(12:45)-辺田峠(13:5)-金冠山(13:20~14:00)-達磨山レストハウス(14:25)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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