白山 色とりどりの花々に彩どられられた、北陸地方きっての名峰

御舎利山から見た白山
石川県白山市と岐阜県白川村にまたがる白山(はくさん)に登りました。
富士山や立山と並ぶ、太古より山岳信仰の対象となってきた霊山です。加賀百万石の沃野を潤す水源であるこの山は、初夏の雪解けシーズンを迎えると、高山植物が一斉に色とりどりの花を咲かせます。
ベストシーズンを迎えた北陸地方きっての名峰へ、テントを担いで遥々遠征して来ました。

2018年7月21~22日に旅す。

今回の行き先は北陸地方を代表する名峰、白山です。

太古の昔より信仰の対象として崇められて来た霊山です。記録に遺されているこの山の初登頂は、養老元年(西暦717年)にも遡ります。実に1,300年前の出来事です。
白山奥宮と御前峰
白山と立山と富士山をあわせて、日本三大霊山と呼ばれています。日本には古くから山岳信仰が数多く存在しますが、この三山はその歴史の長さと知名度において、他とは一線を画す存在であり続けています。

またこの山は、数多くの希少な花々が咲き誇る、高山植物の宝庫でもあります。
白山の咲く高山植物
「ハクサン」の名を冠した花の種類の多さが、その事実を雄弁に物語っています。パッと思いつくだけでもハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、etc。

花々が一斉に花を咲かせる初夏の季節は、まさに白山登山のベストシーズンです。

今回はテントを担いで、最高の季節を迎えた白山とお隣の別山とを共に登ってきました。
別山の山頂から白山を眺める登山者

コース
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別当出会いより砂防新道を通って南竜小屋へ向かい、キャンプ指定地にテントを張ります。そこから白山最高地点の御前峰を往復し一泊。

翌日は稜線沿いにお隣の別山まで行き、チブリ尾根を経て市ノ瀬へと下山します。白山の魅力を十二分に満喫出来るであろう、充実の行程です。

1.白山登山 アプローチ編 バスを乗り継ぎ登山口の別当出会いへ

7月20日 21時25分 京王八王子駅 10番バス乗り場
金沢駅行きの夜行バスへ搭乗すべく、八王子までやって参りました。
京王八王子駅 10番バス乗り場
このバス便は八王子始発だったので、特に何も考えずに八王子からの乗車を指定してしまいましたが、よくよく見たら出発後に渋谷のマークシティを経由して関越に乗るルートを通っています。

それならば乗車地は渋谷にしておけば良かったと、思ってみた所で後の祭りです。

本日の車両は3列シートの豪華仕様です。なにせ金沢駅まで9,000円もしましたから。
金沢行き夜行バスの車内
贅沢がしたかった訳では無く、単にこの便しか空席を確保できなかったと言うだけの事です。普段よりもぐっすりと快眠できたので、まあ高い金額を払った価値は十分にあったのかなあと思います。

明けて翌7月21日。予定到着時刻である6時よりも5分早く、5時55分に金沢駅に到着しました。ここで別当出合い行きの直通バスに乗り換えます。
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なお、別当出合行きバスの始発便は6時ちょうどに金沢駅を出発します。6時に到着して6時に出発では乗り換えが間に合わないので、当初は次の7時の便に乗る予定でいました。

ですが、夜行バスが5分早くに到着してくれたおかげで、うまい具合に6時発便に転がり込む事に成功しました。実に幸先のよいスタートと言えるでしょう。今日は何もかもがうまく行ってしまいそうな予感がします。

別当出合までの所要時間は2時間30分と長丁場で、運賃は2,200円です。路線バス扱いなので事前予約は必要ありません。
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途中で一度、道の駅でトイレ休憩があります。「はくさん」ではなく「しらやまさん」なんですね。
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8時25分 別当出合に到着しました。
トイレの他に水場と自販機があり、最低限の準備はここで整えられます。
別当出合に建つビジターセンター
別当出合の標識
なお、石川県の条例により、白山へ入山する際には登山届けの提出が義務化されています。用紙も投函ポストもあるので、提出してから出発しましょう。

2.砂防新道コースを通って南竜小屋を目指す

登山届けを提出し、一通り身支度を整えて、8時50分に登山を開始します。GWに登った至仏山以来となる久方ぶりのテント泊装備で、足取りも重くノタリノタリと出発です。
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本日は砂防新道と呼ばれるコースを登ります。まず始めに吊橋を渡ります。
白山 砂防新道入り口の吊橋
なおこの吊橋、縦ではなく横方向に結構揺れます。吊橋は揺れるものの方が断然好みですが、この揺れ方はちょっと気持ち悪い感じがします。

砂防ダムが上流に向かって立ち並んでいます。砂防新道という名称の由来は、おそらくはこの砂防ダムだらけの沢に沿っていることに起因しているのでしょう。
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この別当沢は、北陸地方きっての暴れ川である手取川の源流部にあたります。この大掛かりな砂防ダム郡は、なにがなんでも絶対に土石流を発生させてなるかと言う強い意志が感じられます。

人気の山だけに、登山道は大変良く整備されています。階段地獄だとも言えますが。
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9時25分 最初のチェックポイントである中飯場に到着しました。砂防工事に従事する作業員達のお食事所だったのでしょうか。
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トイレと水場があります。水場と言っているのは、このトイレの前の水道のことですが。
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砂防新道コースには、道中に水を補充できるポイントが2箇所あります。おかげで、水の携行量についてはそんなに神経質になる必要はありません。

中飯場を過ぎて以降も、良く整備された石段の道が続きます。とても歩きやすい道ですが、味気ないとも言えます。
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このマットは希少な高山植物の宝庫である白山に、外来種の種子を持ち込ませないためのものです。足の裏の土をゴシゴシして落としてください。
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なにやら城砦のような大規模なコンクリートの塊が谷間に横たわっています。柳谷導流落差工という名の構造物です。
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谷の上部に2段の滝が見えます。不動滝という名の、落差70メートルほどの滝です。雪解けシーズにだけ出現し、雪渓がなくなる8月中旬以降には消えてしまう期間限定の滝です。
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足元にタカネナデシコが咲いていました。
白山のタカネナデシコ

これはミヤマシシウド。砂防新道沿いの至る所で花をつけていました。
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すっかり忘れそうになっていましたが、白山は火山です。最後に噴火したのが西暦1,659年の出来事なので、かれこれ350年ほど休止状態にあります。
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白山には約450年の火山活動周期があると考えられており、そろそろ再び活動期に入る可能性があると言われています。

周囲の視界が開けて来ました。森林限界に近づいてきたようです。頭上からサンサンと降り注ぐ直射日光に炙られて、暑いことこの上ありません。
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樹林帯を抜けてから程なく、建物の屋根のようなものが見えてきました。
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10時40分 甚ノ助避難小屋に到着しました。
展望がよく水場もあり、かなりの好立地にある小屋です。中は覗いてみませんでしたが、収容人数は20名ほどだそうです。
白山 甚ノ助避難小屋
小腹が空いてきたので、ここで1本立てて弁当を広げました。

小屋の前から、明日歩く予定の別山へと続く稜線が一望できました。実に気持ちの良さそうな稜線です。
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頭上高くには、観光新道と呼ばれる道のある尾根が連なっています。あちらの方が砂防新道よりも断然好展望であるようですが、山頂ではなく南竜小屋を目指している場合には遠回りになります。
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避難小屋から少し登った所で、山頂へ直接向かうルートと南竜小屋へ向かうルートの分岐地点が現れます。
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小屋へ向かう場合、登りは一旦終わりでここからしばらくトラバースになります。
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このトラーバーズ地帯の斜面には、一面のお花畑が広がっていました。この猫じゃらしのような花はイブキトラノオ。
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こちらはお馴染みのハクサンフウロ。白山に咲くハクサンフウロは、さしずめ本場物と言ったところでしょうか。
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高原の女王ことシモツケソウ。
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眼下には、先ほど休憩した甚ノ助避難小屋の姿が見えました。
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トラバース路をぐるっと回り込んだところで、前方に高原大地のような平坦な場所が見えて来ました。
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目指す南竜小屋が視界に飛び込んできました。右の方の少し離れた場所に、本日の宿となるキャンプ指定地があるのも見えます。
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小屋の周囲は木道が整備されています。ホントよい所に建ってますねえ。
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11時45分 南竜小屋に到着しました。
テント泊の場合もここで受付を行います。
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幕営料は驚きの300円です。幕営料ではなく清掃料という名目でした。受付時にトイレや水場の説明をしてもらえます。
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先ほども見えていた通り、テント場は小屋からは少し離れた所にあります。徒歩およそ5分といったところです。入り口付近には僅かながら雪渓が残っていました。
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テント場は一面のお花畑の真っ只中にありました。何だここは、楽園か。
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素晴らしいロケーションの野営地です。谷間なので眺望こそはありませんが、そんなことはどうでも良くなって来るような楽園の光景です。
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眺めの良さそうな場所に本日の宿を設営しました。
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テント場から眺めた南竜小屋は、なんと言うかまるでスイスの高原地帯のような雰囲気です。スイスに行った事は無いけれど。
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3.白山登山 登頂編 白山最高峰の御前峰と山頂部のお池巡り

12時30分 サブザックに貴重品だけを放り込んで、白山最高峰の御前峰へ向かいます。ルートは、山頂への最短コースであるトンビ岩コースを選びました。
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ルート上に何箇所か小さな雪渓が残っていました。僅かな横断距離であったため、アイゼン無しでも特に問題はありませんでした。
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沿道に咲くのは高山植物の大定番であるチングルマ。
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そしてハクサンコザクラ。やはり本場物は一味違いますな。・・・いや、変わらないか。
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背後の南竜小屋には、ガスが覆いかぶさりつつありました。やはり夏山はどうしても、午後になると雲が上がって来てしまいますね。
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コース名の由来となっているトンビ岩まで登って来ました。ここまでは結構な急登でした。
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これがトンビ岩だそうです。ん~、どっちが頭だろう??あまりトンビには見えません。
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ここまで来てようやく山頂部の御前峰がお目見えです。すっかりガスってしまっておりますな。
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またもや雪渓の横断がありました。今度のはかなり大きな雪渓です。
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雪渓のある所お花畑ありです。と言うことで、この辺りも周囲一面にお花畑が広がっておりました。
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前方にかなり大きな建物が見えてきました。山頂直下に建つ山小屋、白山室堂です。
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室堂周辺はコバイケイソウが満開で、コバイケイソウ畑状態でした。・・これ確か毒草でしたよね。
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13時50分 白山室堂に到着しました。
収容人数700人を誇る巨大な山小屋です。北アルプス以外の地域にある山小屋としては最大級の収容人数です。しかも完全予約制で、詰め込みは一切行わないのだとか。
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御前峰は相変わらずガスに巻かれたままです。晴れてくれないかなーと思いつつしばし待機していると・・・
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晴れたっ!
やはり今日は何もかもがうまく行ってしまう日なのか。
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うかうかしているとまたガスってしまうかもしれないので、足早に山頂へと向かいます。

この山頂へ向かう道もまた花満開でした。まったく白山と言うヤツは、どこへ行っても花だらけ。高山植物のバーゲンセール状態です。
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「そんな呑気に花ばかり撮影していると、またガスッちゃうぞ」という心の声を無視して、黙々と撮影に勤しみます。

これはミヤマシャジンかな。かなり色の濃い固体です。
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こちらはクロユリ。石川県の郷土の花です。
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ほら言わんこっちゃ無い。また雲が沸きあがって来ました。
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先ほどから晴れたりガスッたりを繰り返しているので、いちいち一喜一憂していても始まりません。

ほらまた晴れてきた。間もなく山頂です。
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山頂に立つ白山奥宮。1,000年以上昔から信仰の対象となってきた、由緒正しき神社です。
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14時40分 白山御前峰に登頂しました。
標高は2,702メートルあります。富士山とアルプスと八ヶ岳を除いた山の中では、最も標高が高い山です。
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雲に覆われていて遠くこそ見えませんが、頂上一帯は綺麗に晴れてくれました。
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白山の山頂部には噴火口を取り囲むようにいくつかのピークが存在します。こちらは剣ヶ峰(2,677m)。崩落が進んで立ち入り禁止となっており、登ることは出来ません。
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こちらは大汝峰(2,684m)です。まだ多くの雪渓が残っていました。
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眼下には室堂平と呼ばれる平坦地が広がります。白山室堂の巨大さが際立っておりますな。
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豊富な雪解け水により、白山の山頂部には数多くの火口湖が形成されます。お池巡りと呼ばれるコースが整備されており、それらを見て回ることが出来ます。
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これは油ヶ池。まだ生まれたてですね。この雪渓がすべて溶けたころには、立派な池になるのでしょう。
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こちらは火口の底から見上げた御前峰です。火口壁であることが良くわかる姿をしております。
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噴気は一切出ていませんが、火口の周囲ではかすかな硫黄の匂いを感じました。恐らくは、地面に堆積した火山性物質が池の水に溶け出しているのでしょう。

こちらは翡翠湖です。確かに見事な翡翠色をしています。白山にある火口湖の中では最大の大きさです。
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こちらは血の池と呼ばれる池です。西向きの斜面にあるため、夕日に照らされると真っ赤に染まるのだとか。
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水面に逆さ剣ヶ峰が写っていました。
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大汝峰にも登って見たいと思いつつも、実はこの時点で水が尽きてしまっており、干からびそうな状態でした。おとなしく室堂に引き上げます。
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お池巡りコースはまだ続くのですが、直進して室堂への近道へ進みます。
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夏の空以外の何者でもないような積乱雲が沸きあがっていました。
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一面に咲き誇るチングルマ。本当にどこを見ても花だらけの山です。
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程なく室堂に帰り着きました。
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室堂の水場は、宿泊者でなくても無料で提供されています。雪渓が無くなってしまって以降は水の確保に苦労しそうな場所ですが、秋口以降はどうなるのでしょうか。

4.雲しか見えなかったアルプス展望台

16時20分 室堂を辞去し、南竜小屋へ引き上げます。下山は展望歩道と呼ばれるコースを歩きます。
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この雲の様子では、恐らくアルプスは見えないでしょうけれど、それでもピストンするようりは楽しかろうと思ってのことです。

しばしの水平移動の後、程なく大白川ダムへ下山するコースとの分岐地点に行き当たります。
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分岐地点から振り返ってみた御前峰。これで見納めです。
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晴れていればさぞや展望が良いであろう尾根道を下って行きます。傾斜がゆるめで歩きやすい道です。
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17時15分 アルプス展望台呼ばれている場所まで下って来ました。南竜小屋は谷底にあるためご来光が見えないので、ご来光が見たい人は、ここまで登ってくると良いそうですよ。
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思ったとおり、アルプスの姿は一切見えませんでした。まあ、アルプスの展望は明日登る別山で回収することにしましょう。
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枝の上から、ホシガラスが周囲を睥睨していました。同じ高山帯に暮らす鳥なのに、ライチョウばかりが持て囃され余り相手にされない不遇の鳥です。
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南竜小屋に向かって下って行きます。出発した時よりもテントの数が目に見えて増えているのが、上からでも良くわかりました。
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一箇所だけ、崩落寸前の雪渓を横断する箇所があり肝を冷やしました。これは踏み抜いたら腰まで埋まりそうなヤツです。
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雪渓を抜けると、あとはラクラクな木道歩きです。
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18時 憩いの我が家へと帰り着きました。ほぼ丸一日歩き回って、結構疲れました。
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いつものお湯を沸かすだけの晩御飯を頂きます。
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天気が良かったら星空撮影会を開催する予定でいましたが、南竜小屋一帯はすっかり雲に覆われていました。
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もし夜中に目が覚めたときに晴れていたら、そのとき撮影を行おうと思っておりましたが、よほど疲れていたのか、翌朝アラームに起こされるまで、一度も目が覚めることはありませんでした。

5.別山へと続く稜線からの大絶景

明けて7月22日の4時50分。一晩を過ごした憩いの我が家を引き払いました。
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花咲く楽園のような南竜小屋に名残惜しく別れを告げ、2日目の行動を開始します。
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別山方向へ進みます。
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木道が整備された湿原帯を進みます。まるで尾瀬・・・イヤ、なんでもありません。
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この木道は整備不良気味で、所々崩壊していました。白山登山のメインルートである砂防新道や観光新道は良く手入れがされていましたが、これから歩くコースは余りメジャーと言えないコースです。
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目の前に油坂の頭という名のピークが立ちはだかります。
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一度谷底まで下り、その後大きく登り返します。
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消えかけの雪渓が残っており、登山道を塞いでいました。雪渓の脇に踏み跡が出来ていたので、それに沿って下りました。
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谷底に沢があります。水を取れるのはここが最後です。この先しばらくの間、一滴の水も得られない尾根を歩くことになるので、最低でも2Lは確保しておきましょう。
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道が一部崩落していました。横向きになりながら慎重に通り抜けます。
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またもや雪渓が出現しました。何れもアイゼン無しで通り抜けましたが、緊張を強いられて心臓に悪いことこの上ない。
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油坂の頭の頂上が見えて来ました。見るからに展望の良さそうな姿に期待が高まります。
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正面にアルプスの絶景が広がります。昨日のアルプス展望台での無念を見事に晴らしてくれる光景です。180721白山_110

一際目を引くこの山は木曽の名峰、御嶽山(3,067m)。
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噴火警戒レベルが引き下げられたことにより、現在急ピッチで登山道の補修と退避シェルターの設置が進められています。この山へ再び登れるようになる日も近いかもしれません。

こちらは乗鞍岳(3,026m)。飛騨山脈(北アルプス)の一部と見なされていますが、主脈からは少し離れた位置にあり、独立峰のような姿をしています。
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槍ヶ岳から穂高連峰へと連なる稜線もこの通りクッキリと見えます。間にある大キレットの窪み具合が非常に目立ちますねえ。
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こちらは北側です。真ん中の尖がっている山が剱岳(2,999m)かな。
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背後に白山が圧倒的な存在感で佇んでいます。素晴らしい天気です。昨日室堂に泊まった人達は、大勝利だったと言えるでしょう。
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そして、これから歩く別山へと続く稜線。一番奥に見えているのは御舎利山という名のピークで、別山本体はここからは見えません。
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ここからは爽快極まりない天国のような稜線歩きです。道の脇には、これでもかと言わんばかりに大量の花が咲き誇っていました。
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小規模な池塘などもあります。
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明らかにテントを張ったであろう跡が地面に残っていました。確かにヤミテン(正規のキャンプ指定地では無い場所で幕営する行為を指す)したくなる気持ちがわからなくは無いロケーションです。

結構激しくアップダウンがあります。気持ちの良い道ではありますが、決して楽な道ではありません。
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登っても登っても次々と現れ続ける小ピークを乗り越えて行きます。
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眼下に下山予定地である市ノ瀬の建物が見えます。漢字を間違えたけど面倒だから直しません。標高差は1,600メートルほどあります。眩暈を起こしそうになる高度感。
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切れ落ちた深い谷底には、どこも豊富に雪が残っています。加賀百万石を支えた水の源です。
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ようやく別山本体の姿を視界に捉えました。右にあるの御舎利山で、中央左にあるピークが別山です。
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御舎利山の斜面は、一面がすべてニッコウキスゲに覆われていました。
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7時20分 分岐地点まで登ってきました。ここから別山までは往復で20分ほどです。
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山頂に向かってラストスパートです。
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7時30分 別山に登頂しました。
白山からここまで、本当に素晴らしい稜線でした。少々遠回りにはなりますが、ここは大いに足を運ぶ価値のある場所だと思います。
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別山山頂に立つ別山神社。
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背後には、ここまで歩いてきた稜線と、その奥に白山の堂々たる姿が横たわります。いやはや素晴らしい。この場所はまさに、白山を眺めるために存在しているような場所です。
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遠方遥かに連なる北アルプスの山並み。
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こちらは三ノ峰方面へと続く稜線です。どこまででも歩いて行きたくなる様な光景ですが、この先に進んでしまうと、公共交通機関では帰る手段がなくなってしまいます。
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眼下には別山平と呼ばれる平野が見えます。聞いた話では、あの場所も本当に素晴らしい場所みたいですね。
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こちらは荒島岳(1,523m)です。日本百名山のブランドに輝く山ですが、選ばれた理由は深田久弥の出身地近くにある山だからだそうです。身びいきで選んだ一座ですね。
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金沢の市街地とその先に広がる日本海。空と海の境界がどこにあるのか良くわかりません。
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6.白山登山 下山編 無慈悲なるチブリ尾根の苦行

8時 分岐地点まで引き返し、市ノ瀬に向かって降下を開始します。
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別山の山頂で少し雑談をした地元金沢にお住まいだというおじさんによると、なんでもこのチブリ尾根は「修行」とか「試練」とか呼ばれている、急坂一辺倒の厳しい道なのだとか。

深く考えずに決めたルートですが、これは気合を入れて行かないといけません。目標は12時15分に市ノ瀬を通る、金沢駅直通の急行バスに乗ることです。

始めはハイマツの急斜面に付けられたジグザグな道を、ひたすら下って行きます。
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程なく藪の中に突入します。最近になって刈り払われたらしく、足元に笹の葉が大量に散乱していました。
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急坂を一時間ほど下り続けた所で、チブリ尾根避難後屋に到着しました。尾根上にある小屋なので、水場はありません。トイレはありました。

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ここからは白山の姿がとても良く見えます。
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こちらは別山。展望や良しです。
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黒々としたコメツガの松ぼっくりが大量に実っていました。
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避難後屋を過ぎた後もしばらくの間は稜線歩きが続きます。展望が良いのはいいんですが、日差しを遮る物が何も無い上に、標高が下がったことによりジワジワと暑くなって来ました。
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やがて樹林帯に入ります。この後は、足場の悪い藪道を突っ切る道が延々と2時間近く続きます、。確かにこれは苦行だ。
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ほとんど写真も撮らずに無心で樹林帯の道を下り続け、ようやく開けた場所に出ました。
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残念ながら、まだ終わりではありません。この後も、砂防工事用の道路と何度か交差しながらさらに20分ほど歩く必要があります。
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この橋が見えてきたら間もなくゴールです。
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11時40分 ヘロヘロになりながら、なんとか市ノ瀬に辿り着きました。
灼熱地獄と化した樹林帯の下りは、まさに苦行そのものでした。別山までの稜線は天国、されどその先の下山路は地獄です。
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市ノ瀬には日帰り入浴可能な温泉がありますが、残念ながらひとっ風呂浴びれるだけの時間はなさそうです。全身をアルコールティッシュでぬぐいつつ、着替えだけを済ませてバスを待ちます。

別当出合から下ってきたバスは、既にほぼ満席状態でした。
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温泉に立ち寄るのであろう人が何人か下車したことにより、何とか補助席に乗ることが出来ました。
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金沢までの2時間近い道のりを硬い補助席で過ごすのは、ある種の苦行でした。すべてがうまくいった初日に比べて、二日目は苦行続きです。

バスは予定時刻よりもすこし早いペースで走り続け、14時ちょっと過ぎに金沢駅へ辿り着きました。
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帰りはリッチに新幹線で、帰宅の途に着きました。リッチと言っても自由席ですけれどね。。
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かくして二日間に渡った白山登山は、大満足の内に幕を下ろしました。
初夏の白山は「花の名峰」などと言う在り来たりな表現では、到底言い表すことの出来ない山です。この山は言ってみれば、山全体が丸ごとすべてお花畑のようなもので、登山中はどこへ視線を向けようと、色とりどりの花々が常に視界に入り続けます。まさに楽園です。
日帰りだと少々ストイックな行程になろうかともいますが、一泊すれば比較的余裕を持って登れます。この山をせかせかと足早に駆け抜けてしまっては、余りにも勿体無いことです。是非とも一泊して、ゆっくりと沿道の花々を愛でながら歩いて欲しい山です。
名峰の名にふさわしい、素晴らしい山だと思います。あらゆる人に自信を持ってオススメします。

<コースタイム>

一日目
別当出合(8:50)-中飯場(9:25)-甚ノ助避難小屋(10:40~11:00)-南竜小屋(11:45~12:30)-白山室堂(13:50~14:10)-御前峰(14:40~15:10)-白山室堂(16:20)-アルプス展望台(17:15)-南竜小屋(18:00)

二日目
南竜小屋(4:50)-油坂の頭(5:50~6:05)-別山(7:30~7:50)-チブリ尾根避難小屋(9:05)-市ノ瀬(11:40)

180721白山_154

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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