東京都八王子市と神奈川県相模原市にまたがる小仏城山に登りました。
目的は2019年初日の出のご来光を見ることです。元旦の初日の出登山と言えば、お隣の高尾山が有名所のスポットでありますが、有名であるがゆえに激しく混雑します。
そこで今回は、高尾山での混雑を避けて奥高尾からご来光を拝んできました。
2019年1月1日に旅す。
謹賀新年
と言うことで、日本各地で様々なカウントダウン的イベントが繰り広げられているであろう元日ですが、登山者的にはここは初日の出登山へと繰り出したいところではないでしょうか。
東京都内からの初日の出スポットと言われれば、真っ先に思い浮かぶ場所はやはりここです。
そう、ミシェランガイド三つ星に燦然と輝く世界の高尾山です。ケーブルカーで中腹まで登れるうえに、元旦には薬王院の参道でもある1号路に照明まで灯されます。
登山経験のまったくない人間でも、安全に山頂からのご来光を拝むことが出来るでしょう。
しかし、有名すぎると言うのにも弊害はあります。近年は特に、人が多く殺到しすぎるため、山頂に入場規制が行われるようになりました。
山頂への入場規制!・・・何を言っているのかサッパリ理解できませんが、ともかく朝方から登ったのではもう山頂へは入れません。
前日の夜から場所取りを始めて、寒さに震えながら一晩を過ごすしかない訳です。何かの苦行か。
そこで今回は、高尾山よりさらに奥へと進んだ奥高尾は小仏城山より、2019年の初日の出を迎えてみたいと思います。
ここも比較的簡単かつ安全にナイトハイクできる山ではありますが、高尾山ほどのネームバリューは無く、少なくともハイカー以外の人間は一切居ないことでしょう。
雲に邪魔されて空振りに終わることも多いと言う、高尾から元日ご来光詣で。果たして無事に初日の出を拝むことはかなったのでしょうか。
コース
混雑を回避するため高尾山は経由せず、日影沢林道から城山へ登ります。このルートは全行程が車道歩きとなるため、懐中電灯片手のナイトハイクであっても、特に危険はありません。
2時18分 京王線某駅
京王線を含め首都圏の主要な鉄道路線は、大晦日の夜から元日の朝にかけて終夜運転が行われています。という事で真夜中に始動します。
2時53分 高尾駅に到着しました。
終点の高尾山口までは行かず、一つ手前で途中下車します。
車内放送で早速高尾山に入山規制がかかったことがアナウンスされ、車内にどよめきが起きていました。高尾山でご来光を拝みたかったら、この時間の行動開始では遅すぎるという事です。恐るべし、世界の高尾山。
駅の電光案内板にこんなメッセージが表示されていました。意外と自由度の高いシステムなんですね。
人気の無い駅前で身支度を整えて、3時ちょうどに行動を開始です。ここから下道を歩いて、日影沢林道の入り口を目指します。
まずは国道二十号線に沿って進んで行きます。なお日中であれば、小仏行きのバスで林道入口手前の日影バス停まで行くことが出来ます。
この交差点を右折して都県道516号に入ります。
ちなみにこの516号と言う道は、高尾が起点で相模湖まで通じていることになっています。しかし実際に行けるのは小仏までで、その先は車両通行不能区間(つまりはただの登山道)となっています。
緩やか登り坂を道なり進みます。閑静な住宅街と言った佇まいですが、ここはれっきとしたバス通りです。
途中で何台もタクシーに追い抜かれました。なるほど、バスがない時間帯ならタクシーに乗れば良かったのか。どうも根っからの貧乏性なせいか、その発想自体がありませんでした。バスがないなら歩けばいいじゃない。
3時55分 高尾駅から徒歩約1時間で、日影バス停へと辿り着きました。その間に、10台以上タクシーに追い抜かれました。城山への入山者は、思いのほか多いようですね。
バス停からさらに少し進んだ所で、林道日影沢線の入り口があります。
街灯と言う文明の恩恵に浴せるのはここまでです。ここから先はヘッドランプを装着して行きます。城山山頂までの標準コースタイムは1時間40分です。
ぐわぁー、反射板が眩しぃー。
まさか入り口でいきなり目晦ましを食らわせて来るとは、予想だにしませんでした。ただの林道と侮っていましたが、日影沢線はなかなかの防御力です。
真っ暗な林道をトボトボと登って行きます。ヘッドランプの明かり程度ではオートフォーカスが機能しないため、この先の撮影はすべてマニュアルフォーカスです。・・・初っ端から全然ピントが合ってませんね。
林道は基本的にずっと日影沢沿いに続いています。ガードレールなどと言う高度な文明の産物は、日影沢線には存在しません。落っこちないようにくれぐれもご注意ください。
林道にはいってすぐの場所に日影沢キャンプ場があります。一つだけある街灯が、無人のキャンプ場を照らしていました。
ヘッドライトの明かりだけでもはっきりとわかる、この日影沢の美しさよ。八王子にもこんな場所があったのですね。
真っ暗闇の中で不意に同志に巡り合うと、無性にホッとします。私はお化けの類は一切信じていない人間ですが、そんなものより野生動物との予期せぬ遭遇のほうがよほど恐ろしい。
登り始めて40分ほどで、一見すると脇が甘くなさそうなゲートが現れます。左端にしっかりと人一人が通り抜けられる幅の隙間があるので、そこを通り抜けます。
ゲートに正月飾りが施されていました。粋な事をする人もいるものです。城山茶屋の人でしょうかね。
ゲートを超えると伐採地の脇へと出て、展望が開けます。・・・この写真からは全くわからないでしょうけれど、ともかく開けるのです。
燦然と光輝く東京都心部の夜景が目に飛びこんできました。素晴らしい眺望でありますが、樹林から出たことによりこの先は風にさらされます。寒い寒い寒い
消防車が何台も停まっていました。地元の消防が年末年始の特別警戒に駆り出されているのでしょう。このクッソ寒い中、お勤め真にご苦労様な事であります。
5時15分 小仏城山に登頂しました。
意外とたくさん人がいて少々驚きました。高尾山ほどではないにしろ、ここもご来光スポットとしてはある程度知られた場所なようですね。
城山山頂からの夜景はこの通り、大変素晴らしいものがあります。初日の出とは関係なく、ただ夜景を見に来るだけでもとてもオススメのスポットです。
この赤い光はすべて航空障害灯です。航空機が衝突し無いように、高層ビルには必ず設置されているヤツです。それにしても凄い密度ですね。
頭上真上には北斗七星が見えました。死兆星は見えなかったので、まだ拳王と戦うべき時ではないようです。
とても有難いことに、元日は城山茶屋が終夜営業をしています。ストーブを持参せずとも、暖かいものを摂ることが出来ます。
という事で、おでんと甘酒を注文して林道歩きで冷え切った体を温めました。
焚火もしていましたが、先客に周囲を完全にガードされて、近づくことすらできませんでした。
そんなことをしているうちに、徐々に周囲が明るくなり始めて来ました。
うーむ、これは・・・。日の出予定地点に、思いっきり厚ぼったい雲が湧いておりますね。これは駄目なやつなのか。
まあ今は、万に一つの可能性を信じてただ待つほかありません。
スカイツリーは本当に良く目立ちますね。こんなでっけえモノをよう作ったなぁ。
これはお隣の高尾山の山頂です。今頃はきっと、押すな押すなの阿鼻叫喚の坩堝と化していることでしょう。
これは横浜付近です。ちょうどランドマークタワーの上あたりに陽が出てくるはずです。うーん、房総半島と雲の間にわずかな隙間があるから、そこでなんとか見えるかな?
日の出予定時刻の6時50分を迎えました。さあ昇ってこい、レイジングサーン!
雲間のほんの僅かな隙間から太陽が顔を覗かせました。この初日の出でもって2019年の運勢を占うとしたら、結果は間違いなく大凶ですね。
余りに残念な感じだったので、とりあえず紅富士などを撮影してしばし気分を紛らわせます。
山頂はもうすっかり解散ムードで、記念撮影などを始めていました。しかし、これでは終われない気がした私は、先ほどの雲の上へ太陽が出てくる瞬間を待ち受けます。
という事で、先ほどのは無かったこととし、これを2019年の初日の出としたいと思います。これならば文句なしの大吉だ!
めでたく2019年の朝が来ました。きっと今年も良き一年となってくれることでしょう。と言うところで・・・
あけましておめでとうございます
本年もダラダラとアホを休み休み書いて行きたい所存であります。週末は山を目指すを今後ともよろしくお願い致します。
完
下山編はいらないですよね?どうせ高尾山だし。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
オオツキさん、あけましておめでとうございます。去年はオオツキさんの記事を参考にして山に登らせてもらうこともあり、山登り初心者の私にとっては大変ありがたかったです。小仏城山もいつか初日の出をみに登ることができたらなと思っています。今年もオオツキさんの記事を楽しみにしています。
しょーへい様。
あけましておめでとうございます。
城山は高尾山ほどの大混雑にはならないので、ご来光スポットととしてはかなりおススメです。夜明け直前はかなり冷え込むので、防寒対策だけは抜かりなく準備してください。