大天井岳 北アルプスの名峰たちを横目に歩むパノラマ銀座縦走登山【Day1】

燕山荘から見たパノラマ銀座縦走路
長野県大町市、安曇野市および松本市にまたがる大天井岳(おてんしょうだけ)に登りました。
北アルプスこと飛騨山脈の前衛部に連なる常念山脈の最高峰であり、表銀座とパノラマ銀座と呼ばれている2つの縦走コースの分岐地点となっている山です。常念山脈の尾根上には森林限界を超えたハイマツ帯の稜線が連なっており、呼び名通りの大パノラマが広がります。
テントを担ぎ2泊3日の行程でパノラマ銀座を縦走してきました。

2025年9月16日に旅す。

常念山脈は梓川を挟んで穂高連峰や槍ヶ岳の東側に連なっている、南北に長い山脈です。麓の松本盆地からもよく見える、北アルプス前衛部の山々です。
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この常念山脈の尾根上を辿る縦走コースは、通称パノラマ銀座と呼ばれています。

ハイマツ帯の稜線からは、呼び名の通りに北アルプス中部を一望する大パノラマが広がります。北アルプスの山の中では比較的アプローチがしやすい立地にあることから、登山者に大変人気のある縦走路です。
パノラマ銀座縦走路からの展望

今回は中房(なかぶさ)温泉に前乗りして、2泊3日の行程で上高地を目指して縦走する南下ルートを歩いて来ました。パノラマ銀座縦走としては、何のひねりもないごく一般的と言える行程です。
中房温泉

今回は縦走1日目の、中房温泉から大天井岳までの記録です。まずまずの晴天にも恵まれて、北アルプスの大パノラマを存分に満喫する会心の1日となりました。
大天荘のテント場

コース
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中房温泉からスタートして、合戦尾根を登り燕山荘へ。燕岳はスキップして大天井岳へ縦走し、大天荘でテント泊します。恐らく大多数の人がまったく同じ行程を辿るであろう、パノラマ銀座縦走1日目の行程です。

1.パノラマ銀座縦走 アプローチ編 鈍行列車で行く、秘湯中房温泉への遠き旅路

9月15日 8時4分 JR高尾駅
初日は中房温泉まで行くだけの純粋な移動日ということで、朝は比較的ゆっくりと始動しました。え?特急あずさ?あんな自由席すらもないブルジョワな乗り物は、最初からお呼びではありません。
JR高尾駅のホーム

鈍行列車に長々と揺られて、信州松本までやってまいりました。続いて今度は大糸線に乗り換えます。最初から最後まで全部鈍行です。
JR松本駅の大糸線ホーム
これだけの長距離を移動すらなら流石に特急に乗るべきではないかとは至極ごもっともな意見ですが、しかしこれでいいのです。ここはもともと、そういうブログですから。

12時50分 穂高駅に到着しました。高尾駅を出発してから実に4時間40分をかけての到着です。あずさですか?いいえ普通です。
穂高駅のホーム

穂高駅と名乗っていますが、駅のホームから穂高連峰は見えません。その代わりに今回の目的である常念山脈が良く見えるはずなのですが、稜線上はスッポリと雲に覆われていました。
穂高駅のホームから見た常念山脈

12時55分発の中房温泉行の乗り合いバスに乗車します。こちらは路線バス扱いで、事前予約は必要ありません。終点の中房温泉までの運賃は1,500円です。交通系ICカードには対応していないので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう。
穂高駅前のバスロータリー

13時50分 中房温泉に到着しました。登山者にはおなじみの存在である、日本秘湯を守る会会員の温泉宿です。ちゅ、ちゅうぼうおんせん?
中房温泉
登山者に非常に人気の高い燕岳への登山口と言うこともあり、訪問者の割合としては温泉に入りに来た客よりも登山者の方が多いくらいな場所です。

さてこの中房温泉ですが、普通に宿に宿泊する以外に実はキャンプもできます。料金は最近の北アルプス標準価格となりつつある1張2,000円です。
中房温泉

道路と川の間にあるこちらの段々スぺースがテントサイトです。本日は平日と言うこともあってか、利用者はほとんどおらずガラ空きの状態でした。
中房温泉のテント場

本日のお宿を手早く設営します。このテントサイトには、温泉の影響によりわずかに地熱があります。寒い季節なら夜も暖かくて良いのかもしれませんが、夏場は普通に寝苦しいのでご注意ください。
中房温泉のテント場

日帰り入浴が利用可能なほかに、食堂もあります。なかなか快適な前泊が可能なので、夜行バスでやってきて寝不足状態のまま合戦尾根を登るのはしんどいという人には、大変おすすめです。
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2.北アルプス三大急登の一つ合戦尾根を登る

明けて9月16日 5時30分
1夜を過ごした我が家を撤収して、本日の行動を開始します。前日の温泉付きキャンプがあまりにも快適すぎて、何なら別にもう山に登らなくても良いのではないかと言う気分になっていたのは内緒です。
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今から登る合戦尾根は、北アルプス三大急登なるものの一つに数えられています。最初から気合を入れてまいりましょう。
中房温泉登山口

なんだかんだ合戦尾根には結構な回数登っていますが、テントを担いで登るのは何気に今回が初めてです。さて、日帰りの荷物の場合と比べて、どんな感じになるのでしょうか。
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合戦尾根の道中の模様については、以前にも詳細にレポートしているので、今回は軽めにさらっと流そうかと思います。過去の記事はこちらです。
燕岳 北アルプス三大急登の合戦尾根を日帰りで登る
長野県大町市と安曇野市にまたがる燕岳(つばくろだけ)に登りました。通称表銀座と呼ばれる縦走路の起点に位置する、北アルプス前衛の山です。花崗岩でできた山であり、白亜に輝くその美しい姿からアルプスの女王との異名を持ち、非常に人気の高い一座です。山頂へ至る最短ルートである合戦尾根は、北アルプス三大急登の一つに数えられている急峻な道程です。久方ぶりの晴れ予報を受けて、はるばる北アルプスへと繰り出してきました。2021年9月12日に旅す。

燕岳 白き美しきアルプスの女王
北アルプスの燕岳(つばくろだけ)に登りました。山頂からの展望の良さと、そしてなにより燕岳自身の美しさにより、北アルプスの中でも屈指の人気を誇る山です。表銀座縦走路の起点と言うことあって、登山道は大変よく整備されおり、初心者でも比較的容易に登ることが可能です。登山口へのアクセスも良好で、年間を通じて非常に多くの登山者が訪れます。文句なしの快晴の下、最高の展望と登山道大渋滞を存分に味わう、秋の小旅行をしてきました。2017年10月8日に旅す。

最初からいきなりの急登が始まりますが、後半になると比較的緩やかになります。北アルプス三大急登などと大仰に言われていますが、それほどキツくはないというのが率直な感想です。
合戦尾根の登山道
運動強度的には、丹沢の大倉尾根と大して変わらないくらいだろうと思います。北アルプスの登山道で言うと、笠新道や重太郎新道の方がよほど厳しいです。

登山道は大変よく整備されており、合戦小屋に至るまでの道中の4か所にベンチが置かれています。北アルプスのメジャールートなだけのことはあって、大変歩きやすい優等生的な登山道です。
合戦尾根の第1ベンチ

合戦小屋への荷揚げのため索道が通っており、1度登山道と交差します。夏にはこの索道で運ばれたスイカが合戦小屋の名物となっているのですが、9月中旬ともなると流石にもうシーズンオフでしょう。
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登山道上に花崗岩が目立つようになってきました。常念山脈の中でも、常念岳より北側に位置している山は軒並み花崗岩でできた山です。
合戦尾根の花崗岩

進行方向左手の展望が少し開けて、本日のゴール地点である大天井岳と大天荘の姿が見えました。今のところ頭上はどんよりとした曇り空に覆われていますが、この後に晴れてくる予報となっています。
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8時20分 合戦小屋まで登ってきました。スイカに代わっておしること書かれた幟が立っていました。下界ではまだまだ厳しい残暑の日が続いていますが、もうそんな季節でしたか。
合戦小屋
日帰りだった前回訪問時は、合戦小屋には8時に到着しています。やはりテント泊装備を担いでいると、どうしたってペースは鈍ります。山小屋泊にすればもっと快適に歩けるのでしょうが、素泊まりでも1万円と言うのはどうにも躊躇してしまいます。

先ほど下をくぐった索道が、忙しく稼働していました。荷揚げだけでなく、ゴミを下ろすのにも使用しているようです。
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この先にある燕山荘は、小屋だけではなくテント場も予約制です、予約がないと利用できない旨の案内が掲げられていました。ちなみに、本日私が宿泊する予定の大天荘のテント場は、予約なしでも利用可能です。
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3.稜線を目指して歩む合戦尾根の後半戦

ここから合戦尾根の後半戦へと入ってゆくのですが、前半に比べると全体的に傾斜は緩んで歩きやすくなります。そのかわりに頭上が開けてくるので、日差しが厳しい時期だと暑さに苦しめられることになります。
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今は薄曇りなおかげで暑くはなく、いたって快適なコンデションです。

常念山脈の主稜線越しに、槍ヶ岳の先端部分がぴょっこりと頭をのぞかせました。稜線まで登ればもっとすごい光景が待っているので、喜んでいないで先を急ぎましょう。
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尾根上の肩のような場所まで登ってきました。三角点があり、その名も合戦山というピークであるようです。尾根の名前が先なのか、それとも山の名前が先なのか、どちらなのだろう。
合戦山
この合戦尾根と言う名称は、征夷大将軍の坂上田村麻呂が、山に住む八面大王と言う鬼と戦って退治したという伝説に由来しています。本当に合戦した場所だったのですね。

ここまで登ってきて、ようやく燕山荘の姿が視界に入りました。まあ、今日の私にとってはただの通り道でしかない訳ですが。
合戦山から見た燕山荘

燕岳の山頂もお目見えしました。アルプスの女王の異名を持つ山ですが、ここから見ると稜線上の小さなコブのようにしか見えません。
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先へ進みましょう。ちょっとしたクサリ場がありますが、特に難しい要素はありません。最後まで安心安全な登山道です。
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天気予報の通り、雲が晴れて頭上に青空が広がり始めました。これは何もかもがうまくいってしまいそうな予感がします。
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標高が上がってきたことにより、槍ヶ岳と大天井岳の姿がしっかりと見えるようになりました。
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稜線手前の最後の登りです。ここを登りきると目の前にドーンとパノラマが広がるので期待していいですよ。
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稜線までやってきました。合戦尾根を登って来た人が一番感激する瞬間は、この尾根上に立つ瞬間だと思います。
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目の前に北アルプス中央の黒部川源流期の山並みが姿を見せます。ヒイヒイいいながら合戦尾根を登って来た人にとっては、苦労が報われる瞬間であることでしょう。いつ見ても素晴らしいパノラマです。
燕山荘前から見た北アルプス中部の山並

みんな大好きな槍ヶ岳と穂高連峰も姿を見せました。
燕山荘の前から見た槍ヶ岳

右手には麗しのアルプスの女王陛下こと燕岳の姿があります。白亜の稜線が美しい山です。
燕山荘の前から見た燕岳
ちなみに本日は、燕岳には立ち寄りません。空荷なら小一時間もあれば往復できるので、行って行けないことは無いですが、まあ過去に何度も登っている山ですからね。

9時35分 燕山荘まで登ってきました。ちなみに「えんざんそう」と読みます。北アルプスの山小屋の中でも特に人気が高い小屋で、それゆえにハイシーズン中の週末は熾烈な予約争奪戦が繰り広げられます。
燕山荘
私は基本的に天気がどうなるかハッキリとした段階で行き先を決める人間なので、予約受付開始日にはほぼすべての枠が埋まってしまうというこの燕山荘に泊まる機会は、この先も一生なさそうです。

こちらが小屋と同様に要予約のテント場です。大変すばらしいロケーションにあり人気があるのにも納得ですが、こちらも予約合戦がかなり激しいらしいです。
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4.パノラマが広がる稜線を行く

ここからいよいよパノラマ銀座の縦走が始まります。銀座目抜き通りからの大展望を、とくと楽しませてもらおうではありませんか。
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燕山荘の脇を通り抜けるなり、いきなりこの眺めが視界に飛び込んできました。この縦走路が素晴らしいのは、道中に特定のビューポイントがあるわけではなく、歩いている間は常に大パノラマが広がるっているところです。
燕山荘から見たパノラマ銀座縦走路

槍ヶ岳が正面に見えています。燕山荘から大天井岳に至る区間はパノラマ銀座だけではなく、槍ヶ岳を目指す表銀座との重複区間となっています。槍ヶ岳に向かって歩いてゆく、まさに槍への道を体現している感があります。
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このパノラマ銀座縦走路には、今から30年ほど昔の中学生の時に1度歩いたことがあります。当時はパノラマ銀座なんて呼び方はされておらず、単に常念山脈縦走と呼んでいたように記憶しています。
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なにぶん大昔のことなのでだいぶ記憶もあいまいですが、確か中房温泉に前泊して初日は燕山荘泊、2日目は常念小屋、3日目は蝶ヶ岳ヒュッテ泊で4日目に上高地に下りるという、だいぶ余裕のある行程でした。

それでも、今から思うと信じられないくらい体力も根性もなかった当時の私にとっては、かなりしんどい道程でした。中学生のくせに40代半ばのメタボ気味なおっさんよりも体力がないとか、どれだけ軟弱だったのでしょう・・・

左手に見えているのは、鷲羽岳とか水晶だけとか赤牛岳あたりの山々です。山座同定を始めるとキリが無いので割愛しますが、とにかくずっとパノラマが続きます。
パノラマ銀座の展望

振り返って見た燕岳です。こうして引いた位置から見ると、燕山荘が立っている場所も一つのピークなわけですが、山としての名前は特にないのだろうか。
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よく見ると遠くに立山と剣岳の姿までもが見えています。つまりあの辺りは富山県だということになる訳ですが、結構遠くからでも見えるものです。
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かなり年季の入っている道標が立っていました。大天井岳までは5.6kmと、そこそこ重めの距離が示されています。
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なまじ視界が開けてるからすぐそこのようにも見えているだけで、まだまだ結構な距離があります。途中で一回大きく高度を落としているのが気になりますが、ひとまずは気にしないことにします。
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槍ヶ岳の北鎌尾根がちょうど真正面に見えています。私のようなゆるふわな一般登山者は初めからお呼びではない、バリエーションルートの尾根です。山頂の周辺などは特に、見るからに危なげな姿をしています。
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尾根が大きく切れ落ちているように見える地点の、先端に部分まで歩いて来ました。さて、この先の尾根はどんな感じでしょうか。
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ちょっとしたコルになっていますが、思ったほどには切れ落ちておらず一安心しました。全般的になだらかで歩きやすい尾根道です。
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大下りと言うらしい。そのままな名称です。現在地は大下りの頭と呼ばれています。
大下りの頭

お日様ギラギラでだいぶ暑くなってきたので、下り始める前にちょっと小休止していきます。正面に見えているのは双六岳と三俣蓮華岳かな。どちらも素晴らしい展望の山ですが、ただの通り道扱いされてしまうことが多い不遇な存在です。
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呼吸が整ったところで、大下りを下って行きます。足元は風化した花崗岩である真砂の堆積したザレ場になっており、滑りやすく神経を使います。
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下りきった後に待っているのは、当然ながら登り返しです。縦走登山とはそういうものでございます。
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少しだけ樹木があって日影になっている区間がありましたが、すぐにまた頭上の開けたお日様ギラギラ状態になりました。常念山脈の主稜線上は、基本的にはほぼ全区間が森林限界を越えています。
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眼下に安曇野市の平野部が僅かに見えています。左手に見えている山は有明山(2,268m)で、この有明山に遮られるため大天井岳は麓の平野部からは見えにくい山となっています。
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大下りの鞍部を越えると、再び尾根はほぼ平坦な状態に戻りました。それほど大きなアップダウンは無く、気持ちよく歩ける尾根です。パノラマ銀座が初心者向きだと言われる所以です。
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尾根上を微妙に外した位置にトラバース気味に道がついています。特に細くなっているような個所もなく、それこそ鼻歌交じりに歩けそうな安心安全な道です。
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大天井岳の本体に近づいて来ました。山腹を横切るように道がついている様子がここからでもよく見えていますが、最後の登りはなかなかの急登となりそうです。パノラマは急登に差し掛かる前の今のうちに楽しんでおきましょう。
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先ほどから忙しなく、大天荘に向かって荷揚げのヘリが往復しています。なにしろ良いお天気ですから、きっと今日中に荷揚げをを完了させてしまいたいのでしょう。
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目の前まで来ると、なかなか見上げる絶壁感があります。だてに天井を名乗ってはいないということか。最後にいっちょう気合を入れて行きましょう。
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5.ライチョウと戯れながら天井を目指す最後の登り

このまま登りが始まるのかと思いきや、その前に切通岩と呼ばれている小さなギャップを越える必要があります。
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下りはクサリ場になっており、ここまでの安心安全な道程とは打って変わって、ちょっとしたアスレチック要素があります。
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鞍部に小林喜作のレリーフが埋め込まれていました。小林喜作は明治時代の猟師で、今日では単に表銀座と呼ばれている、大天井岳から東鎌尾根を経て槍ヶ岳に至る、喜作新道を開設した人物です。
小林喜作のレリーフ

反対側もクサリこそありませんが、手も使ってよじ登る必要のある岩場になっていました。一応はここがパノラマ銀座における核心部と言うことになろうかと思います。
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登り返して行くとすぐに、常念岳方面と槍ヶ岳方面への分岐が現れました。真っすぐに表銀座方面に向かいたいなら右で、大天井岳の山頂を目指すなら左です。
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振り返ると燕山荘からここまで歩いてきた稜線が一望出来ました。ほぼ平坦で歩きやすそうな尾根であることが良くわかるかと思います。うむ、これは良き稜線だ。
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ここからは本日最後の急登区間となります。もうひと頑張り登って行きましょう。
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ハイマツの茂みの中から特徴的な鳴き声が聞こえると思ったら、ひょっこりとライチョウが姿を見せました。基本的にはガスっている時に姿を見せることが多いのですが、こんな晴れている中でも出てくる時には出てくるのですね。
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道の真ん中で立ち止まり、「なんか用か?」とでも言いたげにこちらを見上げています。いや・・・そこを通りたいのだけれど。どてもらえませんか・・・。
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どうやら家族連れらしく、続々と茂み中から現れては悠々と登山道を横断していきます。人間の存在などは初めから歯牙にもかけていなさそうな態度です。いくら天然記念物だからと言っても、ちょっと調子に乗ってやいないか。
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しょうがないので、ライチョウ様ご一家の横断が完了するまでの間、付近の景色でも眺めながらしばし待機します。いやだから人の足元をウロチョロしていないで、早く行けっての。
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ようやくライチョウ様のご一行が登山道上からいなくなったところで、行動を再開します。長年にわたって保護されてきた結果なのでしょうけれど、ここまでまったく人を恐れないと言うものどうなんだろう。
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13時50分 予期せぬ足止めに遭いましたが、なんとか本日の目的地の大天荘まで登ってきました。この小屋でテント泊の受付をします。
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大天井岳と書いて「おてんしょうだけ」と読むのだから、大天荘と書いて「おてんそう」と読むのだろうと思っていましたが、読み方は普通に「だいてんそう」だそうです。

大天荘のテント場は、最近の北アルプスでは珍しく予約不要です。そのためハイシーズンの週末にはは立錐の余地もないくらいの数のテントに埋め尽くされるらしいのですが、9月中旬の平日ともなると流石に空いていました。
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槍ヶ岳と穂高連峰を正面に望む絶好のロケーションです。伊達に天井を名乗ってはいません。
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ここまで歩いてきた燕岳方面もよく見えています。燕山荘も相当眺めの良い立地に立っていますが、大天荘はそのさらに上を行っていると思います。
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ヘリの荷揚げ作業はまだ続いており、次々と飛来してきます。真下に居ると音と風が凄い。
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ヘリがいなくなった合間を縫って、手早く我が家を設営します。また次にやってきたヘリの風圧で飛ばされない用に、四隅のペグは大真面目に打っておきます。
大天荘のテント場

6.北アルプス大天井から望む展望

テントの設営が済んだところで、サクッと大天井岳のピークハントをして来ます。大天井岳の山頂は、大天荘のすぐ裏手にあります。
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山荘からの山頂までの所要時間は、概ね5分以上10分未満と言ったところです。すぐそこだと言ってしまっても差し支えのない距離感です。
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明日歩くことになる常念岳方面の稜線が見えています。実はこの時点ではまだ、表銀座とパノラマ銀座のどちらに進むのかを決めていませんでした。翌日の天気予報がどう転ぶのかを見てから決めようという、実にいい加減な計画です。
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15時10分 大天井岳に登頂しました。標高は僅かに3,000メートルに届いていませんが、ここが常念山脈の最高地点です。
大天井岳の山頂
それならば常念山脈ではなく大天井山脈と言う名称になってもよさそうなものですが、前述した通りこの山は有明山にさえぎられて麓からは見えにくい位置にあり、認知度と言う点において劣っていたようです。

その点常念岳は、麓の松本盆地から良く見えますからね。

表銀座こと喜作新道が槍ヶ岳に向かって続いているのが一望できます。本当はこちらに進みたかったのですが、残念ながら明日の槍ヶ岳方面は天気が大きく崩れる予報となっています。
大天井岳から見た槍ヶ岳
天気予報が好転していれば表銀座方面に進路変更するつもりでしたが、最新の予報を確認しても状況は全く変わってはいませんでした。がっくし。

天気が悪いものは致し方はありません。最終決定は明日の朝まで持ち越しますが、恐らくはこのまま予定通りパノラマ銀座方面へと進路を取ることになるでしょう。
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眼下の谷底に梓川の河原が見えています。進む先がどちらであれ、最終的にはこの谷底に向かって下山することになります。
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ここまでずっと傍らに見え続けていたパノラマは、当然ながら山頂からも良く見えています。表銀座もですが、裏銀座についてもいつか歩かねばなりません。歩いてみたいルートが多すぎて途方に暮れてしまいます。
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最後にここまで歩いてきた北側の展望です。誰が名付けた名称なのかは知りませんが、確かにこれは素晴らしきパノラマでした。
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満足しました。だいぶ肌寒くなってきたので、ぼちぼちテントへと引き上げましょう。
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小屋に戻って来ると、まだヘリの荷揚げが続いていました。今日一日だけで、いったい何往復しているのでしょうか。
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上空にだいぶ雲がかかってきました。現時点での明日の天気予報によると、常念山脈上空の天気はかろうじて持ちますが、槍ヶ岳や穂高連峰は雨になることになっています。
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まあ予報はあくまでも予報なので、超の羽ばたき一つでひっくり返ることに期待しておきましょう。

いつものお湯すらも沸かさない健康的かつ文化的な食事を済ませた後は、早々とシュラフに潜り込みました。願わくば明日も大パノラマが見れますように。おやすみなさい。
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パノラマ銀座縦走の1日目は、晴天にも恵まれて最高の滑り出しとなりました。このルートにパノラマという名称を与えた人の気持ちが大変よく理解できる気持ちの良い稜線歩きでした。北アルプスの前衛部に位置している常念山脈は、交通アクセスが比較的良好であることからも、大変歩きやすい山域となっています。「初めての北アルプス」の行き先として選ぶのにも適していると思います。
丹沢の大倉尾根を日帰りで登れる体力がある人なら、このルートを歩くことは十分に可能です。大パノラマが広がる魅惑の稜線歩きに繰り出してみてはいかがでしょうか。

<コースタイム>
中房温泉(5:35)-合戦小屋(8:20~8:35)-燕山荘(9:35~10:10)-大下りの頭(11:10)-大天荘(13:50~15:00)-大天井岳(15:10~15:40)-大天荘(15:45)

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2日目に続く

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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