編笠山-西岳 白一色に染まった冬の南八ヶ岳の大展望

西岳から見た編笠山
山梨県北杜市と長野県富士見町にまたがる編笠山(あみがさやま)と西岳(にしだけ)に登りました。
南八ヶ岳と呼ばれる領域の南端付近に立つ、八ヶ岳連峰の前衛峰です。その名が示す通りに山頂部が編み笠のような形状をしており、麓の町からも非常に目立つ存在です。危険個所の少ない緩やかな山容であることから、冬期であっても比較的の登り易く、雪山初心者向けの一座です。
富士見高原を起点にして、お隣の西岳と合わせて周回してきました。

2021年2月11日に旅す。

八ヶ岳連峰は南北に連なる全長30kmほどの山塊です。編笠山は、その中で一番南寄りの場所に位置しています。権現岳を経て赤岳へと続く、南八ヶ岳縦走路の起点となる山です。
韮崎市内から見た八ヶ岳連峰
山塊の一番手前に位置している山であるが故にアクセスがしやすく、冬期においても比較的多く登られている山です。道中にはこれと言った難所もなく、雪山初心者向きの山として定番の存在です。

初心者むけとは言いつつも、編笠山は決して易しい山ではありません。登山口のある富士見高原からの標高差は1,200メートル以上あり、ひたすら登り一辺倒の道が続くタフな行程です。
編笠山 富士見高コースの道標
左右が切れ落ちているような危険個所がないことから、滑落のリスクが小さいと言うだけのことであって、登るにはそれなりに体力勝負となります。

山頂からは白銀に染まった南八ヶ岳の山々を一望する大パノラマが広がります。大展望を求めて、遥々八ヶ岳連峰前衛の山へと繰り出して来ました。
編笠山から見た冬の南八ヶ岳

コース
210211編笠山-map
富士見高原から編笠山と西岳を周回します。冬期の編笠山を巡るルートとしては、最も一般的な行程です。

1.編笠山登山 アプローチ編 電車とタクシーを乗り継いで富士見高原へ

6時10分 JR高尾駅
いつもの6時14分の発の松本行き鈍行列車に乗り込み、小淵沢駅へと向かいます。え、特急あずさ?なにそれ、おいしいの?
高尾駅のホーム
なお、この松本行きの鈍行列車は、7時に新宿駅を出発する特急あずさ1号よりも、4分だけ早く松本駅に到着します。

私が山梨や長野方面へ出かける際に、毎回のようにこの6時14分発の鈍行列車に乗るのは、なにも特急券代をケチっている訳ではなく、単に最速で現地に着くのがこの電車だからです。

8時28分 小淵沢駅に到着しました。ガラガラの電車で快適な睡眠をむさぼったおかげで、体調は万全です。
小淵沢駅のホーム

小渕沢駅の屋上にある展望所から、これから登る八ヶ岳の姿が良く見えました。山頂部に少し雲がかかってしまっておりますな。私が登頂するまでに、晴れてくれると良いのですが。
小淵沢駅から見た八ヶ岳

反対側に目を向けると、甲斐駒ヶ岳(2,967m)の雄姿が正面にありました。この山はどこから見てもイケメンです。
小淵沢駅から甲斐駒ヶ岳
この山には冬期に登ってみたい気もするのですが、果たして自分の技量で登ることがそもそも可能なのか、少々疑わしいところではあります。

登山口のある富士見高原へ乗り入れている、路線バスなどの公共交通機関は存在しません。よって駅からタクシーを利用することになります。何故か駅前の写真を撮り忘れたので、かわりに下山後撮影した物を置いておきます。
小淵沢駅のタクシー乗り場
特に予約などしていなくても、流しのタクシーは駅前に常時何台か待機しています。割り勘パワーを発揮できそうな同志がいないものかと探してみましたが、私以外の登山者の姿は見当りませんでした。

もしかしたら何人かはいたのかもしれませんが、屋上の展望所で油を売っている間に出発してしまったのかも・・・

8時55分 富士見高原登山口手前のゲートに到着しました。ここまでの料金は確か4,000円と少々だったかな。割と高くつくので、可能であれば、何名かとお誘いあわせの上で訪れた方が良いと思います。
富士見高原のゲート
無雪期であれば、編笠山へは標高約1560メートル地点の観音平から登るのが最も一般的です。しかし、観音平へと通じている林道は冬季になると閉鎖されてしまうため、冬に登りたければこの富士見高原スタートのルートが最短となります。

2.地味で単調な登りが延々と続く、我慢の道程

入り口に登山届の投函ポストがあるので、ここで提出して行きましょう。身支度を整えて、9時5分に登山を開始します。
富士見高原 編笠山登山口

登山口付近の地面には、まだ疎らにしか雪がありませんでした。凍結している箇所もあったので、最初からチェーンスパイクを装備して行きます。
210211編笠山-012

途中で何度か林道を横断します。ちょっとわかりにくい部分もありますが、このような案内があるので良く見て歩きましょう。
210211編笠山-013

9時30分 五又路と呼ばれる地点まで登って来ました。その名の通り道が五又に分かれています。
編笠山 五又路

編笠山へ向かうには、この小道に入るのが正解です。道標はあるのですが、どっちを指しているのかが少々わかりにくく、迷いやすいポイントです。
編笠山 五又路

やがて右手に、巨大なガレ谷が現れました。水流はまったくなく、完全に涸れています。
210211編笠山-016

登山道はこの谷を横断するように続いています。地図によれば、この谷沿いに盃流しと呼ばれるナメ滝があるらしいのですが、水流が全くない上に雪に埋もれしまっているので、どこにあるのかよくわかりませんでした。
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富士見町が設置した道標が現れました。注意喚起の言葉とともに書かれた、山頂まで3時間30分と言う数字が目を引きます。意外とかかりますねえ。
編笠山 富士見高コースの道標

対岸の尾根に乗りました。この辺りはまだまだ傾斜も緩やかで、至って歩きやすい道です。
210211編笠山-018
森の中は穏やかな状態ですが、上空の方では風が激しく吹き荒れているらしき音が聞こえてきます。なお本日は、晴天だが強風のため登山には適さないと言う予報となっております。

これは森林限界を超えてから先で、強風に難儀しそうな予感です。

10時10分 臼久保岩小屋まで登って来ました。修験者やマタギなどが利用してきたという、天然の岩屋です。
編笠山 臼久保岩小屋

若干閉所恐怖症のきらいがある私の感覚からすると、とてもではないけれど中に入ってみたいとは思わない空間です。
編笠山 臼久保岩小屋

臼久保岩小屋を過ぎたあたりから、雪の深さが増してようやく雪山らしい光景になりました。今のところ雪は堅く締まっており、踏み抜きは一切ありません。
210211編笠山-021

徐々に傾斜が増してきて、なかなかエグイ登りになりました。展望は一切なく、この付近はひたすら我慢の登山が続きます。
210211編笠山-022

いつかしか周囲はコメツガ林になっていました。奥秩父の森とよく似た雰囲気です。八ヶ岳と奥秩父主脈は、標高と緯度がだいたい同じくらいであるため、植生もかなり似通っています。
編笠山のコメツガ

尾根に乗ったところで、ようやく傾斜が少し緩みました。これは一時的なもので、この後に山頂の直下にもう一度急登が現れます。
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尾根の上には、かなり雪が深く積もっていました。踏み抜きが多発するようになりましたが、ワカンを装着するのも面倒だったので、ズボズボと足が埋まりつつも、そのまま前進を続けます。
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ピッケルが木の枝にかけられていました。これは誰かの落とし物でしょうかね。なお、編笠山にピッケルが必要となるような場面は基本的にありません。権現岳まで足を延ばすのつもりであればまた話は別ですが。
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スノーモンスターになりけているような木がチラホラと目につき始めました。頂上付近まで行けば、完全体のモンスターにも出会えるのでは無いかと期待が高まります。
編笠山 なりそこないのスノーモンスター

岩の近くには踏み抜いたら最後、脱出が困難となりかねない様な大穴があいていることがあるので要注意です。体重をかけてしまう前に、足場をしっかりと確かめましょう。
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徐々に頭上が開けて空が見えて来ました。そろそろ森林限界が近い。
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3.編笠山登山 登頂編 暴風が吹き荒ぶ大展望の頂

森を抜けてたところで、岩場の急登が始まりました。側面を守ってくれていた木が無くなったことにより、体をゆすぶられるような凄まじい風が横から吹きつけて来ます。
編笠山 山頂付近の岩場

背後には圧倒的な重厚感でもっって、南アルプスの山並みが居並びます。
編笠山から見た南アルプス

お富士山もお目見えです。相変わらずでっけえなあ。
編笠山から見た富士山

足元は所々に岩が露出しておりミックス状態です。こう言う場面においては、アイゼンよりもチェーンスパイクの方が安定して歩けます。
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編笠山は全般的に危険個所の少ない山ですが、この山頂直下の岩場はそれなりに高度感があります。登りはともかく、下るときには注意を要します。
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お隣の西岳が姿を見せました。この後の下山時に立ち寄って行く予定です。
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森林限界を越えたらもうすぐに山頂なのかと思いきや、意外とまだまだ登ります。普段であればなんてことは無さそうな岩場なのですが、強風に体を揺すられてなかなか思うように登れません。
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岩の表面に、ちっこいエビのしっぽが大量にこびり付いていました。ここはもとから強風の通り道なのでしょう。
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背後に居並んでいるのは中央アルプスの山並みです。
編笠山から見た中央アルプス
木曽駒ヶ岳は、駒ケ岳ロープウェイがあるおかげで冬でも結構簡単に登れてしまう山ですが、しかし千畳敷カールは雪崩の巣でもあるので、決して安全だとは言い難い山です。

中央アルプスの右手にあるこのひと際大きな山は、木曽御嶽山(3,067m)です。周囲の山とでは、その白さ加減のステージが一段違って見えます。
編笠山から見た御嶽山

眼下には諏訪盆地が広がります。左奥に見えている大柄な山は乗鞍岳(3,026m)です。恐らくは冬期であっても最も登りやすいであろう3,000メートル峰です。
編笠山から見た諏訪盆地

12時45分 編笠山に登頂しました。山頂に立つなり、これまでとは桁違いの暴風が吹き付けてきました。さささッ寒い。
編笠山の山頂
富士山の山頂に吹いている風と同種の、同じ強さで常時絶え間なく吹き続けている風です。凄まじい轟音で何も音が聞こえません。この風はヤバい。この場に長居していたら間違いなく死ぬ。

しかしそれでも、撮るものだけはしっかりと撮らねば。と、妙な使命感に駆られつつ、大急ぎで写真を撮りまくります。真正面には白く染まった南八ヶ岳の山並みです。
編笠山から見た冬の南八ヶ岳

南八ヶ岳における花形的な存在である、赤岳(2,899m)(左)と阿弥陀岳(2,805m)(右)です。白く染まった姿もまたカッコ良い。
編笠山から見た冬の赤岳と阿弥陀岳

冬の赤岳は全く赤くはありません。白銀に染まったその姿はむしろ白岳です。
編笠山から見た冬の赤岳
冬の赤岳は、永世雪山初心者である自分の技量では、そもそも登れるかどうかがかなり怪しい山です。登ること自体は可能かもしれませんが、死ぬ確率が容認できない水準にあるように思えて挑戦はしておりません。

こちらは権現岳(2,751m)です。編笠山ほど易しくはありませんが、冬にも比較的多く登られている山です。ここなら私の技量でもギリギリ行けそうかな。
編笠山から見た冬の権現岳

遠くには北八ヶ岳の蓼科山(2,530m)の姿が見を引きます。諏訪富士の異名を持つ山ですが、富士山っぽく見えるのは諏訪方面から見た時限定で、南から見ると背後に背ビレのよう尾根があります。
編笠山から見た蓼科山

お隣の西岳の背後には北アルプスの山並みが連なります。なお、風はこの西側から吹き付けてきており、カメラを構えるのにも難儀する状態です。2重構造のオーバーグローブをしているのに、指先がかじかんできました。
編笠山から見た西岳と諏訪盆地

この、のっぺりとした丘のように見える場所は、左手前が霧ヶ峰(1,925m)で右奥が美ヶ原(2,034m)です。どちらも日本百名山に選ばれていますが、山と言うよりは高原ですね。
編笠山から見た霧ヶ峰と美ヶ原

反対側に目を向けると、甲府盆地の先に富士山がドーンです。少し霞んで来ましたかね。
編笠山から見た富士山8

富士山の左には奥秩父山塊の山並みが連なります。中央の真っ白な山が金峰山(2,599m)です。
編笠山から見た金峰山9

全方位に開けた素晴らしい眺望でありました。もっとゆっくり眺めたいところではありますが、もういい加減命の危険を感じるので、切り上げます。
編笠山から見た諏訪盆地

山頂から少し外れた森の中に入るなり、嘘の様にパタリと風がやみました。ここで一本立てました。
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周囲には、スノーモンスターになれそうでいて結局なれなかった木が並んでいました。
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4.編笠山から西岳へ周回する

13時10分 行動を再開します。元来た道には戻らずに、青年小屋方面へ下ります。
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下山はどちらにしろ富士見高原へ戻るわけですから、別にピストンしても良いわけですが、例のごとく「往復ヨリ周回ヲ持ッテ尊キモノトス」と言ういつもの不可解な価値観を発露しました。

編笠山と権現岳との鞍部に立つ、青年小屋を目指して下って行きます。
210211編笠山-054

この小屋は通年営業でなく、冬期は閉鎖されています。当然売店も開いてはいないので、物資の補給は出来ません。
編笠山から見た青年小屋

岩々しい南八ヶ岳の山に比べて、北八ヶ岳の方にはなだらかな山容の山が連なっているのが良くわかります。北八ヶ岳の山々は、雪山初心者向けの山として大定番の存在です。でも、東京からだとちょっと遠いいんですよね。
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岩場の斜面を下ります。この付近は大岩が散乱しており、踏み抜くと埋まって大変なことになりそうな場所なので、有難く先行者のトレースを忠実に辿りました
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強風の通り道らしく、まるでホイップクリームのようなシュカブラが発達していました。
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13時40分 遠い飲み屋こと青年小屋まで下って来ました。雪に埋もれても耐えられるように、戸や窓が板で厳重に塞がれていました。
冬季閉鎖中の青年小屋

鞍部から見上げた編笠山は、一見するととても穏やかそうに見えました。それがよもや、山頂があんなにも過酷な状況になっていようとはね・・・
青年小屋から見た"編笠山"

西岳方面へ向かいます。トレースもバッチリとついており、特に問題なさそうです。
青年小屋のテント場
ちなみに、この広々としている空間は、無雪期にはテント場になっている場所です。

森の中を進みます。強風で雪がほとんど吹き飛んでしまっていた山頂付近とは異なり、かなりの積雪量です。トレースを外れると、途端に膝の上まで踏み抜きます。
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ガレ谷を横断します。ここは乙女の水と呼ばれる水場がある場所ですが、この季節には当然雪の下です。
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ガレ谷の先に、これから向かう西岳が見えました。もっと近いもの思っていましたが、意外と距離があります。ラッセル状態だと途中で心が折れるかもしれません。
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展望の無い樹林帯の道が続きます。森の中では風の音もさえも全く聞こえず、耳鳴りがしだすくらい静寂な空間が広がっていました。
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西岳に近づくと、再び頭上が開けて来ました。
210211編笠山-066

つい先ほど登って来た編笠山が、真横に佇んでいました。こうして見ると、確かに見事な編笠型をしておりますな。
210211編笠山-067

背後には権現岳。緩やかな山容の編笠山とは違って、こちらは急峻でアルペン的な岩峰です。
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吹き溜まりになっている場所では、踏み向くと腰のあたりまで埋まります。この直後に実際に埋まってしまい、脱出するのに一苦労しました。
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青年小屋から1時間ほど歩き続けたところで、ようやく山頂が見えました。
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14時50分 西岳に登頂しました。八ヶ岳の中でも西寄りの位置にあるから西岳です。何ともやっつけな名前の山ですね。
西岳の山頂

振り返ると、編笠山と権現岳が並んでいるのが良く見えました。
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この記事の冒頭を飾ったこのカットは、西岳の山頂から見た編笠山の姿です。右奥にしれっと、世界遺産のアイツが存在をアピールしておりますな。
西岳から見た編笠山

背後には権現岳。うん、実にカッコいいですね。これは是非とも冬に登ってみたくなりましたよ。
西岳から見た権現岳

真正面には南アルプスがデンと構えています。こちらはまあ、編笠山から見える光景と大差ありません。
西岳から見た南アルプス

ただの通り道程度に考えていた西岳ですが、思いのほか眺めの良い山でありました。多少の遠回りにはなりますが、ここは足を延ばすだけの値打ちが十分にある場所だと思います。
西岳から見た権現岳と編笠山

5.編笠山登山 下山編 不動清水を経てスタート地点の富士見高原へ

15時5分 山頂を辞去して、下山の途に付きます。
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真正面に見えているスキー場は、富士見パノラマリゾートです。ゲレンデトップの左わきにあるのが入笠山(1,955m)でしょうか。
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この入笠山と言うのは、スキー場のロープウェイを使って登ると、初心者向けと言う次元を通りこして、ほとんど歩かずに山頂に立ててしまう山です。

絶景はこれで見納めです。これより、展望の無い樹林帯の中へと還って行きます。
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森の中に入ったら、後はもう消化試合です。大股でズカズカとテンポよく下って行きます。
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15時30分 小広場と呼ばれる場所を通過します。文字通りに小さな広場となっている場所です。それ以外にはコメントのしようもありません。
編笠山 小広場

下るにつれて、周囲はカラマツ林に変わります。ここまで来れば、ゴールまでもうあと一息です。
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往路と同様に、林道を何度か横断します。この時間になると、雪はすっかり緩んでグズグズになっていました。
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西日が差し始めた山中を足早に下って行くうちに、広場の様になっている場所に出ました。
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16時25分 不動清水まで下っきました。飲むと若返って寿命が延びると言われている名水です。
編笠山 不動清水

この季節にあっても完全凍結はしておらず、僅かながらに水流がありました。せっかくなので一口頂いて行きます、味の方は、まあ水は水だよねとしか言えません。
編笠山 不動清水

ここでようやく、往路でも通った五又路に合流しました。すでにすっかり日が傾いてはいますが、何とかギリギリヘッドライトは出さずに済みそうです。
210211編笠山-086

という事でゴールです。行動開始から7時間と少々の、なかなか骨のある登山でありました。
210211編笠山-087

事前に番号を控えておいた小淵沢タクシーに電話をかけて帰りの配車を依頼しつつ、登山者用の駐車場がある場所まで歩いて下ります。
210211編笠山-088

16時45分 駐車場まで下って来ました。ここでタクシーが来るのを待ちます。
富士見高原の登山者用駐車場

駐車場からは、甲斐駒ヶ岳が真正面に見えました。富士見高原を名乗っている割には、富士山の姿は見当りません。場所によっては見えたりするのでしょうかね。
210211編笠山-090

依頼してから15分少々でタクシーが登って来ました。寄り道はせず、このまま駅へと向かってもらいます
210211編笠山-091

帰りはケチらず特急あずさに乗車し、無事帰宅の途に付きました。
小淵沢駅に入線する特急あずさ

凄い風だった。これが冬の編笠山を登り終えた後の率直な感想です。
たいへん眺めの良い山ではありましたが、風を遮るものが何もない吹き曝し山頂は、ひとたび天候が荒れれば極めて過酷な環境となります。冬の編笠山に登るためには、まず天候を味方につけることが最も重要です。もっともこれは、編笠山に限った話ではなく、雪山全般に言えることではありますが。
晴れて穏やかな天気の日であれば、編笠山に特に危険な要素はありません。比較的簡単に白く染まった八ヶ岳や南アルプスの山並みを広く見渡すことが出来るでしょう。少し骨のある初心者向けの雪山をお探しの人に、自信をもってオススメいたします。

<コースタイム>
富士見高原(9:05)-五又路(9:30)-臼久保岩小屋 (10:10)-編笠山(12:45~13:10)-青年小屋(13:40)-西岳(14:45~15:05)-不動清水(16:25)-富士見高原(16:45)

編笠山山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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